「コンサギ」
東京パチプロデュース
劇場HOPE(東京都)
2011/05/17 (火) ~ 2011/05/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
ますます磨きがかかってきた作品。
タイトルの『コンサギ』からイメージしていた結婚詐欺師の手練手管を想像していたが、予想と違うストーリー展開だった。このところの公演の中でも特に安心して楽しく笑って見れた。しかし、最後の結末が今回も素直すぎて、もう一つ予想外の裏切りの展開が欲しかった。シンプルな笑いを目指す演出は賛成だが、見終わった後に考えさせる何かがあるとさらに良かったと思うし、それが今後のパチプロの課題だと思う。小林大輔、竹内健史の二人は所属劇団員になったせいもあってか、演技力に磨きがかかり落着いて見れた。彼らを相手にする岡村多加江は、さすがに貫禄を見せてくれていた。またウェートレス役の岩畑里沙は、前回の『8:2の男』の看護婦役同様、今時の(見ていて心底イライラするような)若者を見事に演じていて、定番になりそう。
バンサラ!!
東京パチプロデュース
【閉館】江古田ストアハウス(東京都)
2009/07/01 (水) ~ 2009/07/05 (日)公演終了
満足度★★★★
サラバン!江古田ハウス!
怪談をコメディーにして笑わせてしまう 作、演出には感心しました。
立場の違いで、ものの見え方や考え方が違ってしまうことを表現している点では、初回公演の『さくら』の演出のように面白く、素晴らしかったです。
当日は満員で熱気で一杯でした。狭い劇場を眼一杯笑わせてくれたパチプロデュース公演、次回からはもう少し広い劇場でやはり満員にさせるような作品を期待しています。
億万長者婦人故郷ニ帰ル。
JAM SESSION
「劇」小劇場(東京都)
2008/04/15 (火) ~ 2008/04/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
現代的問題提起
この原作(1956年)を知らなかったが、西沢演出によりさまざまな現代的問題提起を感じた。地方の経済破綻、資本主義と拝金、(サブプライムローンなど)バブル経済、正義の暴力、ポピュリズムなどなど・・・ 普通は「不正義は金でも買えません」となるはずの市民の良心が正義のもとにイルを撲殺するという、難解な市民の感情を丁寧に表現して説得力があった。しかしイル(亀田真二郎)が市民や、家族に対してまでも疑心暗鬼になり、やがてさとりの境地になって覚悟を決め、彼の正義を守るという感情の変化がうまく表現できていたのに対し、市民の感情がシンプルな表現に留まっていたため、集会での市民の良心の呵責という迷いが充分表現できていなかったのが惜しまれた。