満足度★★★★★
現代的問題提起
この原作(1956年)を知らなかったが、西沢演出によりさまざまな現代的問題提起を感じた。地方の経済破綻、資本主義と拝金、(サブプライムローンなど)バブル経済、正義の暴力、ポピュリズムなどなど・・・ 普通は「不正義は金でも買えません」となるはずの市民の良心が正義のもとにイルを撲殺するという、難解な市民の感情を丁寧に表現して説得力があった。しかしイル(亀田真二郎)が市民や、家族に対してまでも疑心暗鬼になり、やがてさとりの境地になって覚悟を決め、彼の正義を守るという感情の変化がうまく表現できていたのに対し、市民の感情がシンプルな表現に留まっていたため、集会での市民の良心の呵責という迷いが充分表現できていなかったのが惜しまれた。
2008/04/19 08:57
そして観てきた!の「クチコミ」もありがとうございます。
JAMSESSIONの公演は、社会派と唱っているわけでもありませんし、
なにか重苦しいテーマを投げかけているわけではないのですが、
やはり観る方々によって、十人十色の受け取られるテーマがあるようで、
こういったご意見をいただけて、とてもありがたいと思っております。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。