遊民の観てきた!クチコミ一覧

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「月暈とメスシリンダ」(公演終了 ご来場ありがとうございました)

「月暈とメスシリンダ」(公演終了 ご来場ありがとうございました)

Sky Theater PROJECT

小劇場B1(東京都)

2015/07/07 (火) ~ 2015/07/14 (火)公演終了

満足度★★★

明瞭と不明瞭
人生はそんなことの連続かもしれない。登場人物それぞれの思いはわかりやすく描かれているが、何分場面転換の速さが全体的に淡白な印象を作品に与えている。その中でも久保田深雪がツグオの母弘子の口を通して思いを伝えるシーンはジーンと沁みた。

リ:ライト

リ:ライト

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/06 (月)公演終了

満足度★★★

油断大敵!
前半の展開が淡々としていて冗長感があり、そこで集中力をなくしてしまったようです。後半は、「まさか、そうくるか!」と思っているうちにあれよあれよのスピードで進み…。油断してました。まさしくこれが「化学反応」だったのですね。また、物語は確かにハートフルなんだけど、作中にその要素がいくつもちりばめられているせいかハートフル感が薄まってしまったというのが正直な印象。(まあこれは好みの問題です。ラストはちょっと切なくて好きです。)印象的なのは役者さんの演技。軽いタッチの作品というのは役者にとって一番難しいかも、と思うのだが皆さんの自然な演技は好感が持てました。

『太平洋食堂』

『太平洋食堂』

メメントC+『太平洋食堂』を上演する会

座・高円寺1(東京都)

2015/07/01 (水) ~ 2015/07/05 (日)公演終了

満足度★★★★

ひとりの男の物語
百年前の日本にはこんな豪放磊落な男がいたということを知っただけでもこの芝居を観てよかったと思う。そして「大逆事件」のことも(学生時代に勉強した筈なのに)すっかり知識が抜けていたのでショッキングであったし、現代日本の状況と照らし合わせて考える機会にもなった。経験豊かな役者陣の重厚な演技に支えられてまるで青少年向けの観劇会のような雰囲気を感じる、わかりやすく、一人の男のドラマを、そして歴史の真実を伝えてくれる物語だった。

ちょぼくれ花咲男

ちょぼくれ花咲男

文月堂

座・高円寺1(東京都)

2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

これぞ、エンターテイメント!
老若男女が楽しめそうな舞台に出会えるたのは久しぶりだ。登場人物が多いのに各人のキャラクターと劇中での役割が明確なのでお話がとても分かりやすい。場面転換が多いのにストーリーが整然としているので物語がスムーズに流れていく。真の娯楽作品とはこういうものだというお手本を見た気がした。

ネタバレBOX

すったもんだあって最後はハッピーエンドというのはお定まりではあるがそれだから落ち着くというのもある。上下の重層的な舞台セットや「花咲男の歌」をはじめとする音楽の使い方も舞台を盛り上げていた。

また今回は中野英樹さん(汗だくで熱演でした。)、山口誠義さん、四條久美子さんなど贔屓の役者さんの芝居が観られたのも収穫でした。
俺達なりの、旅。

俺達なりの、旅。

グラウンド02

OFF OFFシアター(東京都)

2015/04/22 (水) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★

人生という名の旅
高校生から中年となった現在までの彼らの旅が見えてこない。もちろんセリフによって各人の境遇やお互いの関係は理解できてもセリフの行間から立ち上がってくるようなそれぞれの旅が見えてこないのだ。巧い役者さんが揃っているのでそれなりに観ていられるがドラマとしての盛り上がりに欠けた気がする。

紅白旗合戦

紅白旗合戦

Aga-risk Entertainment

サンモールスタジオ(東京都)

2015/03/18 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★

バラエティ豊かな笑い
以前、「コーヒーカップオーケストラ」との合同公演で観て気になっていたアガリスク。本公演は初見。「ナイゲン」が好評だったようで、同じ会議物なので期待したがエンタテイメント感満載で楽しめた。登場したキャラクター(特に先生側)は定石通りでいかにもいそうな人物が配されているが、俳優陣の演技がキャラをさらに際立たせていて楽しい。(特に村松先生)

笑いの面でいうと、賛成数確保のための入れ代わり立ち代わりの懐柔策が「ヒューマンコメディ」とでもいおうか、人間味あふれる笑い。議決を遅らせるための牛歩戦術が「ナンセンスコメディ」的なバカバカしさ。ラストに向けてテンポアップする校長室に両者が集結する場面がちょっと「ドタバタコメディ」チックな感じ。一つの笑いで押し通すコメディはたまに観るが自然な流れの中で笑いを変化させていく芝居はなかなか観ることがない。

また生徒会顧問でありながらあまりやる気のなかった塩原が後半積極的に生徒会に関わっていく様、菊池に従い頼りなかった同じく生徒会顧問の川添が成長し逞しくなっていく様、また生徒会長として最後まで意見を曲げなかった熊谷など、ドラマとしてみても楽しめる作品になっている。最後はちょっとすんなりお互いに譲歩して決着した感はあるが、劇団名通り、エンターテイメントとして楽しめる、今後観ていきたい劇団が増えたなという感じです。

誰も見たことのない場所2015

誰も見たことのない場所2015

ワンツーワークス

赤坂RED/THEATER(東京都)

2015/03/13 (金) ~ 2015/03/19 (木)公演終了

ドキュメンタリーの力
まさにその力をまざまざと見せつけられた。それは自殺に関わる様々な人々に取材した生の言葉をそのまま伝えてくれたこと。そのため、普段ニュースで聞く「自殺」というもののぼんやりとした輪郭をこれでもかという程くっきりと浮かび上がらせて見せてくれたこと。さらに役者陣が彼らの感情を丁寧に追い説得力ある演技力で見せてくれたこと。私には演劇作品というよりほぼドキュメンタリーという印象である。新しい演劇の一ジャンルとして新鮮ではあったがフィクションである一般的な芝居と並列的に:評価することはできないので星は付けないこととする。

少々気になった点を付け加える。途中、妊婦が二人登場したがこのシーンは何を意味していたのか。死に対する生命の誕生を描いた、にしては短いシーンだった。バーベキューのシーンは肉を焼く臭いが舞台の雰囲気に合わない気がした。

【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】4 BITTER FACES

【終了致しました。ご来場誠にありがとうございました!】4 BITTER FACES

机上風景

高田馬場ラビネスト(東京都)

2015/03/06 (金) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★

家族の絆
「家族の絆の強さを描く」というテーマを凝縮した形で非常にわかりやすく表現した作品。共通の敵である三女タナエの夫祐二を登場させることによって四姉妹の絆の強さを表現。また突然「芸人になる」と言い出した四女美玲を戸惑いながら応援する姉たちを描くことによってもこのテーマを表現している。約1時間と短い作品だが、四女のネタ見せに時間を取りすぎている気がする。その分各人の描かれ方が浅くなった。

渦中の人

渦中の人

セロリの会 

「劇」小劇場(東京都)

2015/02/25 (水) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★

本当の「渦中の人」は?
ある意味登場人物皆が「渦中の人」なんだろうけど、本来物語の中心となるべきは水無和己とその妻圭子の関係、加えて福地節子とその娘のぞみの関係だろう。全体の印象として宝くじの高額当選を求めて島を訪問した女性たちが絡むエピソードが長すぎて、逆に夫婦や母娘の関係が深く描き込まれていない。コメディ的要素も加えたかったのだろうが、あれもこれもだと物語の芯がぼやけてしまう。

土に寝ころぶ女たち【公演終わりました!ご来場、ご声援ありがとうございました!】

土に寝ころぶ女たち【公演終わりました!ご来場、ご声援ありがとうございました!】

タテヨコ企画

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/02/25 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了

満足度★★★★

共に生きる
舞台上の人物の出入りが多くて、ともするとまとまりのないストーリーとも受け取られかねない。だがそこには一貫して優しく暖かい空気が流れていた。
週末農業を通して出会った人々の中で起こる悲喜こもごも。この小さなコミュニティを通して「共に生きる喜び」を素直に感じることができた。終盤に主婦たちが合唱した中島みゆきの「誕生」はまさに人間賛歌だろう。

完熟リチャード三世

完熟リチャード三世

柿喰う客

吉祥寺シアター(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/17 (火)公演終了

満足度★★★

魅せる力は抜群
「柿食う客」は初観劇だけに新鮮ではあった。見せる、というより魅せる力は抜群にある。もちろんそれは今回の7人の魅力的な女優陣によるところが大きい。;正直私は古典劇に親しんで来なかったので今作もタイトルを聞いたことがある程度だった。観ていても登場人物の関係性がすぐには掴めなくて、やっと掴めたと思ったら新キャラが出てきたりして参った。それでも集中して観られたのは、7人の台詞回しや立振る舞いに得も言われぬ魅力があった為と思われる。皆さんのコメントに「スタイリッシュ」なるワードが出てくるが、それで思ったことがある。この劇場で初めてバルコニー席に座ったのだが、舞台が市松模様のようになっているのがよく見える。何気なく見ていると役者は一つの動作をして立ち止まると必ずマス目の一つに両足が収まっていた。考えすぎかもしれないが、各シーンでの7人の立ち位置が細かく決まっていたのではないか。そんな所が「スタイリッシュ」という印象につながっているのではないかと思ってしまうのである。初見でこんなことを言うのも恐縮だが、独自の様式美を持った劇団なのかという気がする。

夏目漱石とねこ

夏目漱石とねこ

DULL-COLORED POP

座・高円寺1(東京都)

2015/02/05 (木) ~ 2015/02/15 (日)公演終了

満足度★★★

漱石のさみしさ
冒頭の障子越しの影によるシーンはいかにも時代を感じさせ、どんな物語になるのかと期待が高まったが正直期待外れだった。

どこまで漱石という人間の本質、彼の抱える「さみしさ」が感じられるかという視点で観ていたのだが、幼少時に養子に出され、本物の愛情を感じずに育った金之助のさみしさに起因するという、いかにも単純な図式にしか私には見えなかった。(まあだから“何のことはないただの人だ”ということになるのかもしれないが。)

またタイトある「ねこ」が劇中どのような役割を果たすのかも注目していたのだが、これだけの猫を登場させる理由がどこにあったのか。確かに猫たちによって語られる漱石は彼の人柄を伝えてはいるが。(ただ黒猫の三代目だけは別格だったようで、ただ一匹、金之助時代を見ていました。)

でも皆さんのコメントを読むと大切なセリフがあったようで、谷さんの意図するところが汲み取れなかった部分も私自身多々あったのかと思ったりもします。

オールライト☆なぅ

オールライト☆なぅ

肯定座

明石スタジオ(東京都)

2015/01/25 (日) ~ 2015/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

エブリバディ ラブズ サムバディ
前半やや人物紹介的な流れでどう展開するのかと思ったが後半に盛り返した。

ネタバレBOX

歌と演奏のシーンが物語を断ち切ることなくうまく差し挟まれている。(前半の3人組の懐メロメドレーは少々長い。)物語的には落ち着くところに落ち着いて可もなく不可もなくというところだが、見るべきは女優陣の演技。いつも気になる存在の菊池美里さん。これだけ心情を吐露する激しい演技は初めて見た。新鮮でした。そしてなんといっても椿さんと塩塚さんの罵り合いのシーン。これは痺れた。そしてシンディ(塩塚)が「オールライト・ナウ」を歌い終え、店の去り際に小さく手を振り合うマダム(椿)とシンディ。これは感涙ものでした。
Bon Voyage!!

Bon Voyage!!

BOCA BoccA

OFF OFFシアター(東京都)

2014/12/05 (金) ~ 2014/12/09 (火)公演終了

満足度★★★

ちょっとついていけない
フェリーニの「人生は祭りだ、共に生きよう」という言葉をテーマとしているようだが作家の思いが先走りすぎたのか、観る側はついていけないところが多いと感じた。生前葬に関するやり取りが長すぎて、肝心の直樹と幸子の関係の描かれ方が薄く、一見迫力はあるが直樹のセリフに説得力がない。ラストの登場人物全員のお祭り騒ぎもテーマに沿ったものだろうが少々唐突で違和感を感じた。

優しくして

優しくして

ドリームダン

ワーサルシアター(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★

袖振り合うも多生の縁
ふとしたことで知り合う他人同士が優しくしたり、されたり。押しつけがましさのないやさしさが観ていて心地良い。現実にはなかなかありえない設定だがすんなり入ってくる。神田奈々役の菊池美里さん、いくつかの舞台でお見かけしましたが独特の雰囲気が印象的で、今回はピッタリの役でした。一つ思ったのは、“劇団赤チンキ”のアングラ風の劇中劇が必要だったのか疑問に感じた。

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

【全公演終了しました。ありがとうございました】カムバック!矢板のガールズ♪

らちゃかん

小劇場B1(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/14 (日)公演終了

満足度★★★

お茶の間劇場+α
わかりやすく子供からお年寄りまで楽しめる「お茶の間劇場」的雰囲気が心地いい劇団だが、今回少し雰囲気が変わったような気もする。ほっこり感をアップさせようとの意図からか、所々にスパイスが散りばめられているのだが今一つ伝わってこない。ベリーベリーの三人の過去から現在までの関係性をもう少し掘り下げて描いて欲しかった。現在の三人が過去の自分たちと対面するシーンも違った印象になったはずだ。

僕のともだち

僕のともだち

劇団 でん組

テアトルBONBON(東京都)

2014/09/02 (火) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★

展開に戸惑い
前半と後半の作風がガラッと変わってしまい少々戸惑う。冒頭浮かび上がる十字架や母親が抱きしめるぬいぐるみがラストにつながるのだが、単純で安っぽい演出に感じてしまう。そもそもいじめの問題をコミカルに描くことに違和感を覚えるし、母子の愛情物語に結び付けるための呼び水としての役割になってしまっているのが残念だ。結果、後半のドラマティックな演出は作家の思いが空回りしているように感じた。役者陣の熱演で何とか救われた。余談だがラストのストップモーションは少々長く感じた。

じゃのめ

じゃのめ

西瓜糖

駅前劇場(東京都)

2014/08/29 (金) ~ 2014/09/05 (金)公演終了

満足度★★★★

時代の匂いが滲み出す
浅学の身である私にどれだけこの作品が理解できたのかはさておき、そう思わせるだけの重厚感に溢れていた。震災後の混沌とした時代に抗い、もがきながら躍動する「生」。その陰で怪しく蠢く「性」。そこに清濁併せ持つ「人間」という存在のエネルギーを感じる。彼らの「渇き」を癒すのはそぼ降る雨か、果汁の恵みか。(梨や苺を食するシーンが象徴的?)栄子と雅枝の会話でお互いを「へんてこ」と呼び合うシーンがあるが、どこかへんてこでなければ生きていけない時代だったのかもしれない。文学座のベテラン女優を中心とした経験豊かな役者陣の演技は言うに及ばず、セット、小道具、衣装など細部に気配りされた舞台は見応え充分。ラスト、雑誌「じゃのめ」の編集者、宇垣逮捕の報で幕。土砂降りの雨の音、そして新たな戦火の足音。印象的な幕切れだ。

おせっかい母ちゃんリビングデッド

おせっかい母ちゃんリビングデッド

ぬいぐるみハンター

駅前劇場(東京都)

2014/08/08 (金) ~ 2014/08/17 (日)公演終了

満足度★★

台詞が届いてこない
どうも私にはそう思えてならない。神戸アキコ演じる美幸のテンポがいいんだかただ単調なのか、お経のような台詞回しが入ってこない。。思い描いていた母ちゃんのイメージが、強烈なインパクトのある滅茶苦茶なものだったためか(神戸が演るんだから)、観ていてしっくりこなかった。また美幸が一歩的にまくし立てる場面が多く、息子の恩太との関係が見えてこない。なのでラストの母と息子のほのぼのシーンも「何だろう?」という感じ。全体的に人物の描かれ方が浅いと言わざるを得ない。辻沢綾香は相変わらず笑える。

解散

解散

江古田のガールズ

本多劇場(東京都)

2014/08/05 (火) ~ 2014/08/06 (水)公演終了

満足度★★

本多劇場が泣いている
当日パンフを読むとこの劇団の主宰は長らく本多劇場に憧れ、進出を目指していたようだ。(以前は紀伊国屋が演劇人の聖地といわれたものだが、やっぱ今は本多なのかな。)

その本多劇場進出と劇団5周年記念の、ただのお祭り騒ぎにしか見えなかった。
「次世代娯楽会の女王」と銘打つなら、何よりも観客を楽しませる術を知らなければならない。今作のような、劇団の内幕物語でそれが達成されるとでも思ったのだろうか。内容的にもドラマを感じさせるものがなく、彼らの自慰行為にしか見えなかった。

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