地を渡る舟 ―1945/アチック・ミューゼアムと記述者たち―
てがみ座
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/11/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
人にはそれぞれの役割がある・・・。
そんな風に思いました。
渋澤敬三氏の庇護の元に民俗学に心血を注いだ宮本常一氏を中心に学者さんたち、彼らを取り巻く人々の1935年から1945年の怒涛の時代を描いた作品です。
時代の色合いや風合いを自然に感じ取れ、舞台セットを流動的に上手く使って演出はとても素晴らしかったです。
旅する宮本氏の目にするものが感じられたし、居心地のよい研究室がどんどんと時間の経過で雰囲気が変わっていくのが感じられ、外の空気の変化すら感じられました。
10月邦楽公演「文楽素浄瑠璃の会」
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2015/10/24 (土) ~ 2015/10/24 (土)公演終了
満足度★★★★★
堪能しました。
文楽の時は、浄瑠璃を語る義太夫さんの顔、三味線さんの手元はじっくりと見れないので、それも楽しみでした。
義太夫と三味線の素晴らしいセッションは、物語を生き生きと伝えてくれました。
新国立劇場演劇研修所9期生試演会「血の婚礼」
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/10/23 (金) ~ 2015/10/27 (火)公演終了
満足度★★★★
破滅へと向かう婚礼・・・。
若い研修所の9期生のみなさんの熱演でした。
花婿の母親役の岡崎さつきさんの深い悲しみと憎しみを抱え、残された息子に愛情をそそいできた威厳を備えた老婦人が印象に残ります。
舞台セットもとても面白かったです。
Obtain~over the horizon~
風凛華斬
シアター風姿花伝(東京都)
2015/10/22 (木) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★
迫力満点!
大海原を目指し、幽霊船のゾンビたちと戦うトレジャーハンターたちの冒険活劇は、とても楽しかったです。
全力疾走!なエネルギッシュな舞台でした。
照明がちょっと単調だったので、もっと工夫があっても良かったかも。
STORE HOUSE Collection 日韓演劇週間Vol.3
ストアハウス
上野ストアハウス(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
黄色い叫び
濃い2時間半でした。
とてもリアルな舞台で、台風の最中の避難所になっている公民館の2階で繰り広げられる人間の本音と本性のぶつかり合いのようなドラマでした。
耳に痛い台詞もたくさんあり、災害が起こるたびそこで生活する人中央の温度差なども色々教えてもらいました。
何を優先するか、命を優先する社会であって欲しいと痛切に思いました。
こんなにもお茶が美味い
ニットキャップシアター
王子小劇場(東京都)
2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
千秋楽でした。
2回目のこの日は、なんだか怖くて、哀しい・・・・。
家族の茶の間で語られるのは、いつも出来事が起きた後なんですよね。
しでかした事、嬉しかった事、残念な事・・・など、など、報告する本人から聞いたことに一喜一憂する家族たちは、見ていないことも経験していないことも
、本人と一緒に体験したような気分になる茶の間・・・・その懐かしく、暖かい空間は、時間の経過と共に変化し、消えてしまう・・・・。
昔の実家でのひと時を、思い出しました。
こんなにもお茶が美味い
ニットキャップシアター
王子小劇場(東京都)
2015/10/16 (金) ~ 2015/10/19 (月)公演終了
満足度★★★★★
わたしんち?
な、お茶の間です(笑)
シュールなのにものすごくゆるくて、現実的な不条理がそこにあるのになんだかのんきで・・・・・・これって、実際世界だなぁって思います。
それを具象と抽象が入り混じった舞台セット、演出で、おかしみと哀しさと入り混じったような感情を抱かさせてくれます。
味わい深い役者さんたちが、またとっても良いです。
「カムサリ」の時に感じた、私好きだわこの人たち!を、実感した今日でした。
明日も行きます。
リボーン・チャンス
カムヰヤッセン
ワテラスコモンホール(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/18 (日)公演終了
満足度★★★★
一番厄介なのは家族?!
老舗の仕立店の遺産相続を巡る兄弟の物語・・・。
多分普段は劇場としては使われていない多目的ホールの空間を無駄なく、とてもユニークに使った演出がとても面白いです。
みんな思い通りの人生なんて無くて、それでも一生懸命で、それでもやっぱり上手くいかなくて・・・・後半の畳み掛けるような展開にホッとしました。
ムードメーカーのようなボタン屋の辻貴大さんの存在が、いい感じでした。
そして、次男のお嫁さんの山林真紀さんのあの憂鬱そうな雰囲気は、いつまでも家族の一員になれない寂しさを感じて印象に残ります。
STORE HOUSE Collection 日韓演劇週間Vol.3
ストアハウス
上野ストアハウス(東京都)
2015/10/14 (水) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★★
ギョンスク、ギョンスクの父
韓国のコルモッキルの舞台を、観て来ました。
字幕付きで、どっぷりと韓国の世界に浸った感じです。
エネルギッシュで、日本人とは違う空気感を味わいました。
でも、どこか似ているんですよね。朝鮮戦争から始まる物語は、家族を省みない父のちょっと歪んだ家族への愛とその父を想う娘の心情を、母、父の連れてきた伯父さん、父の愛人などを絡めて綴っていきます。
父親の家族から逃げているようで、家族を追いかけているような姿が、なんだか寂しくて、娘の父を想う気持がいじらしくて・・・・・ちょっと切ない気持になりました。
十一ぴきのネコ
こまつ座
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2015/10/01 (木) ~ 2015/10/17 (土)公演終了
満足度★★★★
おっさん猫たちの大奮闘!
2011年に観た時よりも、今回の方がよりシュールに感じたのは、社会の闇がより深くなったのかもしれない・・・・・なんて、思いました。
前回よりも一匹、一匹の個性もより濃く伝わってきた気がします。
欲は、人を変えますよね・・・・。
カタルシツ『語る室』
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/09/19 (土) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
2回目。
反対方向からの観劇・・・もっと俯瞰してみる感じでした。
それがまた良くて、舞台の上の世界を見守る彼らには見えない存在になったようで、ちょっと面白い感覚でした。
そんな風に現実の世界にも、見守る存在が入るのかもしれない・・・・・。
一人、一人の心の描き方がとても良かったです。
野良な犬ほど夜光る
ぬいぐるみハンター
駅前劇場(東京都)
2015/09/30 (水) ~ 2015/10/05 (月)公演終了
遊星ブンボーグの接近
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2015/09/25 (金) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★
LOVE文房具!
我が家にもあふれている文房具たち・・・遊星ブンボーグから地球にやって来た小さい人たちが、熱く文房具を語ります。
最初はちょっとどうして良いのか、戸惑いました。
でも、文房具に愛着があるのは、日本人の特性!?引き込まれて、大笑いしました。
第十七捕虜収容所
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2015/09/29 (火) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは面白い!
収容所の一室の舞台セット、汚れた窓ガラス、くたびれたアメリカ軍兵士たち、ピカピカのドイツ軍の将校たち・・・・私は推理小説を読み解くように、彼らの一言一句、一挙手一投足を見逃すまいとスパイ探しを始めました。
そして、どんどん彼らの世界に引き込まれます。
くったくのなさにあるくったく、プライドとプライドのぶつかり合い、極限の中の希望、信頼と猜疑・・・・ハラハラ、ドキドキでした。
戦争の残酷さもあらためて思いました。
すばらしい日だ金がいる
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2015/09/18 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
2回目です。
私が常々思う言葉の持つ力や頼りなさや不安とか、どうして同じ日本語を話しているのに通じ合えないのか・・・なんて思う気持を、今日もたっぷりと観せてもらいました。
大野さんはいったい何から逃げてるんだろうか・・・・と、今日も考えます。
親になろうとしたところから、ひょっとしたら逃げたい!が始まってたのかも・・・と、時々逃げたい私は思いました。
音楽がとても良いです。
そしていつもながら冷静な視点が、好きです。
虫の糸山さんがかわいかった(笑)
カタルシツ『語る室』
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/09/19 (土) ~ 2015/10/04 (日)公演終了
すばらしい日だ金がいる
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2015/09/18 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
自分はどこまで頑張れる?
自分がその状況におかれないと、わからないことっていっぱいあって、その状況におかれれば、おかれたで、どうしていいか、どこにいるのかわからなくなってしまう・・・・。
欝は心の風邪というけれど、僕は骨折みたいな気がするな・・・の、一言がとても印象に残ります。ほおっておくと変な風にくっついちゃう・・・。
膨大な言葉が舞台の上から飛んできて、それがとても生々しく思えたのは、そんな状況を見てきたからかもしれません。
ポテチが本当に食べたかったか、食べたくなかったか・・・・最後の一口を食べてもわからないかもしれないな私は・・・・。
9月文楽公演
国立劇場
国立劇場 小劇場(東京都)
2015/09/05 (土) ~ 2015/09/21 (月)公演終了
満足度★★★★★
第二部
「妹背山女庭訓」は、三角関係あり、悪者征伐ありの見所がたくさんあります。私はかわいそうな酒屋の娘お三輪ちゃんにいつも同情してしまいます。
二人だけのお葬式
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2015/09/17 (木) ~ 2015/09/23 (水)公演終了
満足度★★★★
魅力的な女性。
津田さんのかの子が、とても可愛らしく、魅力的でした。
彼女の遺体を囲んで彼女を愛した二人の男が回想する彼女との生活・・・・遺体を横においての回想劇の演出がいいです。
観終わって、いいお葬式だったなぁ・・・と、しみじみ思ったし、彼女の磁石のような魅力から解き放たれたようで、寂しげな二人の男たちが思い出されます。彼女が死んだと言うことを受け入れた瞬間に、客席にもそのむなしさに包まれ、彼女の存在感が生きている時よりも増したような気がしました。
不思議な一体感を味わいました。
そぞろの民
TRASHMASTERS
駅前劇場(東京都)
2015/09/11 (金) ~ 2015/09/27 (日)公演終了