満足度★★★★★
大物女優たちが舞台に映えました。
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雇い主の主人を罪に陥れ、悲嘆にくれた妻を自殺に見せかけて毒殺し、妻の高価な衣装や装飾品を譲り受けようとする、階級制度をわきまえた、分相応な犯罪を企んで失敗し、妹の方が自殺する二人の女中の話。
妻のドレスのはずなのに、妹の腰回りにぴったりなのはなんでかなと思いました。
新興宗教の漫才コンビが新興宗教の女優あてに送った花輪はうざったかったです。
満足度★★★★
駄々洩れする心の声が聞こえてくるのは楽しいですね。
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父親の葬式代どころか、その日の生活費もない兄弟らがコンビニから寸借する不条理劇。
コーラを飲むと心の声のようなげっぷの神様みたいなのが出てくるシーンが、登場人物4人で3回でとどまったところは良かったです。
満足度★★★★★
青春青春していました。
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クリスマスを前に、とある賃貸ワンルームマンションのいくつかの部屋の若い住人たちの様子を描いた話。
恥ずかしいくらい青春青春していました。こんな感じは久し振りで、とても新鮮でした。
黒服の男たちがカラスと気付いたときは嬉しかったです。
満足度★★★★
不思議感覚の話でした。
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斧を振り下ろす夢を見る男、頭に斧が突き刺さった男と死ぬまで暮らしたきれいな女、亡くなった女の部屋を片付ける姪たち、寝てばかりいる姪の夫、何層にもなったというか、巴になった話。
楽しめました。
満足度★★★★
難解でした。
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首輪のような機械を装着することで若くして不老不死になり、死んでもクローンによって記憶を持ったまま蘇ることができる少年少女たちが戦争に利用されたりする悲哀を描いた話。
SF的な世界観は楽しめましたが、ストーリーは良く分かりませんでした。
舞台装置の素敵なデザインの切れ目が入った引き戸は素晴らしかったと思います。
満足度★★★★★
初音映莉子さんが主役のような作品、思ってもいなかったことで本当に嬉しく思いました。
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若さと肉体美、そして武士道めいたもの、理想の人間像に憧れていた三島らしい作品。
ラストの、理想の青年は存在していなかったのではないか、壮大な男のロマンだったのではないかという展開に驚きましたが、貴族である親たちも存在していたこともあり、そんなことはないだろう、記憶障害かなと理解しました。
満足度★★★★
本当かどうかはさておき、役者に重きを置かないというところが良かったです。
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女優に手を出したり、風評をことさら気にするなどの面はありつつ、演劇を通して世間の矛盾を皮肉ったモリエールを描くとともに、笑の内閣も世間の矛盾を突いているということを言いたかったようなお芝居。
時々ある、演劇おじさんを皮肉る台詞。アゴラ劇場ではそれほど外れたことはありませんが、他の劇場ではちょいちょい外れがあるものの、それでも観ることは育てることと思って観ている身としては役者さんたちから気持ち悪がられると本当に辛く悲しくなります。実際、最近は観劇回数を減らしています。
満足度★★★★
情感はありました。
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人魚伝説のある島にやって来た人魚の話を書く童話作家と、周囲の人たちの情景を描いた話。
男女の仲を疑われた男女が異母兄弟だったというのは、狭い島だったら全員が知っていることではないかと思いました。
満足度★★★★
【Wキャスト 御麿の回】観劇
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倹約によって財政立て直しを図る将軍吉宗と、財政出動によって景気浮揚を図ろうとする尾張藩主宗春の対立を、宗春の悲恋と町民の心中事件などを織り交ぜながら描いた話。
消費税引き上げが良いのか、このまま据え置いた方が良いのか、本当に悩ましい今日的問題に通ずる内容で真面目な作品でしたが、どちらが良いのかの解答は得られませんでした。
満足度★★★★★
稲垣吾郎さん、カッコよかったです。
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いびつな性格ではあるものの音楽家としては天才のベートーヴェンの話。
稲垣吾郎さんは11年振りでしたが熱がこもっていて素晴らしかったです。話題の剛力彩芽さん見たさでもありました。登場するだけで笑いが取れる片桐仁さんもさすがでした。
ウエリントンの勝利(戦争交響曲)は、小遣い稼ぎのために、手っ取り早く聴衆受けする楽曲を作ったかのように描かれ、駄作とされていましたが、10年前に三鷹市芸術文化センターで茂木大輔さん指揮・解説の下、映像を見ながら、確かウエリントン将軍率いるイギリス軍を応援しながらみんなでノリノリになって聴いたことがあります。あの時は貴重な体験で楽しかったことを思い出しました。
ラストの第九の合唱は見事でしたが、志の輔落語『歓喜の歌』のラストシーンのようでもありました。
満足度★★★★★
美しい中国語をしゃべる女性がとても印象的でした。
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731部隊で自分が携わった臨床実験の記録を残し、晩年死後公開してもらおうと決意した医師の話。
材料は何が何でも利用し尽くそうとする行為、そして普通の人がそういう環境下では平気でいられることに恐ろしさを感じます。
引揚げに当たり、残っていた人たち200余人を殺し、日本に送った資料を除く文書などと共に焼却し、遺灰を川に捨てたという証拠隠滅の徹底振りには驚かされました。
満足度★★★★
【鬼の座長編】観劇
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上京してからの2年間、一軒家で共同生活を送った劇団員たちの苦労と笑いと苦悩が赤裸々に描いた青春群像劇。
平日2万円、土日7万円、路上ライブだけで意外と食っていけたんだなというのが実感でした。むしろ今のチョビさんが食っていけているのかどうかが気になりました。
本作品は小説の舞台化なので仕方ありませんが、そしてその都度感動はするのですが、それにしても丸尾さんの演劇に対する思い入れを謳った作品が多いと思います。
満足度★★★
大嫌いなジャンル
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地区の集団移転の期限を間近にして、交通事故で死んだ教え子が幽霊になって何年か一緒に暮らしていたこともあって、書道教室を営んでいた思い出の家を離れられずにいる一子の話。
幽霊物と知ってから気分が下がりました。しかも、作者が自分で地縛霊みたいな設定を作るところなど、インチキ宗教のようでうさん臭くバカバカしくなりました。
一子は自殺するのでしょうが、死んでこそ作品になると思いました。
満足度★★★★★
【B「ラクゴ萌エ」】観劇
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落語マンガにハマって落語家を目指した女子高生の話だけかと思ったら、実の父母の間を取り持つような、実際には夫が真打になったら妻の許に会いに来る約束だったのではありますが、子はかすがい的な要素の入った人情話。
主人公の女の子が明るくて、こちらも幸せになりました。
弟弟子の心の声が駄々洩れという設定がとても面白かったです。
満足度★★
【★の回】観劇
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下の階にボクサーが住んでいるかどうかは定かでないものの、住んでいると思い込み、大騒ぎしては勝手に急襲を恐れたりする住人と友人たちの話。
高橋いさをさんの作品ということでそこそこのものかなと思い観劇しましたが、ただ5人全員が基本横並びで正面を向いてバタバタ騒ぐだけで全く中身がなく、面白くもありませんでした。
調べたところ、1984年初演の作品ですが、友人の一人の叔父さんが火炎瓶を作って闘争したことがあるなどというシーンがあって、いつの時代の話だろう、古臭いなとしか感じられませんでした。役者の禿げネタを入れるくらいならこのシーンは外すくらいの配慮があっても良かったのではないかと思いました。
いずれにせよ、この本(脚本)を選んだこと自体、劇団のセンスを疑います。
満足度★★★★
感動的ではありました。
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長崎の肝っ玉先生が、肝っ玉故に巡り合えて結婚し、衛生兵として満州に出征し戦後必死で逃げてきた医者である夫と、原爆の後遺症をおして探しに出掛けた朝鮮半島で再会する話。
いくら何でもそんな偶然があろうかと思われるような隠れ家での再会ではありましたが、お互いが送ろうとしていた手紙を読み合うシーンは感動的でした。
2時間10分という長さのせいでしょうか、全体にまきが入ったようなせわしない感じでの進行は気になりました。
満足度★★★★
『ソウル市民』観劇
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1909年、日韓併合の一年前。漢城で文房具店を経営する篠崎家の一日を描いた話。
朝鮮人を下に見る、当時の当然の雰囲気が素直に表現されていました。
『ソウル市民1919』の方が面白かったです。お相撲さんが逃げるのは分かります。単にどうでもいい意味不明な出来事として描いただけなのでしょうが、本作で手品師がいなくなるという事象は、日常の中に非日常を描かなければならないという強迫観念に因るものとしか思えませんでした。
満足度★★★★★
久し振りにお芝居の楽しさを堪能した気持ちになりました!!
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嫁姑問題と老い、認知症問題を見事に融合させた秀作コメディ。
何とも言えないパーマがかかった髪形、キドカラーと言いながらスマホもある世界、モヤモヤ感がありました。お嫁さんに対してお母さんと呼びかけたときは、一瞬妻に対して言ったのかと考え、若い頃と現在が交錯しているのかと思いましたが、実母に対して言ったのだと分かった瞬間、ああそうだったのかと全ての疑問が晴れ、素晴らしい構成の作品だと感嘆しました。
嫁姑問題は次の世代へも引き継がれて行きます。認知症は減っていってほしいものです。
この作品はスタンダードな作品になり得ます。ただし、先に題名ありきだったのか分かりませんが、題名からは入れ墨という印象を受けてしまいます。しかも辻褄を合わせるかのように普通の人には見えない入れ墨のシーンをわざわざ作り、さらに上塗りするかのように普通の人には吹けない楽器まで登場させていました。
満足度★★★★★
オタクの世界でもありました。
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自殺したアイドルを神格化しようと企てる狂信的な秘密結社の人たちに翻弄される死んだアイドルの妹が属する地下アイドルグループはにかみライバーの話。
開演前にはにかみライバーのミニライブがあって、オタクの皆さんが盛り上がっていました。
自殺したのはアイドルの双子の妹の方で、アイドルは生きていたという複雑な話に加え、サスペンス的な要素もあり面白かったです。さらに、アイドルとしての考え方やキモいオタクに対処する心構えなども語られ、目の前にオタクたちがいただけに奥深いものを感じました。
ただ、ラストシーンでライブに加わったはにかみライバーの元メンバーが婚約者に殺されるであろうことはちょっとミエミエ過ぎでした。
満足度★★★★
濃密な感じはしました。
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海外留学に行った彼女とは疎遠に。同級生と結婚した元カノとは同級生の嫉妬故に久し振りに会うことになり焼けぼっくいに火が付くかに見えたものの、夫婦関係の改善によって自然消滅。自分だけが世の中から取り残されているような思いを味わう男の話。
セリフの多い会話劇で濃密な感じはしました。
ただ、結婚してから嫉妬するというのも変な話です。霞を食って生きているのか、男の生活感のなさも気になりました。