耳があるなら蒼に聞け・ハンズアップ2022
企画演劇集団ボクラ団義
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「ハンズアップ」
いつも楽しみにしていたボクラ団義が無期限活動休止!
その暫定最終公演を観る
かつてあまりに面白くて興奮した「ハンズアップ」
やっぱり文句なしに面白い
しかしこんな結末だったかなぁ、記憶に自信がない
誤解を恐れずに言えば自殺志願者には是非観てほしい
沖野くんや添田くんや大神くん相変わらずいい味出てたし、平山さんしっかりアイドルしてた
図師さんのアフターもいかにも
裏公演と共通セットはちょっと中途半端だったかな
ネオンキッズ
OFFICE SHIKA
座・高円寺1(東京都)
2022/03/03 (木) ~ 2022/03/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
丸尾丸一郎の脚本・演出でAKB48の3人をキャストに登用
まあそれ以上でもないそれ以下でもない・・・
正直鹿殺しということで期待しすぎたか
ダンスには観るべきものがあったが
ヒトリ役の松浦司のラップとブレイクダンスはなかなかのものだった
『ポルノグラフィ』Pornography
劇場創造アカデミー
座・高円寺1(東京都)
2022/02/25 (金) ~ 2022/02/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★
メッセージは強く出ていて、演出はなるほどと思わせ、役者の演技もそれなりでそれぞれの場面は良かったのだが、全体としては詰め込みすぎで「言葉」が多すぎて冗長になった
最後の死者の靴を投げ入れながらそれぞれのエピソードを語るのが眼目だったかもしれないがこれがまた長すぎて焦点がぼやけた
片桐健人のひとり芝居はなかなか面白く、石橋和也はカッコよかった
いつもポケットにショパン
メディアミックス・ジャパン
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/01/13 (木) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ライティングとかプロジェクションマッピングとか結構凝っていたし、畑芽育(まだ19歳かぁ)は表現力もあり、小林裕介はさすが声優という感じだったのだが、なによりせっかくピアニストがいるのだから生ピアノで通して欲しかった
ステージで弾いた曲もPA使用
そもそもあのホールなら声だって生でいいはず(コロナ対策なら仕方ないが)
ムーランルージュ
ことのはbox
萬劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
やはりこの団体にハズレはない
「良質な戯曲を取り上げ、上質な舞台創作を目指す」をコンセプトに、1970年代以降に書かれた日本国内の戯曲を上演している ことのはbox
今回は「上海バンスキング」で岸田國士戯曲賞を受賞し、時代の雰囲気を的確に描き出す斎藤憐の「ムーランルージュ」
1931年から20年間、新宿にあって赤い風車で名を馳せた大衆劇場「ムーランルージュ」を元にした、飢える中、生きるために、自分が自分であるために舞台に立ち続ける人々に捧げるラプソディ
舞台が舞台だけに歌あり踊りありで役者も大変だったろう
衣装替えの素早さも見ものだった
それぞれ味のある演技だったが、中心人物以外でGHQ将校ジェシー村中役の如月せいいちろーや舞台美術の佃光役の佐野眞一の個性的な演技がひときわ目を引いた
篠田美沙子の死んだ幼児を連れたつもりで劇場を回る姿も心を打った
久し振りに見た長年の付き合いの井上一馬が渋い演技をしていたのは嬉しかった
踊りは郡司聡美と中右遥日が際立ち、畠山はなのの表情が良かった
萬劇場をこんなにフラットに使った舞台は初めて見た
良く見ると後ろの方は「ムーラン・ルージュ」の舞台裏を細かく作りこんでいるが、逆に言うと殺伐とした感じ
手前はまさにステージだ
内容はある意味二重三重の構造になっていて、軍部の検閲が終わって自由になったと思ったらGHQの検閲があったり、占領軍将校の中でも日系人が差別されていたり、日本側も第三国人の問題が残っていたり(差別の複雑な構造)
さらには「占領」は「解放」なのか(米軍による、旧日本軍による)
その都度自分の視点もギアチェンジしていく
前半で気づかされたのは戦死した者(と生きて帰ってきた者)に対する考え
この間観た舞台の鴻上尚史が書いた台詞「生きている者が死んだ者にできることは死んだ者を覚えていることだ」はまさに昨日の天安門事件の舞台に当てはまったが、今日の舞台でも考えさせられた
後半ではやはり人種差別についてか
「用語集」が配布されたが、改めて自分の子供の頃にはまだ「戦後」の香りが残っていたと思う
「もはや戦後ではない」と経済白書の序文に書かれたのは1956年だが、60年代になっても敢えて言えば小学校の友人の中にはドブ板を渡って入るバラックのような長屋に住んでいた者もいたし、親や祖母からしばしば戦中戦後の話を聞かされていた
劇中出て来る東京大空襲についても
祖母は良く軍歌を歌っていたし・・・
(戦後すぐに亡くなった祖父は戦時中は率先して金属を供出し、戦後は闇物資をきらって栄養失調で都電の中で倒れたという)
休憩時間に隣の若い女性二人組の会話が聴こえてきたが、なんにも知らずに観ているの?という感じだった
でも考えてみれば昨日一緒に「5月35日」を観た25歳3人も天安門事件を知らずして臨んだわけだし、だんだんそういうことになるのかもしれない
願わくば舞台を観て様々なことを学んでその時だけでなく史実を記憶にとどめてほしい
2時間半に及んだが長さを感じさせず、今月は上質な内容の舞台を多く観られて嬉しい
5月35日
Pカンパニー
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
天安門事件のこういう描き方もあるのかと感心した
今回3人の25歳を伴ったのだが、その反応はなるほどそういうものかと思わされた
これまで事件も知らず(あの衝撃的なひとりの青年が戦車と向き合う写真すら観たことはなかった)、まして胡耀邦と鄧小平と趙紫陽の関係(その存在すら)知らない彼女らにとっては、自分にとっては当然のことと考えられるメッセージ性の強い政治劇という捉え方よりも、夫婦愛とか介護とかの家族劇としての性格が前面に出たようだ
演技もみな父親役の林次樹が心に残ったようだが、自分は芝居臭さが強くて好みではなかった
竹下景子はかなりの熱演だったし、松永拓野がいい味出していて、内田龍磨がテレビなどでも見せるバイプレーヤーとしての存在感があった
まあ彼女たちには想像もできない世界で、当時在米勤務の自分がその直後に北京でアメリカ人避難のための空港行きの最後のバスを運転した国務省職員と付き合いがあったことや、5年後に天安門広場を訪れた時も中国政府職員と一緒で事件のことなどとても口の端に乗せられなかったことなど、既に「歴史」になってしまっているな
ついでに中国の近現代史もちょっと勉強して、何がどうなって今の香港の状況が生まれているのか理解してほしい
夜ふかしする人々
戯曲本舗
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2022/04/15 (金) ~ 2022/04/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「浮遊」はちょっとエスプリの効いたオトナの会話劇
キャラの異なる(多分演者も)3人のやりとりが面白かった
「アンフォルム」はちょっと異質
森宮ゆずの独特の世界観を感じさせる演技が残った
「機種変更」はリアリティがあって3人の表情が素晴らしく、最も気に入った
しかし・・・お父さんが過去も現在も自分とそっくり(笑)
娘に「親の顔が見たい?洗面所に鏡あるわよ」と言われたそのまんまだなぁ
「流れる」と「光環(コロナ)」
劇団あはひ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/04/03 (日) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
「Letters」改め「光環(コロナ)」
これはもう完全に能の世界、実に複雑な構造で理解は困難を極める
開演前に配られた「観劇の手引き」に「能編」というのがあって記憶を呼び覚ましていなかったら、皆目わからなかったかもしれない
いや、それは一助にすぎず、アフタートークを聞いてやっと7割方理解した
衣装や超シンプルだがライティングなどと相まって不思議な世界を作り出す舞台美術などは大変優れていた
若いが確かに独特な世界を作る劇団だ
本作は観る側を選ぶだろう
民衆の敵
ハツビロコウ
小劇場B1(東京都)
2022/03/29 (火) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
このところ立て続けに「正義とは何か?」的な舞台を観ているけど、やっぱりイプセンはすごい
ことはそう簡単ではない
畳み込まれるようにして考えさせられ唸ってしまった
大衆民主主義(衆愚政治)に対する痛烈な批判ともとれる
主演の橋本一郎熱演
高田賢一と松本光生がいい味出していた
彷徨いピエログリフ
9-States
駅前劇場(東京都)
2022/03/25 (金) ~ 2022/03/28 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
う~ん、何が正しいんだろう、だれが正しいんだろう、正義とは何だろう
マスコミ関係者にはぜひ観てもらいたい
ネットニュースの配信を行っている会社(新聞社の子会社)が舞台
キャストもそれぞれのユニークな性格描写が良くできていて好演
久し振りに台本を買った
京時雨濡れ羽双鳥/花子
劇団俳優座
俳優座スタジオ(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
能と狂言を下敷きに、戦後の情景を切り取っている
自分にとって「戦後」はリアルタイムではないものの、まだその余韻が残っていたので理解出来る
観客のほとんどは高齢だったが、また若者にはどう映るんだろうと考えてしまった
花子の明るさは救い、本当に狂言みたいだった
セットが凝っていたのだが、そのため見切れて橋の下の演技がほとんど見えなかったのが残念
安藤みどり好演
赤き方舟
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/19 (土) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前作に引き続き連合赤軍事件、今回は山岳ベース事件を扱い、赤軍の活動と人間模様が女性構成員を中心に描かれる
2回の延期を経ての上演
前作もだったが、自分はリアルタイムで知っているものの、若い人達にはどう映るのだろうか
それが一番気がかりだった
「楽園」の窮屈な空間を利用して極度の緊張感が続いた
あと1時間続いたらどうにかなっちゃったかな
「震災演劇短編集」宮城・東京ツアー
Whiteプロジェクト
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
震災を語り継ぐには並大抵ではない労力がいるだろう
まずはこれを続けていることに敬意を評したい
内容は押し付けがましくなく、むしろ淡々と逝ける人々への思いを綴っている
コミカルな「海月と花火」が楽しかった
売春捜査官
KURAGE PROJECT
高田馬場ラビネスト(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前半は昭和歌謡も入ってかなりコメディタッチの演出
後半の熱海の海岸シーンはグッと迫る熱演で見応えがあった
井上賢嗣、鹿野裕介、塚原大助なかなかの好演
全体的に変化を持たせた高橋広大の演出が良く、ライティングが優れモノだった
「悠久に遊ぶ」
ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2022/03/15 (火) ~ 2022/03/17 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
邦楽器とのコラボレーションだがなかなか良く出来た構成
津軽三味線は合うだろうなとは思っていたが、筝などもピッタリ
途中の「口上」で「やたらめたら」の「やたら」の語源と言われる雅楽の「八多羅拍子」が2拍子と3拍子を交互に繰り返す5拍子から成るリズムの一種であり、やはり2拍子と3拍子を交互に繰り返す12拍子のフラメンコに通じると言われ納得
コンテンポラリー、さらには能のような部分もあって楽しめた
ずっと祭り、祀り、祈りといったワードが頭をよぎっていた
The leg line
仮想定規
中野スタジオあくとれ(東京都)
2022/02/10 (木) ~ 2022/02/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
舞台の見切れ線を指す「The leg line」
コロナのおかげでいろんな意味でいたるところにできてる
海外公演に向け「英語字幕つき」(なのかな~笑)でコメディミュージカルを再演と言うか、前半はほぼストレートプレイのコメディ、後半がショー
いきなりスペシャルゲストのニューヨーク在住の世界的パフォーマーである持丸伸孝のダンスに魅せられる
この辺りの場面転換、切り替えが素晴らしい
コメディは青木砂織の渋い演技をはじめ個性豊かなキャストで楽しめた
ほんだまこと、栗木健もしっかりサポート
後半のショーもそれなりに楽しめた
シンプルな舞台セットも巧妙に使われていた
アルプススタンドのはしの方
稲村梓プロデュース
サンモールスタジオ(東京都)
2022/02/09 (水) ~ 2022/02/13 (日)公演終了
通る夜・2022
劇団芝居屋
劇場MOMO(東京都)
2022/02/02 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
芝居屋の舞台を観るのは3年振り2回目
シリアスな老境の想いかと思いきや、回想によるベテランの味の昭和ノスタルジーの青春グラフィティ
マイム・マイムのダンスでの舞台転換と最後のカップヌードルと卒業写真集へのスポットライトが印象に残った
柔道部主将のタケシ役の木の下敬志の朴訥とした演技が軽いマサルとの対比もあって良かった
おつかれ山さん
ことのはbox
シアター風姿花伝(東京都)
2022/01/26 (水) ~ 2022/02/01 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
いつもハズレのない「ことのはbox」の活動再開公演は鈴江俊郎の戯曲を上演
久々に両チーム観ることに
いやー、面白いプロットだけど背筋が寒くなる
教育現場は大変だ
「昔はこうじゃなかった、良かった」に頷く
今や学童だってクレームだらけだ
親はなに考えてんだ
家庭を顧みないとこうなる
自分が娘どもに愛想つかされたのもこれだよな
演出はチームごとに少し異なり、両チームのキャストそれぞれいい味出していたが、やはり役によりこっちが向いてるなというのはあった
丁寧に細部まで作りこまれた職員室の舞台を家庭、稽古場にも使う
最後の「破壊」はすごい
マチネでは、ソワレまでにこれ全部直すのかとため息
しっかり元に戻されてたけど
奇譚録。バーベキューダンス
劇団「楽」
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2022/01/19 (水) ~ 2022/01/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
トマ役の成島友騎(オスカープロモーション)や山本真菜美などがなかなかいい演技だったり、照明に見どころがあったりしたのだが、プロットが冗長で舞台回しも流れを妨げ散漫になってしまい残念