DEEP FOREST
青色遊船 aoiroyusen
王子小劇場(東京都)
2023/05/05 (金) ~ 2023/05/07 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2023/05/05 (金) 14:00
『とんびの森』を観た。初見のユニット。110分。
5本の短編を「迷う女」が繋いで上演する面白い形態。ていねいでリアルな演技を見せてくれるが、物語は一種のファンタジー。5作とも「死」が題材になっている印象がある。よく分からないところも多い。
カハタレの現在地vol.1
カハタレ
王子スタジオ1(東京都)
2023/04/29 (土) ~ 2023/04/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
鑑賞日2023/04/30 (日) 17:00
若手演劇人3人が2021年に立ち上げたユニットの初公演らしい。(3分押し)17分(場面転換6分)23分(場面転換5分)。3本の短編を上演するが、まだまだ、な印象。
二次会のひとたち
エイベックス・エンタテインメント
紀伊國屋ホール(東京都)
2023/04/14 (金) ~ 2023/04/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/25 (火) 18:30
ONEOR8の田村孝裕の作・演出で、美村里江出演というので観に行った。面白い。107分。
友人の結婚式の2次会幹事を頼まれた、新婦同僚・新婦友人・新郎同僚・新郎友人が起こすドタバタ。文句を言いつつ一生懸命準備をするが、…の展開。恐らくこうなるんだろうな、という展開になるが、そこも含めて予定調和的ないい話になってて、思わず微笑む感じ。それぞれの登場人物に隠された黒い部分があるのが興味深く、美村はちょっと意地っ張りな女を演じつつ、とてもダークな過去があるのが見事。楽しめる舞台だった。
空席が結構あるが、もったいないとしか言いようがない。
帰ってきたマイ・ブラザー【仙台公演中止】
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
エンジェルス・イン・アメリカ【兵庫公演中止】
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2023/04/18 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/21 (金) 13:00
壮大な物語に圧倒される。有名な作品だが、有名な理由が分かる気がした。90分(15分休み)66分(15分休み)54分。
エイズが死の病だった時期に書かれ上演された作品だが、男性同性愛者を軸にユダヤ人とかモルモン教徒とかの少数者の視点からの物語が展開される。痛くなる場面が多いが笑える場面もあるのがスゴイ。キリスト教がベースにない私なので、「天使」と聞いて、たとえばアメリカ人が感じることは分からないが、とても示唆的で、ファンタジーと現実的な展開のバランスがとてもよくできた作品だった。パート1はほとんどの場面で登場人物が2人で、ほぼダイアログ(対話)で展開されるのが興味深い。パート2は2人でない場面が増えるものの中心は対話。中でも那須佐代子・山西惇の2人のシーンは迫力がある。
18日にパート1(正味60+57+59分)、21日にパート2(正味90+66+54分)、という長さだが、とりあえず飽きないでは観ていられる。疲れることは確かだが。
平日昼ということもあるのだろうが、空席が目立つのが残念。思えば、新国立劇場の主催公演で満席になったのを見た記憶がない。折角良い舞台を作っているのだから、もっと集客にこだわった方がいいのではないか。
ワタシは神様にはなれない
劇団YAKAN
王子小劇場(東京都)
2023/04/19 (水) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/20 (木) 19:00
初見のユニット。2年前に上演しようとしてできなかった作品を上演したそうだが、面白い。(3分押し)108分。
高校の卒業式で「一人で生きていきます」と挨拶したカナタ(荏原汐里)は転んでしまって、天使と悪魔が共存する天魔界の外れで人間のカルチャーを楽しんでいるスペースに紛れ込むが、……って、もうベタでドタバタ(誉めています!)で楽しい展開。お笑いとマンガとロックバンドを人間のカルチャーだと思ってる天使と悪魔を相手にカナタが人間界に戻ろうとするストーリーは予定調和的に収束し、熱中して観た。役者陣は熱演するが、中でもルゥ役のさんなぎとサタン役の有栖川姫子がいい。やや耳障りな発声をする役者がいて気になってしまったのが残念。
エンジェルス・イン・アメリカ【兵庫公演中止】
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2023/04/18 (火) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
ソウル市民
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/27 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/04/17 (月) 19:30
青年団の代表作だが、実は観るのは初めて、と思ったら2018年に観ていた。90分。
日韓併合前年、ソウルにある文具店家族とその周辺の人々の物語。特に激しい起伏があるわけではなく(事件は一定程度存在する)が、淡々と展開される。淡々と展開されるだけに、差別-被差別の構造が見えてくるが、終わってスッとするものがない。何だかモヤモヤした気分だけが残る。2018年に観たことすら忘れていたくらいで、印象に残らない作品ということか。役者陣の巧みさは見事だと思うが…。
半魚人たちの戯れ
ダダ・センプチータ
王子小劇場(東京都)
2023/04/13 (木) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/04/13 (木) 19:00
初見のユニット。不思議な芝居だった。95分。
あるセミプロ・バンドの人々を巡る人たちのあれこれ。死んでしまった彼女の代わるドラマーを選ぶシーンから始まって物語は展開するが、展開が急だったり、エピソードが唐突だったりして、何がしたいか分からん面がある。タイトル「半魚人の戯れ」は死んだ彼女が残した歌のタイトルだが、あまり活きてる感じはしなかった。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/04/12 (水) 14:00
『キムンウタリOKINAWA1945』を観た。心が痛くなる芝居。(3分押し)106分。
敗戦直前の沖縄を舞台に、沖縄戦線に配属されたアイヌ人兵士たちと沖縄人兵士を軸に、戦争と民族差別という2つの問題を題材にした。不明にして「人類館」事件も、本作のベースとなったらしい知念正真の戯曲『人類館』も知らなかったが、強烈な内容で、エンターテインメント要素を入れてはいるものの、ひたする心が痛くなる。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/11 (火) 19:00
久々に観たホチキスだったが、いつも通り楽しい。(3分押し)118分。
「ナンバー」と呼ばれる殺し屋が、ドライブインに潜入して暗殺を計画するが、…の物語。荒唐無稽な話を強引に展開するあたりは相変わらずだが、とても楽しく、終盤はちょっと泣かせる。しかし、何も考えずに笑っていられる芝居だった。主演の里中将道のファンが多い感じだが、看板女優の小玉久仁子が元気なのがとにかく嬉しい。王子小劇場で何回か観た、ゆでちぃ子。が活躍しているのを観ると、ちょっと楽しい。
朱の会vol.6 怪異と幽玄ノ譚ー雨月物語と小泉八雲の世界
朱の会
中野スタジオあくとれ(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/08 (土) 18:00
初見のユニット。興味深い公演だった。66分(15分休み)53分。
朗読をメインとしているユニットらしいが、いまいゆかり出演ということで観に行った。怪異譚の短編をいくつかリーディングするが、動きも含め興味深い舞台だった。扱った作品は
芥川龍之介「魔術」
江戸川乱歩「指」
岩間太郎「薔薇の散策 ほか」(詩)
和田誠「おさる日記」
小泉八雲「お貞のはなし」
小泉八雲「むじな」
石川淳「吉備津の釜」
小泉八雲「守られた約束」
で、詩は読んだことはなかったが、それ以外は「おさる日記」の他は全て知ってる題材だった。いまい出演の「おさる日記」は新鮮で面白く観た。他の作品も丁寧に作られていた。
開場前に列ができ、開場して10分と経たずにほとんどの席が埋まる人気で、根強いファンがいることが分かる。
「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2023/04/06 (木) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/07 (金) 19:00
『OKINAWA1972』を観た。面白い。(3分押し)109分。
2016年に初演された作品を手直しして上演。初演も観ているのだが、初演とは違った面白さ、というか、初演より面白く感じた。沖縄返還前後の沖縄ヤクザのあれこれと返還に伴う「密約」という政治的側面を並行して描く。関連を示す、というのではなく、沖縄返還の2つの面を描いたという印象で、初演よりも整理されている感じを持った。妻役の伊東弘子の佇まいが印象に残る。
前日にもう1作の初日が役者の怪我で中止になり、本作の初日を迎えた。
ブレイキング・ザ・コード
ゴーチ・ブラザーズ
シアタートラム(東京都)
2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/04 (火) 18:00
コンピュータの理論的原理を考案した数学者チューリングを題材とした戯曲。丁寧に作られていた。(3分押し)70分(15分休み)80分。
1986年に書かれ、日本では1988年に四季が上演したらしいが、それ以来ということのようだ。実話ベースで、こんなことがあったのでは、という形の作品だが、淡々と丁寧にエピソードを重ね、好感の持てる舞台だった。100年も経っていない前に、同性愛が犯罪だった時代があったというのは隔世の感があるのだが、サイドストーリーとして女性が学問で身を立てられない時代というのは現在も残っているし、いろいろと考えさせられるテーマだなぁと思った。
個人的に、自分が専攻した分野を扱っているので、ゲーデルやヴィトゲンシュタインの名前が出て来るのも嬉しい。ただ、チューリングの功績のメインをナチスの暗号エニグマの解読としているのは、ちょっと…、と思ってしまった。
科学者である2人に「シュミレート」と言わせているのは、いかがなものか。
帰ってきたマイ・ブラザー【仙台公演中止】
シス・カンパニー
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/04/01 (土) ~ 2023/04/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/04/01 (土) 18:00
なんかスゴイものを観た。とにかく楽しい。97分。
水谷豊23年ぶりで3回目の舞台を、ベテラン俳優たちと一緒に作っているが、楽しくやってる感じがすごくいい。最年少が51歳の池谷のぶえという7人が集まり、怒涛のコメディを演じてる。段田安則を初めとして80年代から観てる役者が多く、予定調和的なストーリーではあるが、何も考えずにただ楽しめばよいという舞台になっている。エンディングが楽しい極めて良質のエンターテインメント。
誤餐
赤信号劇団
ザ・スズナリ(東京都)
2023/03/25 (土) ~ 2023/04/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/03/31 (金) 14:00
赤信号劇団の28年ぶり公演は、作・演出にKAKUTAの桑原裕子を迎える。面白い。(2分押し)108分。
大学教授(渡辺正行)とその若い妻{那須凛),妻のバイト先の店長(小宮孝泰),教授の古い友人(ラサール石井)とその妻(室井滋)・息子(岩男海史),大学の非常勤講師(若狭勝也)が、色々な事情で教授の家に集まり、ちょっと不思議な午餐を摂りつつ、各々の誤算を考える、…、みたいな話。赤信号劇団だけに笑いを誘うが、それぞれの抱える「過ち」を若い岩男がブッ飛ばしてくれる辺りが楽しい。ベテラン4人の演技は流石なものだが、若い妻役の那須凛の演技は注目。笑いに来ている客が多く、そんなに笑う場面でもないと思う場面でも笑うのは、いい客だ、ということか。
アフタートークに役者7人に加えて作・演出の桑原も加わり、とても興味深い話を聞くことができた。
K2
滋企画
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/03/24 (金) ~ 2023/04/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2023/03/30 (木) 14:00
佐藤滋の個人ユニットの旗揚げ公演。(3分押し)104分。
世界2位の山K2で遭難した男2人が何とかしようとするアレコレ。2010年のシス・カンパニー公演(演出:千葉哲也,出演:堤真一、草彅剛)を観ていて、物語は知っていたが、今回は期待した『K2』ではなかった。8000mを登頂した後で遭難しその高さで一夜を過ごした男が、あれほどの大声を上げるというのが驚きで、さらに狭い岩棚で普通に立ち上がるというのにもビックリした。エンディングは感動的なだけに、前半の演出に疑問を持った。
WWW.
三匹と三羽
シアター711(東京都)
2023/03/23 (木) ~ 2023/03/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/03/23 (木) 19:15
若手で期待してる劇団2つが合体した。面白い。(2分押し)106分。
とあるマイナーなアニメのファンサイトを中心に、聖地巡礼や陰謀論など、今の時代にいかにもありそうなエピソードが展開され、興味深い物語ができていた。一昨年から個人的には星5つが続く劇団かるがも団地と、元気でテンポよい作品で興味を持ってた劇団猿博打が、共同で作品を作ったのだが、いつもとは少しテイストが違っているものの、楽しく見せてもらった。猿博打の3人は出演、かるがも団地の3人は作・演出,製作,衣装・美術と役割は違うが、しっかりとした作品だった。ただし、作・演出の藤田がかるがも団地で見せる小気味よいギャグ等が今一つテンポに乗り切れていなかったのは、初日ということもあるのだろうか。軸になる美知留(村上弦)の恋人と称する語り手の飛雄(てっぺい右利き)の佇まいがいい。
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視点
座・高円寺1(東京都)
2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/03/20 (月) 19:00
同企画の最終。
#アガリスクエンターテイメント #MU を観た。66分(17分休み)62分。
MUは5年ぶりの公演。
アガリスクエンターテイメント『平成5年の廃刀令』
観客をタウンミーティングに集まった区民とみての得意の会議型コメディ。確かに面白いんだけど、この劇団は論理的に見えて最後に論理が崩れてしまうので不満に思っていたのだが、論理を崩すことによる面白さを狙っているのだろうか、と思うようになった。ここを詰めなきゃダメだろ、っていうところが満載で、まぁコメディだからしょうがないか、っていうことだろうか。
MU『変な穴』
2007年初演で何回か公演してる同劇団のマスターピース。何回か観てる。本企画を主宰した同劇団のハセガワアユムは、こういうのを集めたかったんだろうな、と思う。ただし、本人も言っているように、大幅に改作されていて、感触は随分違う。そんなに嫌な事が起こっているワケではないのに、嫌な感触が残るあたりが面白い。
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視点
座・高円寺1(東京都)
2023/03/15 (水) ~ 2023/03/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/03/18 (土) 19:00
本企画の第3弾。#やみ・あがりシアター #劇団肋骨蜜柑同好会 を観た。どちらも観たことがある劇団。62分(14分休み)60分。
満席だったようだが、納得の作品2本だった。
やみ・あがりシアター『背に描いたシアワセ』
2018年にAPOCシアターで初演された作品の再演。
https://stage.corich.jp/stage/93799
初演も観ている。100分あった作品を60分(実測62分)にまとめたものだが、初演の感想に「芝居のテンポは感心しない」などと書いていたのだが、今回は実にテンポ良く展開され、サイコー、と思う作品だった。昭和の嫁姑闘争と思わせて笑わせ、思わぬ展開に繋ぐ。本作品を観たくてこの企画を観ようと思った、ということは、是非とも言っておきたい。
劇団肋骨蜜柑同好会『恋の手本 ~曾根崎心中~(令和版)』
当初は新作を上演する予定だったのが、作・演出のフジタが体調不良で新作が書けず、2015年にPit北/区域で上演された作品を再演。
https://stage.corich.jp/stage/69475
何作か観た劇団だが、本作の初演は観てない。近松の曽根崎心中のテキストを現代的な身体と発話で展開するアイデアは面白い。バックに展開される物語も興味深く、面白い作品だった。