コウエンノキマリ
tea for two
「劇」小劇場(東京都)
2008/06/26 (木) ~ 2008/06/29 (日)公演終了
満足度★★★★
心地よいヒント
“喫茶店で隣の席に座った人の会話を盗み聞く”ように
会話の断片から、一つの筋が浮かび上がっていく。
そして変に観客を裏切らない構成。
毎回本当に巧みな脚本だと関心する。
役者さんの技術に差があるので
完成された空気を創り出せずにいるのが残念。
俺を縛れ!
柿喰う客
王子小劇場(東京都)
2008/06/18 (水) ~ 2008/06/30 (月)公演終了
満足度★★★
柿による柿のパロディ
もう少しスリムアップできれば
もっとエンタメとして盛り上がるものになるだろう
私が観劇した回は
主要人物の堀越涼(花組芝居)氏が
若干息切れ気味で迫力にかけた
初見ながら村上誠基氏はよかった
最後のうまくまとめようとする台詞に
私はまるめこまれそうになって、よかった
「て」
ハイバイ
駅前劇場(東京都)
2008/06/18 (水) ~ 2008/06/23 (月)公演終了
満足度★★★★
笑って苦い
ちょうど観客と演者が育って来た時代の“崩壊した家庭”の物語
シンプルな舞台と簡単な装置が
血のつながりを断ち切れない家族と
ある一家を覗き観る観客にとても適していた
ただ、岩井さん本人が出演されてしまうことで
要の役柄が強調されすぎている気がした
観客側の受け方を限定しすぎず
もう少しフラットにした方が“家族”の物語が
届きやすいのではないだろうか
あゆみ
toi
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/06/18 (水) ~ 2008/06/24 (火)公演終了
満足度★★★
役者の集中力に不満
人間の一生を“歩く”をテーマに切り取った脚本は、
セリフに過不足がなく秀逸
ただ、同じ作品を
よりうまく立ち上げられる演出家がいる、と
劇中で感じてしまい若干興醒め
役者の集中力が5倍くらい濃かったら
飛躍的にいい作品になるだろう
I do I want
空間ゼリー
サンモールスタジオ(東京都)
2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了
満足度★★
青春群像
いまさら等身大の青春劇みせられても…というのが率直な感想
値段が高すぎる、半額でも微妙かも
役者の丁寧な演技には好感が持てるが、
そこまででしかない
そして、役者の演技・衣装とは逆に
リアリズムのない舞台美術が世界を壊している
Root Beers ~ルートビアーズ
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2008/06/18 (水) ~ 2008/06/25 (水)公演終了
満足度★★★
女性が書くピカレスクロマン
本もしっかりしているし
役者さんもそれぞれキャラ立っているので
観やすい 分かりやすい
ただ、KAKUTA的には“漢”なのかもしれないが
最近 男性の作家の作品を観ることが多かったので
期待していたほどの男臭さは感じられず
全体的に分かりやすいキャラクターとして
記号化された演技体で芝居が創られていたが
緻密な演技で光る役者陣も多いのでもったいない
杭抗(コックリ)
乞局
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/06/04 (水) ~ 2008/06/15 (日)公演終了
満足度★★★
時間軸を超越してなお
久しぶりの観劇で、初めてみる役者さんが多数
加えて時代設定が変わっていく物語なので
従来の濃密さが薄まるかとも思ったが
役者陣が演出にきちんと応えており
どろりとした世界観の完成度は高かった
最後の“救い”が分かり易すぎる気もしたが
個人的に暗い話が好きでないので
これくらいの方がいいかも
鮮やかな食卓
角角ストロガのフ
明石スタジオ(東京都)
2008/06/05 (木) ~ 2008/06/08 (日)公演終了
満足度★
美術がよかった
宣伝と舞台美術が素敵。
語られる中身は話がバラバラしすぎていて
またどれもそこまで目新しいエピソードではないので、
とても長く感じられる。
役者もプロトタイプの演技に終始してしまっている気がする。
第一回というを思えば成功かもしれませんが、
次回観に行くとしたら、評判がたってからかな。
幽霊船
劇団サーカス劇場
夢の島公園 特設テント劇場(東京都)
2008/05/16 (金) ~ 2008/05/26 (月)公演終了
満足度★
ご当地公演
夢の島公演にテントを立て夢の島の話をやる
その企画時点で全ての労力を使い果たしてしまったのか
長時間、空調も効かないテントに押し込められた観客に
注視してもらえるだけの求心力が全くない
ジンジャーに乗って
快快
王子小劇場(東京都)
2008/05/15 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了
満足度★
タイトルにつられて
小指値って面白いらしいよー、と言われて
しかもタイトルが「ジンジャーに乗って」なので、
これは見逃せない、と思い観劇。
ただ、寝坊したため、
目当てのセグウェイ試乗には間に合わず。
王子を知っているカンパニーらしく
鉄パイプで天にも舞台空間を作り
宙にはしごを組んでいて、なかなか期待させる舞台。
ただ、ジンジャーを使用するには平面が狭いことが気になる。
初見なので“小指値”がどんなカンパニーなのかは
分からないけど、
どうやってジンジャーを借りたかと、
自分達が普段何を考え・思っているかを
演劇として表現していた。
仲が良くて
自分達の集団が面白いと信じてて
まだ若くて
テンションが高い団体としては
かなりいいクォリティなんじゃないでしょうか。
演劇という表現には乗っていたと思う。
さよなら また逢う日まで
ブラジル
こまばアゴラ劇場(東京都)
2008/05/09 (金) ~ 2008/05/20 (火)公演終了
満足度★★★★★
演劇でしかできないこと
面白かったー。
私的な演劇の評価ポイント
鳥肌が立つ 瞬間はなかったんだけど、
やっぱりさすが ブラジル という完成度の高さと丁寧さ
そして、私の好きなタイプのストーリーと役者。
大満足。
この作品を見て、演劇は、他のメディアと違って
唯一、登場人物全てに対してフラットな描写ができる
表現なんじゃないだろうかと思った。
テレビドラマのように一方的なズームもできないし、
ここ一番と、創り手が思っていても、
例えば雑音など、他の要素を除外することはできないから、
観客がその部分に集中してくれるかどうかの保証はない。
その本質を活かした、演劇でやるから一番面白い、
素敵な作品だったと思う。