jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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ぼくらの箱庭

ぼくらの箱庭

route.©︎

王子小劇場(東京都)

2023/12/22 (金) ~ 2023/12/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/22 (金) 19:30

この所気になってる劇団のファンタジー作品。独特の世界観が面白い。82分。
 2018年に初演された作品(恐らく旗揚げ)の再演だが、初演は観てない。「箱庭」と呼ばれるクリスマス向けのおもちゃを作る工場で、ドールと呼ばれるおもちゃの一人ロゼ(大屋沙季)が外の世界に行こうとするが…、の物語。統一された美意識で作られたファンタジーで、結末はちょっと切ない気もするけど、とにかく美しさを追求してる。大屋の声が素晴らしく美しい。マリアンヌ(まひたん)のヴィジュアルが、どストライク。藤真廉の凛々しさもいい。
 タイトルの「箱庭」は「リトルガーデン」と読む。

天使の群像

天使の群像

鵺的(ぬえてき)

ザ・スズナリ(東京都)

2023/12/21 (木) ~ 2023/12/29 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/21 (木) 19:00

期待の劇団・鵺的の大作で確かな見応えがあった。142分。
 学校を舞台に「臨時的任用教員」の道原(堤千穂)が出会った生徒と職員が作る風景を興味深く観た。こういう人っているよな、と思わせる典型的な人物がいっぱい登場する中で、登場しない男子生徒を軸に振り回される事件が続く。リアルでもありながら、ギリギリでファンタジーとの境目を綱渡りする脚本も見事だし、それを体現する役者陣も(演出も)見事。加えて舞台美術も凄くて、上手から下手に傾斜する舞台の奥に何面かのカガミを組み合わせ広がりを作るのも巧い。
 開演5分前から客電を点けたままで役者がアクトし、客電が落ちて開演して142分の長さは、ちょっと辛い。
 生徒役の吉水と野花を入れ替えても面白いと思った。久々に観た渡辺詩子が颯爽としているのも嬉しい。

すみつくす

すみつくす

屋根裏ハイツ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/25 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/12/20 (水) 19:30

初見のユニット。現代口語演劇の静かな芝居。102分。
 シェアハウスに今クラス人々と、その建物の12年前とが、シームレスに展開される。

夜の初めの数分間

夜の初めの数分間

劇団牧羊犬

王子小劇場(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/19 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/16 (土) 18:00

初見のユニット。新劇っぽいかと思ったら、ちょっと違ったファンタジー。面白い。127分。
 ひまわり(井上薫)は大人気の女優だったが、妊娠を秘密にするために休暇に入り娘・画子(平体まひろ)を産むが、同じ時期、鏡・レンズ・画像に人が映らなくなる「現象」が起こり始める。人々は自身の状況を見るために、肖像画を書いてくれる人を求め、その達人を「カガミ」と呼ぶようになる。有名なカガミになった画子だが…、の物語。SFチックな設定の下で何か事件の展開を考えるのかと思ったら、ファンタジーとして母娘の物語が展開される。ちょっと予想したものと違った展開だったが、それでも面白く観た。作・演出の渋谷は映像系の人らしいのだが、観るのは初めてで、独特のセリフのセンスが面白いのだが、ちょっと過剰な感じがする。また、登場人物それぞれに振ったエピソードをすべては回収できず、これはどうなったんだろう、と思うところが結構あるあたりが惜しい。
 『東京原子核クラブ』から興味を持って観ていた平体だが、今までのイメージとはちょっと違ったテイストの役をしっかり演じていた。『ホテル・イミグレーション』で観た井上は確かな役者だと改めて思った。

なるべく強く踏みつけて、

なるべく強く踏みつけて、

あんよはじょうず。

新宿村LIVE(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/16 (土) 14:00

今気になっている劇団の新作は、訳が分からないけどワクワクするアングラテイスト作。(2分押し)104分。
 元々がアングラテイストの劇団。筋はあるんだけど追おうとすると頭がおかしくなるくらいの展開が興味深い。耽美的と言おうかヴィジュアルにも拘り、「いびつな愛」を描く。とにかくスゴイ。

Strange Island

Strange Island

Nakatsuru Boulevard Tokyo

サンモールスタジオ(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/20 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/15 (金) 14:00

中津留章仁による骨太のお伽話(?)。とても面白い。(4分押し)152分。
 とある島は富裕層(表町)と貧困層(裏町)に分かれているが、表町の人間は何でも許され裏町の人間は…、の物語。リアリティがあるようで、極端なキャラがいっぱい出てくるのでファンタジーなんだなぁと思う。扱っているテーマはハードで、政治や貧困や不平等など骨太の題材だが、笑えるセリフも混じり、2時間半を楽しく観ることができる。性格(性癖)的には最低なホレスが正論を吐いたり、市長の衣装が極端だったりで、楽しめるポイントがいっぱいある。おバカのようでいて実はしたたかなベティを演じた勝平とも子がいい。

十二月八日

十二月八日

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2023/12/14 (木) ~ 2023/12/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/14 (木) 19:30

同劇団としては4年ぶりの公演だが、劇団の特徴が良く出た素敵な作品だった。(2分押し)84分。
 太宰治が太平洋戦争開戦時の感触を妻の立場から描いた短編小説を潤色して、舞台化した。終演後に原作を読んでみたが、原作は一種無邪気に戦争を受け止めているが、本作では戦争の悲惨さも含めて巧みに手を入れて、興味深い舞台となっている。4年ぶりの公演だが、感触は相変わらず。開演の5分前から役者が舞台の脇に着席し、小説を読んでいるという設定の「読者」の少女を置いたことで、現代や未来に繋がる作品にするというのも巧い。

abc 赤坂ビーンズクラブ

abc 赤坂ビーンズクラブ

エヌオーフォー No.4

赤坂RED/THEATER(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/13 (水) 19:00

若い女優たちによる上質のオシャレなエンターテインメント。面白い。99分。
昨年の第1弾(7月),第2弾(12月)に続いて第3弾も観たけど、今回も20歳前後の女優8人が登場し、苦笑系のショートコントあり、歌ありダンスありの舞台、80分を楽しむことができた。今回はパンフレットを見ると、今回はおバカ路線にしたみたいだけど、知的な部分もしっかりあり、前回とよく似た泣ける芝居もある。「しりとり」ネタは毎回あるね。

胎内

胎内

7度

こまばアゴラ劇場(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/12/09 (土) 19:00

初見のユニット。三好十郎の有名な3人芝居を1人で上演する。重い。79分。
 終戦直後に書かれた戯曲で、戦争時に掘られた横穴に閉じ込められた3人の男女の物語で、新国立劇場での上演を観たことがあるが、それをマンションの1室に置き換え女性1人で上演する。開演前に説明されるように、セリフの順序を変えたり等の潤色はあるもののセリフの時代を感じさせるが、それが現代に活きる面もあり、興味深くは観た。ただ重い。演じた山口の力量は確かだと思った。

晩餐

晩餐

タクフェス

サンシャイン劇場(東京都)

2023/12/08 (金) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/08 (金) 18:30

久々に観た宅間作品は満腹感!(前説10分を含め)160分(+アフター)。
東京セレソンデラックス時代はいくつか観ていたのだが、タクフェスになってからは初めて。タクフェス旗揚げ作品を10年ぶりに再演した。エンターテインメントに徹しつつ、相変わらず良くできてる。タイムトラベルを扱っているので辻褄合わせが大変だが、「家族」というテーマには普遍性があり、終わり方も納得できる。ただし長い。第1場がもうちょっと整理されて、上演時間が短くなると、もっと観やすくなると思う。加藤貴子が久々の舞台で元気なところを見せてくれるのが嬉しい。

 開演前から宅間他が出てきて会場を盛り上げ、そのまま前説的にセットの説明をする。終演後、5分の休憩を挟んでパフォーマンスとミニ・トークがあるということだが、帰ってきてしまった。

タイムトラベル大五郎

タイムトラベル大五郎

さんらん

王子小劇場(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/10 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/08 (金) 14:00

初見のユニット。タイトルにあるようにタイムトラベル物で、目新しさはなくベタだが、それなりの良い芝居。(7分押し)119分。
 幕末の侍の大五郎がタイムスリップして現代に来て、いじめられてる小学生のケイと出会い、母子家庭のケイの家に厄介になる内、…の物語。ケイの母が麻雀のプロで実は血が繋がっていないが…、というあたりも、何故この設定と思うが、幕末の物語を交互に挟み、全体に「争いはやめよう」というテーマがあって、ベタにはベタなりの良さがあるとは思う。タイムスリップのメカニズムにはほぼ触れないけど、それはどうでもいいね。長く活動してる劇団らしく、常連の客と覚しき人が多いのだけど、かなり笑えるセリフ(ex.「大人は嘘をつくんだよ」)が結構あったのに笑いがあんまり起こらないのが不思議。
 あと、麻雀で「泣き」と言ったら「チー」のことだと思うのだが、ポン(普通は「食い」と言うと思う)でも「泣き」と言っていたのが気になる。
 当パンの役名にミス。「山本杏」→「山木杏」

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2023/12/07 (木) 19:00

『ぬけ男…』を観た。2013年に初演の作品の再演で、初演も観ている。とんでもなく面白くて、そして切ない。観るべし!(1分押し)98分。
 5年間書いていなかった作家の物語と、その作家が書き始めた「ぬけ男」の物語が交錯し、最後には愛についての深い展開に続く。初演も観ているのだが、ほとんど覚えていなくて、観ている内に、ああこんな話だったなぁ、と思い出し、最後はちょっと泣けてしまった。「切なさ」が観始めた頃のMCRの特徴なんだなぁ…。くによし組の永井一信とみそじんの大石とも子が出ているので期待して行ったが、2人が軸になる夫婦役で見事に快演してる。その意味でも泣けてしまった。三澤さきの暴れぶりにも感心。

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

「シド・アンドウ・ナンシー」「ぬけ男、恥さらし」

MCR

OFF OFFシアター(東京都)

2023/12/06 (水) ~ 2023/12/12 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/12/06 (水) 19:00

『シド…』を観た。2009年初演の作品の再演だが、初演は観てない。切ない。(5分押し)89分。
 下っ端ヤクザの安藤は鉄砲玉を命じられるが、高校の同級生やっちゃんが当時とは大きく変わった姿で登場し、…の物語。私が初めて観たMCRは2011年だから、それ以前の作品ということになるが、近作と作風は似ているものの、ちょっとテイストが違うと思った。ダメ男たちが回想する高校時代など、甘酸っぱい感じの場面もあり、全体が切ない。

キトキトキ時、時々ビビ⚡️

キトキトキ時、時々ビビ⚡️

チャパリアーナ

王子小劇場(東京都)

2023/11/24 (金) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/24 (金) 20:00

私の苦手なパフォーマンス系だが、なんだか面白かった。(3分押し)70分。
 碓井菜央が立ち上げたダンスユニットの劇場初公演だそうだが、苦手なコンテンポラリーダンスなのだけれど、なんだか面白く観た。冒頭、段ボールを用いたパフォーマンスを見せるのだが、これが最後まで活きる。鍛えた肉体の見事さや、コンビネーションの巧みさを観てて、なんだかスゴイなぁ、と思ったりした。5人の出演者のプロフィールを読むと、、出自の違いでダンスの違いがあるような気がする。

その1-演劇をやってみよう編-

その1-演劇をやってみよう編-

Project OHANA

アトリエ春風舎(東京都)

2023/11/24 (金) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2023/11/24 (金) 15:00

小原花のソロユニットの旗揚げ。良く分からなかった。57分(前説3分を含む)
 冒頭、パントマイム風で始まるのだが、何をしているのか分からなくて、既に置いて行かれてしまった。日常の断片を繋いで演劇にしている印象だが、どういうシーンの連鎖なのか想像できなくて…。

舞台「有頂天少女」

舞台「有頂天少女」

バードランドミュージックエンタテインメント

バルスタジオ(東京都)

2023/11/22 (水) ~ 2023/11/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/22 (水) 19:00

若手女優がフェルマーの定理を題材の芝居をする、というので観に行った。数学歴史ファンタジーとでも呼ぼうか。予想外の展開で面白い。91分。
 歴史教師が高校時代の同級生の誘いで、高校時代の修学旅行時の事故で消えた同級生のカイを探す回想の旅へ…、のファンタジーな展開。謎そのものの解決はややチープだけれど、それを、フェルマー予想が解決されて定理になるプロセスと重ねるという展開が面白い。ピタゴラスやフェルマーの名前が出てくる芝居にはしばしば出会うが、カントール,エイダ(ラブレス),ヴォルフスケール,谷山・志村,ワイルズといった名前に出会ったことはなく、ビックリした。ピタゴラス教団の話とかも一定程度正確だし、歌やダンスを交えた楽しい舞台だし、布をダイナミックに使う演出とか、見応えはあった。タイトルにも意味があるのだけれど、それほど活きていなかったのは残念。

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

鑑賞日2023/11/18 (土) 18:00

『尺には尺を』を観た。本作もシェイクスピア戯曲の中では初めて。93分(休み20分)60分。
 こちらもベッドトリックが出てくるというのでダブルビル上演となったらしいが、本作は納得できる要素がやや少ない。水戸黄門的と言うか、わざと解決を送らせている雰囲気が…。エンディングは問題を示唆するあたりは良い。

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

尺には尺を / 終わりよければすべてよし

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2023/10/18 (水) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/11/18 (土) 13:00

『終わりよければ…』を観劇。シェイクスピア戯曲の中でも初見。新国立の本気。83分(休み21分)79分。
 シェイクスピアをいっぱい観てるわけではない私だが、本戯曲は初めて。物語は分かりやすいが、バートラムがヘレナを嫌う理由がストンと落ちない。ベッドトリックもなんだかなぁの感じだが、まぁ一種のファンタジーか。

偽義疑戯

偽義疑戯

長澤脚本河原演出企画

王子小劇場(東京都)

2023/11/17 (金) ~ 2023/11/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

鑑賞日2023/11/17 (金) 19:00

初見のユニット。広島をベースに活動する劇団らしい。役者の力量あることは分かる。108分。
 暗転して1曲まるまるを流した後で前説っぽいものが始まるが、10分以上も続くと、ハリセンを持った男が現われて前説男を殴る…、の展開から、芝居の稽古風景と見せる芝居、というような展開。いろいろなトラブル/対立が起こるのだけれど、メタ演劇として見ていてもイライラするし、何がやりたいのかはよく分からない。ただし、4人の役者の力量があることだけは分かる。

『だから、ゴミ穴で怪獣を』+短編リーディング

『だから、ゴミ穴で怪獣を』+短編リーディング

ロマングラス

王子スタジオ1(東京都)

2023/11/09 (木) ~ 2023/11/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

初見のユニット。力量ある役者が演じていることは分かる。(5分押し)87分。
 砂漠のゴミ穴で育った少女と、事故で不時着した飛行士の物語が交錯する。独特の世界観で、セリフの言い方や演じ方でモード/物語を頻繁に切り替えているのは良く分かり、それを体現する役者陣の力量も分かるのだけれど、肝心の物語が私のテイストではなかった。加えてエンディングの歌には力が抜けた。効果音も役者陣が出したり、特徴的な照明の使い方など、観るべきものは多い。
 空席が一つあったのでドタキャンが1名あったことが分かるが、それで何も無しで5分押しとはいただけない。加えて、80分の予告が87分というのもいただけない。

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