水になる郷 ミズニナルクニ
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2009/10/28 (水) ~ 2009/11/01 (日)公演終了
満足度★★★
一級品の焼き物も配慮に欠ければ・・・
1
始めのほうに出てきた、初代分岐点守。
コミカルでチャーミングだったが、
芝居の序盤での登場でそのテンションにはのれず。
また、全体的な雰囲気からもやはり浮いていて、
途中の登場だったなら舞台ぶち壊しとまではいかないまでも
それに近い次元まで到達していたかもしれませんな。
しかし、別の団体なり、別の作品なりで、
彼を観ていたらきっと笑っていたかもしれない。
ただ、彼は中盤以降、現実世界の編集者も演じており、
初代分岐点守の過去の経歴である「犯罪者」という設定はどうなったのだ?
謎の世界で、水になる道が見えてきて、進んでいったから、成仏とかなんとかなったんだろうか。
輪廻転生して、編集者にでも。いや、それとも別人なのだろうか。
謎の世界自体、劇中の脚本家の描く不思議な世界だったわけで、
脚本家の知り合いがその謎の世界の住人として出てたってことなのか。
少々謎でした。
2
謎の世界で、ある少年の姉が、
図書館で本を見つけたとか、それが実は噂話で自分も騙されただけって言っていた内容が意味深だった。いい意味でも悪い意味でも。
というのも謎の世界の住人である彼女が、
実は自分達の世界は作家によって描かれた世界なんだとか、
自分達もその作家に作られた仮想の人物なんだ的なことを
なんらかの方法(本なり噂なり)で知ったってのはどうなのだろう。
意味深ではあったが、それ以降それについてはうやむやになったわけで、
勿体ないというか、もっと掘り下げてみてもよかったのではないかと
不思議好きである拙僧は思いました。
逆に、それを展開すると、収拾つかなくなるのかもしれんが。
3
しかし、それら1、2やその他諸々気になった設定はあったものの、
スカイハイやホリックと言った漫画のような要素のキーマン、分岐点守を出したのは良かった。
世界観としてはとても面白く、美しかった。
良い設定で、良い世界造型がある程度しっかり構築されると、
多少の疑問などどうでもよくなりますね。
4
現実世界の幽霊役の女の人が、
少々お歳(とは言え若い)でしたが妙にえろかったですな。
脚本家にまたがって、首に手を回し、ぶら下がった後ろ姿など……。
個人的に2で一瞬触れた(単語出てきた)謎の世界の少年役の人が好きでした。
MVP的な。
少年。ピーターパン。パック。そんな感じで。
5
残念だったのは
最後の扇風機。
舞台の天井から垂らされた無数の細い布が、
ラスト幕切れで扇風機によって揺れる効果は良かった。
しかし、作動中は仕方ないにしても、
スイッチ入った時の大きな音に、ほぼ観客が反応したと思われます。
拙僧は舞台後列に居りました。
客席天井の扇風機の設置が厳しかったのか。
また、その作動始まりに、音楽を大音量で流しとけばまだマシだったのでは?と悔やまれます。
結論
全体的な雰囲気としては
☆5とまでは行かなくても☆4.5くらい差し上げたかった。
しかし、幕開けと幕切れが致命的(特に幕切れ!)でしたので、
☆3にさせていただきました。
楽園王+の長堀さんの脚本だったようですが、
彼の自劇団での作品よりも好感度高いです。
たぶん、「エッシャーのような……」という彼の劇団の売り文句の片鱗を垣間見れたので。
エッシャー好きとしては、エッシャーのようなというのはやはり大げさだとは思いますが。
劇場HOPEこけら落とし『かもめ』
ノアノオモチャバコ
劇場HOPE(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/20 (火)公演終了
満足度★★
ううむ
原作よりは分かりやすかった。
(原作読んでない人はたぶん理解に難あり?)
しかし、それが仇となった。
特に、
主人公♂の心情と、
ニーナと小説家の惹かれ合うシーンの交錯が
拙僧にとっては非常に鬱陶しかった。
苛立ちさえ憶えた。
主人公部分になったら照明が変化し、その都度音楽挿入。
学生演劇にありそうな感じでした。
ダンスは非常に良かった。
ジャズが基本。クールでややエロスあり。
しかし同じく、ダンスとしてである。
最初は鮮やかではっとしたが、
場転とともにいちいち挿入が始まり、
以下同文。
まるで前に見た、RAKUENOH+の
照明ちかちかしながらの場転を思い出した。
あれも拙僧には合わなかった。
とはいえ、美しい部分もあった。
最後の雪降る中、
のたれ死んでるニーナと、自殺した主人公♂の手を
回想を聞いてたある娘(原作になし)が結ぶところだ。
しかし、やはりこれも
原作を読んでる拙僧としては臭い。臭すぎた。
ニーナの末路、その解釈はそれもありでしょう。
精神錯乱+飯食してない+疲れてる などでのたれ死ぬ。
主人公♂と話をしていくうちに、
明るい方向を見いだしていくニーナが所詮幻想や幻覚であったとしても。
しかし、拙僧はこう考える。
もはや何をしても不満な主人公♂にとっては未来は明るくない。
彼の救いはニーナが自分の元に帰ってくること。
しかし、やつれたはずのニーナは明るく、
彼に「あの人を以前より深く愛してる」と言い放つ。
絶望である。
引き金をこめかみに当て自殺した彼に、
苦し紛れに救いを与えて良いものか。
そうなってほしいと願う心もなくはないのだが、
それなら
手と手を結ばせた後も雪が降り積もり、
彼らを埋めてやれば良かったと思うのだ。
ロシアらしさを出せとは言わない。
ですが、「雪」が綺麗で軽いものに見えてしまった。
ロシアの、否、彼らの雪はそんなもんでしょうか?
作家としてのあなたは、主人公♂のような心境に陥ったことはなかったのでしょうか?
なんにせよ、終わりは主人公♂の、
否、トレープレフの苦悩・憔悴・絶望を強く表現するべきだと拙僧は思った。
現代風アレンジするのは構わないし、
おかげで最近、とても興味深い団体を見つけたし、これからも様々な団体に大いにしてほしい。
ですが、現代風の、妙なあまっちょろい考えで台無しにはしてほしくないのである。
人形の家が面白かったあなたがたなら出来るはずです。
なのであえて☆1。
しかし劇場がとても良かったのと、
こけらおとし記念に☆1おまけ。
阿呆船
劇団5本指ソックス
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2009/09/19 (土) ~ 2009/09/22 (火)公演終了
満足度★
学芸会・発表会なら納得
阿呆・狂人の類を演じられるような芸達者は残念ながら見当たらず。
眠り男の演技が独特で受け付けず。
ラストに長い台詞を唱えた女性も
よくあんなに口が動くと感心しただけで演技もくそもない。
裁判官のような者達は噛みまくり
口に何か物でも入れてしゃべらせたのだろうか
だとしたらその工夫は仇となった
寺山だから何でも許されるわけではないと拙僧は思う。
『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』
DULL-COLORED POP
サンモールスタジオ(東京都)
2009/10/07 (水) ~ 2009/10/13 (火)公演終了
逆手本忠臣蔵(公演再開&追加公演決定!)
劇団バッコスの祭
池袋小劇場(東京都)
2009/09/30 (水) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
人形の家
劇団ING進行形
pit北/区域(東京都)
2009/10/09 (金) ~ 2009/10/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
幸運な出会い
王子で用事をすませ、偶然目につき当日券
料金1800円と安かったので期待はせずに
イプセンの人形の家だがどこか違う
脚本は原作より丁寧かつスマート
演技は歌うような言い回しに踊るような動き
大げさだが趣向に富んでいた
賛否は分かれるだろうが
拙僧にとっては鳥肌モノ
古典しりーず興味あり
ザ・ダイバー 日本バージョン【9/20千秋楽】
東京芸術劇場
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/08/20 (木) ~ 2009/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★
期待値超えず
ロンドン版
脚本を拝見。
生で拝見。
映像でも拝見。
その後
日本版
脚本を拝見。
生で拝見。
結果、ロンドン版の勝ち。
日本版はロンドン版より分かりやすくなっていたが
言葉に頼りすぎてる感あり。
フィジカル面もロンドン版のほうが上な気が。
池袋でやるやつ2009夏【シアターグリーン学生芸術祭vol.3 最優秀賞受賞!】
ろりえ
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/08/27 (木) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
「夢+夜~ゆめたすよる~」
少年王者舘
ザ・スズナリ(東京都)
2009/08/19 (水) ~ 2009/08/25 (火)公演終了