満足度★★★★
会場最寄りの北池袋駅。
降りた途端、まだ明るいというのに聞こえてくるカラオケスナックからの歌声と歓声。
池袋からひと駅だというのに、まるで別世界。
初めての会場というのは往々にして駅に降り立った時から何かが始まっています。
徒歩1分弱にて年季の入ったビル。
1階スリーエフで軒先販売している妙にデカい玉ねぎを尻目に階段で2階へ。
温かい対応の受付けで受け取ったのはチケットではなく閑古鳥欽一さんからの閉館イベントの招待ハガキ。
劇場名は「ブレーメン小劇場」。
なんだかワクワクしてくるじゃありませんか。
登場人物は4人
・ドジっ子おじさんで、お人好しのオーナー「閑古鳥」
・しっかり者そうで肝心な事を結構報告しない女性スタッフ「猫田」
・相方だけが売れっ子、崖っぷち芸人「ロバート高田」
・現在ホームレス状態の元マジシャン「犬飼」
4人が繰り広げるのは“隠し事から発生する勘違い・食い違い”の王道コメディーですが、登場人物が少ない分、その人物像は濃厚に感じられ、とても近しく思えてきます。
劇場が小さい事もありますが、すごく近しい。
彼らが発信する、いろんな気持ちが入ってきます。
当日パンフにある、本作品が再演に至った経緯に目を通しておくと、そこにもまたストーリーがあり、一段と感慨深い思いで作品を楽しむ事ができました。
sailboat企画さんの本業は演劇制作のサポートだそうですが、決してビジネスライクではなく、役者さんを近しく感じられるアットホームな公演を手掛けられているのだろうと推測できる、そんな時間でした。