「従軍中のウィトゲンシュタインが(略)」凱旋公演
Théâtre des Annales
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2016/03/02 (水) ~ 2016/03/06 (日)公演終了
満足度★★★★
神は死んだ
ニーチェじゃないけど。
神は死んだ、とか昼寝してるんじゃねーの、とか。
こういうセリフがほぼ全員から飛び出すことにビックリ。
キリスト教圏においてそういうの、しかも現代ならまだしも近現代において。
それだけの絶望。
戦時下においての。そういうのが凄く痛々しかった。
神はいる。
でもいない現実。
・・・でもいると信じたい!
でもいない・・・いると証明出来ない。
でもいる。いる。でも証明出来ない。
証明できなくても確かに存在するものはある。
ある?
その葛藤は学がある者、ない者、敬虔なキリスト教徒、そんなに敬虔ではないキリスト教徒、皆同じ。
本当に面白いくらいみんな同じなの。
哲学者も絵描きも荒くれ者も。
どれだけ素直にそれを表に出すかの違いはあるけど。
誰かに祈りたい。助けてほしい。
でも助けてくれない。それがわかってる。
それでも祈りたい。
ううん、そんなの、無駄だ。
本当に無駄?
誰もがずっと葛藤してる。
そしてなんだかんだで哲学馬鹿にしてるカミル含め全員で哲学してる(笑)
演出も相まってなんだか凄くビリビリきた。
人間による人間らしいお芝居、そんな感じ。
右の頬打たれて左の頬をされるがままに差し出さないのねって。
葛藤して葛藤してもがいてる。
人間らしいお話。
Revenge of Reversi
PocketSheepS
萬劇場(東京都)
2016/02/11 (木) ~ 2016/02/14 (日)公演終了
満足度★★★
うーん。。。
なんていうか、勿体無い感じ。
偉そうですみませんが、ポケシ好きだからこそのこの評価で。
ポケシは途中色んな人が色んなトラブル持ち込んだりしてあっちいってこっちいって色々風呂敷広げていくけど終わってみたら結構キレイに繋がっていて観劇後はスッキリ、あぁ面白かったってイメージがあったんだけど。
個人的に今回はあまりスッキリしなかったです。
ちょっとわからないとことかもやもや。
物語がもっともっと主人公軸で復讐に焦点当てて進んでいたら違ったかも?
「復讐モノ」を楽しみに来たのに、ちょっと「復讐」が弱いかなって思った。
ただ、未来の自分と過去の自分を演じ分けた小泉さんと二之宮さんにはとにかく拍手。
二人とも過去と未来のキャラ作りをしっかりしてて演じ分けてて面白かった。
未来の人間が慌てて出て行ったと思ったら過去の同一人物がすました顔で入ってきたりっていうのはやっぱり面白い。
あとね、占い師さんも雰囲気あって良かったけど福澤ちゃん可愛い。
個人的お願いになりますが、今回観て同じくスッキリしなかった方は会場で販売しているポケシ過去公演DVD観て欲しいなぁ。
もの凄い良心価格でちょっと不思議ワールドに連れて行ってくれるから!
舞台は生モノだけど、過去のは物理的に観れないしDVDも悪くないよ。
ちなみに個人的推しは「双鱗姫」と「紙片の王国」です。
ああ、でも千年の狐も捨てがたい。
とにかく好きな劇団さん。
愛してるぜ、雑音。
GORE GORE GIRLS
王子小劇場(東京都)
2015/11/10 (火) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
無駄の素晴らしさ
ゆっるーい話にゆっるーいお芝居って聞いていたんだけど、確かに話はゆるかったけどお芝居はちゃんと作り込まれていてゆるくなかった。
観客が「うん、ごめん、ちょっと意味わからない」って思うようなシーンをみんな必死で稽古してきたんだろうね、きっと。
なんという無駄!
でもその意味が分からないこと本気でやられちゃうとおかしくて。
矛盾するけど、無駄だと思うんだけど其の一方で無駄じゃないと思っちゃう。
役者さんがとにかく無駄に全員いい。
ビクビク泡吹きオンちゃんも、無駄にカッコつけて変なこと言う先生も、痛い子爆発の二人組のシンクロ率も、気障なジャスミンティー男も表情くるくる変わって目が離せない女の子も突っ込みいれたかと思ったら涙ぐんだりする女の子もみんな凄くいい!
無駄にキュートな女子。
無駄にいい声。
無駄に息の合ったシンクロ率。
あ゛~~~。
先生、私、無駄が何なのかわからなくなりました。
もしかして無駄って人生にとって凄く必要なんじゃ?
あれ?なんか私、壊れてる?
そんな自我崩壊起こしそうなゴアゴアワールド。
あの日はライオンが咲いていた
PocketSheepS
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2015/09/10 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了
満足度★★★★
ちょっと不思議ワールド炸裂!
まず目を奪われたのはカラフルな衣装!
ピンクピンクした性格もピンクの奈緒やグリーンで纏めた癒し系?保護者のお姉ちゃん、キリッとブルーブラック強い女の涼。
限られた時間で世界観を補足するには視覚からのイメージで補うことも必要なんだなって思った。
あと、個人的には男性もカラフルなのが良かった!
なにそのエメラルドのネクタイ!なにそのパープルストライプのシャツ!
凄くいいよ!(笑)
まー確かに会社勤めにしては???な衣装の人もいたけど、そこで却ってなんかちょっとファンタジー感が出るというか。
日常にはちょっと奇抜な衣装が「エデル」みたいなちょっと非現実的な存在?とか世界観をちょっとあるかもって信じさせてくれるとっかかりになったかな?
ここは近未来もしくは現実みたいで違うパラレルワールドなのかな、みたいな。
ストーリーはいきなり「笑えばいいよ。」みたいな小ネタぶっこんでくるかと思えば切ない恋模様があったり。
脚本家本当に男性?
恋愛系の描写が丁寧で上手いと思う。
泣かせどころの持っていき方とか特に。
最後のあの演出はズルイ。
うん、正直かなり好きです。こういうの。
時をかける206号室
企画演劇集団ボクラ団義
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2015/08/19 (水) ~ 2015/08/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
部屋の数だけ物語がある!
これがね。ちょっと衝撃。
ちょっと考えれば当たり前のことのはずなのに。
大人になると視野が狭くなるっていうけど本当。
こういうオムニバス形式の話って面白いですね。
オムニバス?オムニバス?オムニバス!
話も舞台もグルグル。
面白いね。
そういえば交通事故で毎日のように誰かが亡くなっているとか意識したことなかった。
結局私は狭い範囲内のことしか知らなくて、人の痛みだってわからない。
たとえば捻挫したことあるからその痛みはわかっても骨折したことないから骨折がどれくらい痛いのかは想像しかできない。
包帯グルグル、痛そうだね。でもどれくらい痛いんだろう?
わからない。
すっごく痛そうなのはわかるけどそれ以上の想像はできない。
人間は結局自分の経験した範囲内しか本当には理解できない。
そういう意味ではこのお話の「彼」の気持ちもわからないでもない。
でも、だから私はお芝居を観にいくんだろうな、って思った。
舞台には私の体験したことない、知らないことがいっぱいある。
役者さんが演じる熱量によってそれを本を読むよりずっとリアルに疑似体験させてくれる。
特にボクラ団義を観にいった後は自分の人生では絶対ないだろうなって経験をした気になってなんか視野が、世界が広がった気がする。
だから好き。
だから観にいく。
双鱗姫
PocketSheepS
TACCS1179(東京都)
2015/03/26 (木) ~ 2015/03/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
とびっきりのファンタジー!!!
ごめんなさい、正直期待してなかったんです。
ただ、青い綺麗なチラシと「人魚姫」の言葉に釣られてお値段もお安いし、失敗してもいいかなって軽い気持ちで観にいきました。
・・・なんかね。
失礼なこと思ってた自分が本当に申し訳ない。
え?このお値段でこれ観ちゃっていいの?っていうクオリティーだった。
面白かった!
勿論台詞ちょっと聞き取りづらいなって思ったりする場面とか惜しいところもあったけど。
けどけど!
その惜しいなって感じるのは物語の吸引力がもの凄くって、面白くて面白くていつのまにかのめりこんじゃって、台詞一言も聞き漏らしたくないなって思ったから。
とにかく脚本がよく出来てたし役者さんもみんな個性豊かで良かった。
ていうか、役者さん皆よくブッ飛んだね。
というかブッ飛ばされてたね。(笑)
何だろう?随所随所なんか漫画みたいだった(いい意味で)
あと、女性の殺陣多めなことに驚いたんだけど、ファンタジー感溢れる衣装で刀振り回すって絵になりますね。
綺麗だった。
確かにモチーフは「人魚姫」。
でも「人魚姫」の域優に超えてる。
素敵なファンタジー。
始まる前「双鱗姫」の「双」ってなんだろうねって話してて。
鱗とか姫とかはまぁ人魚姫連想ワードだからわかるとして。
人間の二本足を手に入れるって感じかな?とか予想してたんだけど。
最後の最後でなるほどね!これはやられたわーって思った。
結構いい仕掛け。
お勧めです。
シカク
企画演劇集団ボクラ団義
サンモールスタジオ(東京都)
2014/12/18 (木) ~ 2014/12/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
これは「恋」の話。そして「故意」の話。
お芝居観た感想としては、どうしてこの相反するものを並べちゃったかな。
そして共存させちゃったかなって感じ。
・・・・・・久保田唱怖い。超怖い。
ちなみに「恋」は皆さんご存知のとおり。でも「故意」はなんとなく知ってるけど・・・みたいな感じの人も多そう。
「故意」・・・刑法において は、「罪を犯す意思」とのこと。
ね。怖いよね。
超怖いよね!!
「これは恋の話だ」って言うから信じて観てたのに!
最終的にはこっちかい!っていうね。
騙された!って思った。(いい意味で。)
何言ってもネタバレなりそうであまり言えないけど、(もう充分ネタバレしちゃってる気もするけど)観劇して感じたのは、世の中何が本当で、何が嘘なんだろう?ってこと。
お芝居の中だけじゃなく、現実もね。
もしかしたら、世界は本当に五分前に出来たのかもね。
なんか色々考えさせられる舞台でした。
この不思議感覚、味わってみるべきだと思います!