コナンの観てきた!クチコミ一覧

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悪女たちのララバイ

悪女たちのララバイ

劇団クロックガールズ

新宿シアターモリエール(東京都)

2017/03/02 (木) ~ 2017/03/06 (月)公演終了

満足度★★★★

怪女5人による遺産相続バトルって面白く無いわけがない。
最後のオチは途中で分かってしまったが、それでもしみじみとした余韻が残ります。
中村中さんが、ちゃっかり笑いをとる演技をされていたのは意外でした。

大東京ダダダ’ダンシングスターダストDX

大東京ダダダ’ダンシングスターダストDX

創像工房 in front of.

慶應義塾大学日吉キャンパス塾生会館(神奈川県)

2017/03/03 (金) ~ 2017/03/05 (日)公演終了

満足度★★★★

冒頭の掴みからの怒涛の場面転換の数々。
役者さんの振り切った演技、何気に凝った衣装、美術。
舞台を大いに盛り上げる照明、音響。
どれをとっても素晴らしかったがストーリーが読み古した漫画の様でもどかしい。
ワンシーン、ワンシーンの観せ方、やり取りは絶妙なのに全体のストーリーがもどかしい。
もどかしいと言いながらも、この中から間違いなく日本のエンターテインメントを牽引する人材が輩出されるであろう事を確信させる力強い公演でした。

get cranky

get cranky

劇団スクランブル

シアター711(東京都)

2017/03/01 (水) ~ 2017/03/05 (日)公演終了

満足度★★★★

ナイナイのお見合い大作戦というバラエティー番組は、参加者の中でも注目されるのは主に人気のある男女、もしくはキャラの濃い人物である。
今回の作品は、逆にその他大勢にあたる人達が繰り広げる恋愛バトルにスポットをあてた感じと言えばいいのだろうか。
TV番組的にはあまり旨味のない人達かもしれないが、本作はそういう「そこそこで普通」な人達のドラマチック未満なドラマをうまーく描写しており、ちゃんと見せ場やクライマックスも用意されている。
限りなく身近に感じる恋愛モノと言えるかもしれない。
超美形やブサイクが登場しないラブストーリーは劇的なうねりこそ発生しないが、大いなる親近感をもって笑わせてくれる。
劇団モットーである「最高の暇つぶし」のニュアンスが分かった様な気がしました。

「緑のオウム亭ー1幕のグロテスク劇ー」

「緑のオウム亭ー1幕のグロテスク劇ー」

雷ストレンジャーズ

小劇場B1(東京都)

2017/03/01 (水) ~ 2017/03/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

外は革命直前の物々しい状況。にもかかわらずエンタメボケした貴族達が「犯罪人ごっこ」に現を抜かし、挙句の果てに右往左往するであろう姿を苦々しく楽しむ予定の観劇でした。
ところが実際には、どれが本当の犯罪でどれが即興芝居なのか区別がつかなくなり頭が混乱してくる中、これはちょっとヤバいだろうという状況になった時、なんと自分自身も一人の貴族と気持ちがリンクしてしまい「こんな面白い場面、めったに観られるものじゃないっ!もっともっと刺激をカモーン!」と欲求心に火がついてしまっていました。
これじゃエンタメ亡者じゃん!ガーン
もちろん劇中劇だと分かったうえでの感情ではあるが自分にもこんな野次馬根性みたいなモノが潜んでいたとは。
我ながら滑稽であるが、ちょっとショックでした。
演出の術中にはまったという事なのでしょうが。

観客席は小劇場B1ではお馴染みの舞台から見て正面と左手の2方向。それに加えて右手にも一列だけ設けられています。
舞台デザインからしてどの席から観ても面白そうで、どこに座るか非常に悩ましいところ。
全体をまんべんなく楽しむなら当然中段~後方になりますが、劇中の混沌に巻き込まれるなら(舞台からみて)右手一列と貴族席近辺がお薦めです。
なんだか劇中の演出のひとつとして活用されている気がしますが、それを含め普段の観劇では中々無いアングルを楽しめます。

ネタバレBOX

盗んできた宝飾品を女達がキャーキャー物色している場面で、チョイ太目の貴族が近くに座っていた女性客に「貴女も参加しませんか」と話しかけたのが聞こえてきて笑ってしまいました。
んなっっ出来るかっ!(笑)
悦楽乱歩遊戯

悦楽乱歩遊戯

虚飾集団廻天百眼

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/02/26 (日) ~ 2017/03/05 (日)公演終了

満足度★★★★

美輪明宏版とは違った「黒蜥蜴」はいかほどのモノか期待しての観劇。
原作を劇団カラーにどっぷりと染め上げたエログロ、アブノーマル感たっぷりのアングラワールドは江戸川乱歩作品の懐の深さも同時に実感でき、とても良かったです。
脳裏に焼き付く総合美術、コアなファンがついているのも納得できます。
ただ開演前に役者さん達が、景気よく物販活動されるのはちょっと・・・
頭の切り替えがうまく出来ず、すぐに劇中に入り込めなかったのが惜しかった。
しかし公演後では舞台も役者もグッチャグチャで難アリだし、ファン恒例のお楽しみかもしれないので慣れればいいのか。
妖しい感じで売るっていうのはどう?

トラブルショー

トラブルショー

ミュージカル座

光が丘IMAホール(東京都)

2017/02/23 (木) ~ 2017/02/27 (月)公演終了

満足度★★★★

さすが鉄板シチュエーションのコメディーミュージカル。
綿密に考え抜かれた構成は一切創り手に任せて、観る側は只々心躍るミュージカルショーと勃発するトラブルを楽しんでいればよく、何とも贅沢な時間。
メイドインジャパン作品ゆえにギャグに使われる固有名詞は全て日本のモノ、人物なので妙に親近感がわくミュージカルでした。

ネタバレBOX

1幕の一連を踏まえての2幕目はバックステージ目線に絞られるが、最後までもめにもめまくった劇中劇ラストシーンだけは舞台目線からも観たかった。
アテンションブリーフ

アテンションブリーフ

劇団うけつ

しもきた空間リバティ(東京都)

2017/02/24 (金) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

人気者ゆえに友人観客動員数も随分多かろうと思える俳優陣。
各自色んな大学から集まったメンバーだからか、それぞれが個性豊かで普通の学生より一皮むけている感じがしました。
特に川野辺氏の腹の据わった感が尋常ではなかった。
気になるのは、身内は特にアドリブものにはハードルが低くなりがちで受けやすいかもしれないが、そこに甘んじた方向へは進んでいって欲しくないところ。
通常の枠にはまらない劇団カラーはメンバーのタレント力と併せて将来性をビシバシ感じられ、この先の進化が楽しみな劇団です。
持ち回りでツイキャスとかやってみたら面白そうだと思うのだが。

戦争戯曲集 三部作

戦争戯曲集 三部作

劇場創造アカデミー

座・高円寺1(東京都)

2017/02/21 (火) ~ 2017/02/25 (土)公演終了

満足度★★★★

第三部 『大いなる平和』を観劇。
休憩時間を差し引いても4時間30分の恐るべき世紀末を描いた大作。
溢れだすほどの感情とセリフ量に、これはなるほど演者にとって成果の問われるハードな修了作だと思いました。
狂気的な政治、混乱する市民そして‥全面核戦争。
悪夢のように荒廃した世界の中で営まれる人間関係は逞しくもあり虚しくも映ります。
未来の象徴である赤ん坊に対しての捉え方が強く印象に残る作品でした。

大勇者伝〜大勇者への道〜 / 大勇者内伝〜大勇者として〜

大勇者伝〜大勇者への道〜 / 大勇者内伝〜大勇者として〜

シアターブラッツ(東京都)

2017/02/16 (木) ~ 2017/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★

大勇者伝を観劇。
どんな大勇者のバトルが繰り広げられるのかと思ったら、そっちか~っ!
でもなかなか面白かったぞ。
勇者モノがとことんスットコドッコイに脚色され、余す所なく 楽しめました。
こういう2,5次元世界を独自にディスった作品を好む人は多いはず。
(2,5次元にあまり詳しくなくても楽しめましたが)
ちょっと勿体ないのは宣伝として、このシチュエーションがうまく伝わっていないと思える所。
ミニPVでいいので、あればすごく参考になると思うのだけれど。

ネタバレBOX

登場人物の台詞がどれもこれも全編通して面白い。
これを最大に活かしていたのが女魔王。
狙いどころのツボをズバリ押しまくりで最高でした。
他の役者さんは決して悪いとは思わないし、むしろそれぞれの役をしっかりこなされていたのですが、何故かオモシロの伝わり方に関しては差を感じてしまいました。
滑舌やテンポ、テンションには問題無く面白さの要素は伝わるのにナゼに???
笑いの奥深さを感じます。
場数を踏むことで良くなるのは間違いないのでしょうが。
方向性のひとつとして、かなり面白いシリーズ。
記念すべき旗揚げに立ち会えてとても良かったです。
どんどん磨きをかけてのご活躍を期待しています。
ギンノベースボール

ギンノベースボール

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/02/15 (水) ~ 2017/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

気概があっても体は思うようについてこない。
こうと言ったらなかなか折れない武骨な性格。
何だか田舎の父親の姿が重なって熱いものがこみ上げてきました。
どこにでもありそうな家族。そして起こり得る老後の障害。
この物語の後にもさらに人生は続いてゆき、どういう方向へ転がっていくのか分からない余白の部分が残りました。
ともあれ誰にもいずれは訪れる老いという不自由も全てひっくるめての人生を堪能。
どうせなら最後まで有意義に生きようとする姿勢から、色々と学べる所が多い作品でした。

七本の色鉛筆

七本の色鉛筆

玉川大学芸術学部パフォーミング・アーツ学科

玉川大学 大学3号館(東京都)

2017/02/15 (水) ~ 2017/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

公開に向けて然るべき指導者のもと多くの時間を費やし練習を重ねてきた公演である事がヒシヒシ伝わってきます。
楽しませることを充分に意識された演出は、3時間強退屈知らずで大したものだなーと思いました。
この卒業公演に関わる全ての学生さんの、もてなし精神に徹した温かい想いが会場全体を包み込み、ラストの挨拶では目頭が熱くなってきます。
玉川大学の水と緑が豊かなキャンパス、美しい校舎、様々に恵まれた環境の中で教育を受けてきた学生さんの幸福感がデコレーションされ、それが独自のカラーとなって、いつもの観劇とは趣の異なる楽しい時間を過ごさせていただきました。

帝都天籟

帝都天籟

劇団熱点

千本桜ホール(東京都)

2017/02/11 (土) ~ 2017/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★

同じ女性を狂おしいほどに愛した3人の男性。
3人それぞれが彼女と過ごした激動の日々の中に、様々な謎や矛盾が浮かび上がってきます。
昔、十朱幸代主演で舞台化された「悪女について」を彷彿させ、ストーリーの行方に目が離せません。
男女のドロドロ劇の枠を超えた顛末もダイナミックで面白かったです。
熱い芝居を自認するだけに劇場の大きさを遥かに超えたエネルギーが炸裂していました。
欲を言えばもう少しゆるーい場面も設けて抑揚があった方が、終盤の迫真の演技がより際立った様な気がします。
そのゆるさの中に情緒が加われば、もう完璧!
とは言え、あえて旗揚げ公演にハードルの高い作品を創り上げ、これを全員若手の役者さん達が堂々と演じ切ったわけですから、その自信に満ちた熱いエネルギーに感服いたします。

あと劇作家役の宇都宮さんの演技が印象的でした。
芝居中に観客をしっかり見据える演技はとても珍しく迫力が俄然アップします。
これって集中力いるだろうなー

Melody

Melody

TEAM 6g

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/02/08 (水) ~ 2017/02/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

「涙活」というイベントがある様ですが、この公演は2時間たっぷりと笑って、泣けて、元気がもらえて、ズバリ涙活に必要な要素が全て揃っています。
人に好かれやすい人がいるように、人に好かれやすい演劇があるとすれば、このような公演なのではないかと思いました。

ネタバレBOX

2003年の下北「劇」小劇場。「おっ、なんか面白そう」と何気なくチケットを購入した東京セレソンDX「ピリオド」。
その時、よもや号泣しまくりファンクラブに入会するほどハマってしまうとは予想だにしていませんでした。
まさに、その最初に観た作品と同じ流れを今作に感じとられ、何だか嬉しく思えます。(内容は全く異なりますが)
正統な血が引き継がれているなーと。
もちろん独自性があり、宅間孝行さん的ポジションを本作では主宰阿南敦子さんが演じている事もあり女性の方がより共感しやすい作品になっていた様に思いました。
自由度を活かして、今後いろんな変化も期待したいです。
オセロ王

オセロ王

劇団鋼鉄村松

王子小劇場(東京都)

2017/02/01 (水) ~ 2017/02/05 (日)公演終了

満足度★★★★

1999年人類滅亡。
いわゆるアダムとイブ、生き残りのキャラクター性がその後を引き継ぐ人類に色濃く影響を与える。
浅い文明社会、ちょっとお間抜けな世界観の中、結構シリアスに人権問題が絡んだオセロトーナメント戦が展開。
いつもの王子小劇場より客席を多く(満員御礼!)設けてオセロスタジアムにしたセットや、名物MC、体型凸凹スナイパー等アイデア盛り沢山のパラレルワールドでした。

ネタバレBOX

できれば決勝戦はドラマと交錯したままでもいいので実際のオセロ実況が観たかった。
昔、キングコング西野が他の芸人とガチでオセロ対決する企画公演をやっていましたが、かなり盛り上がって、意外とオセロ実況って面白いものです。
『追加公演決定!5日19時』キャバレーの男たち

『追加公演決定!5日19時』キャバレーの男たち

ゴツプロ!

駅前劇場(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/02/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

小劇場に行くと受付けや場内の熱気、目の前に広がるセット、それだけで開演前なのに早くも「あっ、この公演アタリだっ」と確信できてしまう事が、たまにありますが今回がまさにそれでした。
舞台は昭和39年のキャバレー。
リアルとか生々しいというよりも、その時代・場所が持つ古き良きエッセンスを抽出した感じの演出で、何とも居心地がよくその空間に身を置くことが出来る幸せを感じます。
ひとりの歌姫に惹かれた男達が働くキャバレーは、猥雑ながらも彼女への愛情で結束され、すごく楽しそう。
楽しさと哀しさの入り混じったストーリーは難しく考える必要もなく、いくらでも観てられるわー。という感じでした。
時々、舞台から懐かしいようなイイ香り(お香?)がフワ~ッと漂ってくるのも良かったです。

ネタバレBOX

歌姫の人物像は浮彫りになってきますが舞台には登場しないので、そのビジュアルにモヤモヤが残ってしまいました。が、帰り道にひらめきました。
今の中森〇菜じゃん!
銀髪

銀髪

アマヤドリ

本多劇場(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/31 (火)公演終了

満足度★★★★

個人の集合体である企業がひとつの生き物の様に、成長し変形していく様子が面白い。
集合体(企業)としての物語と、個々の構成人物の物語が小気味よく切り替わり3時間が流れるように過ぎていきました。
スキャンダラスな毒気が媚薬のように効いてきます。

『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』

『エンジェル・フォール騎士 ANGEL FALL KNIGHT』

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2017/01/27 (金) ~ 2017/01/30 (月)公演終了

満足度★★★★

小劇場で出来得るエンターテイメントを大人達が真剣に取り組んだ結果の、極上のB級ハードボイルド活劇でした。
黒が基調の舞台にカラフルで毒々しい衣装が鮮やかに映ります。
賄賂疑惑の解明を軸にストーリーは進みますが、怪しい職業の人があちこちから登場して、段々しっちゃかめっちゃかになって、あぁもはやストーリー大爆発っ! かと思ったら、しっかり物語の整理がされて収束へと向かう構成が絶妙です。
最大の魅力は、このしっちゃかめっちゃかさで、これはもう生でしか体感できない劇団の持ち味と言っていいのでしょう。
この体感する面白さの醍醐味に心情的深みがさらに加われば最強だと思いますが、そうなるとB級の冠がA級に変わってしまうかも。

花園RED / 花園BLUE

花園RED / 花園BLUE

20歳の国

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2017/01/19 (木) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

REDを観劇。
圧巻のラグビーパフォーマンスで一気に期待感が高まります。
ページをめくる様に移り変わるシーンの積み重ねは、ストーリーというより部員達の日常の集大成。
そこではラグビーの上手い・ヘタ、女にモテる・モテない等のヒエラルキーが発生します。(私の高校時代は学力ヒエラルキーが最強でちょっと辛かったが)
強者にも苦悩があるし、弱者にだって主張がある。
高校時代、誰もが感じるであろう、満たされる事の無い「飢餓感」に懐かしさがこみ上げてきました。

ネタバレBOX

何といっても一番の見所はラストのラグビー試合。
不登校児の吐き出すような歌声が醸し出す、悲痛さと溢れまくるエネルギーが、苦戦する試合シーンと見事にオーバーラップしてトリハダものでした。
リーダーの掛け声が心を揺さぶります。
こんなに迫力ある生のラグビー試合を舞台で観られるのは、きっとこの公演だけでしょう。
SIMPLY BECAUSE IMITATION -偽物だからこそ-

SIMPLY BECAUSE IMITATION -偽物だからこそ-

SECOND・N PRODUCE

高田馬場ラビネスト(東京都)

2017/01/24 (火) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

あらすじとタイトルからひょっとして!と予想していた「彼女の秘密」がピッタリ合っていました。
「笑わせる」ことに相当熟練した劇団で、ちょっとしたトラブルも素早く笑いに取り込みます。
笑いのツボに一度ハマると次々とやって来るオモシロの波に、ただただ笑い転げてしまいました。
そこらじゅうで笑いが起こっているので変な遠慮をする必要も無く、とても良かった。
このイイ感じまでは、あらすじからはとても読みきれるものではありません。
台詞が逐一面白く、滑舌と絶妙な間合いが必須ですが森脇和成さんも堂々の主演っぷりで舞台にすっかり溶け込んでいました。
終盤では場内からすすり泣きがあちこちから聞こえてきます。
私としては「もうあと一層ほど深ければ完璧なんだけど」などと思いましたが「終始笑い転げておいて何を言っておる!」と天の声がツッコミをいれてきそうです。
公言どおり息もつかせぬ公演でした。

誤解

誤解

アルシェ提携公演

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

よくコメディーではそれぞれの誤解からお笑いの連鎖が展開されますが、本作では悲劇の連鎖が展開。
丁寧に翻訳されているので母・娘・長男とその嫁・召使、全員の性格や思惑の違いが理解しやすく、それぞれの思いの方向がズレまくっているのがよく分かります。
どれか一つの組み合わせでも、うまく合致していれば止められていたかもしれない悲劇はズレを修復できないまま悪い方へと転がっていく・・・。
登場人物の中で、ひと際強い意志を持ち一貫性のある行動をとる娘マルタ。
モンスターの様なキャラクターだが、彼女の「明るく自由な国」をひたすら渇望する気持ちには共感できる部分もあり何ともやり切れない。

ネタバレBOX

マルタが焦がれる明るい国からやって来たマリアは、登場時キラキラ感で溢れていたのに、ラストではマルタの毒牙に飲み込まれボロボロに変わり果てた表情になってしまったのが印象的。

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