グレーな十人の娘
劇団競泳水着
新宿シアタートップス(東京都)
2022/04/21 (木) ~ 2022/04/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/29 (金)
価格4,200円
29日16時開演の千穐楽の舞台を拝見。
うっかり前評判を目にしてしまったため、不評コメントの指摘を意識して、筋立ての"理解"を優先しながらの観劇。
おかげで、次女が仕組んだ"悪戯"の意図も、伏線の回収も把握は出来たが、終演後の客席では"何でそうしたの?・そうなるの?"の声もチラホラ。
"悪戯"の意図に理解が届かない・納得がいかなかったり、グラスに仕込んであったのだろう薬物のトリックも放置されたままで消化不良な観客が少なからずいただろうことは想像にしくはない。
やはり、四女役・小川夏鈴さん演じる"語り手"に筋立ての説明をもっと詳細にさせる"親切設計"の脚本になされた方が賢明かなぁと。
演じ手は皆さん総じて達者で、安心して観ていられた。
とりわけ、前述の四女役・小川夏鈴さん
そして(最初は別人に映った)次女役の小角まやさんが
大層、印象深かった。
【追記】
江益凛さん演じる田中家の三女・モモが、実は5人姉妹の亡くなった”はず”の父親の…ってエピソード、そもそも、にい奈はどうやって知ったのか?に一言も触れていないので、最後にいきなり「実わぁ~」とやっても、ピンと来ない観客も多かったんじゃないのかなぁ?
時々展覧会
時々自動
元映画館(東京都)
2022/04/28 (木) ~ 2022/05/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/28 (木)
価格2,700円
28日19時開演回(60分弱)を”体験”。
「音楽パフォーマンスを製作、上演する劇団」という主催者に関する前提知識無しで臨んだため、初めは、目の前で何が行われているのか理解出来ず、顔が"ぽかーん"状態。
だが、そのうち、子供が夢中になって視ている、Eテレの音楽情操番組⁉︎を偶然目にした父親と同様、理屈はさておきw 知らず知らずのうちに、パフォーマンスにのめりこんでしまった。
ただ、このままじゃ消化不良なもんで、もう一回、”体験”しに行こうかと思っている。
ムーランルージュ
ことのはbox
萬劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/20 (水)
価格3,000円
動画配信で視聴。
前半75分は、時代背景や人物紹介などの緩やかな進行。
だが、15分の休憩を挟んでの後半60分は、主要人物たちそれぞれに思わぬドラマが待ち構えていて…。
嗚呼、なんで体調不良で劇場に行けなかったか!と、ほぞを噛むほどの珠玉の舞台。
たとえばありふれたカノンのコードで
salty rock
遊空間がざびぃ(東京都)
2022/04/21 (木) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/21 (木)
価格4,000円
21日19時半開演の初日舞台を拝見(90分)。
作者の頭ん中のオモチャ箱の中身をひっくり返したような、スラップスティックな登場人物達の言動に、肩の力を抜いて惑(まよ)わず愉しめる90分。
作り手たちの温もりが伝わって来るせいか、何処か懐かしい感じがする、如何にも小劇場演劇らしい作品だった。
それにしても、初期の作品群と比べて、大幅に”親しみやすい”作風に寄って来たことが感慨深い。
秘密
劇団普通
王子小劇場(東京都)
2022/04/20 (水) ~ 2022/04/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/20 (水)
価格3,000円
20日19時開演の初日舞台を拝見。
離れて暮らしていた老いた両親と娘、親族、顔馴染みの隣人達…互いの、さりげない会話の一つ一つに、それまで話者が生きてきた日常の積み重ねやら、劇中では語られなかった諸々の事柄が滲み出て来るようで、聴いていて、しみじみと感慨深い。
王子の街にいながらも、実家に里帰りしたような思いの120分。
追記1:前作の「病室」と比べると、茨城弁の色合いが少しマイルドになったかなぁ?と。
追記2:物販をやっていなかったのが残念! 個人的好みな劇団普通Tシャツ、買いたかったなぁ~♪
追記3:劇中の由紀の両親と同じく、足腰の弱った身には、王子小劇場の長い階段はシンドイなぁと改めて実感。手すりがあればなぁ…。
茶の間が水浸し【4月14日~17日公演中止】
吉祥寺GORILLA
サンモールスタジオ(東京都)
2022/04/13 (水) ~ 2022/04/17 (日)公演終了
映像鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/17 (日)
価格2,400円
ナマの舞台を拝見したうえで、平川千晶さんの「小池加奈子」代役版を18日に視聴。
二度目の観劇なので、初見の際はぼんやりとだった、脚本上のアラも目にはついたものの、総じて、満足のいく仕上がりだった。
夜ふかしする人々
戯曲本舗
小劇場メルシアーク神楽坂(東京都)
2022/04/15 (金) ~ 2022/04/18 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/16 (土)
価格3,800円
16日19時開演回(100分)を拝見。
3団体それぞれの短編を、1、2本目の後、10分間の休憩をはさんで、3本目の構成。
1本目の、水中散歩「浮遊している、俺ら」は
あまり順調とはいえない人生を送る3人の男達のコミカルなやり取りを聴いていたら、突然…
決して”恐い話”ではないものの、残された2人もまた、最後は夜の闇に覆われていくような"読後感"。
2本目の、戯曲本舗「アンフォルム」は
正直、難解で、自分の手には負えなかった。
夜中に、ベッドの中でひも解く、文庫本の「雨月物語」やらラフカディオ・ハーンの「怪談」の頁に目を通しているような感覚で拝見させてもらった。
3本目の、劇団二畳「機種変更」は
不仲の娘に対して、昭和の漫才師"横山やすし"ばりに傍若無人に振る舞う父親の、不器用なコミュニケーションの有り様に、初めこそ無邪気に大笑いさせてもらったが、途中から、舞台上の2人に、亡父と自分との記憶が重なって…個人的には、苦笑いの泣き笑いな作品だった。
茶の間が水浸し【4月14日~17日公演中止】
吉祥寺GORILLA
サンモールスタジオ(東京都)
2022/04/13 (水) ~ 2022/04/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/13 (水)
価格3,500円
13日19時開演の初日舞台を拝見(110分)。
やや散らかり気味ではあったが、高校生・オトナの別を問わず、共通のテーマ(自己実現の理想と現実とのギャップへの苦悩)で貫かれた、併走する諸々のエピソードが、最後に”高校生・球投げ合戦(仮称)”という希望に満ちた象徴的なシーンにつながるまでのプロセスは、終始、観客を舞台に惹きつけたであろう、巧みな構成。
日下麻彩さんの"狂言回し"に代表される、ほのぼのテイストも相まって、多くの観客に、ほろ苦さを伴う懐かしさを呼び起こしたのではないだろうか?
終演後の”読後感”も爽やかな青春譚に感謝!
ELEMENT DD
元素G
調布市せんがわ劇場(東京都)
2022/04/09 (土) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/04/10 (日)
価格3,500円
10日14時開演の千穐楽の公演を拝見。
出演者の一人、木谷美絢さんのご縁で、毎回、舞台を観に行っている元素Gさん。
今回はダンス公演ということで、門外漢の自分が果たして、セリフの無い90分、じっと席に座っていられるのかなぁ?と不安を抱いていたものの…
お客様を前にして踊る喜びが舞台から溢れ出るような第一部。
遊び心に満ちた作品構成の第二部。
動画配信ではなく、同じ空間で体験出来たことに心から感謝…存分に楽しめたぁ!!
見本市
佐藤佐吉演劇祭実行委員会
北とぴあ カナリアホール(東京都)
2022/04/07 (木) ~ 2022/04/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/04/09 (土)
価格2,500円
9日19時開演の、Aチーム3団体の回(100分)を拝見。
最初の紙魚(しみ)は…ゴメンナサイ💦 私の読解力不足のせいで、あまりよくわからなかった。
2番手のヴァージン砧は、舞台上のお二人のとぼけたやり取りに終始ニコニコさせてもらった上で、ラスト、”手を叩く”伏線が小気味良く決まって、拍手喝さい!
最後のオドルニクは細かい理屈は抜き! まさしくラッシュ&パワーで押し切る、痛快コメディーだった。
Ultimate Fancy Ojisan
MICHInoX(旧・劇団 短距離男道ミサイル)
王子小劇場(東京都)
2022/03/31 (木) ~ 2022/04/03 (日)公演終了
実演鑑賞
鑑賞日2022/04/01 (金)
価格3,600円
4月1日19時半開演回(105分)を拝見。
事前の情報から推察した、まさに予想通りのテイスト。
常連らしい女性客の頻繁に響く笑い声を耳にしながら…だが、残念ながら、首を傾げつつの観劇。
サービス満点の演出だったが、予想した以上に手が合わなかった。
という訳で、あくまでも嗜好の違いから導かれた低評価故に、星は敢えてつけないことにする。
下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー
第27班
王子小劇場(東京都)
2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/27 (日)
価格3,800円
27日18時開演回(128分)を拝見。
短編ならばともかく、中・長編だと、しっとりとした情感が持ち味の(だと私は理解している)第27班”らしからぬ”テイストの再演作品。
シットコム仕立ての本作品、正直、ヒトによって手が合う・合わないの差が著しいだろうと思われる作風だが、幸いなことに、自分においては、明日からまた!…と憂鬱になりがちな日曜の晩を、愉快でハッピーな気分にさせてくれた。感謝!
粗末な人たち 新宿編
モミジノハナ
雑遊(東京都)
2022/03/23 (水) ~ 2022/03/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/24 (木)
24日19時開演回(82分)を拝見。
キャバクラに入店した新入りのサクラが、無邪気な刃(ヤイバ)で相手の内面をグサグサ刺していく度に、それまで平静を取り繕っていた職場の人間関係に波紋が広がっていく…
サクラのキャラクターで笑いを誘いつつも、実は、結構、濃厚な82分の会話劇。
なお、役者さんでは
お声で「ああ、あのヒトだ!」とピンと来た、ヅカ★ガール『妖花迷宮』の「大神紫」役・太田ナツキさんと
海千山千⁈のキャパ穣たちを手玉に取ったり・取られたりな、黒服役・奥泉さんとが
特に印象に残った。
マリーバードランド
やみ・あがりシアター
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2022/03/17 (木) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/03/21 (月)
価格3,000円
千穐楽21日12時半開演回を拝見。
南極で開かれたビジネス絡みの披露宴で、難局に直面させられた参加者たちの、様々な思惑を笑いで包んだ105分。
”コロナ禍による冠婚・旅行業界の苦境”というリアルの上に、”南極大陸での挙式・披露宴の開催”というトンデモ・フィクションを載っけた、絶妙な設定に
コメディエンヌ全開な加藤睦望さんを初めとする、演者の皆さんの頑張りもあり
聞こえて来た評判をはるかに超える、実に愉快な時間を過ごせた。
感謝!
【追記】
岩井美菜子さん、市川歩さん、加藤睦望さん、川上献心さん
小寺悠介さん、小山ごろーさん、さんなぎさん、髙橋紗綾さん
日野あかりさん、吉成豊さん、依乃王里さん…
と、顔と名前が一致する役者さんが大勢出演されておられたことも、舞台の世界に直ぐに吸い込まれた理由の一つかなぁ。
ふしぎの国のアリス
カンパニーデラシネラ
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2022/03/18 (金) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/19 (土)
価格5,830円
19日17時開演回(途中休憩15分込み105分)を拝見。
マイムを軸としたパフォーマンス。おもちゃ箱を引っ繰り返したような”しっちゃかめっちゃか”を、演者たちの統率の取れた動きで表現していくという…小難しく頭で考えず、隣りや後ろの席で無邪気にはしゃぐ、ちっちゃなレディー達の反応に乗っかって、条件反射的に楽しませてもらった。
売春捜査官
KURAGE PROJECT
高田馬場ラビネスト(東京都)
2022/03/16 (水) ~ 2022/03/21 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/17 (木)
価格4,000円
17日19時開演回(105分)を拝見。
終演時、木村伝兵衛役の月海舞由さんの顔が、湯上りみたいに火照っていた。
ただでさえ熱量の高い『売春捜査官』を、より一層ヒートアップさせた105分。
初めは大人しかった観客席も、次第に舞台の熱気にあてられたのか、反応が大きくなり、終盤は、まるで芝居小屋にいるような雰囲気に!
舞台と客席、双方が共鳴し合った、贅沢な時間を過ごすことができた。感謝!
【追記】
リーフレットに、配役表は載せて欲しかったなぁ。
ジャバウォック【3月2日~3月3日公演中止】
劇団肋骨蜜柑同好会
小劇場 楽園(東京都)
2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/05 (土)
価格3,700円
5日19時半開演回(110分)を拝見。
肋骨蜜柑にしては珍しく、わかりやすい筋立て・人物設定。
コロナウイルス的な厄難「怪鳥」に振り回される人々の有り様が快調なテンポで描かれ、110分の上演時間、アッという間に過ぎていった。
ヒトによって見え方が異なる「怪鳥」の”正体(=真実)”については、途中で大方読めたものの、その出現のメカニズムは…ホンマ、よう、あんな理屈、考えつくもんやなぁ!と感心しきり。
という訳で、殆ど”完成品”だと思っていた肋骨蜜柑同好会が、実はまだ変わっていく可能性を秘めた肋骨”未完”だと認識させてくれた本作、誰に対しても、素直に面白かったと言い切れる快作だった。
光垂れーる
ぽこぽこクラブ
紀伊國屋ホール(東京都)
2022/03/03 (木) ~ 2022/03/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/03 (木)
価格6,000円
3日19時開演回を拝見(135分、途中休憩10分)。
ひと言でいうと、田舎の町村の青年団による、心和む”盆踊り大会”を覗かせてもらったような気分だった。
笑いを取ろうとする、オーバーアクション気味な演出は、決して自分好みの作風ではないものの、その割に、生者・死者のかかわりを通して”生きる”ことの意味を浮き彫りにしていく脚本自体は、実に腰の据わったものだった。
舞台上の役者さんたちの熱気にもあてられたせいか、舞台から多くのモノを得られたような気がする。
次、機会があれば、望むれば、お盆の時期に屋外で観たいなぁ。
クリキンディの教室
電動夏子安置システム
駅前劇場(東京都)
2022/03/02 (水) ~ 2022/03/06 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/03/02 (水)
価格4,500円
最近、話題にのぼることの多い「SDGs (エス・ディー・ジーズ)」を題材にした本作。
SDGsに関して取材した事柄の「単なるお勉強発表会」に留まらず、シニカルな視線を交えつつも、理屈抜きに笑わせるコメディーにキッチリ仕上がっていたのは、最早、匠の技か!
ただ、様々な伏線とその回収のために必要だったとはいえ、上演時間を2時間(観劇回は116分)引っ張るには、内容的にやや厳しかったかなぁ?と感じたことも付記しておく。
不思議の国のアリス
文化庁・日本劇団協議会
ザ・スズナリ(東京都)
2022/02/23 (水) ~ 2022/02/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/02/24 (木)
価格4,500円
24日19時開演回(125分)を拝見。
ルイス・キャロルの原作とは全く別物の別役実作品。
処刑の運命に陥った父親を捜して彷徨うアリス。どこか自分の家族に面影の似た人々との出逢いを重ねるうちに、彼女は自身が何者かを気づくことになる…。
CHAiroiPLIN(チャイロイプリン)主宰のスズキ拓朗さんの演出のおかげか、敢えて小難しくストーリーを追わずに、唄や演奏、ダンスに心和ませながら、素直に劇の流れに身を委ねることが出来た。
さて、125分以降のアリスは一体何処へ向かっていくのかな?