johnnyの観てきた!クチコミ一覧

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KUNIO07『文化祭』

KUNIO07『文化祭』

KUNIO

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/09/03 (金) ~ 2010/09/06 (月)公演終了

満足度★★★★

高校時代に戻りたくなりました☆
芝居を観る観客にとってはすでに過ぎさってしまった高校時代の若さ・パワー・向こう見ずさ・その他もろもろのはっちゃけぷりを、(こうありたかったなあ、という願望も含めて)舞台に再現。観客を引き寄せる楽しいシーンを基本とするも、ところどころに人間集団の持つ排他性、差別意識を盛り込むなど、演出家のセンスの良さを感じました。
欲を言えば、お祭りらしいある種の儚い盛り上がりにとどまらず、舞台作品だからこそ提示できる、「祭りが終わった後に続く道」を描いてほしかったなあと思います。青春時代にタイムスリップしてしばし浸ったあとに、明日に一歩踏み出すことができる「何か」を示してほしかった。それは観る側それぞれがみつけるべきものなのかもしれないけれど。

ザ・キャラクター

ザ・キャラクター

NODA・MAP

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2010/06/20 (日) ~ 2010/08/08 (日)公演終了

満足度★★

これで9,500円は高い!!
すでに40人ものこりっちユーザーが感想を書いている公演。ざっと目を通しただけでも、「同じものを観ても、感じ方・受けとめ方は本当に人それぞれ」と、当たり前の事実に改めて感慨を受けます。

個人的には、今回の野田作品には全くといってよいほど面白さを感じませんでした。これでS席9,500円は、あまりに内容に見合っていない。農家の嫁さんがおっしゃっているとおり、チケット代のかなりの割合は、有名人を生で目にする「舞台挨拶」を見るために払っているようなものと感じました。

物語として選んだモチーフだとか、言葉遊びを豊富に用いた脚本、あるいは俳優の演技に本質的な問題があったとは思いません(必ずしも名前のある俳優を起用する必然性は感じませんでしたが)。それよりももっとシンプルな理由―単に芝居の作りこみが甘いまま本番を迎えてしまい、ここまで来てしまった―を強く感じました。「このシーンのこの箇所はもっと丁寧に作らないと・・・」というところが芝居全体でおそらく何十もあって、そういう部分の積み重ねが全体のクオリティを下げてるような気がしました。

野田さんは東京芸術劇場の芸術監督になってとても忙しいとは思いますが、何ヶ月もワークショップを重ねて「THE BEE」を創ったような、演出家としての矜持をこれからも大切にしてほしいと思います。

蟹

劇団桟敷童子

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2010/07/16 (金) ~ 2010/08/01 (日)公演終了

満足度★★★★

桟敷童子初見。行って良かった!!
前から気になっていた劇団。あともうひとつの機会がなく、観劇を見送っていたけれど、Corich メンバーの絶賛のコメントを見て、決心しました(笑)。ホント行って良かった。作りこまれた独特の濃い世界観は、劇団という枠組みで芝居創りを続けるならではの味。そして池下重大さん。まだ若いのに立ち姿だけでロマンやら哀愁やらその他人生の苦い味だったりを醸し出せる俳優は稀有な存在だと思います。今回はCorich に感謝!

ネタバレBOX

あえて難をあげれば、ベタなストーリー展開(主役である兄弟の育ての親にあたる登場人物が乱闘の最中に死ぬところなど)は、劇団のリピーターになる上では個人的にはマイナス点ですね。「次の公演も似たような話かな」と思ってしまいがちになる。まあ、これは好みの問題が大きい部分ですが。
東京ノート

東京ノート

BeSeTo演劇祭

新国立劇場 特設会場(東京都)

2010/07/02 (金) ~ 2010/07/17 (土)公演終了

満足度★★★★★

よく作りこまれた、美しい芝居でした
紛れもない名作。今回は新国立劇場メインホールの大階段を背景に据え、客席から見ると舞台奥がせりあがっていく構え。この大階段を青年団の役者がゆらゆら歩くのですが、これが美しかった。天界を天上人が散策するみたい。舞台の視覚的な美しさと、そしてもうひとつは芝居のアンサンブルの美しさ。静かな海を思わせる破綻のない流れるような芝居が続く中に、ふと挿入される破れ目。そこから生きることの意味を見出そうともがく登場人物の葛藤が垣間見えました。これぞ演劇。

変身

変身

MODE

イワト劇場(東京都)

2010/07/06 (火) ~ 2010/07/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

文句なしの傑作です!!
ダメ出ししたくなるところが全くない、芝居創りのプロの粋がちりばめられた文字通りの傑作だと思います! いわゆる一般的な小劇場の公演と比べると、ここの公演の客層はかなり高めです。こういう芝居こそもっと若い人が見るべきだと思うのですが・・・。今回の公演は特に、老若男女問わず、誰が観ても楽しめる作品だと思います。

ネタバレBOX

カフカの『変身』を、ほぼ原作に沿ってそのまま舞台に上げています。原作の面白さを最大限に引き出す演出と言えるでしょう。
電車は血で走る(再演)

電車は血で走る(再演)

劇団鹿殺し

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/06/18 (金) ~ 2010/07/04 (日)公演終了

満足度★★★

下町の生活の匂いが感じられるいい舞台でした
テンポの良い物語進行、生演奏や歌、笑いのシーンが豊富で良いです。そして何よりも、彼らの舞台に感じられる下町の生活の空気など、芝居に質感があるのが、観ていて嬉しいです。欲を言えば、今後はあえて全然違うテイストの作品・別の作家の作品などを上演して、幅を広げていってほしいなと思います。

リオ・デ・ジェネイロ

リオ・デ・ジェネイロ

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2010/06/26 (土) ~ 2010/06/27 (日)公演終了

満足度★★

SPACの公演では珍しく退屈さを感じてしまった
明確な物語はなく、自分の外側の世界と内面の世界との回路のもつれを、芝居・ダンス・音楽・映像を断片的につないて表現する作品。うーん、描こうとしていることに新鮮さを感じられなかったです。

王女メデイア

王女メデイア

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 野外劇場「有度」(静岡県)

2010/06/19 (土) ~ 2010/06/26 (土)公演終了

満足度★★★★★

圧巻の出来栄え。
宮城氏の「二人一役」の手法が、見事にエウリピデス「メデイア」の世界を描き出していました。作劇も見事。あえて日本・明治時代の宴席の場での「劇中劇」とすることにより、ギリシア悲劇を日本人の俳優で成立させる下地を作ることに成功していたと思います。
小雨降る野外劇場での上演後、超満員の客席は、あまりに素晴らしいパフォーマンスを目の当たりにした時の、静かなどよめきが起こっていました。

アルルカン、天狗に出会う

アルルカン、天狗に出会う

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」(静岡県)

2010/06/20 (日) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

少しも観客を飽きさせない一人芝居はさすが
抜群の身体性に引き出しの多さ。作・演出でもあるガラス氏は、根っからの役者です。およそ75分があっという間に過ぎました。ただ、それ以上に感ずるところが特になかったのも確か。

頼むから静かに死んでくれ

頼むから静かに死んでくれ

SPAC・静岡県舞台芸術センター

静岡芸術劇場(静岡県)

2010/06/19 (土) ~ 2010/06/20 (日)公演終了

満足度★★★

スケールの大きな作品でした。
自らのルーツ―アイデンティティを追い求める旅を描く作品。素晴らしい作品だったと思う一方、この芝居を楽しむ何かが、自分には欠けていると思いました。

セキュリティー・オブ・ロンドン

セキュリティー・オブ・ロンドン

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」(静岡県)

2010/06/12 (土) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★

芝居の設定がやや不明瞭だったか・・・
役者のパフォーマンスはさすが。一人で老若男女を明確に演じ分ける技量の高さは素晴らしかったです。ただ、「監視カメラ」の目を通して物語が進んでいく、という芝居の設定がやや分かりずらかった。

彼方へ 海の讃歌

彼方へ 海の讃歌

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 屋内ホール「楕円堂」(静岡県)

2010/06/11 (金) ~ 2010/06/13 (日)公演終了

満足度★★★★

名優の一人舞台を堪能しました
台詞の「語り」だけでこんなにも豊穣な世界を表現できるのか・・・俳優が成し遂げることのできるその奥深さに触れました!

甘え

甘え

劇団、本谷有希子

青山円形劇場(東京都)

2010/05/10 (月) ~ 2010/06/06 (日)公演終了

満足度

自分には理解できなかった
本谷有希子初見。率直に言って、全然楽しめなかったです。脚本は台詞が安っぽいし、何より描こうとしていることが伝わってこず。演出も、例えば音の使い方がアマチュア演劇に近いように感じるなど、全体的にプロフェッショナルから遠いような気がしました。世間的には評価の高い本谷氏ですが、個人的には×です。

家の内臓【作・演出 前田司郎】

家の内臓【作・演出 前田司郎】

アル☆カンパニー

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2010/05/21 (金) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★

納豆みたいに粘っこい質感の芝居だった
「家族」のように近い間柄の人間関係の粘っこさが、小さな劇場で目の前で演じる役者さんからぷんぷんと伝わってきました。

ネタバレBOX

普通の家族ではなく、温泉旅館で男女がひとつの部屋に泊まってしまうほど関係が密の、小企業に勤める社員同士、という設定はうまいと思いました。一方、個人的には、とりとめもない話をただだらだらしゃべるだけの芝居に、物足りなさが残った面もあります。
裏切りの街

裏切りの街

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2010/05/07 (金) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

確かに、人間の本質を精緻に描写していると思いました
三浦大輔作品を初観劇。センセーショナルな手法ばかりが前面にクローズアップされている感じを勝手に抱いていましたが、現代の、特に都会に生きる人の心の有り様を、丁寧に繊細に描いていると思いました。休憩入れて3時間15分、少しも長いと思いませんでした。

ネタバレBOX

公演パンフレット(1,500円)中のキャスト・インタビューで松尾スズキ氏が本作を、「(ポツドールより)ちょっとウエルメイド化した感じがする」と言っています。(「ポツドール」を観たことがないので想像ですが)ウエルメイドなテイストになったことで、彼が描写したいことをより多くの観客に届けることに成功しているのかな、という気がしました。
『革命日記』

『革命日記』

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/05/02 (日) ~ 2010/05/16 (日)公演終了

満足度★★★

安心して観ていることができました
青年団の本公演はやはり、安心して観ていることができました。俳優陣の技量の高さは、さすがの一言に尽きます。

ネタバレBOX

脚本は、うーん、「革命」という言葉が想起させるものと、ホンが描いている若い世代が、観ていてどうしてもうまくマッチしませんでした。1960~70年代の学生運動を実際に体験していない世代にとって、「革命」とは単に、教科書やテレビのニュースでしかお目にかけない、リアリティに欠ける事柄なのだと思います。「個と集団」というモチーフを描くのであれば、もっとベターな素材があるのでは。役者の芝居自体は優れているにのかかわらず、イマイチ物語に入り込めなかったのは、そこらへんが理由かと思いました。
薔薇とサムライ

薔薇とサムライ

劇団☆新感線

赤坂ACTシアター(東京都)

2010/03/16 (火) ~ 2010/04/18 (日)公演終了

満足度★★★★

エンタメ爆発! 素直に楽しめました!
チケットの取りづらさに、これまで敬遠していた「新感線」。当日券を運良く!ゲットして、初観劇。休憩20分入れての約3時間40分、立ち見でも楽しい時間を過ごすことができました。約1,300人の観客をあれだけ熱中させるパワーが何より素晴らしいと思います。個人的には決して好きなタイプの芝居ではありません。エンタメ全開なことはその反面、舞台作品だからこそ享受できるもっと密度の高い「何か」を捨象しているのだろうから。けれども、そのように感じる観客をも含めて、それになりに満足させてしまうだけの、ある種の普遍性とクオリティの高さがあるのだと思います。同じように売れている小劇場出身の劇団としては、「大人計画」よりは好みかな。

夢の裂け目

夢の裂け目

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2010/04/08 (木) ~ 2010/04/28 (水)公演終了

満足度★★

うーん、戯曲はよくできていると思うけど・・・
井上ひさし氏逝去の報が流れた日に、偶然にも観劇。戯曲はさすがに、描こうとしている世界観が素晴らしいです。けど、芝居は率直に言ってつまらなかったです。有名な俳優がたくさん出演していましたが、役者同士の演技がきちんと成立しないまま、芝居が流れていってしまう箇所があまりに多すぎた気がします。なんというか、稽古不足でしょうか? またスタッフワーク(例えば舞台装置や衣装)も、イマイチだったと感じました。全体として、脚本の世界を舞台上に成立させるのに失敗しているような気がしました。まだCorich!ではレビューがそれほど出ていなく、他のブログなどでも現時点では厳しい感想や意見を見つけることはできませんでしたが、はっきり思ったことなので素直に記しておきます。

スイングバイ

スイングバイ

ままごと

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/03/15 (月) ~ 2010/03/28 (日)公演終了

満足度★★★

注目の公演、いい面、ダメな面両方です
「Corich!」で評価が割れている公演の千秋楽を鑑賞。感想は・・・いい面・ダメな面いろいろだと思いました。演出面でのいい意味でのポップさや新しさには感心しました。演出の柴氏の頭の良さがよく出ていると思います。あと出色だと思ったのが、きちんと演技ができる役者が多かったこと。キャスティングも柴氏が行ったのでしょうか? だとしたら俳優を見る目は素晴らしいと思います。物足りないのは脚本。やはり深みが足りないと思います。別に社会経験が必ずしも必要だとは思いませんが、現実のビジネス世界で揉まれている会社員が抱えているものを、ほとんど掬い取ることができでいないです。現実を照射した物語からあえて背を向けるなら、今回のテーマは外すべきでしょう。

女殺油地獄

女殺油地獄

MODE

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/03/14 (日) ~ 2010/03/22 (月)公演終了

満足度★★★★★

期待通りの優れた芝居でした!!
俳優の演技を引き立てる舞台美術・照明・音響など各種演出の妙。そして観客を物語の世界に引きずりこむ俳優陣の演技力の高さ。一言で言うと、「これぞ演劇」という味わいに溢れてました! MODEの作品はいつもそうですね。出演する役者の演技はリアルというか、きちんと目の前の相手との関係性をとる演技をしますが、それがきちんと物語の世界に昇華します。

ネタバレBOX

女「お吉」が与兵衛に殺される場面。ほんと、文章では表現できないくらい(笑)、美しかった。残忍なシーンのその手触り感を観客に伝えつつ、かつ物語のクライマックスを飾るけれんみもたっぷり盛った、リアルと虚構の狭間を打ち抜く素晴らしいシーンでした・・・。

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