沼
劇団 兄貴の子供
OFF OFFシアター(東京都)
2009/11/12 (木) ~ 2009/11/15 (日)公演終了
リフラブレイン
MCR
駅前劇場(東京都)
2009/10/29 (木) ~ 2009/11/03 (火)公演終了
満足度★★★★
ひっかかる
会話は巧みで、すぐに劇の中に取り込まれてしまう。
大笑いさせられる。
でも笑いだけじゃない。うっかりしてると心を鷲掴みにされる。
でもなにかひっかかっている。
いいこといっている科白が、妙に説教くさく聞こえるとか、結末これでいいの?とか。
ほかの方の感想を読んでみても、結構すっきりした意見ばかりで、それで一層もやもやする。そんなすっきりした物語なのかなあ。
ファンタスマゴリア
少年社中
座・高円寺1(東京都)
2009/10/28 (水) ~ 2009/11/01 (日)公演終了
満足度★
きゃらめるぼっくすちるどれん
派手な照明、音楽、役者の大仰な動き。どれもが本の中身の薄さをカバーするためのように思えてならなかった。
再演でこれか?という思い。
別の本だったらもっと違うのだろうか。
フーディニとホームズというネタを持ち出してきた割には、スケールもトリックも小さかった気がする。
客演にキャラメルボックスの役者を呼んでいたが、敬意を持つことと媚びることを取り違えている気がした。
『曾根崎心中』 × 金剛院
TOKYO NOVYI・ART
金剛院(東京都)
2009/10/18 (日) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
翻案劇 サロメ
アトリエ・ダンカン
東京グローブ座(東京都)
2009/10/19 (月) ~ 2009/10/25 (日)公演終了
満足度★★★
コラボ?
海の向こうで生まれた芝居にこの国の音楽をくっつけてコラボを売り物にするなら、日舞とコンテンポラリーダンスのコラボというのも、せっかくだから挑んでみてもらいたかったような。食い合わせがよくないのかな。
思ったよりすんなり過ぎてしまったような。
もっともっと型破りなものを期待していたんだと思う。
モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】
タカハ劇団
座・高円寺1(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
わからない
学生運動など、ある時代を扱った作品は、その頃を共有していない自分にはどう消化してよいのか分からない。何かが決定的に抜けている気もするし、終演後の拍手も、物語でなく優れた役者に対してするしかない。
ただ、革命とか闘争といったものを身の回りにある何かに置き換えることはできて、劇中の言葉は深く突き刺さってくる。
徹底的に手足
売込隊ビーム
「劇」小劇場(東京都)
2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台と想像力
ひたすら笑わせる作風かと思っていたら、きっちりとした会話劇だった。それは小劇場ならではの楽しみ。
逆に、舞台装置が小劇場に不釣り合いなくらい大きく、見えないものをどこまで観客が想像できるかで、劇に入り込めるかどうかが決まってしまう気がした。
舞台よりは映画向きの状況設定に思えた。
初めて舞台を観るとか、年に1、2度といった方には勧めにくい作りに思った。
わが星
ままごと
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2009/10/08 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★★
真上から見たい演劇
演劇とはこういうものだ!などと、誰が決めたわけでもないのに、それを見直しもせずに繰り返すのはもったいないと思う。
駅の階段を上る時、降りてくる人間が一人もいないのに片側通行にこだわるようなもので、そこは左右に広がってさっさと上ろうよと思う。ルールめいたものの中身を覗いてみようよと思う。
反旗を翻すのでなく、力ずくで壊そうとするのでなく、静かに可能性を広げていく感覚が、のびのびしていて気持ち良かった。
シンプルでいて仕掛けに満ちているような舞台も好み。
『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』
DULL-COLORED POP
サンモールスタジオ(東京都)
2009/10/07 (水) ~ 2009/10/13 (火)公演終了
満足度★★
4.48サイコシス
演技とか筋書きにこだわっていては感じられないものがあるとは思う。なんだか訳が分からないけどいい、というような。
それでも原作者の死に囚われ過ぎていた気もする。重ね合わせ過ぎていた気がする。自殺願望から遠ざかった時点で、再度この戯曲に挑んだなら、随分違うものを見られる気がするし、またそれを見たいと思う。心から思う。
あと、いろいろと綺麗すぎた。美意識が語りをぼんやりとさせてしまったようにも見えた。
河童橋の魔女
劇団ジャブジャブサーキット
ザ・スズナリ(東京都)
2009/10/07 (水) ~ 2009/10/11 (日)公演終了
満足度★
幼い
48回にものぼる長い公演の歴史を経てきた劇団の作品というので期待していたが、驚くほど稚拙で呆れてしまった。
過去作は知らないが、今回がたまたまハズレだったという風にも思えなかった。
駆け出しの作家が書くような、話し言葉を無視した台詞回し、言い訳がましい説明台詞、一貫性のないキャラクター造型、繰り返される質の低い笑い、どれもこれも酷い。
OTOなOTO
大川興業
ザ・スズナリ(東京都)
2009/10/02 (金) ~ 2009/10/05 (月)公演終了
満足度★★★
必然性
これまでの3回はどういうものか知らないけれど、暗闇でやることの必然性に乏しかった。でも、面白いことのできる余地はまだまだいくらでもあるように思う。
雨のにおい
東京タンバリン
駅前劇場(東京都)
2009/10/01 (木) ~ 2009/10/06 (火)公演終了
満足度★★★
肌に張り付く感じ
硬くて、生々しい。
こういうのをハードボイルドっていうのかもしれない。
見るときの心理状態で、大きく感想が変わってしまいそうな物語だった。
て
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了
満足度★★★★
錯 覚
結局、人間と人間とは分かり合えないのかもしれない、と思う。
どの方向から光を当てたかで、まるで見え方が違ってしまう。
人の死で、安易に軋轢が解消されないところが良かった。
残念だったのは、皆に多方面から光が当てられていたのに、父親だけはずっと恐怖と拒絶の対象として一方向からしか当てられていなかったように見えたこと。
父親自身の言う愛情に、もう少しほかの視点から肉付けをしてくれたらと思った。行為だけを聞けばひどいが、その感想だけで済ませていいようにも思えなかった。
共感はできなくても、理解に近づきたかった。
バケレッタ
勝田演劇事務所×海のサーカス
吉祥寺シアター(東京都)
2009/10/02 (金) ~ 2009/10/08 (木)公演終了
サッちゃんの明日【松尾スズキ新作!】
大人計画
シアタートラム(東京都)
2009/09/18 (金) ~ 2009/10/11 (日)公演終了
満足度★★
個人名でなく
作演出が松尾スズキとなっているが、大人計画と丸めてしまえばいいのにと思った。
笑いを起こすのは個々人の演出力で、物語は松尾の熱烈なファンか誰かが真似して書いたように見えた。
twelve
劇団6番シード
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2009/09/12 (土) ~ 2009/09/21 (月)公演終了
満足度★
舞台を選ぶ意味
作者が目指すものが何かは分かる気がする。海外ドラマや映画の影響がそこここにある。でもそれは映像だから騙されるのであって、目前で生身の人間がやるとなると越えなければならないハードルがいくつもあると思う。
テンリロインディアンの時はまだ器の中に収まっていた気もするけれども、そこに泣かせたいという欲(それ自体は悪いことではないけれど)まで入り込んだために今回は取り返しがつかないくらいこぼれてしまったと感じた。泣くイコール感動でないことをわかってもらいたい。
限られた時間で、あっさり心を入れ替える人間なんて見たくない。それは人間でなく人形、ただの駒だと思う。それが嫌だから2時間ドラマでなく舞台を選ぶ。
2時間半休憩なしという周知は、開演のずっと前からすべきと思った。年輩の客も少なくなかった。作家が書きたいものを書くなら、せめて制作側は会場を観察し、ざわめきにもっと耳を傾けるべきと思った。
夜と森のミュンヒハウゼン【9/20千秋楽】
サスペンデッズ
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2009/09/11 (金) ~ 2009/09/20 (日)公演終了
満足度★★★★
逆手にとること
雰囲気作りが秀逸だった。会場に入った途端飲み込まれる。
会場が、23区外かつ駅からのそこそこの距離という、あまり利便が良いとは言えない立地を逆手にとった作品作りだったように思う。詳しく書くのは避けたい。
余計な音楽がないのも好み。
また、作家の文体が独特で、たとえば川上弘美とかの女性作家を思い出させて、いつの間にかそれが心に染み入ってくる。
神様はいない(公演終了・ありがとうございました・御感想お待ちしています)
MU
新宿シアターモリエール(東京都)
2009/09/10 (木) ~ 2009/09/13 (日)公演終了
満足度★
神様はいない
思うことを台詞にのせればいいというものでもないと思った。
劇団という形態で役者が下手ならあーあというしかないけれど、あちこちから呼んで大根揃いというのはどうなのだ。
神様はいない。
売り言葉
Hal's Party
d-倉庫(東京都)
2009/09/03 (木) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
一人芝居とはいえ
一人芝居というと、どうしても演じる誰かにばかり目が注がれてしまうが、それを支え羽ばたかせるものにも気配りが必要なのだと気付かされた。
何が潜んでいるか気になる舞台装置も、柔軟な照明も、開幕の引き込み方も、心を躍らせてくれた。それは戯曲を読むだけでは味わえないこと。
女優はしなやかだった。可憐で、勇ましく、寂しげだった。淵を覗き込ませてくれた。
パンフの言葉も気にかかる。
狭き門より入れ
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2009/08/17 (月) ~ 2009/09/06 (日)公演終了
満足度★★★★
物語の力とその持続性
わかりやすく、しかし考えさせる(考える機会を与えてくれる)作品。
でもなによりいいのは、きっと無名の人々ばかりの小劇団でやっても面白い物語であること。
金をかけなければ、役者の人気に頼らなければ(頼っても)もたない作品も世の中少なくないのに。
役者人気に寄りかかっていないのは大事なことに思う。
こういう作品をきっかけに、小劇場作品にも興味を持ち、足を運ぶ人が増えればいいと思うけれども。