満足度★★★
鑑賞日2017/02/09 (木)
ネット民とギリシャ悲劇という着想や舞台美術はgood.
主要人物の中で関係性や時間という重みが効いていないため、単発的なモノローグという感じで、関与するコロスも滑ってる感じがする。
当事者の物語とずれたり合ったりすることがコロスやネット民を考察する上では旨味なのだろうとは感じる。
代替案としては、家族内のコミュニケーションを感情的なだけのモノローグ的ではなく、近いがゆえの複雑さにまで高めること。コロスが物理的な方法だけでなく、精神的にも観客へ深くアプローチした方が良いと感じる。
個々の技術の面でいうと台詞の的の絞りや強度のチョイスに、巧拙ばらつきがあり、流れを妨げている。
活字情報は伝われど、それ以上の深みは感じなかった。
アクションも芝居との糊代が透ける感じがした。
全体として向かう方向が面白いだけに 悔やまれる。