モノクロイド
劇団かえる
STスポット(神奈川県)
2024/10/13 (日) ~ 2024/10/14 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/13 (日) 14:30
無料の公演だったので、正直期待半分でしたが「えっ、こんな良い物を無料で見ていいの?」という良質な舞台でした。
話は荒唐無稽な設定でしたが、生きる目的は?という難しいテーマを見事に表現していました。舞台装置はシンプルで派手さはなく所々役者さんもスタッフも初々しさが目立ちはしましたが、見終わって清々しさを感じる心に響くとてもいい舞台でした。次回の公演にも期待しています。
朗読劇 夏月夜十景
エムズクルー
新宿眼科画廊(東京都)
2024/07/12 (金) ~ 2024/07/16 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
怪談とはいっても、オカルトっぽい内容ではなく、平山盧江の短編小説「投げ丁半」「二十六夜待」をベースにした純文学風の内容が分かるとぞっとするような朗読劇でした。朗読劇とはいっても、動きのない舞台ではなく、登場する演者さんの人数も多く、シーンをイメージできるような舞台でした。
大人のための怪談劇…そんな感じの1時間30分でした。見入ってしまう舞台というのが私の印象でした。
ゴンドラ
マチルダアパルトマン
下北沢 スターダスト(東京都)
2022/06/15 (水) ~ 2022/06/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
土曜日の11:00からの[白いゴンドラ]を鑑賞させて頂きました。
妙に理屈っぽい無職の兄と、要領が悪く天然でちょっと謎めいたヘルパーさん、普通の感覚をもつ兄思い妹の3人だけの舞台。正直観るまでは、出演者がたったの3人で、舞台も必要最小限の小道具でちょっと不安でしたが、3人の何とも不思議な会話のやりとりに、何度もくすっとさせられる、期待を大きく上回る舞台でした。脚本も素晴らしい(ことば選びが絶妙)上に、キャストの3人もぴったりのはまり役という感じで、その世界観に最後はどっぷりはまってしまいました。
ちょっと短めの80分という尺もちょうどいい感じで、いっきに最後まで心から楽しめた舞台でした。土日の11:00からという初回の公演開始時間も、その日の観劇後の午後の時間を有効に使えるという意味でGoodでした。意外なヘルパーさんとお兄さんとの関係には、自分だったら・・・と、ちょっと考えさせられました。この話しの続きはどうなるのでしょうか。気になります。
初めて見る団体でしたが、是非次回も見たいと思えた見るべき1本だと思います。できれば白だけでなく違う色も見てみたいです。
静寂に火を灯す
演劇プロデュース『螺旋階段』
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2022/05/05 (木) ~ 2022/05/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
前半は面白い掛け合い中心のドタバタ劇でしたが、一人の男性が命を絶ってからの後半は一転、静かな時間がゆっくりながれていく落ち着いた舞台でした。キャストも一人一人個性があって印象深く、舞台美術もリアルで全体的にとても丁寧なつくりでした。
初めての劇団さんでしたが、GWの最後にとても良いお芝居に出会えました。
ロング・タイム・ノー・シー
ナイーブスカンパニー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2022/02/02 (水) ~ 2022/02/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
もったいなくも1日だけの男女のキャスティング2人の朗読による1時間50分。途中退屈するかと思いきや、後半になるにつれそういった関係だったのかと段々と引き込まれる魅力がありました。
切なくも前向きなラストは、運命というものを考えさせられる余韻がありました。
2時間近くも会話だけでひきつける脚本の魅力、そのコトバだけでココロを表現するキャストの方の魅力にあふれた舞台でした。他の男女の組み合わせも見てみたくなりました。
時代絵巻AsH 特別公演 其ノ四『草乱~そうらん~』
時代絵巻 AsH
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2021/12/08 (水) ~ 2021/12/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
久し振りの劇場でのリアル観劇がAsHの公演。丁寧に作られたプログラムがいつもながら素晴らしい。歴史に詳しくないので、島原の乱自体の背景があやふやでしたが、それを置いても男達の想いにラストは涙、涙でした。
次回もぜひ見たいと思える素晴らしい舞台でした。
箱の中身は何じゃろな?
劇団ありよりのあり
劇団ありよりのありYouTubeチャンネル(東京都)
2021/03/13 (土) ~ 2021/03/14 (日)公演終了
満足度★★★★
等身大の22歳のタイプの違う5人の女性が織りなす会話劇。
タイムカプセルのオープンをきっかけに明らかになる小学校時代のお互い知らなかった姿、そして10年後の今の姿、とりたてて事件が起こるわけではありませんが、ちょっと考えさせられるリアルな内容でした。
コロナ禍の配信でなければきっと成立しない公演。セットも衣装も役者の動きも照明もなく、公演としてはさみしさを感じざるを得ませんが、自由に劇場や練習場所を利用できない現状では仕方ないか。今後の彼女たちの活動には期待です。
演氣者塾ショートステージ 2/6
ENGISYA THEATER COMPANY
KISYURYURI THEATER(東京都)
2021/02/06 (土) ~ 2021/02/06 (土)公演終了
満足度★★★
見る側にも相応の覚悟と想像力が必要とされる、そんな舞台でした。身体で空間全てを表現し、芸術的といえばとても芸術的。ただ、人間のさまざまな感情の内、喜びや楽しさのような部分の表現はあまりない展開で、正直見ていてちょっとしんどくなるような内容でした。
今回は、劇場でもなく、またリアルタイムでの視聴でもなく、録画を視聴させて頂きましたが、やはり劇場に足を運ばないと、演技者から感じられる空気感のようなものは今一つ感じにくく、演技者の伝えたかったことを受け取れなかったのでは思います。
あした天気になぁれ
劇団かに座
横浜関内ホール(神奈川県)
2020/11/20 (金) ~ 2020/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
なんと創設70周年、120回公演だとか。市民劇団っぽさが魅力の社会人劇団のかに座。途中換気のための休憩をはさんで2時間のちょっと長めの舞台でしたが、王道の人情劇で最後はほっこり、ちょっとしんみり。キャストは少人数で派手さはありませんでしたが、どの方もはまり役で素敵でした。
公演毎にいろいろなテイストの舞台が展開されますが、個人的には今回のほっこりした感じが劇団のイメージにもあっていて大好きです。
社会人劇団と侮ることなかれ、舞台もしっかりと作りこまれていて本格的、値段も前売りならなんと格安の1500円。さらに劇場も関内ホールというしっかりとした場所でゆったり、コロナ対策もばっちり。なかなか小劇場演劇は敷居が高いという方には、まずはここからとお勧めできるアットホームで親しみやすい劇団です。
演氣者塾ショートステージ 10/23
ENGISYA THEATER COMPANY
KISYURYURI THEATER(東京都)
2020/10/23 (金) ~ 2020/10/23 (金)公演終了
満足度★★★★
オンラインではなく録画ビデオでの視聴になりましたが、シンプルな舞台装置、出演者も少人数、技量だけで真剣勝負の緊張感のある1時間半でした。個人的には、神風吹くひとが特に印象に残りました。決して派手さはありませんが、じっくりと舞台を見つめるには、いいテーマのショートストーリー3つでした。
「何もない空間に命の風景を創る」をテーマに活動していると団体の説明にありましたが、まさにその通りでした。
脳ミソぐちゃぐちゃの、あわわわーで、褐色の汁が垂れる。
オフィス上の空
シアタートラム(東京都)
2020/09/17 (木) ~ 2020/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★
駅改札横という好立地、さらに空間も非常に広く、感染対策も徹底されていて、安心して観ることができました。
タイトルがふざけた感じだったのでちょっと不安がありましたが、内容は時世を踏まえた非常にしっかりとした見ごたえのある内容で、キャストも素敵な方々ばかりの素晴らしい2時間の舞台でした。
個人的には、ラストシーンが納得いかなかった(えっ?これで終わりという感じ)のと、スピーカーからの音が騒音レベルでうるさく、非常に耳障りだったのが残念でした。
扉座の有馬自由さんがいい大人を演じていらっしゃいました。
ThinG
ワーカーホリックブラザーズ
エビスSTARバー(東京都)
2020/03/05 (木) ~ 2020/03/08 (日)公演終了
満足度★★★★★
Barという空間とシチュエーションを上手く使っていて、とても面白い公演でした。
ラストは切なく少し重い展開でしたが、6人という少人数で一人ひとりの個性が十分発揮され、ゆっくりとした優しい時間が流れていました。終演後のバータイムというのもゆっくりキャストと話をしたい方には魅力的な仕掛けだと思いました。
Flip side
ZERO BEAT.
Geki地下Liberty(東京都)
2020/03/11 (水) ~ 2020/03/15 (日)公演終了
満足度★★★★★
とにかく笑いっぱなしの2時間弱。まるで吉本新喜劇を見ているよう。Zero beat.はどこを目指しているのでしょう?(笑)
原案の幕が上がるならとは別物でしたが、いずれのハプニングを見ても舞台をうつというのは大変なんだなと実感。
Zero Beat.は旗揚げのFehdeやハンムラビの箱庭の様な救いのないハードな設定から、想咲の結の様な心温まる話を経て、スナップアウェイ辺りからは、すっかりお笑い路線に転身?かと思わせるよう。いい大人が計算ずくの悪ふざけをしている様は、見ていて清々しくさえ思えるくらい。
今回は番外編でしたので次回の本公演がどんな話になるのか期待。
ゴーレムの記憶
劇団夜行列舎
千本桜ホール(東京都)
2020/02/16 (日) ~ 2020/02/23 (日)公演終了
満足度★★★
唐十郎氏に関して何の予備知識もなく拝見したので正直言って全篇難解で抽象的、多分主宰の方のこの物語にかけた想いの1/100も理解できなかったのではと感じています。
しかし、他の舞台では決して感じたことのない熱量の様なものは、終始ビシビシ感じました。語彙が不足していますがとにかく凄かったとしか言いようがありません。圧倒されました。
加えて無料でマスクを配ったり、入り口で手をアルコール消毒したり、空気清浄機を使ったり、除菌剤を噴霧したりと舞台以外のことにも大変な気遣いで、素晴らしい対応に感謝の気持ちで一杯です。
KEISOU
ラゾーナ川崎プラザソル
ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)
2020/02/14 (金) ~ 2020/02/24 (月)公演終了
満足度★★★★
現在と戦時中の話が絡み合って進行するなかなか重厚なしっかりとした舞台でした。舞台上は非常にシンプルでしたが、音響や照明がしっかりとしていて2つの時代をきちんと描き出していました。
その場で全力疾走するシーンは、まるで本当に走っているようで臨場感がありました。
戦時中の話は正直分かりにくく実感できない部分もありますが、しっかりとした作りと演技で、2つの世界に引き込まれた2時間弱でした。
LOVELOVELOVE23
劇団扉座
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2020/02/09 (日) ~ 2020/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年も初日の舞台を拝見しました。17から毎年見ているので今年で連続7年目。形式は毎年同じ、ロミオとジュリエットを軸に、研究生達の創作や実体験を基にした珠玉のショートストーリーの数々で紡がれます。
しかし!劇団の研究生の卒業公演と侮るなかれ、最高に熱く見る人の心を揺さぶる舞台…それが「LOVE LOVE LOVE 」!!という唯一無二の舞台。
個別のストーリーの面白さはもちろんのこと(笑いあり、涙あり、お色気(?)あり)、なんといってもこの舞台を単なる卒業公演ではなく「LOVE LOVE LOVE 」として輝かせているもの、それは「旗揚げ解散、再演不可能!」というシチュエーション。
ラストの「スクラム」では、何を言っているのか聞き取れない位の想いの詰まった絶叫に、毎年目頭が熱くなります。役者になりたい…でも現実には、「研究生2年目に進級できる」「扉座の準座員として残ることができる」のは毎年ほんのわずかの人数だけ。その他のメンバーは「LOVE LOVE LOVE 」が終わって大きな人生の岐路を迎えることになります。俳優への夢を諦め新たな人生を歩むことを決めこの舞台が人生最後の舞台という人もいるでしょう。また別の研究所へ入所したり、フリーでの活動を模索したり、所属する劇団を探したり、不安を抱えたまま新しい役者人生に向き合わなくてはならない人もいるでしょう。
千穐楽が終わればこの座組も即解散。きっと二度と同じメンバーが一同に集まることはないであろうという切ない別れ。この1年が濃かった分、その後やってくる空虚感はいかばかりか。そんなみんなの舞台にかける心からの想いがごちゃごちゃに詰まったきらきら輝く舞台、それがこの「LOVE LOVE LOVE 」。
今年も素晴らしい作品そろいの2時間40分でした。見終わった後、元気満タンになりました。
是非一人一人の舞台にかける想いをご自身の目で確かめて受け止めて感じて下さい。絶対に見て損のない、見ないと損な舞台です。
NET“網”が切れたら、終わり?
劇団 枕返し
遊空間がざびぃ(東京都)
2020/01/24 (金) ~ 2020/01/26 (日)公演終了
満足度★★★★
SNSが人を殺す・・・そこには「土蜘蛛」という大妖怪が潜むという設定。現在社会の問題を蜘蛛の巣(Web)というキーワードで妖怪と絡めた着想は素晴らしいし、オープニングの平安時代のシーンも、おっ~と目がひきつけられました。
ちょっと見終わって残念だったのは、海賊風のコメディータッチの登場人物が出てきたかと思えば、大きな悩みを抱えるシリアスな登場人物が出てきたり、ふんどし姿のイケメン二人組が出てきたかと思えば、おどろおどろしいメイクの土蜘蛛が出てきたりと、サスペンス・ミステリー・コメディーとちょっと欲張りすぎた感じで、ぼ~っと生きている私にとっては、まとまりがなく方向性がよくわからなかったかな~という印象。(ただ、様々な要素があったおかげで、舞台にメリハリがあったとも言えますが)
個人的には、二人の警備員の方の面白い掛け合いや、新人警備員の方の迷いやさりげない優しさのようなものが、直接ストーリーには関係はありませんが、印象深いシーンでした。
この劇団の公演の運営として面白いと思ったのは、ポチ袋による投票システム。気にいったキャストの投票箱に入場時にもらったポチ袋を投票することで投票数に応じて役者のギャラがアップすると同時に、ポチ袋に直接応援の気持ちをおひねりとして入れることもできるシステムだとか。通常は集客数だけでギャラが決まる小劇場メインの劇団の舞台、舞台での演技で客を引き付けることができればギャラが自然とアップ…というのはすごく正常で自然な仕組みかと。ちょっとやり過ぎるといやらしい感じになる懸念はありますが、ポケットに入っている小銭程度をポチ袋に入れる程度であれば、だれでもちょっと気になったキャストを応援しようという気持ちになるのでは。単なるアンケートの「お気に入りのキャストは?」より、直接好きなキャストを金銭的に応援できるという意味でとても面白いなと思いました。
十二人の怒れる男 -Twelve Angry Men-
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2020/01/10 (金) ~ 2020/01/20 (月)公演終了
満足度★★★★★
feblaboさんといえば毎年夏に「ナイゲン」は拝見させて頂いていますが、今回初めて他の舞台を拝見させて頂きました。
「ナイゲン」が学校を舞台にしたコメディータッチの討論・投票劇だとすると、この作品は同じテイストの討論・投票劇ではありますが、人の命を判断する裁判を舞台にした真剣モードで、ほぼ笑いの要素はなしの怒号飛び交う緊迫した場面の連続。
そもそもこの「12人の怒れる男」は他の劇団でも繰り返し上演される舞台で、私も拝見したことがあり、映画も見たことがあるので、ストーリーはほぼ熟知しており、ストーリー自体に感動する要素はほぼ0。さらに舞台はテーブルと椅子のみ。音楽や凝った照明もなし、ということで演者の皆さんの力量のみが問われる真剣勝負のような舞台。
最初有罪11対無罪1だった陪審員が0対12に変わるまでの各人態度・心の動きが手に取るように感じられるなかなかの骨太の2時間弱でした。
楽しみや面白さといった要素はありませんが、言葉の掛け合いと演者の方々の熱演が楽しめる舞台でした。
スノー・ドロップ
感情7号線
劇場HOPE(東京都)
2020/01/11 (土) ~ 2020/01/19 (日)公演終了
満足度★★★★
過去と現在、更にパラレルワールド...中々複雑な設定でした。CERNやLHCが出てきたところで科学大好きな私はおっ...となりました。
ちょっとわかりにくかったのは、シロとポポ、泥棒の暗示する内容。もう少しわかりやすい説明があってもよかったかも。
学生時代の切ない想い、結局どの世界が良かったのか。想いは届いたのか。是非大切な人と見て頂きたい作品です。
今回はBチームの観劇でしたが、逆チームも見たくなりました。(Bチームのキャストはなかなか印象的で、どなたも素敵な方々でした。)
正しい水の飲み方【全日程、終演いたしました。ご来場、誠にありがとうございました!】
劇団えのぐ
萬劇場(東京都)
2019/12/18 (水) ~ 2019/12/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
あらすじを読んだ印象では怖い話?って思っていましたが、それぞれの登場人物の想いの詰まった深いお話にラストはほっこり。好きな3団体のコラボというだけで期待値MAXなのに、客演さんもそれぞれの個性が爆発で、凄い熱量でした。正しい水の飲み方というタイトルに納得。ちょっぴり切ないけど一生懸命生きている人の前向きなお話し。1年の最後に観て良かったと思える2時間の大作!!