neria769の観てきた!クチコミ一覧

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1億円

1億円

THEATER the ROCKETS

劇場HOPE(東京都)

2011/06/02 (木) ~ 2011/06/05 (日)公演終了

満足度★★

なにか物足りない…
決して悪い舞台ではないのだが、何かもうひとつ足りない。

黒スーツの男と、白パンツの男の役の方々の演技が何と言うか凄くわざとらしい。折角ボーイさんや黒髪のお姉さんの役者さんたちが自然な演技でいい感じの雰囲気を作っていたのに、彼らのわざとらしい演技が悪目立ちしてしまったというか、見ていて疲れた。

そもそも誰かに感情移入しながら見る物語ではないのかもしれないが、それでも誰目線で話を追っていったらいいのか分からず、誰にも共感できず終わった…。

あと、席に用意してあったのがアンケートのみで、当公演のチラシも他劇団のチラシも全く無くてびっくりした。キャスト紹介しなくていいんだ…と。

神様の言うとおり

神様の言うとおり

NICE STALKER

池袋GEKIBA(東京都)

2011/05/27 (金) ~ 2011/05/31 (火)公演終了

満足度★★★

演劇…?
一言で言えば楽しかった。
だが、これを「演劇」として観ていいものかどうかはかなり悩むところ。
ゲームがゲーム機の画面の中ではなく、現実の人物によって演じられている、といった感じ。

特に投票の際にストレスを感じることはなかったし、物語が止まってしまって違和感を覚えることもなかったが、後から思い返すと話の辻褄が…。でもこのつくり方で話の辻褄合わせるのはそもそも可能なんだろうか。限りなく不可能に近い気がする。

結局GOOD ENDは出なかったのだろうか。(自分が観劇した回まではずっとBAD ENDで、あと2回を残すのみだった。)かなーりGOOD ENDを出すのは難しいのではなかろうか…笑いやネタの方向に票が動いてしまうことも多々あるだろうし。ちょっと劇団側が気の毒。GOOD END観たかったなあ。

この脚本・演出家さんとこの役者陣のガチの劇を観てみたい。ネタ的舞台ではなく。

ハコ舟センチメンタリズム

ハコ舟センチメンタリズム

ゲンパビ

新井薬師 SPECIAL COLORS(東京都)

2011/05/28 (土) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

透明な心の疼きを感じる舞台(追記しました)
苦しくなる作品。
登場人物の苦しさが直に伝わる作品。

後ほど追記します。
とりあえず気に入ったのでもう1回見てきます。

※追記※
2回目として、29日11時~の回、観てきました。
以下ネタバレ。

ネタバレBOX

役者陣の自然な演技が光った。
決して押し付けがましくなく、観客をすっと引きこむような雰囲気が非常に良かった。

親や友人を愛せず、その反動か弟に過剰な愛を注ぐ姉。
その愛情は明らかに姉弟間のものではなく、弟を一人の男として見ている。
危ない感情。
弟を待つ内田さんの虚ろな表情が、如何に弟を求めているか、その感情の深さを表していた。

親や友人を愛せず、過剰な愛を注いでくる姉から逃避し、
イ○○の方舟のような宗教団体に2年間身を寄せていた弟。
最後にはまた家出・逃避とはいえ、決して先は見えないがそれでも未来へ歩もうとする。今度は2人で。
横畑さんの表情や仕草の一つ一つが、彼の世界の軋みを伝えていた。

そっと姉を見守り、場所を提供し、さりげなく支える珈琲店店長。
他の方も指摘しているが、彼が一番難しい役どころだったのでは、と思う。
彼の抱える問題は物語の本筋からは見えず、いつもちょっとひょうきんに振る舞い、でも芯は太く優しく安定感がある。そんな彼とて何らかの問題は抱えているだろうが、それを感じさせない。
深沢さんの表情、間の取り方、あらゆる所作に安心感を持てた。
かなり難しい役どころを好演していたと思う。

虐待を加えていた父を殺してしまった弟の同級生。
他人、もしくは男性に異常なまでの恐怖を抱いていることが登場シーンで見て取れた。
水野さんが、彼女の内に巣食う恐怖や自己否定の感情を上手く滲み出させていた。

ラストで姉はまた弟に去られ、ひとりになってしまうが、
電話でメッセージを残せたことその行動そのもの、そしてメッセージの内容から彼女も弟離れをして絶望に満ちた世界を何とか生きていこうとしている、という希望を感じられた。

エンディングで流れるharuka nakamuraの"everyday"も、劇の内容や雰囲気に物凄く合っていて、涙がこぼれてきた。

今後の舞台にも期待が持てる内容だった。
 玻璃ノ翅音 (ハリノハオト)  公演終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

玻璃ノ翅音 (ハリノハオト)  公演終了いたしました。ご来場ありがとうございました。

三日月バビロン

ザムザ阿佐谷(東京都)

2011/05/27 (金) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度

自分には合わなかった
相性が合わなかったのだろう、
全然世界に入り込めず、感情移入も出来ず、何もかもがいちいち気になり、
終演後自分をリセットするまで不快な気分が残った。
演劇(だけではないが特に演劇や映画)はフライヤーだけでは分からないな、実際に見ないと、何も、
という事を実感できた。

上演前に転倒した観客がいたためか上演開始が10分から15分押し。
それならそれでせめて一言くらいアナウンスでも何でもいいから入れて欲しかった。え、いつ始まるの?と不安になった。

ネタバレBOX

主役姉妹がいくら異父姉妹といえど、いやいやいや、と全力でツッコミ入れたいほどに歳が離れていた。ちょっとあのキャスティングはどうなん?と思わざるを得ない。最初の夜汽車のシーンで姉を別の若い役者さんが演じていた(はず)なので、余計に気になって仕方がなかった。え、姉はあの人じゃないの?と。

主演妹役の台詞回し?喋り方?にどうしても最後まで違和感が残った。
一言で言えば単調。声量を出すのは大事だし基本だが、それに終始しているのではないか?と。小さいハコなんだから、あんなに声張らなくても十分後ろの席まで届くだろう。

主演姉役の衣装にも心の中でツッコミ。
スカートというか、ワンピースのすそが処理されてなくてえらく解けてて糸が垂れまくっていたのだが、あれは意図的?でも(旧)華族のお嬢様が着る服でそれはないんじゃないか?

追記(2011/05/29)
蔦子役の深澤さん、茜役の今さん、京湖役のゆきなさんは安心してみていられた。深澤さんは台詞を時々噛んだりもしていたけど、それよりもやはり安定感の方が上回った。この3人の自然な演技を見ると、どうしてもそれ以外の役者さんの不自然さが際立ってしまう…。

「幻想奇譚」、と銘打っているが、どうしても「幻想的」な雰囲気を出すのに台詞というか言葉に頼りすぎな気がした。しかも冗長、しかも長台詞の言い方が単調。正直もう少しコンパクトにできなかったのか?またはその長さを感じさせない演出は出来なかったのか、と思う。長台詞に対して、観客に「長いなあ…」と感じさせてしまってはもうそれを塗り替えることはかなり困難ではないかと。

そして結局何を伝えたい作品だったのかも自分の中ではっきりしなくてもやもやが残った。もしや最後の主演妹役の台詞?え、あんだけ長い尺で伝えたかったのってそれ?そんなに簡単ではない、と思いたい、でも…。もしくはただ幻想的な雰囲気を観客に味わって欲しかったのか。
紅き深爪【沢山のご来場誠にありがとうございました】

紅き深爪【沢山のご来場誠にありがとうございました】

風琴工房

ギャラリーLE DECO(東京都)

2011/05/24 (火) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

ただただ、苦しい(追記)
サバイバーではない私でも、終演後自分が何を考えているのか分からなくなるほど圧倒され、叩きのめされ、ただ、苦しい、としか言えなくなるほどの作品だった。
息が詰まり、まともに思考ができなくなり、脈が速くなり、混乱しているのか何なのか分からない状態になった。

なんだかとても他人事(というか作品の中のこと)とは思えなかった。正直自分が将来子供を持つことになっても絶対虐待しないと断言すらできないし断言したところでそれを守れるかどうかも分からないのも一因だろう。

もしかしたら、もしかしたら劇中の姉妹の母親も過去に虐待を受けていたのでは、なんて思うと、やりきれない。彼女がなぜ虐待したかなんて誰にもわからない。

一瞬たりとも目が離せず、緊迫した場面が後半はずっと続くと言っても過言ではないのに、観劇後に疲労感は覚えなかった。約1時間という尺がちょうどいいのだろう。むしろこの1時間にぎゅっと濃縮させて詰め込まず、2時間位の上演時間にすると、もしかしたら冗長さを感じていたかもしれない。

率直なところ、上演後1日弱が経つ今でも、苦しい。
それほどまでに、強烈で、生々しくて、感情の根幹をつかんでこれでもかと揺さぶる/ぶっ刺す作品だった。
でも、こんなに苦しいのに、もう1回観に行くつもりである。
あんなに重苦しいのに、あんなに呼吸を忘れるほどなのに。
不思議だ。

※追記※
29日16時(最後)の回も観てきた。
ちょっとは冷静に観ていられた。
以下ネタバレ。

ネタバレBOX

浅野さん・葛木さんの姉妹の迫力が光っている。
それを支える園田さん・佐野さん・横尾さんも安心してみていられるし、
大塚あかりちゃんの存在感も物凄い。

最初観たとき、良平が姉妹の母を殺したと気付かなかったのだが(私の理解力不足です)、そう思って2回目を観てみると、ああ、だからあの時あんな振る舞い方だったのか、とすごく腑に落ちた。2回目終演後少しだけ台本を拝見したのだが、「生命維持装置の電源が切られてる」というような横尾さんの台詞の辺りがカットされていた。いきなり「先生呼んできます……警察も」と入るので、なぜ犯罪確定なんだろう?と最初疑問に思ったのだけれど、なるほどそういうベースがあったのか。

役者陣の演技が物凄く自然で、演技ということを感じさせないほどだった。故に尚更登場人物の痛みや苦しみが肌に伝わり刺さったのだろう。

これが再演されないような世の中になればいいのにな、と少し思った。

ルデコの空間の狭さがこの劇に丁度よかった。
戦争にはいきたくない

戦争にはいきたくない

らくだ工務店

駅前劇場(東京都)

2011/05/20 (金) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

日常を丁寧に描いた作品
らくだ工務店さんの舞台を観るのは初めて。
非常に丁寧かつ緻密に作り込まれた、完成度の高い作品なのではと思う。

最初若干雰囲気に馴染めなかったが、恐らくあまりにも「普通の景色」がそこにあったから(かつ、チャキチャキの江戸っ子といった感じのキャストだったから)だと思う。「劇」を見る心構えで来てたのに、あまりにも「日常っぽ」くて拍子抜けというか驚いたというか。
台詞の応酬も非常にテンポが良かった。

「戦争」という言葉が公演名に入っているが、それはキャラクターたち個々人が抱える問題の一つでしかなく、よってそれだけが際立つことは決してなかったし、またそれがウェイトを占める話でもなかった。この、「戦争」が他の問題と同列、というところがかえって印象を強めるのではないかと思う。(もちろんそれは他の問題にも言える。)戦争を扱った作品は、いかにも非常時で、空間がチリチリしてて…というのが典型だと思うのだが、全く違うアプローチで非常によかった。

ただ、「今見ているシーン」が1日のうちどの時間帯なのか分からないことがちょくちょくあった。夕方なのか昼なのか朝方なのか。

ネタバレBOX

セットが小道具からなにからかなり作り込まれている。建具もしっかりしている(ように見えた)。間取りも若干複雑だと思うが、よく考えられているなあ、と思った。

レオさんは旧ユーゴあたりの出身なのかと最初思っていたが、「トダのおじさん」で謎が解けた。トドじゃなくて"Toda"(某言語で「ありがとう」の意)だったのか。

金子役の古川悦史さんが空手道師範の中達也先生に似ていて物凄く男前だった。ただ、最後に彼が相島(山地和弘)から受け取ったあのグロそうな物体が何だったのか未だにわからずにいる。ポポ(飼い犬)かと思ったのだが、その後生きてる描写もあるし。うーん、謎が残る。
夢のその先へ~とべとべ自転車~

夢のその先へ~とべとべ自転車~

劇団さかあがり

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2011/05/21 (土) ~ 2011/05/22 (日)公演終了

満足度★★

感情の持って行き方が分からない…
自分が舞台上の世界に入り込めてないせいもあるかも知れないが、どうしても感情移入出来ないまま舞台が終わってしまった。無論、素晴らしい、すごいなー、と思う点もいくつもあったが、何故か終演後取り残された感が拭いきれなかったのが残念。
セットもシンプルながら十分だったし(大道具小道具類も特に疑問を感じる点はなかった)、照明もよかったので、やはり台本と演技そのものということになる…のだろうか。

登場人物は決して「浅く」はないのだが、なんというか、「(予定調和である)台詞」を言っている/言わされている感じがしてしまい、そこが引っ掛かってしまったのかも知れない。予定調和の台詞を投げ合い(たまに会話のボールを暴投している感すらあった)、舞台の上だけで話が進んで終わってしまったなあ、といった印象。緊張のせいか大分台詞が走ってる役者さんもいたので、これからに期待してます、と言いたい。もちろん巧い役者さんもいたです、念の為。
小劇場での公演で、客席と舞台がかなり近かっただけに話に(自分が)うまく入り込めない・乗り切れないのがすごく残念だった。
でも、笑いのポイントでは恐らく脚本さん演出さんの狙い通りに笑わせていただいたので(盛大にひとりツッコミしたシーンも複数あり…笑)、全く入り込めてなかった訳ではない。

音響は…冒頭のガヤ(音声)にBGMか効果音が被ってしまって何を言ってるのかはっきりと聞き取れなかったのが残念。開演直前の男性2人組の歌がすごく良くて気になったのだが、なんというアーティストさんなんだろう。

※もし上記が全て自分に起因することでお門違いな指摘でしたら申し訳ありません。

ネタバレBOX

自転車は全てスタッフさんの自作だということだが、これがかなりレベルが高い!!!本当に。

笑いのポイントが結構シュールかもしれないな、と舞台を振り返ってみて思う。なんやねん、「恐怖の話(怪談?世界の不思議?)大全科」って!(笑)どこからあの本を入手したのか、そしてあれを田辺にプレゼントした珠樹は一体何を考えてるどんな娘やねん、と思わず心のなかで盛大にひとりツッコミしてしまった。
そしてまた珠樹の話で恐縮だが、「プレゼントした本、どうした?」と田辺に問いかけ、「…えーと……本…だから……読んで………」と答える田辺に、更に珠樹が「うん、それで?」と目をキラキラさせて畳み掛けるシーンがあった。一体彼女はどんな答えを想像していたんだ!!!(笑)本は読まれてこそだろう、もしや実験に利用して欲しかったのか、それとも枕にして欲しかったのか。
などなど、珠樹のシュールさが目立つな、と私は感じた。劇中で周り(特に田辺、後に志都美も)を変人と称するが、珠樹も実は結構そっちよりなのでは…と思う。

54号に乗ったときに見える「紫の草原」は何の暗喩なんだろうか。単純に、ラベンダー畑?それともやはり「この世界でない世界」の象徴?何故紫なのか…あの舞台上に映える色で尚且つミステリアスさも感じられるから?

結末にかけてだが、何故か「平行世界にワープ」という物語上での共通認識に入り込めなかった。「平行世界にワープ」それ自体が根本的に信じられないから入り込めなかったのではなく、何か舞台上で勝手に話が進んで置いてけぼりにされたなあ…感があった。珠樹そんなホイホイ信じていいの?とツッコみたくなった。上演時間が2時間という結構な尺があるのだから、もっと観客が「平行世界にワープ」することに現実味を持てるようなつくりだと良かったのではないかな、と浅薄ながら思う。
家族の証明∴ JAPANTOUR 2011(全日程終了!有難うございました!!)

家族の証明∴ JAPANTOUR 2011(全日程終了!有難うございました!!)

冨士山アネット

アトリエヘリコプター(東京都)

2011/05/11 (水) ~ 2011/05/15 (日)公演終了

満足度★★★

身体表現の可能性
下調べが足りず、「テアタータンツ」という独自ジャンルで舞台をやってるということを全く知らなかった。
ので、事前に渡されたアンケート欄に「今後どのような舞台を観たいですか?例)台詞がある作品(後略)」とあったのを見て、「あれ?」と思い、開演して3~5分過ぎた頃、やっとこれは身体表現をメインに据えた舞台なんだと思った。
普通の劇でもないし、かといって単なるダンスでもない、不思議な舞台だった。
こういう舞台は初めて観たので、かなりの衝撃だったとともに、身体表現の可能性の拡がりというか奥深さ、みたいなものも感じた。
ただ、個人的には若干終盤で「まだ終わらないのかな」と少しだけ思ってしまった。(自分が身体表現・ダンスに造詣が深い訳でも非常に興味が有るわけでもない故だったのかもしれない。)

セリフ付きの台本から動きを起こしたとアフタートークで聞き、元々の台本がどんなんだったのかとても気になってしまう私。
如何に普段「言葉」に依存しているかを思い知らされた。

君がために蝶は舞う

君がために蝶は舞う

劇団CHAN’T

pit北/区域(東京都)

2011/05/13 (金) ~ 2011/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★

解釈と結末
劇団CHAN'Tさんの舞台を観るのも、pit北/区域というハコに行ったのも初めて。
座席の配置が面白いハコで、さてこれをどう活かしてくるのかなと思ったけれど、
なかなか上手く行ってたのでは?と私が見た側からは思った。
ただし、私が着席したのはオススメされた側で、もう一方の側からはどう舞台が見えるのかは分からない。(そちら側の最前列に劇団員さんが1名座ってらしたが)。

結論から言えば、私はとある台詞が引き金になってラストは泣きっぱなし、アンケート書いてる間もぐすぐす、会場から出る時に役者さんスタッフさんが見送ってくださったが、その時もボロボロ泣いてかえってご心配を掛けてしまった…。
やっと一晩明けて頭が冷静になってきたので、レビューを書こうと思う。

評価は「4」とするが、もし端数があれば4.3~4.5をつけたい。
満点にしないのは、これからもっともっと素敵な劇になることへの期待を込めて。

ネタバレBOX

私が泣いたのは、終盤のとある台詞が、本当に「ジュリエットが魂から叫んでる」と感じられたから。
ありきたりの解釈で済ませないで、もっと私と彼の愛した人生を見つめて、
そうジュリエットが叫んでるように聞こえて、決壊。

「名前って何?人の体のどの部分でもない(後略)」はいい台詞だと思ったが、これは原典にあるのだろうか、それとも今回の創作なのだろうか。

オープニング、数組のペアの台詞がペアからペアへ移っていく構成はとても良いと思った。こういうテンポの出し方もあるんだな、と。
ただ、全体を通して、早口の台詞が若干聞き取りづらかった。台詞が走っていたというか、少々早すぎるきらいがあるというか。もしかしたら狭いハコだったので、声が反響し過ぎて聞き取りづらかったのかも知れない。

結局、主役の男性は、彼女とどうなったのだろうか?その辺はっきりしてなくてモヤモヤが残る。物語の本筋的には重要でないのかもしれないが。

劇中で劇作家と劇団員がしたロミジュリの解釈は上述のとある台詞の通りだと思うが、
今冷静な頭で考えると、結末はあれでええんかなー…と少しまたモヤモヤが残ったり。
「全てはあるがままに」だったら、結局何も変わってないのでは?
それとも、書く・演じる側の解釈が変わったからそれでいいということなのだろうか?

個人的には、ユリエが娼婦やってるバージョン、それから2人が出会わないバージョンが好きだった。あれをもっと突き詰めてどうなるかが見てみたいと思った。まあ、2人が出会わない方は、悲劇どころか劇自体にもならない可能性もあるが、お互いが幸せであるためならそれも一つの選択肢だろう、と。

劇中劇でユリエの母親役、地では演出?の女の方がとてもいい味を出してらした。関西人としては「どやさ」が一番好きだった。が、まだ追求の余地あり。あと、ユリエの母親として死ぬシーンの演出も、初めてあんな死ぬ演出の方法を観たので笑ってしまった。シリアスな役ではもちろん使えないだろうが、彼女だから出来たのだろう。

小道具は殆ど無かったが、各人が持っていた布の活かし方は上手いなーと純粋に思った。

大量の紙吹雪と蝶が最後に降ってきたが、蝶はいくつかしっかり頂いて帰りました。
ただ、紙吹雪自体、少し量が多すぎかな、もう少し減らしても大丈夫なんじゃないだろうかと。吹雪というか雪崩みたいだった。

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