tomyleeが投票した舞台芸術アワード!

2019年度 1-10位と総評
AFTER塩原JUNCTION

1

AFTER塩原JUNCTION

塩原俊之自主企画興行

今年の私のベスト1はこの公演です。

『笑の太字』​犬宇が頭から離れません。

『天気予報を見ない派』暗闇はエロチックしか想像できません

『いまこそわかれめ』和菓子の恩とは思っていませんでしたが別れ目は真剣に思っていました。

友人が仕事を辞めて田舎に帰ると聞き、この演目を一緒に。
楽しかったこと嬉しかったこといつになっても忘れません。

「日曜日よりの使者2019」

2

「日曜日よりの使者2019」

feblaboプロデュース

日曜日からの使者のオリジナルバージョン(西)は初めて見ました。
笑わせかたが東バージョンとは明らかに違います。
そこからのエンディングへの流れに味がありますね。

東バージョンはかなりアレンジしています。一言で言うとオシャレ。好きなシーンは辞書を嗅いだときの短い「おっ」。

「水の袋の逢瀬」も初めてみました。これはホテミラじゃないですか池田さん!非常階段から見ていたの下りですよ。ホテルよりエロいシーン。この情緒は小劇場っぽくない!そこがいい。

明日がツアーラストになりますが、私の今年一番のオススメと断言できる作品てす。同時に上演される「いまこそわかれめ」はもしかしたら「フラれたの?」とモヤモヤしているお客さんもいるかもしれません。そのときには終演あとに聞けば優しいお兄さんお姉さんが教えてくれます。

ひとりでも多くの宮城の皆さまに見ていただけることを願っています。初めて演劇をご覧になる方にもオススメできます。

グッドバイ,グッドボーイ

3

グッドバイ,グッドボーイ

劇団ミックスドッグス

今年期待していた劇団のうちのひとつ。今作品は期待以上でした。これは「とても面白い」。

主催の奥田さんがSFがお好きと聞きましたが、それをここまで表現できて飽きさせない完成度。

幾世さん見米さんの早着替えのシーン。あそこは印象に残っているお客様も多いはず。
このスピード感にミクドクを感じ、CGにすればもっとリアル!いやこのどこまで行ってもアナログこそ演劇!と感じたお客様も多いはず。

これをメンバーだけで演じ、何か一つ上の自信を掴んだのでは。
伊藤さんの演技がとても良かった。後日ご本人に伝えることができてよかった。

次回公演は津山さんも加えてフルメンバーの予定。待ち遠しい。
奥田さんが公言されましたので書き添えておきます。
映画「her世界でひとつの彼女 」を参考にされたそうです、
名作ですので今回の公演が気に入られたかたはこちらもお薦めします。

調和と服毒

4

調和と服毒

Ammo

お見事でしたパラゴーネ。
これも神が…いや人間が産み出した美ではないでしょうか。会話をしていない見ている人も心揺さぶられる。日頃私が思っていたことがここに詰まっていました。

幼少のときから「神さまはいる。でも助けてくれない。」と私は母に育てられました。その言葉はヒューマニズムを自分で探せというサインでもありました。そんな私にはこの作品の台詞のどれもが熱く私の胸に突き刺さって来ました。

私のハイライトはマルカントーニオの声のない笑いから。吉村さんはもうAmmo作品には欠かせない役者さんですね。今日も適役!
役者さんでは高木さん。何度か出演された作品を拝見してますが今日が一番カッコ良かったです。そして前園さん、今日は更に素敵でした。

私の推測だけで書きますが、これまでも南さんの作品には目に見えないものへの追求も感じます。もやもやしているものは声に出すことで具現化していくこともある…。この過程も美ではないでしょうか。そしてそれが戯曲として産まれる。
何か目に見えるものしか信じられない世の中、そんな風潮へのアンチテーゼにも感じます。

南さん、毎回同じ感想ですみません。
「今回も素晴らしい作品を世に出していただきありがとうございました。」

発表せよ!大本営!

5

発表せよ!大本営!

Aga-risk Entertainment

完成度が高すぎる1本。
アガリスクさんは短編よりも長編のほうが好み。これまで観た長編と比べても私の中ではトップクラスです。

当日は劇場に着くのが通常よりも遅くなってしまい、もう最後方の席しか選択肢なし。
ただ駅前劇場ってあまり前方はオススメしません(やや強がり)。3列目ぐらいまでは傾斜が足りずちょっと見づらい。久しぶりの最後方でしたが快適でした。

さて作品ですが、とにかくよく笑えるコメディ。舞台設定も大本営だけでなく、庶民を映したお茶屋も含めたところはストーリーのメリハリに活かせていました。
そして津和野さんの持ち味を最大限に生かせたところ。あの忙しい役って一歩間違えると見ているほうをイライラさせて、作品そのものに嫌悪感が漂ってきますが、そんな心配は一切いらない仕上がりになっていました。

これは友人と一緒に見に行って、終演後は笑いながら感想を語り合いたい作品です。

降っただけで雨

6

降っただけで雨

埋れ木

初日合羽班観劇。これは傑作です。圧倒的な会話劇が好きな人にはハマります。勿論私はこれ大好き。

人が生きていくために大切なことが沢山詰まっていました。私には「自分の欲求と義務」これが整理されて胸に伝わって来ましたね。

終演後、真っ先に台本購入しました。
残念ながらもう一つの班が見れないのでこれを読みながら脳内再演をしたいと思います。

殊類と成る

7

殊類と成る

劇団肋骨蜜柑同好会

相手の匂いを嗅いで自分と同じか確認をしている…いや、同じかどうかは自分の匂いを先に嗅いでいないとわからない。相手を知ることは自分を知ること。不思議な動物だな。その不思議を楽しむだけでも人生100年はなんと短いことか。

ススキの「スス」は真っ直ぐすくすくと立つこと。俗物でもいいじゃないですか。あとはその覚悟。花言葉は「心が通じる」

肋骨蜜柑には珍しいメッセージが強く躍動感あるテイスト。どの世代の心にも染みるフジタさん渾身の一作。

FIRE LIGHT

8

FIRE LIGHT

たすいち

たすいちの本公演は第20回キズツクキカイから拝見していますが、開場前に30人並んでいるのは初めて見ました。皆さん楽しみに初日を待っていたのでしょうね。

さて公演ですが。DVDで一度拝見していましたが、やはり生は違いますね。
7年前の作品とは思えない、全然風化していません。
FL(ファイヤーライト)というマッチ式の幻覚を見る麻薬とマッチ売りの少女と被せる発想がとてもユニーク。

役者さんもとてもいい配役でした。
たすいちはメンバーも増えましたし、こういったリバイバル上演はそこにはめるのが難しいと思うのですが何の違和感もありません。
そう。ここのメンバーはみんな芝居上手です。

CONTROL

9

CONTROL

劇団天動虫

このテーマを芝居の力で伝えたことが素晴らしい。現代社会への警鐘。人へ、その積み重ねの国へ。自由と正しいルール。ほんの少しの「優しさ」。これはお芝居のファンに留まらず芸術ファンに見ていただきたい作品です。
席は自由ですが最前列をオススメします。
役者さんが目の前まで来て迫力ある演技を見せてくれます。
あと「ファシズム」の意味を軽く予習した方がよいと思います。

サンカイ

10

サンカイ

やみ・あがりシアター

初春。この時期にフィットした別れがテーマ。誰も理屈じゃなく感情のままに別れを切り出し、そしてそれを周りは各々の時間で受け入れていく。この受け入れ側の人間味や愛情滲む人との結び付きが私の心に染みました。決して悲しいだけでない感情溢れる七つの階技です。

笠浦さんの作品はもうスタートから設定勝ちなんですよね。美術の眞野さんが予告していた通り凄いセット。7階・・レインボー割引・・。

幕が上がるともう「妹」が座っているだけで予感しました。こりゃ何か来るぞと。
そしてアンサンブルからの川口知夏さんクラッシュ!私が推しますさんなぎさんは今日も素敵でした!もう一回見たい!
と勢いよく書きましたが、とんだ勘違いをしていたかも。

ずっと気になっていたのが開場したときのBGM。あれ全て行進曲ですよね。
ボーダーリングのときのように何か意味が・・ん?行進曲=マーチ?3月? これ「別れ話」と同時に「ここから動き出す」という意味も浮かび上がってきました。

とんだ勘違いだったかも。別れの季節ではなく動き出す季節。そしてマーチは足並みを揃える意味もある。別れの受け手が自分の時間で歩み寄る...、深読みかなぁ。でも笠浦さんはなんかここにも仕掛けているとしか思えない。意味のないBGMなはずがない!

総評

私の選ぶ基準は「もう一度見たい順」です。自分もそして友人を連れて行きたい。それを想像しながら選びました。
ノミネートしていませんが、流星メモリー×4(はらぺこペンギン!)も入れたかったです。

このページのQRコードです。

拡大