nojicoの観てきた!クチコミ一覧

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冬の穴

冬の穴

ポかリン記憶舎

学習院女子大学 やわらぎホール(東京都)

2010/11/27 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

門をくぐればそこは舞台


当日は快晴。
明るい冬空の下、学習院女子大学の門をくぐると、
都会のど真ん中とは思えぬ豊かな木々。
とても気持ちがいい。

赤や黄色の落ち葉を踏みしめながら進むと
ホールに降りるコンクリートの大きな階段。
一段一段降りるごとに、今まで纏っていた暖かい空気が冷えていく。

冷たい風とともに喪服姿の俳優が開けたドアの中へ吸い込まれてゆくと
ロビーには客席が設えてある。
また目の前で繰り広げられる出来事を目撃するために。

改めてポかリン記憶舎の舞台づくりにハッとする。
どこからが舞台だと感じるかは人それぞれだろうが、
一人ひとりに想像の余地を与える空間の演出があるからこそ
私は魅了される。

今回もぐっと心に迫る作品だったが、同時に今までにない変化も感じた。
二瓶鮫一氏がチャーミングでずっと目が離せなかった。















『垂る』-shizuru-

『垂る』-shizuru-

ポかリン記憶舎

アトリエヘリコプター(東京都)

2009/12/09 (水) ~ 2009/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★

今からでも遅くない
考えることをやめると、人間はダメになる。

「垂る」を観て、その思いを強くした。

誰かの言葉に耳をかたむけ、動きを見つめ、空気に触れ、
それを自分の深いところで感じ続けること。
それが、考えること。

明神慈の紡ぎだす言葉が、大桟橋を想わせる舞台の上に
浮かび上がり、時折鋭く突き刺さる。

今からでも遅くない。
考えるための上質な時間を手に入れてほしい。



音楽とリーディングの夕べ「二十三夜」

音楽とリーディングの夕べ「二十三夜」

ポかリン記憶舎

イギリス館(横浜市指定文化財)(神奈川県)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/08 (金)公演終了

満足度★★★★

濃厚な時間と空間

音楽とリーディングをたっぷりと堪能した。

この世に母のない人はいない。
生きていても亡くなっていても、好きでも嫌いでも、
客席の誰もが母を想ったことだろう。

ピアノとヴァイオリンと空間が奏でる旋律に
胸の奥が軋んだり、満たされたりする。

いつもと変わらぬ日常の60分だけが切り取られ、
濃厚な時間の流れとなった。
起きていて夢を見たのだった。

humming3

humming3

ポかリン記憶舎

cafe MURIWUI(東京都)

2009/03/31 (火) ~ 2009/04/06 (月)公演終了

満足度★★★★

そういえば・・・
あの後、元バイト君はマスターになったのかしら

観劇から2週間が経って、ふとそんな錯覚を起こす
通りすがりのカフェでの体験。
それが、hummingシリーズの魅力。

今回は常連客を演じた俳優さんがとても色っぽく、

また行けば会えるかしら

と再び錯覚を起こす。
劇場も良いが、カフェ公演も楽しくてしょうがない。


鳥のまなざし

鳥のまなざし

ポかリン記憶舎

シアタートラム(東京都)

2008/11/27 (木) ~ 2008/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★

明日も観てみようと思う
シアタートラムは2回目だったので、なんとなく前観た舞台装置をイメージしてしまっていたようだ。劇場内に足を踏み入れた途端、そのことに気づく。

座席があるはずのフロアの中央に、ぽっかりと浮かんでいる空・・・のような丘・・・のような舞台。
その上を、脇を、ぐるりを、縦横無尽に役者が動く。そして、まどろむ。ささやく。

日常の誰にでも経験のある一コマ一コマが、実は生きているのか死んでいるのか極めて曖昧な空間を作り出しているのだと気づかされる。
浮かぶ空の上(もしくは下?)で繰り広げられる情景の中に、誰もが一度は自分を見つけるのではないだろうか。

明日も、違う角度から眺めてみようと思う。鳥のまなざしで。








humming2

humming2

ポかリン記憶舎

cafe MURIWUI(東京都)

2008/03/18 (火) ~ 2008/03/24 (月)公演終了

満足度★★★★

雲間から夕日が…

最終日の16:00から観劇。
夕日がたっぷり味わえることを期待していたが、あいにくカフェの窓からは雨曇りの空。
店内で交わされる会話(セリフ)に耳をそばだてながら、
店のお客の一人となって、「天気のいい日には美しい夕日が見られるんだ」と
想像するのも楽しい。

終演後、カフェタイムがあり、本物のマスターが入れてくれるお茶を飲みながら、お芝居の余韻に浸っていると、西の空の雲間から見事な夕日が現われ、店内が茜色に染まった。

ポかリンのお芝居を観るとき、いつもたまたまそばに居合わせて、その成り行きを息をひそめ、耳をそばだてて見守っている気持ちになる。
実際、日常のいろんな場面で「たまたま居合わせる」ということを体験するが、そのときには前後の状況説明など得られない。自分の中で想像し、成り行きの一部を切り取って、自分の記憶の中におさめるだけだ。
今回のCafe公演も、日常の喧騒の中、物語がリアルに進行する。

成り行きを見守った後、窓から夕日が差し込んだとき、「ああ、あの時話してた夕日!」と本当にうれしくなった。こういうサプライズは作られた舞台では得られない。夜公演をご覧になった方には、ぜひ夕刻のカフェを訪れてみることをお勧めしたい。

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