満足度★★★★★
面白かったです。舞台だけどまるで一本の映画を観てるかのような感覚でした。
たった6人の登場人物。彼ら(彼女達)が抱えるそれぞれの弱さ、セコさ、ずるさや諦めを滲ませた言葉・仕草、泥臭い本音が、自分や周りと重なるところもあり、グサグサ心を刺してしんどかったところもありましたが、なんだか愛おしく感じられました。
彼女は、彼はあの後どうしてるんだろう…とふと考えてしまうぐらい、彼女たちの、彼らの姿が心に残りました。
息の詰まるような閉塞感と淀んだ空気のなか、欲望に忠実すぎるチェンに(若干狂気を感じつつも)癒されたり、それぞれの会話のやり取りや間の取り方に思わず笑ったり、逆にグゥッと胸がしめつけられたり。
生々しすぎる感情の爆発が心を揺さぶって、最後のオチに笑って、観終わった後、ほっと安堵したような、寂しいような、どこか憧憬に似た不思議な余韻が残りました。
舞台上に置いてあるのはほんの6脚のイスだけなのに、色んな場面や光景が繰り広げられてたのも凄かったです…!