ニンギョヒメ
ソラリネ。
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★
これは…
ここ数年の間で観た演劇のなかでも最低ランク。
公演を行うこと自体が目的化している典型的な芝居。
公演会場が渋谷ということもあってか、台詞が現代の口語であることは良いとしても、それが故に却って役者がそれを消化しきれていないl。台詞のテンポを揃えようという意識があったのかもしれないが、役者が演出家指定のテンポについていけず、何を言っているか分からない場面も多々あった。
個々の役者に存在感がなく、キャラクタが立っていない。しかも大根が多かった。そのため、延々と単調な舞台が続く。ストーリー的には最後の5分だけ演じればこの芝居は完結してしまう。
役者の立ち位置と照明の関係もメチャクチャ。ほとんどの役者が意味なく照明の当たらない暗がりで芝居をしていた。
さらに、音楽の扱いが酷い。劇中音楽は観客へのサインとして使われていたようであるが、これも単調で質が低すぎる。
入場料をドブに捨てるようなもの。
六月の魔女
マグネシウムリボン
遊空間がざびぃ(東京都)
2011/06/09 (木) ~ 2011/06/12 (日)公演終了
満足度★
脚本が弱すぎ。
魅力がる役者が揃っており、それぞれに上手い芝居をするのだけど、いかんせん脚本が弱すぎる。
一見難解な「お芝居風お芝居」が展開されるが、それだけの内容である。
良く言えば芝居が好きな人向けの楽屋落ち作品。役者の顔見世興行として観に行くならそれなりに満足できるだろう。
普遍的な価値の創出に期待するとがっかりする。
かもめ
TAC三原塾
d-倉庫(東京都)
2010/10/27 (水) ~ 2010/10/31 (日)公演終了
満足度★★
世代交代を
エンターテイメントではない、「ロシア文化を学ぼう」的な演出はもうやめ
にしよう。中核となる役者たちが冷戦時代の影を引張りすぎていて、ロシ
ア(ソビエト)に学ぶこと=先進的という意識が見えすぎる。
役者の意識のばらつきが大きかった。技術的に水準に達していない人も
いた。しかし、それ以上に、現在の世界情勢を忘れ、時間が冷戦時代で
止まっている人が多すぎる。
イリーナ役の坂浦洋子は芝居のための芝居をしてしまった。コンスタンチ
ン役の磯沼良は叫んでいるだけ。一番まずいのはエヴゲーニイ役の井ノ
口勲。訳語調の芝居を楽しみすぎている。ロシアの芝居であるというだけ
で満足している。一方、好演はポリース役の田中芳拡、イリヤー役の清水
学。
オールドタイマーには引退してもらって、田中、清水の世代以降の人々で
客観的かつ純演劇的にテキストを見直すことが必要だろう。
SLeeVe~スリーヴ
DMF
アトリエフォンテーヌ(東京都)
2010/04/22 (木) ~ 2010/04/25 (日)公演終了
満足度★★★★
アニメ世代向け演出
今回の公演を見ていると、そのうち演劇でもプロジェクターで役者の台詞が投影される時代がくるのではないかと思わせる。ストーリーの流れを見失わないようにとの配慮か、やたらに台詞の言葉数が多い。結果として普通の日本語のインタビューでも、それに重ねて発言の「要点」がスーパーインポーズされるTV的演出が演劇でも取り入れられるのではないかと思わせるのである。
エピソードの数をもう少し絞って、説明ではなく、もっと芝居によって状況を観客に理解させるようにできないだろうか。
しかし、芝居全体としては作り込みもしっかりしており、また、役者も粒ぞろいでレベルは高いと思う。
幻夢ドグラ・マグラ
月蝕歌劇団
ザムザ阿佐谷(東京都)
2009/03/06 (金) ~ 2009/03/08 (日)公演終了
満足度★★★
軸がしっかりしないと…
肝心の二人の博士の演技が弱く、芝居の骨格が見えにくくなっていたこ
とが残念。さらに音楽・SEがいまひとつで、これも芝居の流れを断ち切って
いた。以上の要素は再考が必要。
個々の役者には優秀な人も多く、マーチン、レベッカのカップルは機能し
ていた。残りの人ではカルーソー教授が快演。