時をかける206号室 公演情報 企画演劇集団ボクラ団義「時をかける206号室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    部屋の数だけ物語がある!
    これがね。ちょっと衝撃。
    ちょっと考えれば当たり前のことのはずなのに。
    大人になると視野が狭くなるっていうけど本当。
    こういうオムニバス形式の話って面白いですね。
    オムニバス?オムニバス?オムニバス!
    話も舞台もグルグル。
    面白いね。

    そういえば交通事故で毎日のように誰かが亡くなっているとか意識したことなかった。
    結局私は狭い範囲内のことしか知らなくて、人の痛みだってわからない。
    たとえば捻挫したことあるからその痛みはわかっても骨折したことないから骨折がどれくらい痛いのかは想像しかできない。
    包帯グルグル、痛そうだね。でもどれくらい痛いんだろう?
    わからない。
    すっごく痛そうなのはわかるけどそれ以上の想像はできない。
    人間は結局自分の経験した範囲内しか本当には理解できない。
    そういう意味ではこのお話の「彼」の気持ちもわからないでもない。

    でも、だから私はお芝居を観にいくんだろうな、って思った。
    舞台には私の体験したことない、知らないことがいっぱいある。
    役者さんが演じる熱量によってそれを本を読むよりずっとリアルに疑似体験させてくれる。

    特にボクラ団義を観にいった後は自分の人生では絶対ないだろうなって経験をした気になってなんか視野が、世界が広がった気がする。
    だから好き。
    だから観にいく。

    ネタバレBOX

    贖罪の念に駆られて作られた某部屋はフィクションなんだからもうちょっと明るくてもいいじゃないか!って思ったけど。

    彼は自分を事実を基にしか作れない人間だって縛ってたからああなったのかな?こういう過去を背負ってたらこういう展開だろうな・・・みたいな。
    でもそれじゃあんまりだって意識もあったから別パターンの幸せを追求した奇妙なあの部屋も作った?

    でもどちみち彼はその縛り故に彼ひとりの力ではどちらも未完。
    彼ひとりではそうだけど・・・っていうのがまたいい味出してますね。

    うーん、でもあれなんですね。
    事実は小説よりも奇なり。の複線そこでも利いてますよね。
    一生懸命作ろうとした幸せの物語よりも最後の「現実」が一番ハッピーエンド。
    あんな色々なことがあった現実が希望のある展開になるなんて!
    凄くシニカル。

    まーその言うところの「現実」も久保田さんが作ったもので事実じゃないよっていわれたらそうなんだけど。

    事実、フィクション、もうグルグルするね。
    物語もグルグル、舞台もグルグル・・・

    それにしても相変わらずよく出来てます。
    このリアリティ。
    もしかして、久保田さんは既に人のひとりやふたり・・・いえ、なんでもないです。
    今回も面白かった!

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    2015/08/22 02:39

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