アンネの日記だけでは
劇団しようよ
KAIKA(京都府)
2013/08/09 (金) ~ 2013/08/12 (月)公演終了
満足度★★★
アンネの日記だけでは
作/演出担当の大原さんと音楽家の吉見さんの組み合わせが劇団しようよとして存在させている理由だと思っています。今回、吉見さんは待機と言うことで、生演奏なしで大原さんがどれだけやれるのかということだったと思いますが、やはり二人でしようよだということを再確認することになりました。
今回女優さんがたくさん搭乗したわけですが、気が多いのはだめですね、純愛を貫けとは言いませんが、ほどほどにしないと愛が薄くなってしまいます。これは作品にも言えることなのですが。次回に期待します。それにしても当日スタッフがやたら多かったです。9人?それよりも、座席の間隔をあけてください。隣の人の肘が腹部に絶えず接触していてなんとも。痩せろってことですね。
彼らの敵
ミナモザ
元・立誠小学校(京都府)
2013/08/10 (土) ~ 2013/08/11 (日)公演終了
満足度★★★★
彼らの敵
事件を取り上げたライター/編集者=この芝居の作者/演出者だと思う。ライター/編集者が安全なところから面白おかしく記事を作ることと同じように、作者/演出者が安全なところから芝居を作っている感じがした。たとえ実際に起きた事件であっても、再現されたものはすでにドキュメンタリーとしては存在しえず、フィクションとなってしまう。だからこの作品もフィクションだと思うのだけれど、物語を創造する覚悟があまり感じられなかった。イメージ的には、シイタケのような感じ。素晴らしい役者をそろえているのでそれなりには面白かったですが。
今回、小学校だったところの音楽室が会場だったのですが、美術が音楽室に完敗。パキスタンもインダス川も駅も出版社もみえませんでした。
前説で「携帯電話をお切りください」と言っていた張本人が、本番中に携帯電話を見ていたのには失笑しました。
『女優の魂』都市ツアー
チェルフィッチュ
epok(大阪府)
2013/08/03 (土) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★
『女優の魂』都市ツアー
短編小説をそのまま舞台化ということで、なにやら自己啓発系のプレゼンを観ているようでした。もう言葉と身体で事細かに完成された作品故、観客の入り込む隙間がない、窮屈で遠い作品だと思いました。そう、それで。だから?といった後味です。そしてお尻が痛かった。
拡張演劇
TACT/FEST
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2013/08/02 (金) ~ 2013/08/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
【おすすめ】拡張演劇
20~30人の観客の手の届く空間で観ることのできる贅沢。そして子供たちの突っ込み。演劇が拡張される瞬間を見ました。両プログラムとも良作揃い。かなりのお勧めです。
※子供向けだから、だと思って避けた方、残念でした。子供だましなんて言葉なんて実際には存在しえません。大人と呼ばれる人たちより、子供さんの方が目の肥えたお客さんでした。だから参加団体さん、本気。その団体さんの最高傑作と呼べる作品もありました。
Still on a roll
FUKAIPRODUCE羽衣
OVAL THEATER & GALLERY (旧・ロクソドンタブラック)(大阪府)
2013/07/27 (土) ~ 2013/07/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
Still on a roll【ロクソドンタで観るならおすすめ】
前回の『サロメ~』が苦手で、それはどうやら東京芸術劇場の客席と舞台の分離した、手が届きそうでなくて本当に届かない空間が作品に決定的な退屈さを与えていました。それがロクソの狭い狭い、客席も舞台も同じレベルのいい意味で一体化した空間で、歌って踊ってなんてされたら面白くないはずがありません。サロメの時、繰り返しが何とも苦痛だったのが、今回は繰り返される毎に快感になってしまう、盆踊り状態に。とてもよかったです。これをロクソで観れたのは、本当に儲けものだったと思います。おすすめです。
前向き!タイモン
ミクニヤナイハラプロジェクト
AI・HALL(兵庫県)
2013/07/19 (金) ~ 2013/07/21 (日)公演終了
満足度★★★
前向き!タイモン
初めてミクニヤナイハラを観たのが『静かな一日』で、高速セリフ回しに躍動する身体が形作るとても静かな一日に震えました。たぶんその後に本作『前向きタイモン』を観たからでしょうか、身体ではなく、一定のリズムで流し込まれる台詞だけによって動かされる芝居に、早い時点で飽きてしまいました。ダイナミックさが欠けていたようです。
富豪タイフーン
突劇金魚
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/09 (火)公演終了
満足度★★★★★
【おすすめ】富豪タイフーン
去年あたりから突劇金魚の作風が変わってきました。今回は、プラスして、それまでのエッセンスが混ざった、すっきりと観やすくかつむき出しの鈍器のような素晴らしい作品でした。突劇金魚は絶好調です。
真、夏の夜の夢
てんこもり堂
アトリエ劇研(京都府)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
真、夏の夜の夢
シェイクスピアを知らなくても、老若男女楽しめると思います。そう、大衆演劇的な印象を受けました。あるキャラクターの配役が絶妙です。何でもありの夢の世界をどうぞ。
ライナスの毛布のように
悪い芝居
人間座スタジオ(京都府)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
ライナスの毛布のように
このメンバーを、予約なら800円、当日でも1000円で観れるのはお得です。いつもの悪い芝居と違った方向性ですが、だからこその彼らの違った面を楽しめました。どなたにも優しい作品です。
3人の「さよならの絲(いと)」
ソノノチ
KAIKA(京都府)
2013/06/21 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
3人の「さよならの絲(いと)」
作・演の方がとても真面目な方なんだろうということと、こういう未来を描いているのだろうということは作品でよくわかります。だからすべてお話しなければならなくなってしまっているのだと思います。深読みしようとしてしまうけれど、観た、聞こえたその通りの作品なのだと思います。
作品の終盤、ああもう終わった、と思ったら、芝居はまだ続いていて、でもそれって続ける必要があったのだろうかと疑問になりました。すなわち、観ているものが物語を作る余地を排除してしまったのではないでしょうか。ちょっとおなか一杯になってしまいました。
そこにいる理由
演劇企画うかれやまい
藝術工場◉カナリヤ条約(大阪府)
2013/06/29 (土) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
そこにいる理由
短編オムニバス。序幕と切幕が秀逸。独特な時間の流れとそこにある空白が素晴らしい。派手さのない日常ですが、「ない」ということは無ではなく存在なのだと体感できる良作だと思います。あの空気感は気持ちがいいです。
バイト
カスガイ
in→dependent theatre 2nd(大阪府)
2013/06/28 (金) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★★
バイト
個々の役者さんたちの力、そしてチームワークが生み出す力で、飽きずに観ることができましたが、戯曲としては、なぜそうなるのかが想像できず、薄く、切実さのないものでした。言葉一言で定義づけするだけでは、その背景を切実に体感することはできない。特にいちいちきめていく芝居(身振りも含めて)にはちょっとのれなかったし、あれのおかげで、その後の興をだいぶそがれた気がします。
夕暮れ社、海のリハーサル
夕暮れ社 弱男ユニット
元・立誠小学校(京都府)
2013/06/21 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
海のリハーサル
聞こえるところからきちんと聞こえることは非常に大事だと思います。だから弱男の音響は好きです。いつもいい音をありがとうございます。短編集と言うことで、いつもより軽い作品群でした。
Bungakuコンプレックス
愛知京都演劇プロジェクト
京都芸術センター(京都府)
2013/06/21 (金) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★
Bungakuコンプレックス『地獄変』
Bungakuコンプレックス。Bungakuなんでローマ字なんだ、恥ずかしい。と思っていたのですが、その通りの地獄変で困ってしまいました。大音量なのになぜか軽い音とリズムにのれないラップ。そしてよくわからないダンス。序盤にそんなのがだらだらと重ねられていくのだけれど、丁寧に描いてほしい地獄が変になるところあたりになるとなぜかあっさりと。初めは一生懸命にやるけれど次第に飽きてきて適当になる課題レポートのよう。申し訳ないけれど、全くのれませんでした。
少年王マヨワ
ニットキャップシアター
AI・HALL(兵庫県)
2013/06/14 (金) ~ 2013/06/16 (日)公演終了
gate#10
KAIKA
KAIKA(京都府)
2013/06/08 (土) ~ 2013/06/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
gate#10
試演会ですが、試しに演劇を観てみる会なのだと思います。ですから、観たことがない劇団を少しずつ楽しむ企画としては成功したと言えるのではないでしょうか。今までと違って、カイカフループの作品がなくなった分、居心地が格段に良くなりました。
今回の三団体の中では、彗星マジックが強く印象に残りました。今まで何度か拝見していますが、素舞台と役者4人で殺風景なカイカを彗星マジックの世界に変えてしまったのには驚きました。人があって世界が作られるのだなと。素晴らしかったです。
※椅子が小さいので、座席の間隔を広げてください。普通にしていても隣の肩の肘がおなかにあたってくすぐったいです。
ココロに花を
ピンク地底人
王子小劇場(東京都)
2013/05/31 (金) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
ココロに花を
最初の暗転後、本当につまらなくて困ったな、『ある光』以降の悪いパターンだな、と思っていましたが、つまり、同性で同じような声質で同じような芝居で会話をされても、何も引っかからないというか、薄いというか、そんな感じだったのです。しかし終わってみると、なぜか涙を流していました。物語に触れられたのではない、何かわからない。とある女優さんを観ていたら、自然と泣けてきました。何かわからないけれどよかった。ただただよかった。ファンだからではありませんが、おすすめします。
蒲田行進曲
インソムニア
Geki地下Liberty(東京都)
2013/05/29 (水) ~ 2013/06/02 (日)公演終了
満足度★★★★
蒲田行進曲
一言で感想を言えば、蒲田行進曲でした。
確かに面白いし、役者さん丁寧だし、階段落ちは見事でしたが、驚かせて欲しかった。
蒲田行進曲ではない蒲田行進曲を期待していました。
(そういうことを期待してはいけない戯曲だとは承知していますが、でも)
音割れと照明が気になりました。その辺をもう少し丁寧に。
かもめ
地点
カフェ・モンタージュ(京都府)
2013/05/05 (日) ~ 2013/05/11 (土)公演終了
満足度★★★★★
【おすすめ】かもめ
キャストによるお茶のサービスや解説など、客入れからして面白い。派手な演出などはありませんが、素朴な淡色のライトによる照明の効果も相まって、美しい能のようなミュージカルでした。素晴らしい作品です。おすすめ。
熱血刑事ストーリー フォー・ザ・サン
ボンク☆ランド
人間座スタジオ(京都府)
2013/05/09 (木) ~ 2013/05/12 (日)公演終了