野鴨
メジャーリーグ
THEATRE1010(東京都)
2007/11/01 (木) ~ 2007/11/30 (金)公演終了
満足度★★★★★
濃縮還元。
野鴨という「物語」を手にしたタニノクロウ。トーンのある「演出家」を手にした翻訳劇。それぞれの敷居の高さがうまく作用し、お薦めできる一本に。
空間とマメ山田・津嘉山正種、両氏の“存在”による世界への導入はさすが。結末が見えているからこその、そこに向かうそれぞれの人物の転がり方が印象的。
長い夜の過ごし方
ZuQnZ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/11/21 (水) ~ 2007/11/25 (日)公演終了
満足度★
軸になるのは、
インスパイアされた楽曲ということになるのかなと。となると、芝居のタイトルが歌詞に含まれた、その楽曲を受け入れきれるかどうかで全てが決まってしまう気も。
一夜などの時間か場所か、月などのモチーフか、物語に軸が欲しかったところ。複数の物語が点々と存在するせいもあり、終幕のタイミングが二つあるように見える。
ミーコのSFハチャメチャ大作戦~ベルンガ星人をやっつけろ!~
猫田家
アトリエヘリコプター(東京都)
2007/11/21 (水) ~ 2007/12/02 (日)公演終了
満足度★★
プレビュー
最初の一手と、全体を通した仕掛けは面白かったのですが、一つ一つのシーンの遊び方に苦しさを感じました。「最低傑作」として求めてるものが、合わなかったのかなぁと。
岡田利規 新作「ゴーストユース」
桜美林大学パフォーミングアーツプログラム<OPAP>
PRUNUS HALL(桜美林大学内)(神奈川県)
2007/11/20 (火) ~ 2007/11/25 (日)公演終了
満足度★★★
彼女たちがどうなっていくのか。
楽しみです。演劇界的にですが。
演じるということを演じ、繰り返し、入れ替わり、映像と文字とで遊び…と書くとどこかの誰かみたいですが、チェルフィッチュでした。
物語らず、進まない状態を演劇している前半。次元を突き抜け半歩ずつ進む後半。中盤、記憶が飛んでたりしますが、面白かったです。
しゃんしゃん影法師
劇団桟敷童子
吉祥寺シアター(東京都)
2007/11/19 (月) ~ 2007/11/25 (日)公演終了
満足度★★★
懐かしく。
桟敷童子を最初に観たのがこの作品でした。こうして観ると入りやすい作品だったのかなぁと。
語り過ぎな部分は自分の中でも好みが分かれますが、「静かな」というように、どこか秘めた感じは良い。
阿房列車
元祖演劇乃素いき座
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/11/15 (木) ~ 2007/11/18 (日)公演終了
満足度★★
肌に合わず。
疲れていたせいもあると思いますが、なんだか遠く。
そう見せているのか、列車が止まっているように感じました。
刹那の景色という風に捉えれば、女もどこか印象的。
傷は浅いぞ
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2007/11/14 (水) ~ 2007/11/26 (月)公演終了
満足度★★★
もう一回。
「濡」あたりが観たかったのですが、さて、行けるかどうか。
初日はまだブレがあったように思います。
「15 minutes made」の時ほどの爽快感が無いのは、1、2、3と段階を踏むことで、ハードルをどんどん上げてしまってるのと、流れが生まれにくいからでしょうか。
人は減っても暴れるスペース1.5倍。席少なっ。
これを贅沢と取るか、もったいないと取るか。
いやむしろわすれて草
三条会
三条会アトリエ(千葉県)
2007/11/09 (金) ~ 2007/11/13 (火)公演終了
満足度★★★★
強烈な四姉妹。
五反田団版を観てると楽しさ2倍。当日パンフなどに、あらすじ程度はあって良い気も。千葉まで行かれる方の半数は観てるような気もしますが。
かなり楽しかったです。
博多湾岸台風小僧
劇団桟敷童子
吉祥寺シアター(東京都)
2007/11/06 (火) ~ 2007/11/12 (月)公演終了
満足度★★★★
代表作でしょう。
初演時の衝撃が脳内で大きくなっているものの、吉祥寺の空間であの密度はさすが。個人的には「博多」の名がつくこの作品で、福岡公演に行ってほしかったなぁと思ったりも。
陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>
乞局
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/11/07 (水) ~ 2007/11/11 (日)公演終了
満足度★★
さて、困った。
劇場版(初日)では一番重要な部分が掴みきれず、画廊版では途中でわかってしまうほど丁寧。一番面白かったのは初演だったのかもなぁと。
劇場版を観てたからこそ頭の中で補完できるものの、構成を変えたことによる前半の物語の進行スピードは初見の人にどう見えるのか気になるところ。
生きてるものはいないのか
五反田団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2007/11/03 (土) ~ 2007/11/12 (月)公演終了
満足度★★★
記憶は曖昧ですが、
ENBUゼミ『ノーバディー』と比べると抽象度が増した印象。物語中盤までを引っぱっていた、原因と思われるものへの追求が弱くなった分、全体の空間設定や、それぞれの関係が断片的になり、なんだかぼんやりと。「そのこと」そのものを純粋に浮かび上がらせる作りなのかなとも。
個人的には事前にダブルキャストの情報が知りたかったり。
うそつきと呼ばないで
タテヨコ企画
Galeri KATAK・KATAK(東京都)
2007/10/17 (水) ~ 2007/11/11 (日)公演終了
満足度★★★
11日19時追加公演があるそうです。
数年ぶりのギャラリーカタカタ。駅からはわりと近く、ポイントポイントに誘導の方も。
その日その日の変化を出演者も楽しんでいるような、空間への意識、愛情を感じる一本。一部作り過ぎの感もありますが、やわらかく溶け込んだ抽象的な世界観は好み。
ライン
青年団若手自主企画『西村企画』
アトリエ春風舎(東京都)
2007/10/31 (水) ~ 2007/11/06 (火)公演終了
満足度★★★★
6(火)まで。
日曜夜、オープニングパフォーマンス付き。
最前列ベンチシートということもあったとは思いますが、短編集+OPパフォーマンスで、ちょっと疲れてしまうくらい盛りだくさんでした。通常の本編は約一時間半。気軽に観れる、演劇的面白さの詰まった公演だと思います。
下手をすると力技なアイディアを成立させてしまう役者陣。それでいて上手さを感じるというよりは、ただ単純に魅力的なのは、観ていて気持ち良く。
棄憶~kioku~※『38℃』より演目変更
G-up
ギャラリーSite(東京都)
2007/10/29 (月) ~ 2007/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
芯となる重量感は残しつつ、エンターテイメントに。
未見の作品への演目変更だったことと、評判も良かったので。
開演前はどうしても『38℃』に合わせての会場だということを意識させてしまう空間、というか、壁。その中でここまで持っていった役者の力などなどに拍手。
野木脚本の強度を残したまま、エンターテイメントとして仕上げている点はプロデュース公演としても好印象。一つの成功例だと思います。
個人的に音楽はいらないと思いました。
砂漠の音階
風琴工房
シアター風姿花伝(東京都)
2007/10/30 (火) ~ 2007/11/04 (日)公演終了
満足度★★★
色彩豊かな役者陣。
初日。前作のスズナリと比べると、役者の目線に近い高さの客席が気持ちよい距離感で世界への導入を誘います。通路を使用することもあり、その感覚は途中で揺らぎますが、そこは空間設定と役者が横を通る演劇の醍醐味を取ったのだろうなぁと。
多角形な雪の結晶美術は、雪の静けさも感じる落ち着いた作りになっています。その分、扉を開けて入ってくる役者一人一人が色鮮やかに感じられ(もちろん美術との対比だけではありませんが)、部屋の空気が変わる瞬間が印象的でした。
犯さん哉
キューブ
PARCO劇場(東京都)
2007/10/06 (土) ~ 2007/10/28 (日)公演終了
「私の知っている男は、これだけ」
mon(2008年解散。現在は青年団若手自主大久保企画)
ギャラリーLE DECO(東京都)
2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了
満足度★★
苦しくはないが、酸素が欲しい。
開演前、タイトルが変わったことを聞いたからかもしれませんが、良くも悪くも難産を感じる一本。羊水とか、あくびの瞬間のような空気感は、アクアな展開・ぼんやりとした対象によく合ってもいます。
テキストは途中で追いきれなくなりましたが、役者や身体表現で楽しめないことはありません。ただ個人的に大久保亜美客演作を含め、小指値を観てきているせいか、その表現や、山崎皓司の引付けのような飛び方は若干食傷気味な感じもします。
一場ものでなくなったことにより、場に存在する状態は成立しにくくなっていますが、役者本人が滲み出ているあたりは「らしさ」かなと。
陰漏(カゲロウ) <<劇場版+画廊版>>
乞局
アトリエヘリコプター(東京都)
2007/10/24 (水) ~ 2007/10/28 (日)公演終了
満足度★★
画廊版に期待。
初日。座った位置が後方だったせいでしょうか、前半はどうも楽しめませんでした。中盤、ところどころ魅力的な(「嫌な」「不快な」という意も含め)場面や人物によって引き込まれるも、全体は消化不良。
それぞれの駄目な部分、駄目な状況が、薄味ではないですが小出しな印象。
軸が移るという画廊版に期待。
月並みなはなし[07再演版]
時間堂
王子小劇場(東京都)
2007/10/19 (金) ~ 2007/10/29 (月)公演終了
満足度★★★★
導入から、素敵な観劇体験。
ワークインプログレスと比べても数段面白くなっていました。
それ自体も演劇的に面白い、印象的な導入は、今まで他でなかったのが不思議なくらいです。すーっと誘ってくれます。
時々、演劇だということに気付いてびっくりする自分がいるくらい、集中力も距離感も心地よく。笑って、感じて、そこに(物語世界でなく、演劇空間)居させてくれます。
月曜まで。お薦めです。
15 minutes made vol.2
Mrs.fictions
ザムザ阿佐谷(東京都)
2007/10/18 (木) ~ 2007/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
おわりの会も改善。
前回注目の小指・タカハとは違い、旗揚げ前のろりえと、ほとんどの人間が未見と思われるM.O.E.Projectを見つけてきたことに拍手。ショーケースとしての価値を高めた。