devil's advocateの観てきた!クチコミ一覧

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福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」

福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」

DULL-COLORED POP

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/07/21 (土) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度★★★★

やりきっていて観ていてとても気持ち良かった。良くも悪くも人は土地にこびりつくように生きてるんだなと実感。
語りづらいことを真っ正面からとらえた心意気もステキ。
好みの問題だけど、ちょっとバーバルな情報が過多な印象。面白いノンフィクションを読んだような楽しさはありつつ、驚きという要素はあまりなかった。取材に引き摺られた,,,,?
個人的には一番罪深いのは風評だと感じてるので続編でそこをどう扱うのか期待。
とにかく演劇の楽しさを存分に味わえた一本でした。

革命日記【青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”】

革命日記【青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”】

こまばアゴラ演劇学校“無隣館”

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/04/14 (土) ~ 2018/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/26 (水) 19:30

現代口語本家というイメージで観に行ってみました。以外とデフォルメされてるんだなというのが印象でした。何故かな?どこかな?と振り返ってみると、今、働き方改革とかダイバーシティとかプライベート重視求人とか、意外と組織の縛りが緩くなって来ているせいか、組織から派生する記号的なコミュニケーションが減ってきているんだと気づきました。
そのせいか、かつての世代では「いるいる」的なキャラクターもレトロな感じに見えてしまったのかもしれません。
ただ逆に個のぶつかり合いみたいな部分は十分な説得力を持っていて、なかなか見応えがありました。
もうちょっと役割的なデフォルメを緩めて、個と個のぶつかり合いや起きていることを真摯に掘り下げた部分が増えてくると、もっと印象が変わっていたと思います。
いずれにせよ組織と個人の関係においての現実社会と作劇、組織が個を必要とするのかそれともその逆か、などなどとても豊かな気づきの時間になりました。

嗚呼いま、だから愛。

嗚呼いま、だから愛。

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/04/19 (木) ~ 2018/04/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/25 (火) 19:00

3000円という安さに見合わないくらいのクオリティで散りばめられた笑いと深度を伴ったやり取りにあっという間の時間でした。若干聞こえづらい台詞もありましたが、その分、表情など細かなやりとりも生きていたので難しいバランスだとも思います。
観ていて何度か込み上げる痛みや悲しみ、苦しさのようなものを感じ、稀有な観劇体験になりました。
ただ、作品のタッチと言えばそうなのですが、関係が少し単純化、戯画化されているせいかやりとりが、土台(関係、年月など)から派生している感が薄れている気もしました。
好みもあるとは思うのですが、個々が抱えた問題以上に、他者への勇気というか、思いやりみたいな部分をもう少し深く強く信じられたら、キャラクターをもっと深く受け入れられたような気もします。

廃墟

廃墟

ハツビロコウ

シアターシャイン(東京都)

2018/03/13 (火) ~ 2018/03/21 (水)公演終了

満足度★★★

初めて観る団体だったが、かつてのガジラファンだったのと、前回の公演の口コミが好評だったのとで期待値が高かった。
ウェルカムな心持ちで観ていたはずなのだが、学生が帰る辺りから足りないものを埋めながら観ている自分に気づき始め、次男の登場で若干盛り返すものの、全体的に求心力、軸を欠いているように感じた。

座学、ディベート、演出などが不足しているのか、熱量そのものが目的化しているかのようで、台詞が刺さりきらないのが気になった。
渡しきらずに諦めを漂わせてしまうとやり取りが重くなる。
敢えて行き詰まった感を選んだのだとしたらあまり賛成出来ない。
NHKでカラー処理された戦後の群衆の映像を見た時、当たり前なのだけれどその「リアルさ」に衝撃を受けたのを思い出す。そこには悲壮感より命のしぶとさ、逞しさすら感じた。
暗さ、湿度的なものが全体を覆ってしまったせいか、演者の身体も語らず、ストレートな内容なのに悪い意味で状況が分からない瞬間が散見された。

期待値が高いがゆえにネガなコメントが並んでしまったけれど、さらに発展させ、媚びずに独自性を追究してくれることを期待したい。

『青いポスト』/『崩れる』

『青いポスト』/『崩れる』

アマヤドリ

王子小劇場(東京都)

2017/11/04 (土) ~ 2017/12/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/16 (木)

舞台の使い方や躍り、台詞の掛け合いも絶妙で楽しんめました。
やはり広田さんがポストトークで最後に回答してた台本の部分は「そうだったの」感が勿体なく、それを理解できた上でそれ以降を観たかったなと思いました。

ただ一晩明けたら観てる時の面白さが薄まっていて、何故だろうとさっきまで自問してました。
好みの問題かもしれないけれど、人物が基本、善人で、嫌らしさや汚ならしさが世界観にないからかなと思います。
振り幅が狭くリアリティを(敢えて?)失わせてる感じが、浮き世にコウデイする身としては、刺さりきらなかったのかなと思います。

良いところが多いだけに、本質的な部分に欲が出てしまうのでしょうね。

川を渡る夏

川を渡る夏

オフィス3〇〇

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2017/09/15 (金) ~ 2017/09/24 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇が勢いがあった頃のみずみずしさを感じさせる。新しさは感じないけれどある時代の雰囲気を楽しめた。

あめの声、なつの唄。

あめの声、なつの唄。

チークパイ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/08/22 (火) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★

好みの問題かも知れないけれど、芝居がレトロで表面的。美術や脚本、演出など全体的にそういうテイストだったので驚きもなく、個人的には世界観に馴染めなかった。

夕顔

夕顔

日穏-bion-

テアトルBONBON(東京都)

2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★

役者が皆、自然で素晴らしく上手くて素敵。砂利の音が情緒を感じさせるセットも良かった。
しかし演出と台本が気になる。最初のうちは新鮮だった展開が段々パターンに感じられてくる。
一番の原因は「過去」に強い説得力を感じないからかもしれない。
現在を肯定する為にマイナスの要素が用意されているだけのように感じられ、そのせいで人生の愛すべき残酷さが薄まり、
結果的に作劇を通して自己愛を見せられているようで共感しにくい。
掛け合いなど、公的な部分は役者たちはとても上手く、それだけに私的な部分が線が細く、核心近づくほど物語が薄まるのが勿体なく感じた。

ネタバレBOX

そもそもなぜアルコールに溺れたのか二人とも全く分からない。他のキャストも同じで、過去に説得力をどうしても感じられない。台本に書いてある以上の情報が感じられなかったせいだと思う。
朗読劇「ひめゆり」

朗読劇「ひめゆり」

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2017/08/04 (金) ~ 2017/08/06 (日)公演終了

満足度★★★

真摯に暗くなりすぎずに取り組む姿勢に好感が持てました。
戦争を研修生に体感させるという主旨も良いと思います。
ただ戦後の戦争教育と同じ系譜で語られていて、台本から手を入れるという良い機会を逸した感はあります。
科学的、論理的にも過去の大戦への反省が、必要なのではないかと思います。

再演「女学生J」

再演「女学生J」

牡丹茶房

d-倉庫(東京都)

2017/04/19 (水) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★★

言葉のセンスが抜群で演者も巧みで見ごたえのある作品。動線も完璧でよく練り上げられている。これからが楽しみな座組だと感じた。
しかしプロットが多すぎて逆に退屈し始め、長い2時間15分でもあった。

日常的な台詞、口語的な台詞には十二分の「実感」を感じるのだが、劇的なシーン、詩的な表現には作りものめいた響きがどうしても拭えない。おそらく後者には技術や想像力がいるのと、プロットが多いせいで、whatが多すぎてhowがあまり描かれていないからかもしれない。勿論、演者の方でそれを埋めるという方法もあるかもしれないけれど。
とは言え、演者、作演ともにとても可能性を感じるので、次回は少しプロットを削って、演劇ならではの余白を楽しめる作品で観てみたい。

一人芝居ミュージカル短編集vol.2

一人芝居ミュージカル短編集vol.2

一人芝居ミュージカル短編集

ザ☆キッチンNAKANO(東京都)

2017/04/01 (土) ~ 2017/04/11 (火)公演終了

満足度★★

ロングランと演者が生活出来ることを目指すという志は素晴らしい。演奏する人、演じる人、スタッフ、全員の熱意が伝わる素敵な場所と時間だった。
しかし、どうしても恋することに恋するような表現に馴染めない。
ある種のファンならそういうものとして受け入れるのかもしれないが、届かない。
対象が感じられない。

演者が感じれば客も感じるというものでもない。
大抵の人は普段、感じようとして感じるというより対象への(からの)働きかけの結果何かを感じることがほとんどだと思うのだが、それを演技だからと力づくで感じようという頑張りが見ていてしんどい。
志は素晴らしいと思う。
だからこそ他者の目という残酷さを意識して本当にいいものを作れるようになって欲しいと思う。

「緑のオウム亭ー1幕のグロテスク劇ー」

「緑のオウム亭ー1幕のグロテスク劇ー」

雷ストレンジャーズ

小劇場B1(東京都)

2017/03/01 (水) ~ 2017/03/05 (日)公演終了

満足度★★★

衣装と照明が楽しめた。
物語の軸、推進力みたいなものを感じさせ、狭い舞台で巧みに動線を描いていた。
しかし、翻訳劇、時代ものということを差し引いても、総じて出演者の芝居が硬い。
スタイルと言えなくもないが、そのせいで作家が肉薄しようとした、本質、生々しさがかなり薄まっているように感じた。

颱風來了

颱風來了

エムズクルー

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/02/15 (水) ~ 2017/02/19 (日)公演終了

満足度★★★

達者な演者たちの個性が光る。
演技と暗転が少しレトロな感じもするが、それはそれで慣れてくると楽しくなる。

張るところは面白い分、緩む感じが使えている演者と使いきれてない演者の差も少し縮まると、本が持つ世界が豊かに感じられるんだと思う。

アトレウス

アトレウス

演劇集団 砂地

吉祥寺シアター(東京都)

2017/02/09 (木) ~ 2017/02/13 (月)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/02/09 (木)

ネット民とギリシャ悲劇という着想や舞台美術はgood.

主要人物の中で関係性や時間という重みが効いていないため、単発的なモノローグという感じで、関与するコロスも滑ってる感じがする。
当事者の物語とずれたり合ったりすることがコロスやネット民を考察する上では旨味なのだろうとは感じる。
代替案としては、家族内のコミュニケーションを感情的なだけのモノローグ的ではなく、近いがゆえの複雑さにまで高めること。コロスが物理的な方法だけでなく、精神的にも観客へ深くアプローチした方が良いと感じる。

個々の技術の面でいうと台詞の的の絞りや強度のチョイスに、巧拙ばらつきがあり、流れを妨げている。
活字情報は伝われど、それ以上の深みは感じなかった。
アクションも芝居との糊代が透ける感じがした。
全体として向かう方向が面白いだけに 悔やまれる。

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

百景社

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/01/27 (金)

初めて観ました。あまり観ないタイプの舞台でしたが、何から何まで素敵でした。演者も劇世界と相まって本当にいとおしく感じました。細部が全部に結び付いていて、何か言葉にするのが惜しいくらいです。

渇いた胸の音 ~ボクトワタシ~

渇いた胸の音 ~ボクトワタシ~

TOKYOハンバーグ

サンモールスタジオ(東京都)

2017/01/12 (木) ~ 2017/01/17 (火)公演終了

満足度

鑑賞日2017/01/12 (木)

初見の団体。
チラシとリーフレットのデザインが素敵。俳優の写真のクオリティとサイズにも好感。
ただ、台本のチープさを補う方法が思いつかない。継続的に活動するのは大変なことだとは思うけれど、作家個人のレベルで解決出来る部分なので頑張って欲しいと思う。

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