しのぶが投票した舞台芸術アワード!

2019年度 1-10位と総評
スリーウインターズ

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スリーウインターズ

文学座

3時間、休憩15分を含む。すごく面白かった!!一軒の家の中で、クロアチアの激動の100年間を紐解いていく。シンプルな抽象空間で1945年、1990年、2011年を行き来する。家族の軽妙な会話劇に大河ドラマの奥行きあり。適材適所の俳優陣がのびのびと関係を構築。音楽、音響が控えめなのも好み。記録:http://shinobutakano.com/2019/09/04/13440/

第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

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第一部『1961年:夜に昇る太陽』 第二部『1986年:メビウスの輪』 第三部『2011年:語られたがる言葉たち』

DULL-COLORED POP

『第二部 1986年:メビウスの輪』をいわき公演初日に拝見。2018年に先行上演があった『第一部 1986年:夜に昇る太陽』は、一部キャストが変わった東京公演も拝見。『第三部 2011年:語られたがる言葉たち』は東京公演で観た後に、いわき公演も伺った。
第三部を観た直後の感想:ひたすら耳を澄まし続ける最後の数分は号泣。ラジオ体操はやったもん勝ち!6時間の大作の結びに深く納得。1、2、3部ともに異なる演劇手法。単独で観てもOK。演劇界の事件。
『第二部』稽古場レポート:http://shinobutakano.com/2019/08/03/13036/
『第二部』感想:http://shinobutakano.com/2019/07/25/12932/

わたしとわたし、ぼくとぼく

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わたしとわたし、ぼくとぼく

劇団うりんこ

1997年の札幌を語る場面から終幕まで落涙止まらず。過去と未来が繋がりアレクシ・ケイ・キャンベル作『プライド』を想起。主人公(弱者)が見える人と見えない人がいたのは、巧い風刺。私たちは興味のないもの、見たくないものを見ないようにして、それらを軽視・無視しがちだから。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/01/28/11632/

Le Père	父

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Le Père 父

東京芸術劇場/兵庫県立芸術文化センター

30カ国以上で上演された仏戯曲「Le Pere 父」の日本初演。約1時間50分。超面白かった!老いる父とその周囲の人々の我欲、善意、愛情、妄想が演劇的虚構でさらに不確かに。それを新鮮で真実味のある工夫を凝らした演技でみせるから観客は撹乱される。私は笑い、涙した。橋爪功さん含む出演者6人全員スリリングで魅力的。大げさ過ぎず閉じてもいないのが素敵!具象と抽象のバランスが美的な美術もおしゃれな衣装も雄弁。自分を信じられない恐怖を想像できた。初演を演出したラディラス・ショラーさんの日本での初演出。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/02/06/14688/

『アニマの海』─石牟礼道子「苦海浄土」より─

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『アニマの海』─石牟礼道子「苦海浄土」より─

劇団文化座

石牟礼道子作「苦海浄土」を引用し水俣病を描く老若男女の群像劇。発症から公害認定、補償への道程と患者と家族の筆舌し難い苦しみ。凛と立つ少女の正体は…。血が通っていて緻密かつ簡潔で鋭い。老齢の女性たちのコミュニケーション方法は庶民が培ってきた知恵。約1時間35分という上演時間も奇跡的。再演ツアー希望!詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/06/22/12603/

ボッコちゃん ~ 星新一 ショートショートセレクション ~

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ボッコちゃん ~ 星新一 ショートショートセレクション ~

東京芸術劇場

日本のSF小説を韓国人が舞台化した短編集。凄かった!俳優は会話も語りも自在で身体表現も巧み。曖昧さがなくブレない。鏡面の装置が効果的で照明演出に息を呑み涙ぐんだ。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/06/07/12505/

チック

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チック

世田谷パブリックシアター

少年が夏休みの冒険を一人称で語る、ロードムービー風の青春物語。差別、貧困、虐待、戦争などが浮かび上がる。演技、演出は再演でさらに充実!2度目なのに「出演者がたった5人だなんて…」とカーテンコールで驚かされた。それくらい鮮やかな変身ぶり!主役2人と観客との交流も増え、臨場感アップ♪私は特に柄本時生さんに釘付け。少年役だけどセクシー!記録:http://shinobutakano.com/2019/07/13/13019/

桜姫

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桜姫

阿佐ヶ谷スパイダース

上手サイド席で超楽しかった!楽隊の演奏がサラウンド♪摩訶不思議を堂々と成立させる演劇力で、自在に飛躍するのが痛快。悲劇だが悲壮感なし。主役、脇役などないと思えた劇団総力公演。開演前、終演後の賑わいもいい。記録:http://shinobutakano.com/2019/09/11/14691/

木の上の軍隊

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木の上の軍隊

こまつ座

本土の上官(山西惇)と沖縄の新兵(松下洸平)の分かり合えなさを、普天間かおりさんが受け止めていた…。1500人の沖縄の観客のおかげで、初めて肌に、胸にしみるように気づかせてもらえたように思います。記録:http://shinobutakano.com/2019/06/29/12665/

三人姉妹

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三人姉妹

東京芸術劇場

手話で交流する聾者のコミュニティーをじっくり観察する4時間強。映画「ドッグヴィル」のよう。トゥーゼンバフとイリーナが『かもめ』のトレープレフとニーナに重なり腑に落ちた。あの三姉妹にしか聴こえない、聴者には感知できない「音楽」があるんだと思う。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/10/19/14693/

総評

順位はエイヤ!と無理やりに付けたので、あまり関係ないです。
【2019年しのぶの観劇ベストテン】
http://shinobutakano.com/2019/12/31/14701/

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