tatsumiの観てきた!クチコミ一覧

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荒人神 -Arabitokami-

荒人神 -Arabitokami-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

五彩の神楽の集大成!五ヶ月連続で見てきたからこそわかる辛さとしんどさ、そしてそれ以上の興奮と感動とカタルシスが怒涛のように押し寄せるものすごい作品でした!
壱劇屋さんの再演はただの再演ではなく、初演を見た人でも初見の人でも驚きがあって楽しめるような新しい挑戦と創意工夫が毎回施されているのも本当にすごいです!
このご時世に無事に完走できて、五彩の神楽をすべて劇場で観ることが出来てよかったです…!
一生忘れられない最高すぎる観劇体験をありがとうございました!!

ネタバレBOX

決して強くはないけど優しくて、理不尽な目に遭ってもめげずに自分を鼓舞して立ち上がるまっすぐな元が眩しくて大好きです。回を重ねるごとに荒さんに対する表情の変化と目の揺らぎがより繊細に複雑になっていくのがすごかった…!
元を見守る荒さんの優しくて幸せそうな笑顔が好きで、色んな武器を使って戦う姿はかっこいいのに、どんどん業や後ろめたさを背負って闇堕ちするのがしんどくて…。そんな荒さんを救うために四神楽の主人公が登場するシーンは鳥肌が立つほど興奮して涙腺崩壊でした!白い墨絵衣装に身を包んだ彼らのかっこよさと美しさがたまらない…!夢のような共闘に加えて、旗のはためきと共に参戦するミラ、眩しい笑顔で不殺を貫くコウ、ひらりと飛び降りて一閃する盲人、巻き込まれながらも敵を倒しきる表助、楽しそうにフルスロットルで戦う蝋燭男などもう一度見たかった彼らに会えて幸せでした!
思い出の武器をそれぞれ手に取った時の彼らの表情、荒と向かい合って戦う時の表情と手が印象的で、彼らと戦うごとに見せる荒の変化もあって、クライマックス戦はずっとボロボロに泣いていました。
苦しいことも辛いことも一人で抱えたらしんどいけど、分かち合ってくれる誰かがいれば救われるし、ただそばにいてくれるだけで楽になることもある。一緒に笑って共に過ごす人がいてくれる小さな幸せを大切にしたい、そんな気持ちになりました。

エピローグでその後の彼らが見れるのが本当に幸せすぎて…!憫笑姫ターンで平和なその後を、心踏音で幸せな二人を、賊義賊でいつもの日常を、戰御史で変わらない彼らを見せてくれるのがもう嬉しくて嬉しくて…!大千秋楽で憫笑姫メンバーが全員揃ってエラがミラの手を引いて駆け出す姿に号泣しました。ラストのダンスも楽しすぎて目が足りない!こんな豪華で素敵すぎるフィナーレ見たことない!それを嬉しそうに楽しそうに見守る荒さんも最後の墨絵も最高でした!
戰御史 -Ikusaonshi-

戰御史 -Ikusaonshi-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/11/23 (水) ~ 2022/11/29 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

初演とはまた違った面白さがあって楽しかったです!
朴訥で真面目そうな表助と無邪気に狂気が迸る蝋燭男二人の戦いっぷりと殺し合いがすごかった!
武器を取るごとに元の持ち主の記憶に飛ばされて、長巻、サーベル、銃剣、サバイバルナイフなどバラエティに富んだ武器でひたすら戦い続けるのが凄まじい!
記憶の先で気づいた謎を少しずつ明らかにしていくサスペンスミステリー要素もあり、初演から追加された演出もあってよりわかりやすくなっていました。
それでいて見終わったあとに「あの時見せた表情は…あれはこういうことなのかな…」と色々と考察したくなり、様々な解釈もできるスルメのような作品です。

ネタバレBOX

序盤の集団行進マイムや屋敷の場面の奇妙でどこな不気味な空気感は戰御史ならではのもので大好きです。
訳もわからず逃げ惑いながらも何とか戦おうとする表助の人間臭さと、跳躍力とバネを活かして襲いかかる蝋燭男の狂気がたまりませんでした!特に千秋楽の蝋燭男の気迫の凄まじさたるや!蝋燭男の全身から迸る気迫と殺陣から迸る苛烈さにビリビリしました。

カウントダウン、タイトル、布を使った転換と視点が入れ替わるような人間CGもすごかった!
猩獣とはまた違ったタイプの黒い台で足場、岩、小屋、二階、攻撃する武器などに変わっていくのも面白かったです。兵として戦いながら黒い台も動かしていくアクションモブの方々がすごすぎる!オールスター戦での個性豊かな戦い方と表情に見てるこちらもテンションが上がって最高でした!
supermarket!!!

supermarket!!!

壱劇屋

in→dependent theatre 2nd(大阪府)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

見る前は2時間半集中力を切らさずに観れるか心配でしたが、短編オムニバス形式のお芝居で集中力が切れることなく最後まで楽しめました。
他の短編では脇役だった人たちに次々とスポットが当たっていくのが面白かったです。
人それぞれにその人なりの人生、矜持、悩み、譲れないもの、ドラマがあって、別の短編ではまた違った一面が見れるのも人間らしい。またこういう作品が見たいです。

ネタバレBOX

スーパーっぽい音やリズムも混じえて歌いながら登場人物紹介をしていく、スーパーのテーマソングっぽいOPから楽しかったです!

不条理ホラー、ほっこりファンタジー、会話劇、人情もの、人間ドラマ、世にも奇妙な物語、大人のラブロマンスなどジャンルが全く違う色んな作家さんの作品を一度に楽しめるのが贅沢でした。
心踏音 -Shintouon-

心踏音 -Shintouon-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/10/19 (水) ~ 2022/10/25 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

優しくてしんどくて愛おしい物語。展開を知っていてもハンカチが濡れるほど泣きました。
盲人とフミちゃんの心通わせる日常が柔らかで色鮮やかな光と音で彩られていくのが優しくて温かくて大好きです。
声と鞘で相手の位置を把握して柔らかく鋭く斬り込んでいく盲人、「いま槍伸びました!?」と思うほど見事な槍使いで戦う笑人、キレのある太刀筋と刺し技がかっこいい岳人など殺陣も見応えがありました。
繊細で緻密な音響と照明。表情、目、手、足音、背中で時に繊細に、時に雄弁に伝わってくる感情と思い。これほどまでに心地よく、そして悲痛に響くのはワードレスだからこそだと思います。生で見れてよかった作品です。

ネタバレBOX

美しくも儚く脆い幸せ、純粋な二人の心を表してるかのような「心踏音」のタイトルがすごく綺麗でギュッとなりました。
盲人のふにゃりとした笑顔、フミちゃんの楽しそうな笑顔、笑人の優しく見守る笑顔、岳人の屈託のない笑顔が愛おしくて大好きです。幸せな日常がずっと続けばいいのに…!

中盤、床に映し出される▽▷△の照明は盲人のボロボロに砕け散った心に、引っ掻いたような線がたくさん走る照明は復讐で無理やり心の隙間を埋めようとしてる傷つき荒れた心のように見えました。他にも盲人の世界を体感させる場面など照明もすごかったです…!

今回の人間CGの巻き戻しは、振り下ろした剣も飛び出してくる刺客も街の様子も全部役者さんの動きだけで逆再生して本当に巻き戻っていくように見えたのが圧巻でした…!
賊義賊 -Zokugizoku-

賊義賊 -Zokugizoku-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/09/21 (水) ~ 2022/09/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

すっっっごく楽しかったです!一体感のあるコミカルなダンスで心が浮き立つような開幕シーンから一転「カラフルでポップでキュート!…だけじゃない」始まり方にグッと掴まれました。
パワフルで元気いっぱいではじける笑顔が最高なコウが大好きです!猩獸の小玉さんがかっこよかったので楽しみにしていましたが本当にすごかった!躍動感あふれるキレキレな動きに、相手をからかう茶目っ気もあってかっこよさと可愛さのハイブリッドがたまらないです!
コミカルでダンディな同心、あの手この手でコウを捕まえようとするシーンが面白すぎました!キレキレに戦う姿もかっこよかったです!
怪しくも美しい蠱惑的な動きが印象的な登場にゾクリとして、戦うとパワフルでブレない頭領の圧倒的な強さと邪悪っぷりもすごかったです…!
2回目を見たときに色々と繋がるのも気持ちよくて、少しほろ苦さを残しつつも爽やかな気持ちで終われる楽しい作品でした。

ネタバレBOX

普段は元気なコウが心の奥底に封じ込めていた記憶を思い出して、時に顔を曇らせて沈み、時に惑い、時に目の前の人を助けようと必死に抗うのがしんどくて、でも迷いに迷いながらも自分の道を貫くことを決めた姿が最高にかっこよかったです!普段はがめついけどいつもコウの背中を押して傍にいてくれる頼もしい鼠、絶妙なタイミングでアシストして見守ってくれるコミカルな瓦版屋の3人のシーンも大好きです。

クロはスタイリッシュなビジュアルと悪人は絶対殺す容赦のない太刀筋のかっこよさにゾクゾクしたところで、表情がころころ変わる無邪気な過去編とのギャップがしんどくて…!クロ大好きです…!
「賊義賊」の意味がわかった瞬間、ブワッと鳥肌が立って、全員の覚悟が伝わるようなキメがかっこよすぎて泣きました。
過去編のお茶目で強くて優しい師匠も愛おしくて大好きです。残された人たちがどう生きるか、自分の道を貫けるかという話にも感じたので、二人の中の師匠が時に道しるべになり、時にこんなところで負けるなと鼓舞するのがグッときました。
誰にでも優しく、手を差し伸べて助けようとする玄人の温かい人柄が好きです。身体と命を張って大切な人を必死に守り抜こうとする強さと優しさが本当に眩しい。差し出した手に光が掛かるのが美しかった。光があるからこそ闇もより深まるように、こんなに眩しくて真っ直ぐな人を受け入れられずに拒絶してしまうあの人の生い立ちまで思わず考えてしまう、ワードレスの面白さを感じました。

回想シーンの切り替え、過去と今が重なる瞬間、血しぶきなど、初演から更にブラッシュアップ&パワーアップしたところが沢山あって「筋は同じでもこんなに変わるのか!」と驚きました。血しぶきも切り捨てられて舞う、ドバッと吹き出す、刺されたところからドクドク溢れるなど引き出しの多さがすごかったです!
憫笑姫 -Binshouki-

憫笑姫 -Binshouki-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/17 (水) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

白い人が出てきた瞬間に「これから五彩が始まるんだ…!」とドキドキしました。
姉の優しさと自己犠牲、妹の可愛さと覚悟、姉妹の健気さと成長にボロ泣きして、理不尽と悪意に立ち向かっていくかっこよさに痺れました。
理不尽で辛くてどうしようもない状況で時に声を上げて、時に胸を叩いて、時に気合を入れてもらって自分を奮い立たせるミラの強さがまぶしい…!
理不尽な現実に打ちのめされながらも、逃げずに歯を食いしばって頑張る姿に見てるこちらも励まされて頑張ろうという気持ちになれる作品でした。

ネタバレBOX

周りからの嘲笑や悪意に打ちのめされながらも、自らを鼓舞して必死に訓練して戦って、旗と共に戦場に現れて凛と力強く戦うミラの美しさとかっこよさに泣きました。
序盤と同じBGMで訓練するシーンで、平穏だったあの頃には戻れないけど、確実に成長してイキイキと訓練する姿に切なくも胸が熱くなります。

ミラ達5人の性格と個性に合わせて戦い方を教えた団長の面倒見の良さ、彼女たちの見事な戦いっぷり、それを誇らしげに見守る団長も大好きです。戦場で楽しそうに笑ってワイルドに戦う団長かっこよかった!

これまでたくさん頑張って戦ってきたミラを不器用に労わり、手を取って歩き、彼女のために立ち上がる人たちのラストバトルは涙が止まりませんでした。

幼い妹の頭を撫でた人が、次の場面で年寄りになって「大きくなったねえ」と見てる時間経過の表現、アクションモブの身体と動きで作られる城内の長い廊下、門近くにいる人は朗らかで、奥に進むにつれて意地悪そうな人がいる城の様子などの表現もすごかったです!
code:cure

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壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2022/07/29 (金) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

不気味で奇妙な世界に徐々に引き込まれていく感覚が面白かったです。
身体と空間に響く音響、不穏な影、ループするごとに増える謎と少しずつ明かされていく真実にゾクゾクしました。これはどういうことなんだろうと考えながら見るのも久しぶりで楽しかった!
照明、音楽、生身のマイム・パフォーマンスで想像力がフルで働いて、本来ないはずのものまで見えてくるような不思議な感覚も心地よかったです。
山田さんの独特な声と存在感も強く印象に残りました。
配信で千秋楽verが見れたのもありがたかったです。

猩獸 -shoju-

猩獸 -shoju-

壱劇屋

ザ・ポケット(東京都)

2022/06/01 (水) ~ 2022/06/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

初演は映像化がなかったので、再演&DVD化が嬉しかったです。
初演から続投した到知や天化たちそれぞれの芝居がより繊細に雄弁になっていて、更に深く物語の世界に惹きこまれました。
家族側・王宮側の登場人物や関係性の変化を、時に胸が締め付けられるような思いで、時に微笑ましく、時にハラハラと、時に応援しながら見ていました。
黒い台の使い方が4月猩獣から更にパワーアップしていて圧巻!兵士として戦いながらも違和感なく黒い台を動かしていくアクションモブの方々がすごい!

ネタバレBOX

「大切な人を思うが故に」動くのが人間らしいお話でした。大切な人を思うが故の光と闇があり、独りでは堕ちてしまうところを繋ぎ止めよう、助けようとしてくれる人がいるのが救われる。

陸亜の手を引く到知の手、天化の視線の揺らぎと眼差しの変化、中盤の荒れ狂う戦いと終盤のそれぞれの戦いぶりと表情が印象に残っています。

人間CGは飛び交う数多の刀を手にしながら肉弾戦も交えて戦う麩多姫戦が特にすごかった!
出陣前の「心配するな」と静かに笑う麩多姫の笑みも戦い方もかっこよかったです!
黒い台の使い方が4月から更にパワーアップして、民家、王宮、柱、壁、足場、転換と次々と変化していたのも圧巻でした!
猩獣 -shoju-

猩獣 -shoju-

壱劇屋

ザ・ポケット(東京都)

2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

三度目の再演でしたが、今回も面白かったです。
大きな黒い台を動かして使うことで奥行きやカメラワークが生まれていて創意工夫がすごい!
神楽はより可愛らしく賑やかで楽しく、四天王たちは個性豊かでかっこよく、様々な武器を使ったバトルが見れて楽しかったです。
手、指先、目からそれぞれの感情や思いが伝わってきて何度も泣きそうになりました。

ネタバレBOX

序盤の男から人外へと移り変わっていく猩獣の悲しい変化、優しく勇気ある童太の奮闘、仲間のために戦場に立つ炒瑠の凛々しさ、守るために必死に戦う弥左の泥臭さ、震えながらも皆を守ろうと立つ尋音の強さ、面越しから見える九郎の目、刀を握る手、花を持つ震える指、がむしゃらに戦い続ける姿から伝わる思いに何度も泣きそうになりました。

鶏冠の行軍マイムと黒い台を使った場面転換、瓢風の梯子も取り入れた複雑な殺陣、布女の子供のような遊びも取り入れた殺陣と今回も殺陣が面白かった!
特にラストバトルの黑歿戦も東京再演版から更にキレと迫力が増していて見応えがありました。九郎も黑歿も人なのに人ではないようなゾッとするような怖さと凄味が増していく終盤戦が凄かったです。
そこからの最後の猩獣と九郎のシーンは何度見ても優しくて美しくて大好きです。
二ツ巴 -FUTATSUDOMOE-

二ツ巴 -FUTATSUDOMOE-

壱劇屋

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2021/12/22 (水) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

もう一度見たいと思っていた二ツ巴が見れて嬉しかったです!
表情・仕草・戦う姿から伝わる感情や思いに心揺さぶられ、美しい所作・佇まい・殺陣に魅入り、水や弓矢を人の力で表現するワードレスならではの魅力が詰まっていて大好きな作品です。
ともえは凛々しくかっこよく、トモヱは無邪気で可愛くたまらなかったです。
初演よりパワーアップした水の表現もとにかく美しくて凄かったです。あらゆるものに形を変え、ともえを守り、共に戦う水の動きが特に美しかったです。
我斜の集団行進マイムも一体感が凄くて迫力がありました!刺客二人の武器と戦闘シーンもより複雑かつ迫力が増していて面白かったです!
水神様も荘厳で、水を降らす時と止める時の手の振り方、指先まで美しく魅入りました。

猩獣-shoju-

猩獣-shoju-

壱劇屋

HEP HALL(大阪府)

2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

再演・新作両方見ました。どちらもとても面白かったです!

再演はシンプルでわかりやすい物語の中に切ない片思い、トリッキーな殺陣、楽しそうに笑いながら戦う狂敵と大好きな要素が詰め込まれていました。
序盤では不器用で優しい表情をしていた九郎が、時に容赦なく力強く、時にスピーディーに、後半更にキレを増して戦い続ける姿が切なくてかっこよかった…!

次々襲い掛かる個性的な刺客達との戦いも見応えがあり、槍・双剣・梯子・反物などを使った殺陣もトリッキーで面白く、まるでアニメや特撮のような戦いの連続に内心何度も興奮しました!
そのシーンを作り上げるアクションモブの方たちの段取りと動きも凄まじかったです…!

登場人物たちのキャラクターを表わし、戦うたびに裾や袖が舞い、照明の美しさや戦いに映える衣装もどれも素敵でした。
ワードレスならではの余韻を残し、自由に解釈できるラストも大好きです。
前の席で見るとこちらにも飛びかかってきそうな臨場感溢れる戦いと繊細な芝居に惹きこまれ、引きで見るとステージ全体を使った殺陣の面白さ・場面の美しさ・かっこよさを堪能できたので、色んな席でまた見たいです!

ネタバレBOX

幹部戦、九郎と弥左の同時進行バトル、弥左達のピンチに駆けつけた九郎、黒歿との戦い、花を贈る場面が特に好きです。
同時進行バトルでは無限に現れているかのような錯覚に陥るほど、アクションモブの方たちが次々と現れて戦い続けているのが凄かった!「戦う場所は違えど、(尋音を守りたい)思いは同じ」という構図もすごく好きです。

幼馴染たちのピンチに駆けつける場面では、緊迫感あふれるBGMが九郎の登場でピタリと止み、木々のざわめきと鳥の鳴き声だけが静かに響く。照明に照らし出されて輝く九郎の背中のかっこよさと場面の美しさに鳥肌が立ち、気づけば泣いていました。とても神秘的で美しく印象的な場面でした。

集団進行のマイムの迫力と長く重そうな槍を軽々とぶん回して戦う鶏冠、ハシゴの可能性を無限大に広げ、翻弄するようにあちこち飛び回って戦う瓢風、カラフルな反物を自由自在に操る不気味だけど愛らしい布女、楽しく遊んでいるかのように人を斬り殺し、戦いへの執着が凄まじい黒歿とどの幹部もキャラが濃く、戦いも見応えがあって面白かったです!
終演後に売られていた猩獣の花も、舞台が終わってもあの世界の一片に触れられるようで嬉しかったです。
さようなら

さようなら

オパンポン創造社

HEP HALL(大阪府)

2019/04/11 (木) ~ 2019/04/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

面白かったです。舞台だけどまるで一本の映画を観てるかのような感覚でした。

たった6人の登場人物。彼ら(彼女達)が抱えるそれぞれの弱さ、セコさ、ずるさや諦めを滲ませた言葉・仕草、泥臭い本音が、自分や周りと重なるところもあり、グサグサ心を刺してしんどかったところもありましたが、なんだか愛おしく感じられました。
彼女は、彼はあの後どうしてるんだろう…とふと考えてしまうぐらい、彼女たちの、彼らの姿が心に残りました。

息の詰まるような閉塞感と淀んだ空気のなか、欲望に忠実すぎるチェンに(若干狂気を感じつつも)癒されたり、それぞれの会話のやり取りや間の取り方に思わず笑ったり、逆にグゥッと胸がしめつけられたり。
生々しすぎる感情の爆発が心を揺さぶって、最後のオチに笑って、観終わった後、ほっと安堵したような、寂しいような、どこか憧憬に似た不思議な余韻が残りました。

舞台上に置いてあるのはほんの6脚のイスだけなのに、色んな場面や光景が繰り広げられてたのも凄かったです…!

【大阪公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

【大阪公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/06/15 (金) ~ 2018/06/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

初めて「独鬼」を観ました。とても素敵な舞台でした。
昔話のような絵本のような、とてもシンプルな物語で
その分、登場人物たちの感情や思いがスッと入ってくる。
最初から最後まで舞台の世界に惹きこまれました。

特に冒頭から登場する村木よし子さんが凄かったです。
新感線でのコミカルなお芝居のイメージが強かったんですが
こちらでは晩年の儚さ、鬼と共に積み重ねてきた年月の重みと愛情が
一挙一動、指先から表情まで滲み出る繊細なお芝居で、
そんな彼女と、彼女を背負う鬼の姿で、あっという間に「独鬼」の世界に惹きこまれていきました。

色鮮やかな四季の移り変わり、大木の神秘さ、舞う雪の切なさなど
鬼と娘の一生を彩る照明・舞台美術・BGMも素敵でした。

殺陣芝居というだけあって、殺陣も見ごたえがあって凄かったです。
特に火縄銃を取っ替えひっかえして戦う刺客との戦い。
遠距離戦・近距離戦もアクロバティックにトリッキーにこなす刺客、
アクションモブの方たちの動きと連携、そんな彼らと戦う鬼と、ここは目が足りません!

そして次々と戦いに巻き込まれていく鬼は、普段の無表情で静かな佇まいが嘘のように
自らの感情や思いを戦うことで雄弁に語っていきます。
その姿はかっこよく、恐ろしく、哀しく、しんどく、そして愛おしい。
一撃一撃がぶつかり合うたびに心が揺さぶられる場面もあり、
本当に殺陣で思いと物語を紡いでいくのがすごかったです。

言葉がない分、「あれはこういうことだったんじゃないか」とつい後から考えて
自分なりに解釈していくのも面白く、
色んな方が見て、ご自身の人生と重ね合わせて、色んな感想や解釈が聞きたくなる。
そんな作品です。愛知公演も楽しみにしています。

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

二ツ巴-Futatsudomoe-<舞台写真公開中!>

壱劇屋

ABCホール (大阪府)

2018/04/06 (金) ~ 2018/04/08 (日)公演終了

満足度★★★★

人と水神の和風ファンタジーな世界観、裾や袖が舞う美しい衣装、かっこいい殺陣、水と矢の演出、細やかな表情・仕草・戦う姿で伝わってくるそれぞれの思いなどグッとくる要素が盛り沢山な作品でした。
気づけば世界観に没入して深く感情移入し、特に苦悩する主やともえと父のシーンは度々泣きそうになりました。

川、水流、バリア、水面と様々な形に姿を変えて、舞台を彩る水の演出もとても美しかったです。
また1階席だと表情がよく見えるため彼らの思いに心揺さぶられて、殺陣の迫力に圧倒されましたが、2階席だと全体が見えるため舞台に溶け込んで更に自然さが増す水の演出の美しさや凄さ、アクションモブの方達の動きや一体感がよく見えて、座る席によって色んな楽しみ方ができました。

配下二人のビジュアル、武器、殺陣もかっこよく、特に矢が飛び交う中でのともえとの乱戦は凄いの一言。
色んな方に観てほしいので、是非また再演してほしいです。

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