ホタテの観てきた!クチコミ一覧

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王女メデイア

王女メデイア

O land Theater

アトリエ劇研(京都府)

2012/04/20 (金) ~ 2012/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★

棒の刺さった白い箱
古典なので文語調の台詞が続くのですが、時々迷いこむ口語がツボに入ってしまい、シリアスなのに笑いを抑えるのが大変でした。すみません。小道具ももっと頑張って欲しい。棒の刺さった白い箱は赤ん坊に見えない。周りを囲む女たちの出来が良かっただけに残念。時間が足りなかった印象でした。

君がいなくても

君がいなくても

ピンク地底人

アトリエ劇研(京都府)

2012/04/23 (月) ~ 2012/04/24 (火)公演終了

満足度★★★★★

まさかの会話劇
会話劇をするとは噂に聞いていたけれど、まさかあそこまで会話劇をするとは思いませんでした。地底人の作品を分からないといって無視する人たちをあざ笑うかのように。いつもはセンスの良い選曲が流れる客入れも、機械音のSE。おそらくいつもの地底人を想像していた人は戸惑ったはず。小生も正直困りました。会話の妙で笑わせつつ進んでいくのですが、ちょっと物足りませんでした。だいたい先が読めるから。しかし、読めた上でのラスト、風船の破裂からの展開。震えました。そしてこれまでの淡々と進んできたことが、後からしみじみと体に戻ってくる感覚でした。今回特に、クリスティーナ竹子さんが素晴らしかった。輝いていました。

ブサイクハニーベイベー

ブサイクハニーベイベー

ドキドキぼーいず

元・立誠小学校(京都府)

2012/03/15 (木) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★★

ジャンプにゃん
以前どきどきボーイズを観たとき、帰り道、首を何度も傾げながら自転車を漕ぎました。その時は何をやりたいのか、伝わって来ませんでした。今回は2度目。ストーリーは正直苦手な部類なのです。また途中ぶつ切りの挿話が連続して飽きました。そして何かわからないのですが、観客と舞台の間に何か決定的な壁を感じました。でも、終盤のアンニュイな感じを含みながらも一気に流れてくるグルーヴ感は素晴らしかったし、それだけで価値があると思います。少し間があいて彼らの本拠地、京都造形大で公演します。きっと何かをつかんで修正してきているはずです。ぜひ観て頂ければと、おすすめいたします。

ネタバレBOX

上蔀優樹さんの大ジャンプが素晴らしい。
「4 1/2」 「キッチンドライブ」

「4 1/2」 「キッチンドライブ」

劇団子供鉅人

ポコペン(大阪府)

2012/03/25 (日) ~ 2012/04/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

キッチンドライブ
派手なイメージが先行しますが、この作品を観ればいかに実力派なのかわかります。何気ないほのかな狂気とダムの放流のような激しい狂気。相反する狂気が作品には共存しています。それを支えるのは、役者たちのリミッターのない芝居。余力を残すなんて計算はありません。魂をすべて注ぎ込んでいます。素晴らしい作品です。観れる方は是非ご覧いただければと、おすすめいたします。

ネタバレBOX

男女が食事をしているのを見るのは、なんだか見てはいけないエロチックなものを見ているのを同じだと思います。それがバラバラに食事しているのを見るのは、別の意味で目を覆いたくなります。悲劇です。
LEM-on/RE:mum-ON!!

LEM-on/RE:mum-ON!!

マームとジプシー

元・立誠小学校(京都府)

2012/03/29 (木) ~ 2012/03/31 (土)公演終了

満足度★★★★★

反復と差異
記憶は反復されます。不思議なことに他人によっても反復されます。ただ、反復するたびに色も形も思いも変わっていきます。そんな反復を支えたのは役者たちの捨て身の反復。本作を二回観ました。反復です。観える景色も変わりましたが、何より私自身が変わりました。別の色に染まっていきました。すごい作品です。お薦めです。反復の中を浮遊してみてはいかがでしょうか。 

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】

DULL-COLORED POP

アトリエ劇研(京都府)

2012/03/27 (火) ~ 2012/03/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

アトリエ劇研
噂に聞いていたよりも、はるかに正攻法でどこかで聞いたことがあるようなストーリー。ですが、語られない言葉、沈黙を一言もらさず聞こうとしていたから、そしてここぞというときの言葉に不意を突かれたから、いつの間にか作品の中に私は居てました。アトリエ劇研の広さは、私が作品の中にいることを許してくれました。特に大きく動く、という作品でないのに、不思議です。素晴らしい作品でした。おすすめいたします、が、劇研ではもう観れません。ここで観れたことを胸を張って自慢します。

「4 1/2」 「キッチンドライブ」

「4 1/2」 「キッチンドライブ」

劇団子供鉅人

ポコペン(大阪府)

2012/03/25 (日) ~ 2012/04/16 (月)公演終了

満足度★★★★★

4 1/2
派手でにぎやかな側面に注目が集まりますが、このような小さなサイズの作品にこそ、子供鋸人のよさが凝縮されるのだと思います。四畳半の町屋に4人の男女。アットホームかつどこか歯車のずれた空間が、じんわりと広がっていきます。ラストの余韻は子供鋸人ならでは。素晴らしい作品です。おすすめです。作品は約90分。ワンドリンク付きなので、時間にゆとりを持って。かなり寒くなるので暖かい恰好を。ひざ掛けが用意されています。かけ放題。

gate#6

gate#6

KAIKA

KAIKA(京都府)

2012/03/24 (土) ~ 2012/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

イントロ
のけされ劇場、劇団しようよも面白いのですが、北海道からお越しのイントロ必見。ミニマムで単純な話なのに、位置と距離で世界を広げる。そのねらいは分からないけど。上演時間合計約二時間。予定のない方、おすすめです。   

水分 -みくまり-

水分 -みくまり-

主水書房プロデュース

主水書房(大阪府)

2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

動かないのに動く、一人なのに一人ではない
Godley and Cremeの "Cry"のPVをご存知でしょうか。ご存じでない方はこちらをご覧ください( http://www.youtube.com/watch?v=KxtPRF6NG7I )簡単に説明すると、こんな芝居が、目の前で繰り広げられました。上半身しか動かないのに、キンとはりつめた空間が風に乗って動きます。約90分の一人じゃないけど一人芝居。これは激しくおすすめです。東京でも再演されるとの噂です。

迷宮学園クロスラビリンス

迷宮学園クロスラビリンス

みやちゆうきのハレ学

京都大学西部講堂(京都府)

2012/03/17 (土) ~ 2012/03/20 (火)公演終了

満足度★★★★

悪ふざけ
とてもとてもわかりやすい作品ですが、悪ふざけが面白く、とても楽しかったです。基本、会話劇です。どんと舞台上に役者さんたちが並んで会話をするわけですが、台詞を話していないときの役者さんたちが退屈。中途半端にうなずくだけなのであれば、大げさに止まるか動くか、はっきりしてほしい。舞台上で舞台上に向かって放たれた会話を観客席で聞くのはつらい。もっと観客を巻き込む工夫を。悪ふざけをするなら、徹底してやって欲しかった。激しくスペクタクルなものを期待していたので、この点が不満です。でも面白かったです。

ものがたりの書き物

ものがたりの書き物

劇団ソノノチ

アトリエ劇研(京都府)

2012/03/16 (金) ~ 2012/03/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

走馬灯
暗転をほとんど使用せず、スイッチもなく転換していきます。ぼんやりと移ろっていく、まるでお盆の走馬灯のようです。言葉の距離がじんわりと暖かな空間を広げていきます。役者、音楽、照明、美術、作演、スタッフ、観客。それぞれが信頼しているから、素敵な空間が産出されたのでしょう。素晴らしかったです。観たことが自慢できる作品。

牡丹灯籠

牡丹灯籠

sunday

吹田市文化会館 メイシアター・小ホール(大阪府)

2012/03/08 (木) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

信頼
この素晴らしい作品の要は、脚本演出ウォーリー木下氏が役者、美術、音響、スタッフ、そして観客を信頼していることだと思う。スイッチプレイが多用されていますが、何も説明されなくても、見ている観客はごく自然と鮮烈に受け入れることができたと思います。演じる役者たちも戸惑うことなく、信頼に答えて竹藪のなかを楽しそうに徘徊していました。スタイリッシュなシステムばかりに目が行きがちですが、竹のごとく信頼の根が四方に張り巡らされていました。素晴らしい作品でした。特選。

地中

地中

<神戸の視点>実践!演劇プロデューサーへの道2011

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2012/03/09 (金) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラマーズ法式芝居
地中と母体内、土と本と過去、過去と未来。呼吸の度に象徴が変容し続けるラマーズ法的芝居。ハイブリッドな作品です。対置された象徴の隙間を観客の想像が埋めていく。刺激的で面白い参加型。作品に参加できるって観客にとって幸せなことです。とても良かったです。

協走組曲序章

協走組曲序章

ステージタイガー

日本写真映像専門学校・実習棟1階ホール(大阪府)

2012/03/10 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

客演なし、すべて劇団員の芝居
小生が観たステージタイガーの作品の中では、作品の形としては一番好きです。素舞台、役者が舞台美術。肉体と熱量の武器があるのに、なぜ言葉が多くなるのか、説明が多くなるのか、そして必然性のないことで笑いを取ろうとするのか、いつも不満です。今回はその要素がかなり減り、個人的には作品に集中することができました。しかし言葉での説明が多いですよね。丁寧に説明されるのはよいのですが、観客をもっと信頼していただいて、想像する余地を残してほしい。言葉がなくても、肉体が語っているではないですか。肉体と汗で伝わらないことはないと思います。劇団員を育てることをやめ、客演に頼って自らの負担を減らす(ノルマで収入は増える)劇団があるなかで、団員個々の成長、結果として劇団全体の成長を考えられていることに盛大な拍手を送ります。観客がこの点を気にもしていないことが残念。

友情のようなもの

友情のようなもの

夕暮れ社 弱男ユニット

元・立誠小学校(京都府)

2012/03/07 (水) ~ 2012/03/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

プレビュー公演を観ました
プレビューを観ました。すごく刺激的で湧き出るものを魂で感じることができるのですが、いささか引っ張る傾向があり、ちょっと退屈になります。ですが、壱日の休演と稽古を挟み、本番ではブラッシュアップされたものとなるはずです。御厨小川コンビの馬力は素晴らしい。これだけでも見る価値はあります。芝居はおすすめです。残念なのは観客席がまったく快適ではないこと。普通の姿勢では座れない席がありました。足はつるし、首は痛いし、腰はバキバキになるし、芝居を引っ張っています。早急に改善が必要。評価は芝居のみ、今回は運営面は目をつぶります。

A級MissingLink第19回公演 『悲惨な戦争』

A級MissingLink第19回公演 『悲惨な戦争』

A級MissingLink

AI・HALL(兵庫県)

2012/03/02 (金) ~ 2012/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

ネタバレを探さないで観てください
いつものA級MissingLinkとは違います。ホールに入ったときから違います。舞台美術や稽古風景をネット上にさらしている人がいますが、あんなの見ないでください。楽しみが奪われてしまいます。興ざめです。いつものA級さんだと思って観てください。きっと驚かされます。驚きこそが、演劇の醍醐味だと私は思います。

甘えの構造

甘えの構造

神戸アートビレッジセンター

神戸アートビレッジセンター(兵庫県)

2012/02/26 (日) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

濃厚な作品でした
マイムを中心としたパフォーマンス。次から次に情景が変化しますが、自然とルールがわかり、一つの作品とつながっていきます。バラバラに流れるものの隙間を埋めていくような体験です。わずか5日間のワークショップの成果とは思えない、濃厚な作品でした。

サカナノクチ

サカナノクチ

ベビー・ピー

アトリエ劇研(京都府)

2012/02/24 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

邪ゆえ誤読してしまいました
幕が上がると、男が笛、女がハーモニカを吹きながら絡み合っています。邪な小生は、これを性交渉だと誤読してしまいました。どうしてもそちらの方向に考えようとしてしまい、作品がわからなくなってしまいました。しかし、それでも面白かったです。豊潤な作品でした。

バックギャモン・プレイヤード

バックギャモン・プレイヤード

カムヰヤッセン

京都芸術センター(京都府)

2012/02/24 (金) ~ 2012/02/26 (日)公演終了

満足度★★★

楽園を追われてしまった者たち
そそのかされて知恵の実を食べてしまった者たちの話。そそのかされてさらにルーレットで決めてしまうたちの悪さ。知恵の実は出てきません。神は出てきませんが、いる気配はずっとしています。
素晴らしい俳優さんたちが多く出演されていて、たとえば埜本さん今城さんには激しく揺さぶられました。ですが、期待しすぎたのかもしれませんが、私はのれませんでした。
理由①家族が数組出てきます。細かく設定を個々に説明されるのですが、設定が枝分かれしすぎて、他の家族と交わったり、なにか大きな展開が起きたときに、安易で軽く見えてしまいました。とくに燃えたときの村人たちの反応には萎えました。②前述の理由により、展開が読めてしまう。③数人のキャラクター設定が唐突。特に五所川原さんがつらい。④ラストが蛇足。話が終わって余韻が漂うなかに、そのぼんやりとしたものを再度実演。分かり切っているのだから、想像させて欲しかった。
以上の理由により、私の趣向とは合いませんでした。ごめんなさい。

交換ノート企画 宴

交換ノート企画 宴

交換ノート企画 宴

KAIKA(京都府)

2012/02/13 (月) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

舞台に緊迫感を
脚本を書き演出をされる方三人がそれぞれの脚本を交換。自分の劇団を使わずにオーディションで役者をそろえた三作品の上演。作家、演出家、役者、スタッフ、観客。それぞれが自分をもって戦う、五つ巴の緊迫した企画でした。時にはこのような張りつめた関係の中に身を投じるのも楽しいものです。素晴らしい作品たち、関係者皆さんに拍手を。

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