t-satの観てきた!クチコミ一覧

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水槽【ご来場誠にありがとうございました。次回は12月】

水槽【ご来場誠にありがとうございました。次回は12月】

シアターノーチラス

新宿眼科画廊(東京都)

2015/07/24 (金) ~ 2015/07/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

無理が自然
水槽の中を行き交う関係性の綾を繊細に表現。水中で時間の感覚が怪しくなったよう。あらゆることを呑み込んで本能的に時を止めた母の、呆けたようでいて鋭い底の知れなさが怖い。夏の暑い日の鼻を衝く焦げたような一瞬、意識と無意識のすべてが奇跡的に噛み合ってしまったような煌めき、あってないような虚ろを思い描いて脳が少し痺れた。

彼らの敵

彼らの敵

ミナモザ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/07/25 (土) ~ 2015/08/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

醍醐味
善悪を超えて人間の存在を考えるとき醸し出される空気。ずっしりと湿り気を帯びた静寂が共に過ごした時間の価値を証明していた。それにしても皆さんの演じ分けが見事。

グランメゾン・アカシア

グランメゾン・アカシア

the pillow talk

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2016/05/27 (金) ~ 2016/05/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

『ん!?』
居間ひとつの父娘の日常に油断していたら・・・いやはやトンでもない展開。エッ、エッ、エーッ! と心中、驚きの声。 役者揃いのきめ細かな心理描写が地味にキマっていて実に愉快。'待合室方式'も場に適していた。レンジ、日めくり、煙草と小道具使いも念が入っていて感心。

ふじきみつ彦・山内ケンジ 傑作短篇集

ふじきみつ彦・山内ケンジ 傑作短篇集

E-Pin 企画

小劇場B1(東京都)

2015/08/25 (火) ~ 2015/08/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

ひゃー スゴいなー
近未来なナンセンスを大真面目?に楽しませてくれる。素直に笑ってしまう作品あり、笑おうとしても躊躇ってしまいウーンとなる作品あり。右から左まで手広く達者で大人な作品群に大満足!

自己紹介読本

自己紹介読本

城山羊の会

小劇場B1(東京都)

2016/12/01 (木) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

目的は?
リアルな広場で眺めてみればおかしな光景だが、でも日々こんなことをやっているわけで・・・? 匿名以上の、正体不明の安心は、過剰に、耐性なく、止め処のない濁りとなって放出される。 おずおずと、ずかずかと、あけすけな笑いの中に。

ミニチュア

ミニチュア

シアターノーチラス

新宿眼科画廊(東京都)

2016/09/23 (金) ~ 2016/09/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

たまには、見上げてごらんよ
小さな画廊の、小さな舞台の、さらに小さな模型をパッと目にした刹那、観客は大きくなる! 街を、地球を見下ろせるほどに。世の中は動かす対象、動かしたくなる掌中の珠、そんな’現実’が、指先でクルクル回せぬまでも爪痕くらいは、と誘う。バベリーな苛立ちが目の前を寒々しいモノカラーに一変させたとき、本当は、壊すために、壊してもらうために創ったのではないか、姿を消したのではないか、そんな気がした。

大風呂敷

大風呂敷

髭亀鶴

王子小劇場(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

ヒゲ千万!
エスプレッソ感あふれる!贅沢で満足な120分。内向きにストラグル「怪」と「便」の急を、外向きにおもんぱかる「惑」と「学」で包み込む構成が優しい。ジオラマ的ワクワク、特に「怪」前後の’大転換’を布越しに透かし見るのは愉しかった。演目に合わせ客席空調を配慮してくれたようで、有難かった。次回は’小’風呂敷を開いて欲しい。

その王国の夜は明けない

その王国の夜は明けない

シアターノーチラス

シアター711(東京都)

2015/12/09 (水) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

締め付けられる面白さ!
なるほど、たしかに王国である。いまや王国の時代ではない、とはいえあの怖い顔の王様からにこやかに語りかけられてもぞっとしない、それでは別の国になってしまう・・・金太郎飴のごとく同じ顔の国が埋め尽くす想像に暗澹となる。余裕のない貧しい国になり始めたことへの気付きが民衆の、そして王様の不安と苛立ちに映し出された。そもそも他者の笑顔を夢とする国は豊かなのか。求める相手を‘差別’するエゴな夢を押しつけ合うなかで見失われたものが王様の独白によぎり、思わず目が潤んだ。王国を支持しながらも民主国でコーヒーをすする自分への言い訳に、正しいなんて誰にも言えない答えをひねくってみる。せめて出国のときには「ごちそうさま」と声をかけることにしよう。

天召し-テンメシ- 【第28回池袋演劇祭参加作品】

天召し-テンメシ- 【第28回池袋演劇祭参加作品】

ラビット番長

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/09/15 (木) ~ 2016/09/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

できれば「5.5 金」と打ちたい!
見ていられない ・・・ 涙がこぼれそうで。30分の'長考'から始まっていた、初手から投了まで完璧と思える棋譜。しばらくダメージが残るほど、魅力の詰まった作品。 

ゲシュタルト家の崩壊

ゲシュタルト家の崩壊

めがね堂

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/10/13 (木) ~ 2016/10/16 (日)公演終了

満足度★★★★★

ひざがふるえるラビリンス
何気なく眺める高層住宅の無機質な窓の連なりも、凝視してみるとその中にあるはずの"つながり"と"おさまり"が目に浮かぶ。 カチッと一目盛り回してみてもそれまでならビクともしなかったビルヂングのイメージがずれて、歪み、崩れ落ちる・・・ そんな危うさが脳に刻まれた。「動的」である万事の根元に触れたような・・・などと立ち止まっていられずあいまいに放り出す"高次"なわたし・・・

仲直りするために果物を

仲直りするために果物を

城山羊の会

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/05/29 (金) ~ 2015/06/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

サイドがメイン
鳥のように魚のように、目の端に捉えておかないと感情の導火線を見逃してしまう、笑いながらも隙を見せられない。曖昧に始まり曖昧に終わる、カタルシスを覚えながらもスッキリとはさせてくれない“悲劇的喜劇”。日常に噴き出す本能に人間の裏表が掛け合わされて、倒錯の世界へ転がり落ちるように招き入れられる。あー面白い。

家族の基礎 ~大道寺家の人々~

家族の基礎 ~大道寺家の人々~

森崎事務所M&Oplays

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2016/09/06 (火) ~ 2016/09/28 (水)公演終了

満足度★★★★★

手でつなぐゲーム
この広い劇場をこの空気で包み沸かせる脚本・演出・パフォーマンスは見事!父の思い付きを軸足にしたカラフルな展開は、突拍子もない自然さをキープして逸らすことがない。すったもんだの末にたどり着いたそれぞれの幸せを描いた一枚を見つめていると、愉快に、嫌みなく、これからの'家族'像を考えさせてくれる。

ありふれた愛、ありふれた世界

ありふれた愛、ありふれた世界

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

それぞれの時代を生きてゆく
この気持ちが本物なのか、生活に裏付けはなく確信が持てない、けれどこの気持ちをときに思い出しながら馴れていくことなのだろう、時間をかけて。引きこもらなくてよい、戸惑うこともない、そして反対に軽蔑を慎む。革命的な現代を時間軸の中で意識しつつ馴れていくこと。心の声に正直なまま、笑いつつ胸を打つバランスの良い作風は得難い。スペシャルな生唄も自身への問いかけを深めてくれた。

田中さんの青空

田中さんの青空

劇団CANプロ

銀座みゆき館劇場(東京都)

2015/11/27 (金) ~ 2015/11/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

剥がれ落ちる快感
バラバラな糸の先を引いてみたら人間模様の絡まりがどさどさと降ってきた、みたいな。エッという内心の呟きとともに引き込まれる匠な演出に紅潮した。

誰

水素74%

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/04/16 (木) ~ 2015/04/22 (水)公演終了

満足度★★★★★

需要超過?
笑いたいのはやまやまだけど安易に流れることを躊躇わせる息苦しさがある。そのなかで虚を突いて引き出されてしまう笑いは“濃い”。これだけ欲望を引き出される時代に落ち着いて生きるには、まず「してあげる」処世を思い出すしかないと思うけれど、そのやり方がわからなくなっている乱世であるとの思いを抱いた。

従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

従軍中のウィトゲンシュタインが(略)

Théâtre des Annales

こまばアゴラ劇場(東京都)

2015/10/15 (木) ~ 2015/10/27 (火)公演終了

満足度★★★★★

息詰まる攻防
塹壕にほうり込まれて気づく、光が届かぬ闇に‘いる’のだ、言葉が照らせぬ闇に‘いる’のだ、とすれば論理的帰結として・・・乏しい宗教観に再考を迫られる。グラマラスな俳優陣の本気度に引き込まれる。

七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』

七、『土蜘蛛 ―八つ足の檻―』

鬼の居ぬ間に

王子小劇場(東京都)

2017/07/05 (水) ~ 2017/07/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

赤目・八つ足に睨みつけられて、甘さの欠片も無く隧道の先が透ける気配さえ感じられない穴倉で、身じろぎもできず固まった。 絶望は、見せるのでなく追い込まなければ伝わらない・・・ 覚悟が滲む徹底ぶりに、不条理の何たるかを否応なく叩き込まれた。 悪は吐いても悪者は居ない、綱がりを思い出して黒糸でがんじがらめのおのれに気付けばそこが真の生き地獄、か。

ファンタズマゴリア

ファンタズマゴリア

天幕旅団

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/07/06 (木) ~ 2017/07/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

さんざめいていた、遊園地が憶えている淋しさが、回る、回る、回る・・・ 美しさがにじむ雨、美しいからにじむ涙・・・ 意識が夢の中に落ちかけた、素晴らしい!

ナイゲン(2017年版)

ナイゲン(2017年版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/08/11 (金) ~ 2017/08/21 (月)公演終了

満足度★★★★★

13人の惑える生徒たちがセイゲンをカンゲンしカゲンすることにカイゲンする歓び。 会議の怖さとウラハラの魅力、美醜が次々とウラオモテを返していく興奮と快感がこのナイゲンには仕組まれている。 「祭」のあり方を巡っての戦い、その行く先を見届けた二人の背を見詰める。その胸に去来する思いはいかばかりであるか・・・

doubt -ダウト-

doubt -ダウト-

いいむろなおきマイムカンパニー

こまばアゴラ劇場(東京都)

2017/10/31 (火) ~ 2017/11/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

いたずらに回る鉄路のうたた寝は、口元揺らす垂涎の面白さ! 当てのない行き先へ、それでもレールの上をガタゴトと。 たずね熱れた夢のあと、言い知れぬ寂寥がこみ上げる ”モノローグ” 。 劇場一体となって羽ばたく名残の拍手で見送った。

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