SMOKIN' LOVERS~燐寸~【25名限定公演】
惑星☆クリプトン
Cafe Bar LIVRE(東京都)
2018/11/17 (土) ~ 2018/11/30 (金)公演終了
満足度★★★★★
カフェバーといった店内での公演は幾つかあっても、テーブル席やカウンター席をそのまんま客席とする公演は初めて。
観客同志の身体で演技がなるべく遮られないそれぞれの配置や、演技・暗転中にぶつかったりしない動線の確保等々、この公演独自の配慮が幾つもあったのではないかと。
そして観客数を随分制限しなければいけない英断も。
シーンによっては背中の演技となっても、この贅沢さを考えるとお釣りがくるし、ある意味すごくリアルなアングル。
煙草の銘柄ごとに全10パート。
大人の哀愁漂う作品が多く、落ち着いた雰囲気の中、聞き耳をたてるかの様な観劇スタイルがとても新鮮です。
パートの中で観客は存在しない体(てい)の作品もありましたが、私がこのスタイルの公演の良い所が最も活かされるのは、観客もお店の客として存在している作品だと思いました。
前者には同じ空間の中でも見えない境界線ができて、通常の観劇と近いものになってしまいますが、後者では観客は物理的にも心理的にも舞台の中。
完全に役者さんと同じ空間を共有し、同じ空気を吸う融合感が生まれます。
今回のような完全な暗転(ここにも強いこだわりを感じます)でパートが入れ替わるオムニバスも勿論いいのですが、暗転無しの時間共有タイプだったり、劇中でも観客がウエイター(役)に飲物のお代わりを注文できる自由度をもたせてみる等色んな可能性を感じることのできる公演でした。
観にいく前は演劇通好みなタイプの公演かと思っていましたが、これはもう初心者でも全然OK。
堅苦しくない観劇環境で、大人同志の自然なやり取りを描いた作風は、むしろ初心者にもうってつけではないかと思えました。
祝杯ハイウェイ / 看護婦の部屋~白の魔女~ / 魁!gmn5スタンダップコメディライブ!
good morning N°5
駅前劇場(東京都)
2018/11/10 (土) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
「看護婦の部屋〜白の魔女〜」
井上ひさし脚本で、こんな作品があったなんて完全な想定外。
一言で言うなら「破廉恥」という言葉がピッタリかと思うのですが、あまりの人間臭さにむせかえりそう。
看護婦たちと医者・患者等々男性とのドロドロな愛欲ワールド。
愛も執着も男女欲望丸出しで、ついでにパンツも丸出し。
中村中さんのドラマチックな生歌をBGMに、清水宏さん演じる看護婦長が女の哀しみに悶えるシーンは、もうカオスの骨頂。
「だから看護婦は好色女の代表みたいに言われるのよッ」ってそんな事誰が言ってるんだ!っていうかおまえが言うか!!
あぁ感動的になればなるほど滑稽。
祝杯ハイウェイ / 看護婦の部屋~白の魔女~ / 魁!gmn5スタンダップコメディライブ!
good morning N°5
駅前劇場(東京都)
2018/11/10 (土) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
「祝杯ハイウェイ」
ここは劇団自体の熱量もハンパないですが観客の熱量もかなり高い。
自分が思うその理由はドンと突き放したかと思うとギュッと抱きしめてくるような揺さぶり力ではないかと・・・何というか惚れてしまいます。
(実際にその様な行為があるという意味ではありません)
ずっと玉の輿を妬むだけの青春を送り、45歳にして遂に韓国式よもぎ蒸しエステ経営者(70代)の後妻の座をゲットした女性を軸にしたストーリー・・・といえばいいのでしょうか(その前に軸にした でいいのだろうか)
何と説明すればいいのか分かりませんが、とにかくメチャクチャ凄いです。
役者さんが全員、車(ホビーだけど電動)に乗って、舞台・花道をグルグル回って会場はもうパリピ状態です。
なんか細かい事など、もうど~でもいいです。
まさかの客演の方々も含め、恥という概念を捨て去り、完全に吹っ切った役者根性がやたら眩しく見えます。
終演後、身体にかかったキラキラ紙吹雪(正確には小さく折り鶴の形にパンチングされた銀紙)を知らない観客同志で払いあうのもまた楽しい。
ちなみに初見の人でも全く問題はありません。
僕らはZOOっと生きている。
ACファクトリー
シアターサンモール(東京都)
2018/11/14 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★
日本初の動物園建設計画。
国のお墨付きのわりには、笑えるほど情報不足なまま各方面から運営の為、集められた人々。
ゴリラやライオン等々、みんな見たことも聞いたこともない状態で、それらを迎え入れる気持ちってどんなだろうと想像しながら面白おかしく楽しめるストーリー&キレのあるアクション!
これが2時間半以上たっぷり堪能できるのですから、もう大大大満足。
それはもう本当に心から思ったのだけれど、どうもストーリーと殺陣アクションの食い合わせが良くない気がしたのも確か。
ストーリーはNHK朝の連続ドラマばりに次はどうなるのかワクワクする展開で役者さんの演技も抜群。
出来る事なら主人公のロマンスや登場人物たちの掘り下げ、園の運営進行に降りかかる障害の数々をもっとおかわりしたかったくらい(一体何時間作品になるんだ!?)
そして終盤に集中するアクション(殺陣)の技術は高水準で、確かにこれをたっぷり見せずには収まらないであろうことは重々承知、小声で言いたいくらいですが個人的にはドラマの流れを最優先してもらった方が良かったように思いました。
アクションも物語上 必然の流れになっていればもう言う事無しです。
途中途中にアクセントで歌やダンスが入ったり、ラストも含めてとても上質な内容だったのでホントに贅沢な要望ではあります。
おりん(姥捨て異聞)
京浜協同劇団
スペース京浜(神奈川県)
2018/11/16 (金) ~ 2018/11/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
川崎市で初めて訪れたエリア、住宅が立ち並ぶ一角に佇む京浜協同劇団さんのアトリエ。
受付を済ませ通路から事務室、会議室を通り抜け、ぐるぐる階段を上ると、なんとそこにはしっかりとした劇場が!
アトリエ公演ということで、もっとコンパクトな会場をイメージしていたのですがステージのスペースも充分あるし客席も一列ごとの雛段に。
頂いたパンフレットもA4冊子で、読みごたえあるかなり立派なもの。
そのパンフを読んでみると、劇団員平均年齢は69歳。
今回出演される若い役者さんは全て客演だそうで「彼らはあっという間にセリフを覚えるけど仕事の都合で稽古になかなか間に合わない。劇団員は時間にキチンと集まるけどセリフはなかなか覚えられない」という一文が何とも微笑ましい。
とはいえ公演の中身はシッカリしたもの。
映画の「楢山節考」は観ていませんが、おそらくこれをそのまま舞台化したのでは終始重たい空気に支配されそうなところを、核心はそのままに、かなり観やすく脚本・演出で工夫されていたのは充分に伝わってきます。
楢山祭りを控えた村民はどこか浮かれており、最初のうち暗い影はチラリと見え隠れする匙加減が後になって効いてきます。
因習とはいえ自ら率先して姥捨てを選択した「おりん」は84歳の女優さんが演じられて、これがまたウイットに富んだユーモアがあり何とも愛らしく、その人柄に思わず引き込まれてしまいます。
正しいかどうかは別にして、徹底した思ん量りの精神は哀しくも凛として美しく感じました。
老いも若きも皆さんの力強い演技にはパンフに書かれていたような事情もすっかり忘却の彼方に。
劇団の歴史が沁み込んだクラッシックな建物に入った時から異空間。
時代を超えた叫びを聞いてきたようで自宅に帰った今は、夢を見てきた様な不思議な感覚です。
トリックスター
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2018/11/14 (水) ~ 2018/11/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
ずぅ~っと“しっとりした大人の芝居”なイメージを持ち続けていた、私にとって十数年ぶりとなるスパイラルムーンさんの公演で、よもやヤクザの事務所を舞台に、ドスの効いた啖呵を聞こうとは思ってもいませんでした(笑)
若い役者さん達が威勢よく頑張っていたのも新鮮です。
今回、悪質な詐欺を扱っているのもイメージ的には画期的で、もしや凄く様変わりしているのかもと思いきや、さすが歴史を重ねてきた劇団さん。
独自のカラーに染め上げられた世界観と珠玉の台詞の数々を腰を据えてじっくりと堪能する事が出来ました。
思えば十数年前、人の優しさに溢れた独自の世界観を既にしっかり確立していたのですから根っこは変わっていません。
次回は再演となる作品だそう、きっと観に行きます。
くちびるの展会
くちびるの会
新宿眼科画廊(東京都)
2018/11/09 (金) ~ 2018/11/13 (火)公演終了
満足度★★★★
未発表作『ごうわん』、過去作『ネクラホマ・ミクサー』、新作『猛獣のくちづけ』の3作品を観劇。
それぞれ設定は違えどもリア充とは対極にある男達の物語。
作・演出の方は一見こんな不遇な生き方をしてきた様には見えないし、演じる役者さんも然りですが、創り出されるちょっとやそっとじゃ好転しそうもない生活の虚無感や焦燥感には中々説得力があり、そこにユーモアがブレンドされているのもイイ感じでした。
いずれの作品も人物ひとりひとりの描写が魅力的で、ストーリーがこれをどう揺さぶっていくのかは見どころともいえますが、できれば新作『猛獣のくちづけ』はもっと長尺で、美術にも手を加え、じっくり観てみたいと思いました。
3作とも良かったのですがファーストインパクトの圧倒感&濃縮されたシンプルさで堪能できた『ごうわん』が一番好きだったかも。
ハウス&シーク
劇団コスモル
OFF OFFシアター(東京都)
2018/11/07 (水) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ご自身でも公言されているように好き嫌いが分かれるコスモルさんは強烈な香りを放つパクチーみたいな存在。
個人的には、子供が胸ときめかせる童心あるストーリーをギラギラ照明煌めく夜のスナックでママやホステスやボーイさんが妖しく脚色し、演じているような得もいえぬネジレた感じが魅力的。
2年前の作品を拝見した時は、あまりにも主催 石橋和加子さんの独壇場で他の役者さんがひよっこに見えてしまうと感想を書いていますが、今回は若い役者さんも彼女に負けじとそれぞれに強い個性を発揮していました。
これなら石橋さん、もっと暴れちゃっても大丈夫ですね(笑)
イケイケでハチャメチャなようで実はしっかりとした構成が組まれている作風は今回も健在。
『セルフポートレート』
colorchild
中目黒キンケロ・シアター(東京都)
2018/11/06 (火) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
伝説の海賊が遺した謎と家族の名誉を賭けて大海原に乗り出した4人の少年少女。
まともなセットでは到底追いつかないスペクタクルアドベンチャーを身体(照明・音響もサポート)で表現する世界観は、観ているこちら側にもイメージの奮起を促してくるので中々楽しい。
テンポよく進んでいく展開は最後までダレることなく、いろいろビッシリ詰まった2時間。
子供が大喜びしそうなストーリー、お宝狙いの悪の3人組が懐かしのアニメキャラを巧くパロっていて、こちらの子供心も妙にくすぐられました。
特別なスキルを持っている劇団さんだけに活動休止は実に勿体ないことですが、またいつか復活するであろうヤル気を感じさせてくれる舞台でした。
アワード
ミュージカル座
THEATRE1010(東京都)
2018/10/31 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
時は5年先、ブロードウェイ トニー賞の最終候補は
『キングペンギン』
『グッバイ・ドーリー!』
『名作誕生』
『ミスター・プレジデント』
の4作品。
毛色の違ったこの4作品の制作秘話や練習風景、最終プレゼンショーが次から次へと繰り広げられる中、何と言っても本作が異色なのは、あたかもトニー賞授賞式に観客が参加しているような演出。
全編にわたってミュージカルナンバーづくし、それぞれの作品が盛り上がってくれば一体どの作品が最優秀賞を受賞するのか気になってくるところ。
ですが何といっても授賞式が放つ華やかなサクセスの香り。これが一番のご馳走な公演でした。
ゴレンジャー 他
成城大学演劇部コメディー班
成城大学5号館521教室(東京都)
2018/11/02 (金) ~ 2018/11/03 (土)公演終了
勢いだけでなく、ちゃんと演技で笑わせてくれるオムニバスコメディー。
めちゃくちゃおもろい人が在籍されているのですね。
メイン作であるヒーローの微妙なポジション関係も面白かったけれど赤血球を擬人化したパートが最高!
ところでショッカーが身につけていた衣装は話題のZOZOスーツ?
成城大学での4連続公演。『三月の5日間』だけコンプリート出来なかったのがめちゃ残念。
観てきた友人いわく演者さんのテンションが見事に均一化され台詞が活かされた作品だったそう。
十代に共感する奴はみんな嘘つき
成城大学 演劇部
成城大学5号館521教室(東京都)
2018/11/02 (金) ~ 2018/11/03 (土)公演終了
シュッとした印象を受けた公演。
怒りと不安と知性に溢れた女子高生の心の内が膨大な台詞となって放出。
その冷めたようで熱く激しい内面は、ちょっと変わった娘のようでありながらもどこか現代的。
何だか無性に橋本治著書の『桃尻娘』を読み返してみたくなりました。
B・HAPPY
成城大学 演劇部
成城大学5号館521教室 (東京都)
2018/11/02 (金) ~ 2018/11/03 (土)公演終了
亡き妻の幽霊VS後妻候補
三谷幸喜を彷彿させるシチュエーションコメディー。
ゆる~い感じで初々しい演技。
笑いのピントはしっかり合っているのでなかなかどうしてキッチリ楽しめました。
学生演劇ではあるけれど「一般客も一緒に楽しみましょうね」といったウェルカム感ある公演。
第23回公演 『福笑いふく子ちゃん』 第24回公演 『cmd+z(リトライ)ダイアリー』
劇団天然ポリエステル
シアター711(東京都)
2018/10/24 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
『cmd+z(リトライ)ダイアリー』 を観劇。
同時公演『福笑いふく子ちゃん』とは全く違うテイスト。
『ふく子ちゃん』が映画っぽい感じだったとすれば、本作は深夜ドラマ、大人も楽しめる学園モノといった印象。
スルスルっと物語の中に入りやすく、観進めていくほどに演じる側とそれを観ているこちら側にも自然と“熱”が入っていく感じがイイ。
第23回公演 『福笑いふく子ちゃん』 第24回公演 『cmd+z(リトライ)ダイアリー』
劇団天然ポリエステル
シアター711(東京都)
2018/10/24 (水) ~ 2018/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
『福笑いふく子ちゃん』を観劇
見た目のコンプレックスとトラウマから逃れる為に、鼻息荒く上京してきたふく子ちゃん。
整形後の彼女の運命は・・・あぁ~何を書いてもネタバレになりそうで書けないっ
ただ日常でも、大した問題はなさそうなのにどこそこを直したいなどと発言する女性は意外と多いのと、程度こそあれ似たエピソードを身近で聞いた事もあるので、整形を本気で考えている(考えた事がある)人は観てきっと損はないと思える作品。
タイトルとそれに準じたノリで可笑しく油断させおきながら、結構深いところまで切り込んでいます。
もはや兵器といって良いくらいに強力な客演さんも世界観に華を添えており、劇団ポリエステルさんは名物の寂し部シリーズしか行ったことがありませんでしたが、かなり意外な一面を観ることができました。
ビシバシと 叩いて渡る イシバシ君
劇団ジャブジャブサーキット
ザ・スズナリ(東京都)
2018/10/26 (金) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
もっと不便な場所が舞台かと思っていたら意外にもキレイなセットが目の前にあって、ちょっとビックリ。
自然災害の脅威に巻き込まれたとはいえ、命に別状はなく、設備の整った場所に身を寄せることができたならば、案外人って落ち着いていられるものだなぁと。
とはいえ、この状況下でのやり取りや行動には、どこか人間臭い面白味があり、怪しい輩も出現したりで、ふんわりと楽しめました。
「イシバシ君」のエピソードは、ちょっと自分にはピンとこず、ストレートにシチュエーションを掘り下げてもらった方が好みだったかもしれません。
独特のテンポでもって台詞の面白い作品でしたが、全体的にもう何割か演技力がUPすると説得力が増して更に面白味が生かされたのではないかと思えました。
男の純情
トム・プロジェクト
紀伊國屋ホール(東京都)
2018/10/25 (木) ~ 2018/11/01 (木)公演終了
満足度★★★★★
女性の住むマンションて鉢合わせした3人のオジさん。
この何ともショックで気まずい空気の中、繰り広げられる3人の攻防戦。
3人のキャラクターはかなりザックリいうと、のび太・ジャイアン・スネ夫といった感じでしょうか。
しかしそこは濃厚な3人芝居。
オジさんの純情と狡猾が入り混じって、たっぷりダシの効いた男芝居を堪能できました。
終始笑いの絶えない人間喜劇でありましたが、役者さん同志の円熟した芝居バトルとしても楽しめました。
後に当日パンフを読むと16年前、片桐はいり・光浦靖子・山田花子で公演された「乙女の祈り」と同じ原作である事を発見。
あれっ、コレ観てる!
その公演の舞台はもっと安普請なアパートだったと記憶していますが、そう確かに!!
性別の違いもさることながら役者さんが変わると、もう全くの別モノといって良いくらいに味わいが変わっていて、演劇って本当に面白いです。
足枷
ぽんず単独企画
こった創作空間(東京都)
2018/10/25 (木) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
怒涛の70分は思わず時計を確認するほどアッというまでした。
ストーリーはスキャンダルをマスコミに暴露された野球選手のその後の人生。
野球選手役はゲストの伊藤明賢さん
渋い大人の雰囲気と崩れゆく感じのギャップがめちゃいい感じです。
そしてぽんずさんはその野球選手に関わる全ての人物を1人だけで大熱演。
どのキャラクターもパンチが効きまくり怪演技にて名演技。
そしてぽんずさんが演じるほどにストーリーと堕ちた野球選手の人物像に肉付けがされ、何より可笑しい!
沢山笑って観終わったあと大人の哀愁が濃厚に漂う、本当に良い公演でした。
エトセトラ
PROJECT BEE
Geki地下Liberty(東京都)
2018/10/24 (水) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ジャンルとしては青春モノになるのでしょうが、各自がアバターを介して面倒臭いことになっているからか不思議なほど爽やかな印象がない!(笑)
このどこか摩訶不思議なバーチャルコミュニケーションの空気感こそが本作の“肝”なのでしょう。
虚像の世界、居心地が良いのであれば、そのバーチャルの中で楽しく終わっていればいいものの、よせばいいのにやっちまいましたねオフ会。
案の定、一部の人物には強いしこりを残したまま7年後の現在に至ること・・・
ストレートなやり取りであればあり得ない個々の存在の曖昧さは確かにバーチャルルーム「エトセトラ」の仕業といえ、女子だと思っていたらなんとオジサンだったといったショッキングなトラップこそありませんが、ミステリーとはまたちょっと違った薄気味悪さを感じます。
青を基調とした舞台をはじめ美術にも強いこだわりが伝わってくる公演でした。
イマジナリーライン
タッタタ探検組合
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
ワンマン監督の下で繰り広げられる映画撮影現場の人間模様は、人の数だけ思惑が入り乱れ、多少盛っていたとしても「こんな状況なんかありそ~」感満載で、もうガッツリ笑わせて頂きました。
案外、映画作品自体がメチャクチャでも(逆にメチャクチャな作品の方が)表に公表されない現場の様子は、とんでもなく面白いのではないかと邪推したくなるくらい。
制作スタッフさんのキャラクターが分かったうえで、その思惑の渦の中、一生懸命役を演じようとする俳優さん達の姿は愛おしく、そして本人の思惑も加わって更に可笑し~ッ。
やがて「ありそ~で可笑し~ッ」だけに留まらず大きくうねっていくストーリー展開に乗って、連れてこられたエンディングは、勢い余って1日だけのお話しに納まりませんでしたが、その着地点も良かったです。
ヘタすればとっ散らかりそうなエゴや信念のぶつかり合いを、順序だててキッチリ観せてくれたのは、さすが20周年を迎える劇団さん!貫禄を感じます。