ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」
アミューズ/フジテレビジョン/サンライズプロモーション東京
東急シアターオーブ(東京都)
2019/04/16 (火) ~ 2019/05/12 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/25 (木) 14:00
150分。(75分-休憩20分-55分)
ミュージカルにもある程度のストーリー性を求めている自分としては、経営危機の靴工場が女装用のブーツを作り出したら再起したっていうストーリーは、ちょっと安直かなぁ、という気はする。ゲイの性癖に対する捉え方とか、「自分をありのままに受け止める」っていうセリフも何だか唐突に出た感がある。その点では、ちょっと肩透かしだった。加えて、楽曲がシンディ・ローパーだというのも期待していたけれど…思っていたほど耳に残る曲というのはなくて。
衣装…ドラッグクイーンのローラを取り巻く衣装とダンスは、どういう訳か心躍る。ビジュアルとしては、とても楽しい。モブのダンスシーンを観るだけでも、このミュージカルには価値があるのかなと思った。
ミラクル祭’19(ミラフェス’19)
新宿シアター・ミラクル
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/04/20 (土) ~ 2019/04/29 (月)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/04/24 (水) 20:00
B.Version。65分休憩なし。
2話オムニバス。
『名前の無い名前を呼ぶ冒険』
転校してきた不安と、レッテルを貼られている不良の辛さと、そこに産まれる友情を、ミクドクっぽい(?)演出で、軽快に走り回るのは、観ていて清々くて軽快。なぜ名前で呼べないんだろうか、という問い。動機に対する障壁が、今一つ理解できずで、ああ、こういう関係性もあるよな、っていう風に淡々と観ていたら、物語が終わってしまったかなぁ。
『ルージュド・ガールと落下傘』
先輩の魅力はヒシヒシと感じるんだけれど、それ以上迫るものが見当たらずなので、細かい動作とか、表情に、惚れていくのを楽しむお芝居になってしまった。気が付くと、猫多ユウ演じる先輩の魅力を、みんなで眺めるお芝居、っていう風にとらえてしまった。物凄く味のある女優さんだと思ったけれど。もう少し深い物語を、演劇に元ている自分としては、物足りない、という感情が圧倒的に心の中を占めてしまった。
H&ERO
Peachboys
シアター711(東京都)
2019/04/23 (火) ~ 2019/05/06 (月)公演終了
満足度★★★★
117分。休憩なし。
次から次へと、衣装が伴ってろいろなパロディが登場しての、下ネタコメディ。711の狭い舞台と楽屋で、ここまでいろんなバリエーションで見せてくれるのは、凄いの一言。舞台を観終わっても、笑い過ぎて疲れた記憶しか残らない。観終わった後、内容なんて何も頭に残っていない。それくらい、お馬鹿一直線。でも、ここまで頭を無にして、笑わせてくれるのは、物凄い爽快感。
ヒトハミナ、ヒトナミノ
企画集団マッチポイント
駅前劇場(東京都)
2019/04/10 (水) ~ 2019/04/21 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/04/18 (木) 19:30
103分休憩なし。
iaku、横山拓也の作品。前回観た「逢いにいくの、雨だけど。」もそうだったけれど。登場人物たちが陥ってしまう疑問や状況は、誰が悪いわけでもなくて。人間の性だから、どうしてもそういう状態に陥ってしまう。それは仕方のないことなんだけれど。そこで、前向きに生きていく姿を描く。・・・これが本当にうまいなぁ、と思う。
「介護」と「性」の問題っていう、テーマの難しさももちろんなんだけれど。それ以上に、ほぼ主人公の加藤虎ノ介が、自分なりに自分に正直に生きていく姿が感動だった。後半、涙腺が半開になってしまい、しかもハンカチが見つからず、に困った。
演出の観点では、ちょっと粗さが目立ったかなぁ。特に「間」が不自然と思う場面が少なくなかった。セリフの解釈をもう少し綿密に詰めていけば、別の会話のトーンや間が見つかるんじゃないか、という事を、観ながらその場で思う。つまり、架空の別バージョンをその場で想像してしまった。余計なお世話かもしれないけれども。あと、インゲンを掃除するシーンは、そこまで長くかけなくてもいいかなとも思う。
みなとみらい
虹の素
STスポット(神奈川県)
2019/04/17 (水) ~ 2019/04/24 (水)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/04/17 (水) 19:00
77分。休憩なし。
平成の30年間。横浜みなとみらいの街を思い起こさせながら、「みな」と「みらい」の二人の、そして二人をとりまく周りの人々の青春を、懐かしい歌と共にテンポよく描いていく様は軽快。
一方、セリフの内容が、作者が語りたいテーマをそのまま語ってしまっているように感じる場面が多いからか、どうにも感情移入ができないまま終わってしまった。結局、なぜ二人は解散するのか、言葉上では理解するものの、感情として付いていくことがでなかった。
pinky
神奈川県演劇連盟
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/28 (木) 19:30
115分休憩なし。ラブホを舞台にした3劇団のオムニバス。
●劇団820製作所「森が燃える」
突然、ハードボイルドなの来た。どういう経緯でこんな「吹き溜まり」に集まってしまったんだろう、と想像するのが楽しかった。
●劇団スクランブル「Leave!」
静かな演劇っぽいというか、人間が生きている中のある瞬間を、上手く切り取ったような芝居。Sitcom要素が満載で、クスクス笑いが止まらなかった。
●演劇プロデュース『螺旋階段』「静的コンプレックス」
不条理劇っぽい作り。ハセガワさんをめぐる物語だが、観終わった時に、それぞれにそれぞれの「ハセガワさん」を思い描いているのが面白い。
一つ一つの作品を、もう少し突っ込んでみたいな、という思いが強かったのと。作品の性質上、小じんまりした場所で公演した方が、役者の息遣いを感じられて更に面白くなるんじゃないかな、と思った。
ロボットとわたし ご来場ありがとうございました。
演劇ユニットG.com
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/27 (水) 19:00
145分休憩なし。
チャペック「R.U.R.」を大きく根幹にした作品。物語の構造はとても古くて、あまたSF作品で語りつくされているはずなのに、何だか2019年の今演じられることが必然であるように感じる。ロボット・AIが現実味を帯びるという昨今の情勢もしかりだが、階級闘争的な変化も実は起っているからではないか、と感じる。
舞台演出は鮮烈。特に照明の世界観と、舞台衣装のアンマッチさが面白い。しばらく頭から離れなさそう。
上演時間が長い上、途中ちょっと冗長な部分があるのが残念ポイント。
ナイゲン【劇団ミックスドッグス】
劇団ミックスドッグス
ひつじ座(東京都)
2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/26 (火) 19:00
120分。休憩なし。
前回の観劇同様、ミックスドッグスらしいエネルギーと速度感は健在。高校生を演じるリアリティみたいなところは、とても納得感があり。白熱議論の120分は、テンポもよくて楽しい。
一方、「ナイゲン」という物語、前評判高くてちょっと期待しすぎたかな。最近「議論の会話劇」を何本か観たけれど、比べるとどうしても「単層構造」な物語であることが気になる。深みが欲しい。
桜の森の満開のあとで
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/27 (水)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/22 (金) 20:00
115分休憩なし。
議論の会話劇。濃厚な時間。とても面白かった。物語の構造としては、「十二人の怒れる男」や「12人の優しい日本人」に似ている理屈ものだけど、大学のゼミの設定が加わると劇中劇的な要素もあり全然違って見える。若い俳優さんがやるとリアル。資料見ながら観劇したのは、初めてかも。
降っただけで雨
埋れ木
シアター711(東京都)
2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/21 (木) 19:30
合羽チーム。100分。
濃厚な会話劇。ヒーローが救うのは、いつだって世界。世界とは、自らが愛する人たち全てのこと。何かのキッカケで、その世界が何だったのか分からなくなってしまったら・・・、というお話。
結局「世界」とは、身近な人の事でもあり。ヒーローという、偉大で巨大なモチーフを使いながらも、身近な人との緻密な会話を通して、振れ幅のある表現を作っていくのには、とても心を動かされました。作者の、人に対する視線の暖かさが、強烈に印象に残りました。
尾田のシーンでは笑わせてもらいましたが、中盤以降の緻密な会話には、うっすら涙、が止まりませんでした。
FIRE LIGHT
たすいち
劇場MOMO(東京都)
2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/20 (水) 19:30
総じて、テンポがよくて、照明がカッコよくて、役者さんたちのキャラが立っていて。観ていて興奮の絶えない舞台。
合成麻薬ファイアライトをめぐる攻防。麻薬をめぐる攻防という、表層のストーリーでも楽しめるが、ファイアライトが象徴するメタファーが気になる。いろいろな解釈が出来そうな芝居。
三人の姉妹たち
タテヨコ企画
小劇場 楽園(東京都)
2019/03/14 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/03/19 (火) 19:30
舞台セット、空気感、登場人物が非常に魅力的。12年の歳月を人々と共に観る、という点では非常に面白かったが、終演後何か心に残ったかといわれると、特に何も残らずだった。
途中、出演者の感情の吐露が、突如、説明的でわざとらしかったように感じる。ナチュラルな世界と演技の物語の中に、伝えたいテーマを溶かしきれなかったことが要因か。
チンチンの冒険
演劇ユニット「巨乳の彼女を創る」
新宿眼科画廊(東京都)
2019/03/14 (木) ~ 2019/03/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
最初から最後まで、笑い続け。笑いよじれて、疲れ果てて。観終わったら、滅茶苦茶お腹空いてた。身も蓋もなく一言で言ってしまえば、テーマは「モラトリアムの終わりへの抵抗」。要は「若いエネルギーの爆発」。悲哀と切実さが、上半身裸の肉体と下ネタに、巧妙に隠されているように感じる。
舞台時間全般を通した肉体のキレの良さが凄まじく、舞台表現としての完成度レベルが、非常に高い。1000円は明らかに安すぎる。4000円でも安い。
ハルサメ
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2019/03/14 (木) ~ 2019/03/18 (月)公演終了
満足度★★
「笑い」の仕掛けを理解はできるものの、開演10分を過ぎたあたりから、心から笑えなくなってしまった。つまらない訳ではないのだけれど、何かがありきたりというか、中途半端。楽しいけれど、笑うに笑えない時間に、疲れ果ててしまった。
鯨を捕る
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/03/14 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/03/14 (木) 19:00
112分休憩なし。
テーマとしては、ありふれた、何度も描かれてきたテーマだとは思うけれど。人が生きる中で背負う、どうしようもなさや、弱さみたいなものを、非常に、鮮やかに、描いていたように思う。最後のシーンでは、涙止まらず。
この素晴らしき世界
しゅうくりー夢
ザ・ポケット(東京都)
2019/03/13 (水) ~ 2019/03/17 (日)公演終了
AMERICA
大統領師匠
シアターシャイン(東京都)
2019/03/06 (水) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2019/03/07 (木) 19:30
105分。10話オムニバスコメディ。コメディというか、演劇的なコントに近いかも。バカバカしいものからシュールなものまで、10話それぞれ、いろんな角度の笑いでせめてくるので、観ていて飽きなかった。各話の場転も鮮やか。
様々な笑いの中でも、「シュールな笑い」の話が、個人的には好き。三木聡が脚本を書いていた頃、中期くらいのシティボーイズを思わせる感覚。もっとシュールさを突き詰めて欲しい。
はなにら
MONO
吉祥寺シアター(東京都)
2019/03/02 (土) ~ 2019/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★
家族から離れるって何だろう、自立って何だろう、結婚って何だろう。あえて、血のつながっていない家族たちと、その自立を描くことで、そんな事を観ているものに考えさせてくれるお話。基本はコメディ。一人一人のキャラクターがしっかりしていて、ジワジワと暖かくなっていく。その感覚を非常に楽しめた。
ちょっと説明っぽいセリフが多くて、ナチュラルと不自然の「ムラ」に戸惑った。観劇に慣れていない人にとっては、分かり易くてとても親切な舞台だと思う。
『コンサート・リハーサル』
時々自動
KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)
2019/02/28 (木) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★
鑑賞日2019/02/28 (木) 19:30
事前学習を怠って、不意打ち。KAATで「前衛」の芝居を観るとは思わなかった。音楽、ダンスその他、表現の迫力は凄まじい。白井晃のアフタートークで、普段自分が見ている芝居が「意味まみれ」で「様式的」であることに気が付いた。積極的に観たいとは思わないけれど、一度は経験するが面白い。
サンカイ
やみ・あがりシアター
サンモールスタジオ(東京都)
2019/02/27 (水) ~ 2019/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/27 (水) 19:30
各階で繰り広げられる人間関係が、とにかく生々しくて。一つひとつの階の話だけでも、結構おなか一杯になりそうな濃さで、各々1時間くらいの短編芝居になりそうなのに。それが6階分。そりゃ居場所なくて、空き部屋に逃げるよね。前半の丁寧な部分と、後半の各階の並行した物語のテンポの取り方が、非常に心地よくできていた。