u-noの観てきた!クチコミ一覧

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パイドラの愛

パイドラの愛

HAMMER-FISH

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2008/02/08 (金) ~ 2008/02/14 (木)公演終了

満足度

訳詞・セット・演出の全てが不調和。
醸し出す空虚な感じこそ伝わるものの、あまりに淡々とした流れと、なにより口に出す台詞の表現の違和感に壁を感じて。104分。

ネタバレBOX

最後の15分、王家の崩壊と共にそれまで構築してきた世界観を解体するかのような動きや展開は面白かったが、そこまでがただ静かなだけで長すぎ。

役者も設定年齢と実年齢のギャップが見られ、その不自然さが物語に入り込ませない一因でもあったと思う。
革命日記

革命日記

青年団

アトリエ春風舎(東京都)

2008/01/30 (水) ~ 2008/02/12 (火)公演終了

満足度★★

なぜ今の時代にこの再演なのか?
個々の人間の在り方や言い分、社会的な関係性等は上手く描けているがいかんせん大枠の設定がリアリティない為に説得力もなく。91分。

ネタバレBOX

初演時はまだ大学なんかにも斗争文字の立て看が残っていた時代だったが、あれから10年経ち、こんな革命を信じている組織があることがあまりに絵空事のように見えて。出演者の若さもあるのか、彼らの革命に対する言葉も上辺だけで根が生えているようには聞こえず、そんな違和感が全然物語に入り込ませない壁になっているように感じた。

ただ、いかにもな日本人を描くという意味では巧く浮き彫りに出来ていたと思う。
霊感少女ヒドミ

霊感少女ヒドミ

快快

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/02/07 (木) ~ 2008/02/09 (土)公演終了

満足度★★★★

女の子をPOPにCUTEに描いてる
削ぎ落としたら本当にシンプルな物語に、いろんな形のデコレーションを施して最後まで目先を変え続け、飽きずに面白く見せてくれる。79分。

ネタバレBOX

2階の入り口から入場させ、L字型に作った座席は初日からぎっちり満員。明日からの動員は増えることが容易に想像できるだけに連日超満員は必至か。

出てくる女の子はみんな個性がかぶらない上に素敵。主人公のヒドミを彼女達を使って代わりばんこに演らせたり、全員で演じてみたりと変化をつけて見せることで逆にキャラの最大公約数的な個性が浮かび上がってるみたい。

山咲皓司君の体を張ったパフォーマンスは相変わらずズルかったり、見事だったり。

今作は岩井秀人氏の原作がある分、かなり演劇的で分かりやすく、そして楽しさ増すように演出されている。今後の小指値の活動を考えるとこれは観ておいて損はないといえよう。
ナルシグナル

ナルシグナル

東京ネジ

王子小劇場(東京都)

2008/01/31 (木) ~ 2008/02/03 (日)公演終了

満足度★★★

感覚的にシーンが繋がってる芝居。
話自体が論理的に筋立てられているわけではなく、色々なものが緩やかに流れていく感じ。女の子の頭の中ってこんな風?111分。

ネタバレBOX

女の子9人が部屋の中、話の飛びようによって女の子各々にスポット当たって。全体でどう?とかいうまとまりはなく、そんな時間を垣間見るようなつくり。

キャラと背負ってる背景は結構つくりすぎてるような。それを説明台詞で植えつけようとするため、全体として個々の印象と存在意義は薄いものに。その中でキャラとして濃いめの両角葉や佐々木なふみは印象強く。

他でも指摘のある会場全体に流れる携帯の着信音はちょっと考えもの。開演前に流れたジングルのようなオリジナル曲も着信音として使われているし、スーパーマリオの効果音は毒キノコの消えものと重なって着信音なのか、毒キノコ効果の効果音なのか判断しがたく。
あーさんと動物の話

あーさんと動物の話

飛ぶ劇場

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/31 (木) ~ 2008/02/03 (日)公演終了

満足度★★★

振返るだけで前進しない閉塞感。
一つのアパートに住み続ける男の話。ギターでの生歌と共に話は進む。舞台装置をうまく使って物理的に視点を変える見せ方は◎。104分。

ネタバレBOX

結局のところ、外界を遮断して過去の思い出を動物に投影して引きこもっているだけで終始してしまっているので展開に広がりを感じず。最後も船出をしているようで実は部屋から一歩も出ていないし。

当日パンフはフルカラーの冊子で販売品かと思うくらい豪華な装丁。ここまでキレイだともったいないくらい。
あたしのおへや

あたしのおへや

cinnamon-cookie-company

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2008/01/26 (土) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★

女子大生の恋愛模様三者三様。
同じような部屋に住む女子達の関係色々。もっとお互いの会話に特化して芝居を構築してもよかったかなぁ、とも。70分。

ネタバレBOX

同じセットで3人それぞれの部屋を表現するのはちょっと無理があったような。結果暗転は多いし、小道具はベッドの下に放りっぱなしだしともう少し見せる工夫がほしかった。
隣にいても一人

隣にいても一人

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

【盛岡編】言葉よりキャラ立ち優先。
方言の特徴はそんなに前面に出ている感はないが、キャラの有り様で笑いを誘う作品に。特に兄夫婦のカップリングは卑怯な組合せ。62分。

ネタバレBOX

兄夫婦は存在はズルいんだけど、青森編のようなあうんの呼吸みたいなモノがイマイチ感じられなかったのが残念。

このバージョンだけテーブルが卓袱台。その疑問は最後の大ネタで納得。それだけのためにセットを変えるかなぁ。
隣にいても一人

隣にいても一人

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

【熊本編】バランスがよい地方版。
方言と熊本編の特徴としての女性の強さがうまくマッチングされ、企画に見事乗っかって戯曲の新たな面を見せてくれた意欲作。66分。

ネタバレBOX

設定年齢を10歳上げていて、それによる気遣いの細やかさなんかも憎い演出。

細かい点でひとつ気になったのは、昇平がお茶の入れ方でたぶん左利きだろうと思われるのに、右利きようの普通の急須を使っていたこと。ちょっと惜しかったなぁ。
隣にいても一人

隣にいても一人

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

【三重編】おかずがない分早い。
関西弁のテンポのよさが他のバージョンより早い展開に。関西編とは違って台詞にネタ的要素が見られない分余計に短い仕上がりに。55分。

ネタバレBOX

仕草の面白さはあるものの、このバージョンとしての特徴というのがあまり感じないようにも思えて。

小さな事だけど、朝食の際に全然使わなかったパターは余計だったかなぁ。これのせいで片づけが1回増えてるし。
豪女っぱり

豪女っぱり

石神井童貞少年團

阿佐ヶ谷アートスペース・プロット(東京都)

2008/01/25 (金) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★

滑稽企画公演ということで、
かなり笑いを意識して作ったのかなぁ、という印象。タイトルにもある"豪"の字にこだわって力任せに突っ走った感じ。48分。

ネタバレBOX

さすがに女性だけのコント芝居だと思い切ってふんぎりつけて演らないと、男性の場合よりも中途半端に見えてしまう。今回はそもそも話は破天荒なのだから、ところどころに見られるダンスとキャラの確立にもっと力を入れた方がよかったかなぁ、と。
隣にいても一人

隣にいても一人

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★

【広島編】とてもオーソドックス。
淡々とした会話の中、突然テンションがあがったりする以外は大きな変化もなく。方言もあまり気にならないつくりに。68分。

ネタバレBOX

この演目にはなぜか昇平の部屋に最初から熊のぬいぐるみが。最後の方ですみえが抱くシーンはあるのだが、基本的には似つかわしいというかその必要性には疑問を覚えた。
隣にいても一人

隣にいても一人

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

【関西編】各キャラの押出しが強い。
テンポよい言葉に乗って、全員の姿勢が攻めている。このバージョン自体が芸になってしまってるような印象。面白いからよいけど。64分。

ネタバレBOX

いろいろと台詞に余計なおかずを入れているにもかかわらず、上演時間が短いのはそのテンポのせいか。ちょっと間が悪かったり、ウケを狙ってる台詞でハズしたりするのはご愛敬か。

芝居として気になったのは、昇平が物書きを終えてファミレスから帰ってくるときに手ぶらだったのにはちょっと違和感。
PTA

PTA

ホチキス

吉祥寺シアター(東京都)

2008/01/19 (土) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度

端々に何か独自性を欠くような。
学校でのPTA会議のハズが話は全然違う方向に。キャラのバリエーションといい展開といい、どこか見たことある芝居に似すぎてる気が。124分。

ネタバレBOX

ぶっちゃけると、設定こそ小学校にしているモノの、その内容は三谷幸喜氏の「12人の優しい日本人」をことごとく模倣しているような内容。
会議に参加する人数からしてPTA6人、学校側6人の12人だし、何でも書いてある手帳をもつ人物有り、仕切り屋あり、優柔不断の人物有りとその日本人的キャラ設定まで似ているものを配しているし、なにより多数決で決定の会議のハズがいつのまにか裁判の体を模して、議題の根本にある交通事故についてもある証言から有利な側の形勢が逆転し、全会一致で反対意見に収束するトコまでそっくり(まぁ、この終盤は法廷劇の「12人~」には皆当てはまるが)。

しかも強引な展開は論理的な破綻も多く、笑いは安く取る傾向にあり、役者もことごとくベタな演技が目立つので心配していた会話劇としても精度を大きく欠く結果になっているのが残念。

また、当日パンフもキャストの名前は載っているものの、役柄と紐づけされていないので、誰が誰なのかわからないのもマイナス要素。
隣にいても一人

隣にいても一人

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/01/17 (木) ~ 2008/01/27 (日)公演終了

満足度★★★★

【青森編】役者の力を感じる作り。
兄姉夫婦の力量が長年連れ添った雰囲気に、主人公の二人の個性の弱さが状況に対応しきれていない初々しさににマッチしてる。67分。

ネタバレBOX

畑澤×森内はさすがの貫禄。離婚を間近にしているけれども、そこには積み重なった思い出がたくさんあるのが滲み出ている。対して小寺×工藤の”なって”しまった新?夫婦は現実を認識させられただけのための辿々しさが若さに合っていたと思う。青森編はそのこなれた方言が互いの関係の距離感をうまく表現していたように思う。
怪獣が来た!!

怪獣が来た!!

サンダース:コンビーフ

「劇」小劇場(東京都)

2008/01/15 (火) ~ 2008/01/20 (日)公演終了

満足度★★★

脚本が役者を選んでいるような…
宮本さん特有の雰囲気と会話と間は、調和すると隙がなく卑怯だが、合わない役者には溶け込むのが難しいように思えて。112分。

ネタバレBOX

たぶんにんじんボーンなら山口雅義さんだろうポジションを大西さんが違うテイストで演じている。さすがに村越さんあたりはこなれてると思うし、今回起用の永井若葉さんのとぼけ具合なんかは見事にハマっているが、他の役者陣のインパクトが弱いか。なんとなく毒の少なさ加減も印象を弱くする要因かも。オヅ君のよい話な感じも微妙に混じってるからかなぁ。
火宅か修羅か

火宅か修羅か

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/12/21 (金) ~ 2008/01/14 (月)公演終了

満足度★★★★

いわゆる青年団の真骨頂かと。
旅館のロビーでのひとときを単に切り取っただけのような芝居でいながら、個々のキャラクターの背景までも推察され、浮かび上がるよう。

ネタバレBOX

なんてことない会話だったりするのたが、その”間”が絶妙で、同時多発会話も意図的でありながら自然に見せる手腕は流石。関係ない2組がちょっとした共通性から絡むような脚本も練れてるし。
目を見て嘘をつけ

目を見て嘘をつけ

KAKUTA

シアタートラム(東京都)

2008/01/10 (木) ~ 2008/01/16 (水)公演終了

満足度★★★★

タイトルから派生のエヒソード達満載。
海辺の田舎町の蕎麦屋が舞台。店の家族を中心に影を持つ人々がおりなす人間模様。客演陣によって話の幅も広がって。129分。

ネタバレBOX

シアタートラムの高さを十分に利用したセットは意気込みを感じる上に効果的に活用されて。

大事なことを見ないことにしていたり、目をそらしたり、自分を見つめてなかったり。それでは通じ合えないし、分かり合えないんだなぁ、とまじまじと。

舞台上からは見えていない人達(友人の恋人、妻の元彼、死んだ母親、男子高校生達)の人物像の描写がもうひとつ伝わってこないため、各人の関係性や影の部分の深みが少し弱いか。父を含めた三兄弟のそっけなく、ぎくしゃくした感じはうまく描けてるだけにちょっと
もったいない気が。

客演はともに好演。細かい演技まで絶妙な内海さん、予想外の役柄にもうまくハマっていた筒井さんとどちらも見応えあり。

客演+WSの新人効果もあるのか劇団員内でも幅を持たせたキャラ作りがうまくいっていて、それが物語を支えている。成清、川本、松田あたりがよい感じ。

終演後のトークイベントはノープランかと思うくらいのぶっ飛びよう。でもこれもKAKUTAの在り方や違う一面が見られてありかなぁ、とか思ったり。
カゴツルベ

カゴツルベ

少年社中

吉祥寺シアター(東京都)

2008/01/09 (水) ~ 2008/01/14 (月)公演終了

満足度★★★

今風にわかりやすい仕上がり。
元の題材からポイントを絞って再構築して、SF風味の非情な時代劇エンターテーメントな作品に。その分機微の表現が薄いのが惜しい。124分。

ネタバレBOX

悪はあくまでも兵庫屋、花魁は非情、悲運は次郎左右衛門と型にはめたため、展開はわかりやすいがそれ以上の心情表現がなく、話全体としては深みが足りなく感じる。しかし、妖刀の精?を登場させてのラストの殺陣は見応え十分。
キル

キル

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2007/12/07 (金) ~ 2008/01/31 (木)公演終了

満足度★★★

脚本の巧さと遊び心を再認識。
三演でも新鮮で風化していないストーリーと端々に見られる言葉遊びの妙はさすが野田さんというところか。少し長めの2幕142分。

ネタバレBOX

役者陣は中心にいる妻夫木聡・広末涼子・小林勝也の三人に打ち出しの弱さを感じ、脇を固める役者陣とのパワーバランスが悪かった印象。勝村・高田・山田、村岡等が過去の作品にとらわれず好演してただけに、台詞を喋っている感の強い妻夫木、声から作って自分らしさが見られなかった広末、感情がみられず血筋の業を感じられなかった小林の三人が残念で仕方がない。
メリー

メリー

国分寺大人倶楽部

王子小劇場(東京都)

2007/12/21 (金) ~ 2007/12/24 (月)公演終了

満足度★★

細かいディテールが受入れられず。
美術も含めた舞台の設定が気になるくらい大きな壁になって、それ以上物語に入り込ませず、後半の大技さえも不発感が。103分。

ネタバレBOX

(完全ネタバレです。)


設定が全然理解できず。
舞台はどこか地方(福岡?)の予備校の談話室みたいな感じなのだけど、喫煙ブースあり、勉強してる者あり、赤本あり、大学パンフあり、講師・職員もも出入りして作業してたりといったいどんな目的の部屋か皆目見当つかず。

主人公のえいじは現役で東京の大学に進学したりゅうじに羨ましさを持ちつつも友達関係が続いているという地方の地元に残っている予備校生という設定だと思うのだが、地方の予備校にしては資料やパンフは全て東京の大学のものだし、大学受験用の予備校なのに廊下には東京の私立高校受験のための貼り紙が。設定としてはあまりに意味不明。会話では背景をそれほど語っていないだけに余計、物語の設定をきっちり具現化するようなセットや小道具を仕込むべきでわ。

話自体も暗転でシーンを切り替えるのだが、その時間の進み方の提示が不親切な上に、ムダに入れ替えてみたりして、余計見づらく。各シーンのエピソードも1つの作品として繋がりを感じるものでもなく。

終盤、この物語自体舞台という名の箱庭で、物語からハズれた者は存在しないことになっているという大枠をぶち壊すような大技を仕掛けているのだが、ネタを提示してから同じシーンをもう一回りさせるのはただ冗長にさせるだけ。あまり効果的には機能していないように思えた。

各キャラクターもそんなに背景を描かれているわけでもなく、なにか大きく展開を担っているわけでもなく、ほぼ全員が使い捨てのような雑なプロットの上にあるのも話を上辺だけに感じさせるようで…。

タイトルもあまり本筋を反映するわけでもなく、同名のキャラもちゃんとクローズアップされてるとは言い難いので、ここら辺も中途半端。

現代のリアルな若者の現代口語での作劇というだけで、たしかに今作はポツドールやsmartball等とは違うものであるけど、それは同列させるのがおこがましいほどあまりに作品として作りが雑だからというのが要素として大きいと言えよう。

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