住み込みの女の観てきた!クチコミ一覧

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恋 其之壱

恋 其之壱

ユニットR

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/06/25 (木) ~ 2015/06/28 (日)公演終了

満足度★★

ネタばれなし
アヴァンギャルドと言われながら、意外に描いているの内容はシンプルそのものだ。
生前の岸田理生を見逃したのが、未だに悔やまれる。

『冒険王』『新・冒険王』

『冒険王』『新・冒険王』

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2015/06/12 (金) ~ 2015/06/29 (月)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

ソン・ギウンの【新・冒険王】を観劇。

今作は平田オリザの【冒険王】を同じく、イスタンブールでのバックパッカー達の宿泊所での話し。

【冒険王】と大きく違う箇所は、時代設定とバックパッカー達が、日本人、韓国人、アメリカ人など様々な人種が集まっている点だ。
今作でも特別な話しの展開はなく、韓国人が宿泊所内で、ワールドカップで盛り上がっている最中を背景に描いている。
【冒険王】の時は、日本人だけで集まった場合の個人の内面的思考、価値観などが描かれていたが、今作は様々な国の人達が混じり合いながら、自国、他国、他民族を通して思考していく様が描かれている。その中で国際化と叫ばれている日本人も最初は卑屈に物を見がちだが、やはり様々な価値観がある場所に置かれてみるとそれをすんなり受け入れる土壌を元々持っている国民だという事に気がついてくる。
そしてそんな国際交流の上手さが、これからの日本の行く末の希望とも感じられてくる。
因みの今作は、決して日本人視点で描かれているのではなく、各国の視点を通して描かれているのが、一番興味深い点である。

平田オリザの【冒険王】と同じく今作も非常に良作である。
だるい女

だるい女

劇団あおきりみかん

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/06/17 (水) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれなし
タイトルに騙された。
ただその一言に尽きる。

三人吉三

三人吉三

木ノ下歌舞伎

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/06/13 (土) ~ 2015/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

木ノ下歌舞伎の【三人吉三】を観劇。

河竹黙阿弥の9時間の作品を、内容を省く事無く、5時間にまとめた作品。

盗人で、お坊吉三、お嬢吉三、和尚吉三の3人を中心に、物語の一部を省略しながら描いていくのが一般的な歌舞伎の話の展開なのだが、今作は、原作に忠実に展開していく群像劇として描いている。
内容はあまりにも中味が濃すぎて一言では語れないのだが、金百両、宝刀・庚申丸を巡る人間社会にある因果応報の話。

その因果応報の始まりの元を正せば、それはその当時の社会の在り方であり、その人間が培ってきた道徳観、宗教観であり、と登場人物が生きる事への意味を試されているよう原作を、今作の演出家はまるで盗人のように、いとも簡単に原作の良い所を盗み出し、現代社会に置き換えて、我々に投げかけてくるのが見所である。
舞台で描かれる世界は、日本でありながら、何処かの国で起きている夢物語のように錯覚しがちだが、そんな夢を打ち壊すほどの要所、要所に挿入される現代の表現方法が、かなりの違和感を感じつつも、観客の胸に何かを突き刺してくるのである。
そしてそこに琴線を触れる事が出来れば、今作の良さを感じる事が出来、木ノ下歌舞伎が歌舞伎を行っている意味も理解が出来るのである。

前作の【黒塚】についで、今作も傑作である。
そして休憩ありの5時間の芝居観劇は、「現代人にはきついんじゃねぇ?」と質問はあるかもしれないが、「それは愚問である!」と言えるのは確かである。

お勧めである。



『冒険王』『新・冒険王』

『冒険王』『新・冒険王』

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2015/06/12 (金) ~ 2015/06/29 (月)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
平田オリザ中毒になりつつある

ネタバレBOX

平田オリザの【冒険王】を観劇。

日本人バックパッカー達(1980年)のイスタンブールでの宿泊所の話し。

そこでは長い間、旅をしている者やまだ始まって数カ月の旅行者達が安宿で情報交換をしている。
旅行者達は今までの出来事や他国の情勢などの情報を得て、次に行く予定の国などを検討している。
そしてその安宿で知り合った旅人達の出会いと別れを通して人生を語るなんて展開には全くならず、ただただ互いに旅の話だけで話は進んでいく。
そこで彼らは何故、旅をし続けるのか?何故、日本に戻らないのか?将来はどうするのか?などの疑問を観客が感じて始めると同時に旅人達も同じ様な疑問を感じ始めるのである。
決して言葉にもせず、話題にもせず、その事を旅人自身は既に分かっているようでもあるのだが、旅をするという行為の為によって、本来の持っていた目的を失いつつもあるという感じだ。
ただその事は舞台では一切表現されてなく、旅人が発している空気を観客は如何に感じ取るかによって、観客の琴線の触れ具合が大きく変わってくる描き方になっている。
観客は、観劇しながらこの旅人達とどのように自分自身と向き合う事が出来るかによって、この作品の良しあしが分かれてくるであろう。

平田オリザはどの作品を観ても素晴らしいが、今作はあの【東京ノート】と同等の傑作舞台である。

かなりのお勧めである。
ハンサムな大悟

ハンサムな大悟

ロロ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/06/04 (木) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★

不満
何時もながら感じるだが、この劇団には物語がありそうで全くない展開ばかりで飽きてします。一度きりの観劇ならまだしも、観続けいるファンにはやや辛いものがある。作り手は楽しそうだが、観ている側にはとっては物足りない。
やはり観客の創造性を抱かせてくれる他の劇団の芝居を観てしまうと、もういいかなぁ?なんて思ってしまうのが本音だ。

でも望月彩乃は何時観ても良い。

爛れ、至る。

爛れ、至る。

elePHANTMoon

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/21 (木) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★

俳優は大変だ
舞台で行われている行為は、目を覆いたくなるし、刺激的だし、痛いのだが、その中に想像出来る箇所がひとつもないと、時間と共に痛くも痒くもなくなってしまうという舞台であった。
観客は想像力を求めているのだよ。
あのリアル舞台と言われていたポツドールは、想像力の塊だから、リアルと言われていたのになぁ~。

仲直りするために果物を

仲直りするために果物を

城山羊の会

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/05/29 (金) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

城山羊の会の【仲直りするために果物を】観劇。

これでかれこれ8本連続の観劇であるのだが、今作に至っては「偉大なる空振りです~梅原猛」であった。
何故、偉大なのか?
それは今作が、岸田戯曲賞受賞直後の新作であったからである。
では、何故つまらなかった?を述べるより、城山羊の会の面白さを追求していくと、その理由が分かっていくような気がする。

城山羊の会の描かれる世界は、会話の節々から感じ取られる人間性とちょっとした言葉のづれによって生じていく人間関係の破綻を描いている。
特に言葉のづれが生じ始めた瞬間からの中身のない会話と展開は本当に面白い。
そしてそれからとんでもない方向に進み始めるのだが、その動き出したキャラクター達が知らない間に内に内に入っていき、何を考えいるのかは、キャラクターも観客の誰もが分からなくなるのだが、分からなくなればなるほど観客は、キャラクターの人間性を勝手に想起して、膨らましていき、山内ケンジの世界を肥大化していける楽しみがあるのだ、ここ最近では、キャラクターの行動が外へ、外へと向かっていき、キャラクターの行動原理が読めてしまう、すなわち観客は想像しなくても楽しめてしまう=想像力欠如=欲求不満=ツマラナイという方式になってしまうのである。

そのように思うのは、やはり毎作毎作観続けているからであり、年間2本も作りつづける作家の苦悩も分かるのだが、城山羊の会のファンは何故か?作家・山内ケンジに対しての要求が高いのである。

今作はお勧めでないが、初めての観る方には楽しめる作品になっている。
聖地 X

聖地 X

イキウメ

シアタートラム(東京都)

2015/05/10 (日) ~ 2015/05/31 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

イキウメの【聖地Ⅹ】を観劇。

ドッペルゲンガーの話しである。

夫・滋の風俗通いに嫌気がさした妻・要は、兄のいる田舎の実家に戻る。
しかし東京にいるはずの夫・滋を実家の側で目撃する。
そして滋と話しあいを試みるのだが、まるで別人のようになっていた。
それを兄に相談すると、それはもう一人の滋が存在している、所謂ドッペルゲンガーではないかと疑い始める。
そして調べていくうちに、同じ様な事が付近でも起こっている事が分かってきたのだが......。

ドッペルゲンガーとは?という疑問から、もう一人の自分が存在してしまう理由、そしてその街に古くから存在する信仰、伝説などを絡めて話しは展開していく。
事実から始まって、そして仮説を立てながらの物語の展開に、観客はまるで真実のように錯覚してしまい、寒気を覚え、騙されてしまい、舞台を食い入るように観てしまうのである。
以前に観た【関数ドミノ】と同じように作家の大きな嘘に騙されてしまうのだが、この騙され方は非常に心地よく、満足して劇場を後にするのである。

傑作であり、お勧め。
ばらの騎士

ばらの騎士

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2015/05/24 (日) ~ 2015/06/04 (木)公演終了

満足度★★★

ネタばれなし
兎に角、演奏に痺れました。

椿姫

椿姫

新国立劇場

新国立劇場 オペラ劇場(東京都)

2015/05/10 (日) ~ 2015/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★

ネタばれなし
今回程演出が際立ったオペラにはなかなか巡りあえない。
素晴らしい!

Color babar

Color babar

かえるP

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/15 (金) ~ 2015/05/18 (月)公演終了

満足度

ネタばれなし
さっぱり面白くない。

わが星

わが星

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれなし
ままごとの【わが星】を観劇。

演劇史に残る傑作で、今回も何度目かの再演である。
そして自身も今回で二回目の観劇である。

前回に観た時よりも躍動感が薄れていたのは気のせいか?
前回ほどの大きな衝撃は感じられないのは気のせいか?

まぁ兎にも角にも、涙が溢れ出てくるほどの懐かしい感じや、高揚感が失われてないのは、やはり傑作である事は間違いない。

お勧めである。

『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

『いないかもしれない 静ver.』『いないかもしれない 動ver.』

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/05/03 (日) ~ 2015/05/12 (火)公演終了

満足度★★★

静と動バージョン
静と動の両バージョンを観ても今作は、小瀧万梨子に尽きる。
過去にいじめられていた彼女の悲しみが手に取るように分かる。
ここ最近の彼女の芝居の進化には驚きだ!

もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

ネタばれ
この劇団の最高傑作だな。

ネタバレBOX

月刊・根本宗子の【もっと超越した所へ。】を観劇。

だめんずに引っ掛かった女性4人の物語。

劇場に入ると舞台のセットが4面になっていて、こりゃ、ポツドールの真似で、同時進行で舞台が展開していくのだな?という感じがした。
そして見事に4面の舞台上で、男女の恋愛模様が始まる。
そしてそこから描かれるのは、だめんずを徹底的に罵倒してく、女性の可笑しくて悲しい悲劇の物語なのだが、ここで描かれる視点は常に女性目線で、男性に歩みよるでもなく、男性観客は観ていて、非常に痛いのである。
しかしそんなだめんずを罵倒してばかりいる女性達も、またもや男を蹴散らしてしまい後悔をするのだが、「やっぱり男が欲しい~!」という思いから、とんでもない行動に出るのだが、ここからが舞台セットが4面になった狙いと、女性達のど根性の見せ場に、観客は拍手喝さい、大爆笑、大満足!で終演を迎えるのである。
ここ最近の観劇の中では、断然面白く、観客の満足感が手にとって分かるほどの良い出来であった。

今作はかなりお勧めである(但し女性客が圧倒的に多し)
幕が上がる

幕が上がる

パルコ・プロデュース

Zeppブルーシアター六本木(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/24 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

ももクロの舞台版【幕が上がる】を観劇。

映画版の続編であり、吉岡先生がいなくなった後の彼女たちの苦悩を描いている。

演出家の高橋(百田夏菜子)は、何時もイラついている。
吉岡先生のアドバイスがなく、自身で悩み、考えながら舞台を作っているのだが、どうも思うようにいかない。それは他の生徒も同じだ。
映画版で感じられた甘ったるい表現でなく、心の声をそのまま肌で感じ取れる、現代口語演出を上手く応用しているようだ。
そして原作のテーマである、自己探求とは?人は一人である?という考えを生徒が演劇を通して、自身で考え、成長していく物語になっている。勿論、成長していく過程を物語の盛り上がりにもっていくのではなく、観客が生徒の苦悩を感じ取る事が出来て始めて、物語と生徒の悩みと自分自身をリンクさせて、作品を堪能出来るという構成になっている。
そしてこれこそが平田オリザの現代口語演劇の真骨頂でもある。
それほどまでに舞台版は力作であり、良作でもある。

今作こそが原作の本流で、映画版は予告編という感じであった。
ゆうれいを踏んだ

ゆうれいを踏んだ

突劇金魚

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/25 (土) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★

ネタばれあり
演劇を観る楽しみは、芝居がどんなにつまらなくても、難解でも、帰りの道中で、観客自身がその作品のテーマなどを考える事が楽しみでもあるのだが、この劇団の演出家は、アフタートークでテーマや内容のネタばれをする愚かな行為をしてしまった。
どうにかならんのか?

「鍵穴さがし」

「鍵穴さがし」

BURST22

高島平ほっぢポッヂ(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

【鍵穴さがし】を観劇。

映像スタッフによる初演劇らしい?
タイトルから想像すると、鍵穴を探す行為と貴方の人生とは?を上手く掛け合わせた舞台だろう?という感じがした。

ほぼ予想通りの展開なのだが、今作は大いに無駄の多い内容の羅列であった。演劇は映画とは違って、無駄の時間と空間を如何に使うかが、後々の展開の伏線として利用出来るのだが、今作は無駄の時間というよりは、ただ話しを脱線させているだけで、全く意味を成してないという感じだ。
演劇特有の要所、要所で脱線するというのは良くある事だが、あまりにも内容に関係ないような脱線のしすぎでは、明らかに意味をなしてないと観客の誰もが気がついてしまい、居眠りしてしまう観客を生んでしまうのである。
あのつかこうへいの舞台は脱線オンパレードだが、全ては伏線として上手く利用しているし、長塚圭史の傑作舞台【荒野に立つ】などは、わざと内容とは関係ない事ばかり描いて、観客を混乱させるという事を意図して描いていたが、今作に関してはそれも当てはまらずという感じだ。
そして鍵穴を探してからのオチがなんとまぁ~?という展開だ。
二岡が鍵穴を見つけて、この仲間と一緒に脱出したい!という涙ながら感動的なセリフを言うのだが、どうみても物語上で、仲間たちとは全然仲良くなってはいないし、それはおかしいだろう?と誰もが思ってしまい、釈然としないところだ。やはり途中の経過はどうであれ、全ては最後にどうもっていくかが観客を納得させる術ではないかと思う。
ただ全体としての物語は悪くないので、ラストに向かっていかに演劇的ではなく、映像スタッフが作っているので、得意な映像的に物語を運ぶべきではないかと思える作品であった。

誰

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/16 (木) ~ 2015/04/22 (水)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
ネタばれ

ネタバレBOX

水素74%の【誰】を観劇。

大学のサークル「まなざしの会」では、他者同士が常に繋がっているという集まりで、ツィッター、フェイスブック、電話などで、常に仲間同士が連絡を取り合っている。
しかし各々が自分を認めて欲しいという思いばかりが強く、他者同士が繋がるという集まりも少しづつ、歪が生じてしまう。そして挙句の果てにそのサークルは.....。

今の世間で叫ばれている、若者のコミュニケーション不足の問題を切実に描いている。
でもそれより今作を観ながら考える事は、他者との交流とは何ぞや?という事が先ず最初に浮かんでくる。
そもそも自分とは誰なのか?何なのか?が最初に来て、それから他者との交流が始まるのだが、自分の事を碌に探求せずに、自分の思いだけを一方的にネットで発して、それを認めてもらえないと「自分は他者と交流出来てないかも?」と嘆いてしまう。そしてそれこそがネットの落とし穴に落ちるという図式かも?と今作を観ていると考えられる。
ただ果たしてそれが正しい見方かどうかは疑問だが、そんな様に考えさせてくれる良質な舞台でもあった。
そして今作では、ネットの落とし穴の先あるオチにはやや納得いかないのではあるのだが。
ふつうのひとびと

ふつうのひとびと

玉田企画

アトリエ春風舎(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/26 (日)公演終了

満足度★★★

ネタばれ
毎作、毎作面白のは確かだ。

ネタバレBOX

玉田企画の【ふつうのひとびと】を観劇。

平田オリザの口語演劇とポツドールのリアル感を上手い具合に融合して、物語を作る劇団。

碌に働きもしない20代後半の剛司は、兄のスナックで働いている咲子にべったりな生活をしている。
そんな剛司も以前には、曖昧な動機で、レストランを友人の岩崎君と東京で始めたのだが、失敗して借金をこさえてしまい、
岩崎君も失ってしまう。
そしてなんやかんやと咲子に言われながらも、過去の失敗すら全く振り返らず、怠惰な生活を送っているのである。

地方での貧困、都会への憧れなどを裏テーマとして描いている風にも取れるのだが、観客に見せられるのは、ただただやる気のない剛司の生活風景だ。
何でそんな覇気のない人間になってしまったのか?の疑問すら演出家は投げかける事もなく、剛司の堕落な日常を永遠と描いている。
そして観客は仕舞には剛司の生き方に嫌悪感すら感じなくなってしまうのである。
まさしくそれこそが、日常を生きている我々のふうつのひとびとの生活様式ではないだろうか?

決して傑作ではないけど、毎作、毎作面白い。

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