満足度★★★★
【Rosso】観劇
ネタバレBOX
日本で初めての陪審員制度による裁判という台詞があったのでオヤッと思いましたが、事件そのものには変化はありませんでした。
第一幕、第二幕のスタート時にピアノの演奏がありましたが必要性を感じませんでした。第一幕のスタート時にはさらに歌まで流れ、陪審員長の台詞と被り、聞き取りにくかったです。
全体にメリハリがなく、階下のおじいさんの足の悪さや、線路を挟んだ向かいの女の人の視力の悪さに気付いたときの驚きや感動というものが感じられませんでした。
満足度★★★★★
ドキッとする内容で素晴らしかったです。
ネタバレBOX
相続した島の維持費捻出のため安楽死ビジネスを始めた人や関係者が、罪の意識に悩み、崩壊していく話。
安楽死ビジネス側の人たち、死にたい側の人たち、偶然島に来てしまった人などの意識の濃淡具合が良く描かれていました。
満足度★★★★
雰囲気溢れる奇譚でした。
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連日に亘り、間近に観る歌舞伎俳優をモデルに押絵を創作した押絵作家が、その後生まれた子供がなぜか押絵に描かれた人形に似ていたことから夫から不義を疑われ殺されるという悲しくも奇妙な物語。
ラスト近くに人形の絵柄が描かれた大きな幕が出てきましたが、模様的には当該押絵かもしれませんが、厚みとか手法とかは全く押絵とは異なるものです。今の時代、そもそも押絵とはどんなものかを観客に知らしめる必要性があると思います。
満足度★★★★
[A]観劇
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ユーチューバーみたいなニューチューバーの人たちの世界。人気ニューチューバーを取り込んで投稿グループを作ったものの、自分の作品の閲覧者が少ないことに嫉妬して悩んでいた主宰者が交通事故で死んだことを機に、仲間たちが主宰者の意を汲んで死をネタに投稿し閲覧競争に勝ち、これが死んだ主宰者にとっての次回作であり、仲間たちにとっては、残ったグループメンバーに加え、コラボしたことのあるニューチューバーと一緒に、投稿だけでなく新人支援機能を持つ組織を立ち上げることで次の段階に入ったということを高らかに謳い上げる話。
少し冗長。インチキ霊感者がいて、幽霊物のようにしてしまったことは残念でした。
満足度★★★★★
とても感動的でした。
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20年前に遡り、小学生の自分の背中を少し押すことで、小学生の自分が札幌で行われたLGBTのパレードに参加したことで自信が付き、20年後の自分も保育士としての信念、ゲイとして生きる自信を確固たるものにし、そして、一人の少女の未来の命を救ったという話。
ジーンと来ました。人の多様性を大切にしたいと思います。客席からはすすり泣きの声も聞こえてきました。
タイムトラベル中の姿が見えた車掌さん、同じ人という設定ではないでしょうが、はけてから急いでド派手な衣装に着替えたのかと思うと楽しくなりました。
満足度★★★★
色々考えさせられます。
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第一幕は胸まで埋まった女性が色々話し、第二幕は首まで埋まった状態に変化した上で話すサミュエル・ベケットの作品。
老いの話。日傘とピストルが重要な小道具。
人間はいくつになっても思考しています。手が使えるうちは外出は不自由になりますが自殺は選択できます。しかし、思考だけの世界になると、正常か認知症的症状になっているか分かりませんが、自ら死ぬことはできません。
今日が、これからの人生の中で一番若い日です。やりたいことはやれるうちにやっておかないといけないとつくづく思います。
その一方で、老いは受け入れます。現状を直視して、身体的、思考的にできる範囲で欲張らず、くよくよせず生きようと思います。
満足度★★★★★
面白かったです。
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本当のタイムスリップと、雷が落ちたときのどさくさに紛れて企てられた捏造タイムスリップが混ぜこぜになって起こるドタバタコメディ。
良く練られた台本だと思います。ただ、バックトゥザフューチャーに敬意を払い、雷というアイデアを使ったとは言え、未来から助けを求めに来るラストの終わり方は本作品のオリジナリティを損ない、結果的に本作品の質を落とすことになったのではないかと思いました。
満足度★★★★★
「これは演劇ではない」ではない。それが逆に良かったです。
ネタバレBOX
妊娠中の感情の不安定さから来るのでしょうか、妊娠中に見た不条理劇風の不思議な夢三題という感じの話。
これは演劇でした。隣の奥さんの理不尽な応対、要求にはイライラさせられ、ズバリ良かったです。
満足度★★
けったくそ悪くなりました。
ネタバレBOX
素っ頓狂な口調による噛み合わない会話の面白さみたいなものを楽しむパフォーマンス。
かと思ったら、ヨガインストラクターが瞑想の効果を勧めるかのような体を取りつつ、インチキ宗教へいざなうような展開になり、聞きたくもない台詞のシーンが延々と続き、出るに出られずけったっくそ悪くなりました。
満足度★★★★
楽しゅうございました。
ネタバレBOX
星間戦争中に、避難のためオクラ星から地球に送られた女性が、女子高生としてUFOを呼び寄せる同好会を作り、そして今帰還する話。
さり気なーく、日常に馴染んでいるところが素晴らしい池亀三太作の小品でした。
満足度★★★★
魂が伝わってきました。
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恐らく太陽系以外も含めて人類が色々な惑星で暮らすようになった頃の話。火星の上層部が民衆の不満を抑えるため、つまらない惑星を爆破する娯楽を行っていて、その対象にされた惑星の三人が、最後にロックンロールを一発ぶちかます話。
最後の楽曲を歌いたいがためのお芝居という感じでした。
満足度★★★★
違和感のない変化は演劇の妙としか言えません。
ネタバレBOX
競馬に関わる人たちと競馬馬たちの話。
茶色やアイボリー色の背広、黒の少しくだけた服装などの役者さんたちの、人から馬に、馬から人への変化が、違和感なくスムーズに行えるのが何とも不思議で絶品でした。
内容的には、目新しいところなどは特段ありませんでした。
根岸の競馬場で競走したということは戦前のようであり、土井たか子という名前が出るということは1980年代以降かと思われ、時代的には良く分かりませんでした。
満足度★★★★★
めでたくもありめでたくもなし。
ネタバレBOX
筋肉が萎縮する遺伝性の病気で死んでいく母、娘、息子の話。45分。
遺伝的にぶっ飛んだ人のコメディ話かと思っていましたが全く違いました。
母親が発症して死んで、すぐに娘が発症したのは年齢的に早過ぎかなとも思いましたが、まあこの話は、別に筋肉が萎縮する病気でなくとも、人間は遺伝的にいずれ老衰して死んでいく生き物なのだということが言いたいのであろうと思うと、何と人間は哀しい存在なのかと、正月に当たり、めでたくもありめでたくもなしの心境になりました。
満足度★★
実につまらない企画です。
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「これは演劇ではない」という認識と、演劇における公式が本番だとすれば、『プライベート』とは本番以外のすべての部分ということで、座組みから稽古、そしてアフタートークの様子を描いた話。
いきなりアフタートークから始まったときは、これは面白そうだと期待しましたが、役者や演出家がうだうだするだけで本番がないことが分かった時点で興醒めしました。
本音を言うので耳をふさいでくださいと言われましたが、白けてしまっては全く協力する気にもなれませんでした。そして、このシリーズ、少なくとも9日までの残りの演目は、演劇じゃないのなら全く観る必要性がないとの結論に達しました。
満足度★★
【B】観劇
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『せかいのはじめ』という一人芝居を、原作者の演出と三人の演出家の潤色、四人の役者によって演じる企画。
自分が死んだらこの世界の存在価値は全くないと考えていますが、それでも遺産をどのように残そうか悩んでいる私です。
原作自体色々なバージョンがあるみたいでした。王子でみたことがありましたが、その時の感想は二の句が継げないというものでした。
このような企画を一週間以上かけてやる必要があるのかはなはだ疑問でした。新しい作品が作れないのかもしれませんが、新しい作品を作る努力をしなさい、他人を巻き込むなと言いたくなります。
満足度★★★★
これもファンタジー
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多数派の民族、赤鼻族、髭族が存在する社会の話みたいな。
秋本雄基さんの熱演は光っていましたが、意味不明でした。
アイヌ的民族の髭族が極端に虐げられている社会でした。
満足度★★★
ファンタジー
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細マッチョ的肉体美のテネシー・ウィリアムズを登場させながらの、黒い衣装によるダンスパフォーマンス。
意味不明でしたが、欧米の演劇にゲイが頻繁に登場する土台を作ったのがテネシー・ウィリアムズだったということが良く分かりました。
満足度★★★★★
面白い上に、オノマリコの概念君、寺山修司の役者感を彷彿させる素晴らしいお芝居でした!!!
ネタバレBOX
芝居が衰退した今日、芝居を衰退させた根源であるハプニングに対して、演出、役者、小道具、照明、衣装、観客などの概念が立ち向かい、芝居を復興させるというコメディ。
一人ひとりが概念として演じるのは、オノマリコ(趣向)『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』の息吹、敬虔、奔放、哲学、癇癪、沈黙、平穏、飴玉、○○のようで、しかも分かり易い。
死んだ役者が復活するところでは、寺山修司『青ひげ公の城』の中の、普通の役者なら次の芝居で生き返ってくる、生き返ってこなかったのは役者として不適格といった趣旨の言葉を思い出しました。次の芝居でなく、カーテンコールの拍手で蘇る、観客の力の素晴らしさを認識させてくれ、最近とあるお芝居で演劇おじさんなどと揶揄されへこんでいた気持ちを元気づけてくれました。ありがとうございました。
最初の観客席の役者さんは、当日パンフレットに観客という配役があることが書かれていたこと、身じろぎもせずに余りにも不自然に座っていたこと、さらにその後ろの席に座ったお客さんがここが一番いい場所なのよと言いながら座ったことから役者さんだと気付いてしまいました。本当の観客役の役者さんが遅れて着席したときは本当のお客さんかと、こちらはしっかり騙されました。
満足度★★★
ご冥福は祈らない。
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人は死んだら、家族を含めた知人に弔ってもらうのが良く、自信や津波などの災害も含めて遺体が発見されないような死に方は好ましくないと考えている作者の考えを具現化したような話。
他人に何かをしてもらって何かが決まるわけではありません。本人の気持ちの問題です。「ご冥福は祈らない」ですし、祈ってもらいたくもありません。
能狂言の様式美も古臭く感じました。
満足度★★★★
二週連続!?
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歌手を夢見ながら引きこもり支援施設で働く女性が、家族のこと、先輩の妨害などありつつも結婚に至る様子を、全員が底を開けた使い捨てコップ状の装置を使い心の声を観客に聞かせながら進行する話。
春風舎の若手企画が二回続けて心の声を聞かせるというのは少し芸がない気もしました。