満足度★★★★
門をくぐればそこは舞台
当日は快晴。
明るい冬空の下、学習院女子大学の門をくぐると、
都会のど真ん中とは思えぬ豊かな木々。
とても気持ちがいい。
赤や黄色の落ち葉を踏みしめながら進むと
ホールに降りるコンクリートの大きな階段。
一段一段降りるごとに、今まで纏っていた暖かい空気が冷えていく。
冷たい風とともに喪服姿の俳優が開けたドアの中へ吸い込まれてゆくと
ロビーには客席が設えてある。
また目の前で繰り広げられる出来事を目撃するために。
改めてポかリン記憶舎の舞台づくりにハッとする。
どこからが舞台だと感じるかは人それぞれだろうが、
一人ひとりに想像の余地を与える空間の演出があるからこそ
私は魅了される。
今回もぐっと心に迫る作品だったが、同時に今までにない変化も感じた。
二瓶鮫一氏がチャーミングでずっと目が離せなかった。