満足度★★★
林檎
パワフルでした。
ネタバレBOX
言葉をガンガンぶつけてくる感じ。動きは面白いと率直に思った。ニブロール観てみたいと思った。
前向きさはよくわからんかった。80分位。
満足度★★★★
女優の魂
面白い。45分。
ネタバレBOX
小劇場とかで女優やってるコヤマ(佐々木幸子)が、若い女優に絞殺され、魂となりあの世で女優を継続する、その独白…。
落ち着いた表情で、妙な身振り手振りで、淡々と論を述べるコヤマ。論述の内容はそういうものなんだなーという感じであるけど、飄々とした演技に力強い説得力を感じる。
終盤のあの世での、元美大生(コヤマがヌードモデルやった)との会話が笑える。あの世でも女優を続けられると知ったコヤマが素直に喜ぶサマがかわいい。赤い衣装でヘンテコなポーズをとるコヤマがどんどんかわいく見える不思議。
ラスト、元美大生が日本以外の国籍でアーティストを続けたいと申し出るが、それはできないと言われ、ハロワ的なとこを案内される。女優を続けられるコヤマでなく、元美大生をラストシーンに置いた意図はなんだろうかしら。日本のアートへの意識が乏しいことを表現だろうかしら。コヤマの魂を色濃くみせるためだろうかしら。
満足度★★★
ドーピング
面白い。
ネタバレBOX
頭につけると記憶を変えてストレスを感じなくなる(やる気が満ちてくる)機器による治療を行っている診療所。
緒方(園田裕樹)…医師。娘を亡くしたショックから機器をつけている。自分の罪を人のせいにして生きてきたことを自覚する。
緒方の妻(立蔵葉子)…娘の件でずっとふさぎこんでいたが、小野田と話を繰り返して生きる力を取り戻す。
神原(星野恵亮)…患者。機器をつけてハイになるが、そのせいで事故り寝たきりに。
神原の妻(菊地奈緒)…夫の復活を喜ぶも、竹内に指摘され機器を外すが、結局機器に頼ることに。
上野(菊地未来)…患者。機器に頼りつつも、竹内の言葉を認め、職場のギスギスを改善しようとする。
小野田(松下仁)…患者。緒方の娘を救えなかった。機器を外し、緒方妻と対話することで回復を見せる。
竹内(ヒザイミズキ)…ライター。機器の効果(デメリット)に疑問を持つ。上野にじき機器は使えなくなると宣告する。
落語のマクラのような、世間話風の導入。林剛央のタバコ確認ボタン話で客をちょっとイラっとさせてから始まる。
日常的なイライラもそうだけど、大きな心的外傷(トラウマ)を負った際の立ち直り効果が抜群の機器で、ぜひ欲しいなと思う。反面、危機を認識する能力が低下するというマイナスもあり、記憶の書き換えという恐ろしいものもある。
院長みたいな向井(林)と竹内の対立のように、どっちが正しいのかっていいトコついてくる難題を、変にややこしくすることなく描いたとこが良かった。95分で短さも○。
近未来医療SFな題材で、「ストレス」にさらされ続ける現代人の心にヒットした。機器を生きるドーピングと表現したが、それが機器でなくて人であればベターなのかなと思った。
満足度★★★★
死別
面白い。
ネタバレBOX
吹原のおば・小岩崎が死に、その遺品整理にみつけた日記。夫・加藤に先立たれたが、霊が見える体質の小岩崎は、夫と二人で旅行したりしてた。年をとらない夫、触れもキスもできない夫に対してやりばのない感情を見せる小岩崎を思いやって、加藤は姿を消す。40年後、妻と住んでた部屋を訪ねる加藤の前におばあさんとなった小岩崎が現れる…。
ばかなキャラでしっかり笑わせ、しっとりとしたクライマックスを用意してくれる安定感が流石。45分位の時間の中で動きもメリハリもあって、わかりやすい構造で仕上げてくれるのがうれしい。
霊と一緒に生きていくって、シンプルでもあり複雑でもある二人の情感に、単純に泣ける。小岩崎が死んで、一緒になるであろう(であってほしい)二人を思ってまた泣ける。「触れられない」って大きな問題をクリアした愛の話だけど、小岩崎がここをどう踏み越えたのか気になる。吹原の語りで、ちょっと垣間見せて欲しかったかな(偏屈な人みたいなことは言ってたけど)。
吹原の三姉妹結婚ネタは大いに笑った。コメディシーンでありながら、小岩崎と加藤の結婚生活を肯定するように、二人が満足することが大切だと、舞台を柔らかく包むような仕掛けがいい。
オチ(フィアンセのおじいちゃんが霊になった)もシンプルながらも面白い。
満足度★★★
emiko
面白い。
ネタバレBOX
8年付き合ってる、30半ばのカップル、エミコ(コロ)とショウタ(久保真一郎)。バイトをやめて絵本作家になるとか、定職につかずダラっとした日々を送り、何がしたいのかもモヤモヤしている。エミコの描いた絵本キャラクターらがエミコの前に現れ、また、エミコの友人(川面千晶)のアシストもあって、二人の生活が変わっていく…。
キノコ紳士とかアワビマダム?とか、B級コメディな要素で下ネタをやりつつも、いい意味で落ち着いている。エミコとショウタの無気力な空気が上手く舞台に充満しているせいかな。
30過ぎても子供じみた考えの二人の、愛してるのに…って不器用さというか幼さというか純粋さというのか、同意できないけどわからんでもない思考にむずがゆさを覚えた。そんな微妙な空気感が上手かった。
ラスト(エミコがバイト雑誌をみて、ショウタがバイトと就職活動頑張るぞ)は、ちょっとキレイすぎる気もした。
エミコの思考の中のキャラと、実際のエミコのギャップがいい。そう考えると、エミコはかわいげのある女なんだなと思える。
満足度★★★
ウミ
蛸谷歩美は男の子に見えた。
ネタバレBOX
セリフが聞き取りにくい。セリフのトーンに変化が少ないためか、平坦に聞こえてしまう。シーンシーンのメリハリがユルい気がする。登場人物への移入ができなかった。ギャグ的にもシリアス的にも、エッジを利かせてほしかった。会話に締まりがないというか。
満足度★★★
一番後ろ
面白い。
ネタバレBOX
とある有名歌劇団のオディション控え室。
浅野千鶴…オーディション前に帰ろうとするネガティブな女の子。結局運もなかった。
有川マコト…焼芋屋。色々かえたくてオーディンを受ける。
森田ガンツ…殺し屋(サラリーマン)。歌劇団の演出家暗殺のためオーディションを受けるが、浅野のため暗殺を諦める。
本井博之…無職。就職活動としてオーディションを受ける。下ネタ好き。
野口雄介…広告の営業。歌劇団にきられたため、ネタ的意義と反逆精神でオーディションを受ける。
一色洋平…前向きで熱い受験者。皆にダンスを教える。
瀧川英次…歌劇団のスタッフ。話が長い。
長い待機時間での人生論な会話劇。動機は色々あれ、縁あって同室となった若人とオッサンらの考えと悩みが浮かび上がっては沈んでいく。華やかな歌劇団を目指し、滞留しているような人生を歩む人々の思いを静かにユーモラスに表現する。
時間押しまくって森田の順番になるも、森田は浅野に譲る。それでも帰ろうとする浅野に対して、歌劇団スタッフを続ける瀧川が話をする。なんとか決意しオーディションを受けようとするが、出が寝ていて、オーデョションを受けられずじまい。皆部屋を後にする…。
決して人生上り調子でないオッサンらだけど、決して悲観してない爽やかさが魅力。華やかな舞台のステージ裏にも立てない男らの、めげない思考にちょっとだけ前向きになれるようだった。
満足度★★★★
金魚
ライトに楽しめる。
ネタバレBOX
信秀(波多野和俊)…長男。弁当屋を継いだが、経営難。清朝がブラブラしてて結婚できない。
龍盛(イワゴウサトシ)…次男。結婚して、ハワイ勤務だったが、会社を辞めて浮気した。奥さんが怖くて家に逃げた。
清朝(苗村大祐)…三男。ニート。頭も良くて、弁当の味(父の味)にも敏感。実は養子。
瑠宇玖(井出昭仁)…四男。大学勝手にやめて、芸能界を目指す。
春日(あきやまかおる)…パート。数十年勤め、兄弟の母的存在。見た目は若い。
ねね(酒井香奈子)…清朝の彼女。頭悪い。清朝のわがままに愛想尽かすが。養子であることを知り元のサヤに戻った。
真田(武藤啓太)…八百屋。信秀の同級。信秀の見合いに注力する。
平(狩野)…弁当の全国販売を持ちかける。
白河(鵜殿麻由)…貧乏で母の看護をしている苦労人。信秀にバレエを披露し、キノコを贈る。
没落に向かう老舗弁当屋・みなもと家を舞台にした、問題かかえた四兄弟の話。
キーマンは三男。ダメダメな発言とオーラが上手い。現状に不満を抱えるも行動できずにストレスを貯める三男が、みなもと家起死回生の取っ掛かりをつかめるかって、前向きなとこで終演。
仲が極端にいいワケでも悪いワケでもなく、いい意味で一般的なのかなと。キャラ設定もぶっ飛んでるワケでなく、全般落ち着いていてこの点良かった。両親のいない家庭であるが、なんだかんだ兄弟の集まる暖かな家庭であることと、経営難とか浮気とかニートとか大学中退とかの諸問題とのバランスがいい。三男の養子ネタをクドく描かなかったのも良かったと思う。
女性キャストらも、いい演技だった。特にあきやまかおるの、おばさんチックなトーンとか物腰が上手いと思った。
満足度★★★
夏
ピンとこない。
ネタバレBOX
死にそうな人間を延命するかどうかを決定する組織の3人と、クローン姉妹とそれを匿う男の話。
設定から入り込めなかった。聞き漏らしたかもしれないけど、そもそも延命する必要性とか意義とかわからず、新人・佐藤がテキトーに決めるなと憤る感情に同感できなかった。
クローン姉妹の抹殺?を本部?から命令され困惑する3人の心情とか、責任者・田中の過去回想とか、どうも響いてこない。
クローン人間の存在可否とか、生き死にとか重めなテーマで、感情がぶつかるシーンもチラホラあったけど、ピンとこなかった。
序盤、入り口からの光が差し込んで暗転しきれてないのは、宜しくないかな。
満足度★★★★
浮気の心得
面白い。
ネタバレBOX
フランク×フィオナ、ボブ×テレサ、ウィリアム×メアリーの3夫婦の、勘違いと事実な浮気騒動。
交錯する考えを複雑にみせず、流れのいい舞台だった。ところどころのウィットに富んだセリフも○。BGMもかっこよかった。演技も皆上々。
終盤、フィオナの浮気が(ついに)バレた際の、バカなことをしてたってセリフがいい。
そして、テレサとフランクの対応がいい。オチまでにダラダラしないのもいい。
130分長く感じなかった。
満足度★★★★
はずれなし
笑える。面白い。福原充則作品がベスト。
ネタバレBOX
「AIR…」 佐々木充郭
リストラ部屋「エアー企画開発室」の話。airネタのオンパレードが面白い。裸の王様とロバの耳ネタもシャープに決まってた。
「だるまさん」 川尻恵太
だるまさんが転んだの童遊びは、だるまさんが転んだせいで子供が死んだことを戒めるため。友達100人できるかなの歌は、実は101人の友達がいたという。なんともブラックユーモアな作品。ばかさ加減もちょうどいい。王様ゲームの生みの親というオチがスマート。
「シマムラ 引越しセンター」 ブルー&スカイ
4人だけの引越し屋。竹井は若い女客の下着を家に持ち帰り、その都度、課長の峯村が返却しにいくという会社。竹井の真性クズな表現が上手い。事故った峯村にパンツを返却させに行くラストの、ばかばかしくって神々しい演出がウケる。
「IWGP」 佐々木充郭 ~太一人 番外編~
警察に職質喰らった40歳・無職・パラサイトな男の話。上手いし面白い。
「泣きながら15分で書きました」 前田司郎
涙が出ない男・野間口が医者に行くと、人間でなかったことが判明する(ケツに涙腺があって、カメムシ?を肛門で食し、目から精液を出す)。ヤブ医者の語源を探るべく竹薮へ行くと、光る竹があって、その中から青竹踏みが生まれ、野間口が親となる…。ばかばかしい面白さとセリフの妙が冴える。
「小川町二丁目1333番地物語」 福原充則
新聞勧誘の男・野間口と、その彼女で20年スナック勤務の女・峯村。野間口の貯めた汚れた結婚資金100万円を供託金にし、野間口を小平市長選に立候補させる峯村。野間口は市長にとどまらず、総理大臣に上り詰めるも、洗剤や巨人戦チケットを配ったスキャンダルで失脚してしまう…。
権力をすべて愛する妻(峯村)へ注ぎ込むという、壮大な愛の話。東京市部を使ったネタも抜群に面白い。照明効果もいい。気に入った。
「竜太」 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
竜太を誘拐した3人組と、竜太の母の話。クセのある会話から一転、母が実は脱走した竜太だったという話。ズッコケ三人組と母が織り成す、暖かな誘拐劇。
峯村リエが50近いことにビックリした。若い。
100分。
満足度★★
白い雨
舞台的には楽しめた。客だしの挨拶もしっかりしてた。
ネタバレBOX
電車遅延といえども開演30分押しは疲れた。難しい判断だけど。15分押しの段階で相当に人は入ってたし。
開演前に役者が、9:10頃終演になる、予定のある人は出てっても大丈夫、しょうがない、というようなことを言ってたけど、何がほんとにしょうがないのかとても疑問。
満足度★★★★
生傷
面白い。
ネタバレBOX
健児(古屋隆太)…異名「キチガイババ」。「家族」に固執し部外者を排除しようとする。攻撃的だがキズついてる人。
増美(川隅奈保子)…健児の妻。父からは疎まれてて、父と妹に捨てられたことを気にしている。結局健児の元に戻る。
奇子(富田真喜)…増美の妹。父にセクハラを受けてたけど、本人は愛情を受けてたと勘違い。そして美人と勘違い。守ってくれる人を求める。
何者(八木光太郎)…突然生まれた人。奇子を守ると約束するもハサミにビビッて逃げ出す。結局、奇子に捨てられてしまう。
春江(村井まどか)…増美の同級で大家。増美の自殺のことを引きずり、増美が気になってしょうがない。田中を負って生きることがイヤになる。
田中(折原アキラ)…春江の夫。足(と精神?)の病気(障害?)で入院してた。自分の境遇を不公平と嘆く。
村田(兵藤公美)…増美の同級。親しくもない増美に無心し、52,000円を掠め取る。
健児と増美の「家」に色んな人が出入りして織り成す会話劇。展開展開で関係性も変わっていく舞台がやはり面白い。
傷を負った人間が、それを刃に替えて他者に向けることで熱が生まれるといった作品。キチガイ扱いされた健児、ファザコンな奇子、弱者コンプレックスな春江、障害者の田中とか、外(客席)から眺めてるとその傷がはっきりと見えるのが舞台的だなと思う。現実で相対したらそんな傷なんて見えっこないんだけど、もし傷が見えたら、この作品の人物らのように(ちょっとだけ)かわいく見えるようになるかなと。
終盤、増美が「自分たちだけのルールで生きる」というような発言があったが、ちょっと気持ちわからんでもない。そうはしないようにするけど。110分。
満足度★★★
トウキョウ
もうちょい笑いがほしかった。
ネタバレBOX
石川県ハクイ町に、東京でライン工やってた男がやってくる。何もない町の若者らは、男を宇宙人探し(町おこし)に誘い込もうとする…。
何もないという「田舎者」と同じく何もないという「東京人」。哲学的ななにかが見えそうになったかと思えば、アホな展開へと繋がってって感じ。面白いと感じるとこも多々あったけど、話的な吸引力がもっとほしい。テーマとしては若者の幸せというような色合いだけど、ややぼんやりしすぎな気がした。
ライン工のくだりは笑えた。
満足度★★★★
闘争賛歌
面白い。
ネタバレBOX
経営難のオーディオ機器メーカー・ナギサが外資に買収され、運動部の社員らはリストラ部屋に異動となる。なんとかリストラを回避したい、かつハゲタカな新社長から会社を守りたい南は、エージェントの菊森らの協力を得つつ、戦いを始める…。
南(石田誠一)…元サッカー部。サッカーの才能があり、リーダーシップもある。菊森とは旧知の仲。オーディオ「湘南」の音を聴き、会社を守る決意を固める。
八角(蜂須賀孝蔵)…元卓球部。成績不良だけど、絵の才能あり。南が好き。
稲村(後藤幸子)…元バレー部。天才セッター。クールだけど、南への好意から皆を裏切ってしまう。
矢作(小澤貴)…元柔道部。腰痛持ち。妻と親権争い中。ギャンブル好き。
片瀬(坂田昇子)…元クライミング部。友達少ない。
菊森(宇田川直紀)…サッカーの交渉代理人。南の先輩。南の不調時に入団テスト受けさせたことを後悔している。
ママ(生見司織)…スナック「いきどまり」のママ。フリーの記者でもある。
安住(高瀬秀芳)…Pオーディオ事業部。南のファン。「湘南」の研究を続けるため、リストラを推し進めるが、「湘南」が社長の手に落ちそうになったため、南らと協力をする。
平(橘理絵)…安住の部下。リストラ室へスパイとして送り込まれた。耳がいい。
新社長(為平康規)…レッドストーン社から送り込まれた社長。落ち目のナギサを利用し、金を得ようとするハゲタカ。
藤本(みのみのり)…リストラのプロ。元企業買収のプロ。南らと協力し、新社長を倒して社長に就任する。
ところどころしっかり笑わせてくれるし、熱いシーンもあって、ワクワクできる作り。わかりやすいキャラ設定や関係性で気軽に楽しめる。やや強引に感じるとこもあったけど、テンポが良くて話に動きがあるので気にはならない。
テーマは「戦うこと」かな。舞台としては、レッドストーンからナギサを守り、今度は「湘南」を世界に向けて売っていくってとこで終わるが、まだまだ戦いは続くと。人生戦って生きていくことに価値があると。110分。
あと、蜂須賀孝蔵は笑いをとるセンスがいいと思う。
満足度★★★
一条さゆり
面白い。55分。
ネタバレBOX
荒れた家で育ったカズコの一生。ヤクザと結婚し、子と離れ離れになり、ストリッパーになり、再婚し、相手が自殺し、放火で全身火傷を負い、生活保護を受けてって人生。傍からみれば苦しいだけと思う人生だけど、それでも生きて愛情を失わない「一条さゆり」が眩しく映る。
つぶれたボールを鞠に見たてて、自己と会話するシーン良かった。「嘘を吐く」自分も受け入れ、他人の行いも包んでいくかのような振る舞いが興味を引き続けた。終盤の放火の張本人との会話とかもいい。
演出が変に凝りきった感にしてなくて良い。
演技は、もっと訴えてくる感がほしい。姉へ息子をお願いした際のダークな空気感は良かったけど。終盤の色々飲み込んで生きているという感じがビシビシ伝わってくるとなお良かった。
満足度★★★
サメハンター
チケットプレゼントにて鑑賞。面白い。
ネタバレBOX
7年前に杏奈(野口かおる)が鮫に食い殺されという馬鹿海岸に、また鮫が現れ、恋人の保(櫻井智也)が鮫ハンターとして帰ってきた…。
保…芙美子と付き合っているが結婚意思なしのヒモ。
洋子(朝比奈慧)…杏奈の姉。夫・健一に未練があって、海の家「カサブランカ」にて待ち続ける。
芙美子(高山奈央子)…ホテル経営者。保に尽くすあまり経営破たんさせてしまう。鮫への復讐が終わった後、保と結婚する気だった。
田山(諌山幸治)…役人。洋子に求婚する。
杏奈…鮫に殺されたのは狂言で、実は洋子の夫と駆け落ちしてた。
健一(清水宏)…洋子の夫。余命いくばくもないと分り、洋子の許しを得るため戻ってきた。
笑えるとこもけっこうあったし、サイドストーリーも充実してたけど、140分は長いと感じた。終盤、真相が明かされてからの保や杏奈、健一のドタバタは面白かったけど。
野口かおるのキテる演技は作品に程良くあってて好き。
満足度★★★
とある夫婦
面白い。
ネタバレBOX
三重に一緒に住む夫婦の話かと思いきや、動物園のライオン夫婦の話という体裁。
タケル(森田祐吏)…代々動物園の中で人気を集めた家系。サバンナがどこにあるか知らない。
百子(笠井里美)…サバンナ生まれの東京育ち。嫌々タケルと結婚となったため、タケルに厳しく当たり子作りもしようとしない。
葉山(斎藤陽介)…飼育員。実はシマウマ担当になりたい? 二匹が子を作らないためエサに媚薬?を入れた。
前半がやや吸引力に欠けたかな。百子が葉山を見る冷めた目つきは好きだけど。
タケルが百子に「好き」と伝えてからが面白い。両親の仲のことがあって「夫婦」に固執する百子の心がだんだんと開いていき、笑顔も見せる。SMAP「ライオンハート」も高らかに歌い上げたり、媚薬肉を貪り、二人眠っての翌朝の会話とか、笑えるとこも多い。半ラブコメというか。
そして、麩菓子の檻を食い破り脱走する二人。葉山は二人を逃がすため嘘をつき、園長に「たぶんハネムーンに行きました」と告げる。小粋な流れが小気味いい。
百子の夫婦観に共感できる。好きだけじゃ信用できない、嫌なとこを言ってという。タケルに「歪んでる」って言われてたけど。
満足度★★★
ウクレレ
面白い。
ネタバレBOX
さゆり(南美櫻)…「団体」が苦手。「自分大革命宣言」するも純子からダメ出しされ、考えを改める。大会でミスするも、ちょっと変化した自分の想いを胸に抱く。
中島(中島可那子)…キャプテン。昔は早口だったけど、人に好かれようと、今はゆっくりとして怒らないようになった。スマイルが素敵。
エレガンス(松浦智美)…エンレガンスな部員。大会前に怪我してしまい、さゆりが代わりに出場する。
美月(西島海未)…いじわるで面倒くさい部員。
加奈恵(榊菜津美)…前向きで気も利く部員。彼氏が浮気してたけど、サッパリしてた。
純子(捺些奈央)…さゆりの親友。さゆりの代わりに団体に出ることになるも、出来の悪い自分にイラつく。
コーチ(藤吉みわ)…格言。
おばちゃん(石倉由紀)…さゆりを色々とサポートしてくれる。
路上シンガー(やまはき玲)…大会でミスったさゆりは、その歌に足をとめる。
題材は好き。自分に自信がないため、人と距離を置きたがるさゆり。そしてそれを乗り越えようとするさゆり。ビシビシ共感できる。
ただ、さゆりの変化とか行動が若干ぎこちない気がする。さゆりにもっとスポットを当てた演出でも良かったかなと。ラストの路上シンガーのシーンは良かったけど(以前とちょっと変わった自分の肯定)。
エレガンスとか加奈恵のキャラはいい。分りやすくて笑える。キャプテン中島の笑顔がいい。路上シンガーが路上シンガーな雰囲気でよかった。いやらしく芝居の中に入ってこないというか。
PVは見ごたえあった。シンプルな作りと、南美櫻の涼しげな表情がとてもいい。
満足度★★★
「いちばんのおくりもの」
面白い。
ネタバレBOX
「素晴らしき哉、人生!」原作リーディング
佐藤みゆきver
50分
ジョージの自殺シーンから。小道具やら照明やら小粋な舞台作りが好印象。佐藤の演技を後押しする。MOGMOSのギター演奏もグッときた。後藤剛範とNIWAの助演もいい。二人のコミカルなシーンはもっとガッチリ(笑わせにきてくれる)のほうが好み。まあ、リーディングがメインだからいいのかもしれないが。