燃えあがる荒野
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2017/10/18 (水) ~ 2017/10/24 (火)公演終了
満足度★★★★
「満州国演義」は未読だが、芝居を観ていて、あぁ船戸与一の世界だなと思った。次男の馬賊が魅力的に描かれていたが、4人の兄弟のそれぞれの物語がこれからどう展開していくのか楽しみである。是非とも2部、3部も観たいと思っている。ただ、膨大な作品世界を凝縮しているせいか展開が早く、大勢の出演者も相俟って理解が追い付かない部分もあった。
おまけ:シェパード役の俳優さんの身体能力がすごい。
アジアン・エイリアン
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2017/06/22 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
冒頭、エッ?と叫びたくなるような導入で、ひき込まれた。演劇でしかできない表現と感じ入ってしまった。しかもそこにテーマが凝縮されていたのだった。
怪人21面相
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2017/06/19 (月) ~ 2017/06/26 (月)公演終了
満足度★★★★★
ものすごくスリリングな舞台でした。よくもまあ、あんな台詞が書けるものかと劇作家に脱帽。演出・役者の演技も素晴らしかった。事前知識なしで観て、後で理解してなかった部分もあったことがわかったが、なんにせよ、引き込まれた。
天の敵
イキウメ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/05/16 (火) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
前回の『太陽』がよかったので、『天の敵』はあまり内容を把握しないでチケットを購入したが、よかった。『太陽』同様、ちょっとSFっぽい話だったが、ひとつひとつのエピソードが丹念に作られていて、その積み重ねがリアリティを持ち、違和感なく観られた。
60'sエレジー
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2017/05/03 (水) ~ 2017/05/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
60年代の哀感を象徴するものとして、蚊帳職人を選んだことに敬服!劇中の台詞にもあったけれど、作者自身も蚊帳で寝たことなどないのでは?社研とか、60台の私にはノスタルジーを刺激されるものが満載でした。そういった外枠だけでなく、人を思いやる心が細部まで丁寧に表現されていて、素晴らしい舞台でした。2020東京オリンピック前の状況をアジテーション的に批判するのではなく、心にじわっと問いかけられた感じでした。
老婆心(文字通り)ながら、劇チョコのチケットはこんなに安くていいのだろうかと、観劇の度に思います。
城塞
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/04/13 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了
満足度★★★★
安倍公房は今を去る40数年前結構読んでいたが、はっきり言って難しかった。で、芝居はというと2、3本目?くらいであまり観ていないが、予想外にわかりやすかった。ブルジョア階級に旧勢力を象徴させ、内面を描く(逃避している者もいるが)ことによりその罪深さをあぶりだしている。それには、踊り子の存在も大きい。これだけ内省的になれなかったのが今の日本の状況を作り上げているのだろう。でも、笑える場面もあって、舞台美術も含め総体として楽しんだ。
BANRYU<蟠龍>
世仁下乃一座フェアアート/岡安伸治ユニット
d-倉庫(東京都)
2017/03/22 (水) ~ 2017/03/26 (日)公演終了
満足度★★★
これはもう演劇というよりパフォーマンス。役者さんの身体能力・鍛錬に拍手!ですが、私の好みとはミスマッチでした。〈蟠龍〉の物語なのに六ヶ所村へのメッセージに期待をしてしまって(もちろん批評精神はありました)…。昔の世仁下乃一座を観ていた者の発想です。
怒りの旅団-アングリー・ブリゲード-
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2017/03/16 (木) ~ 2017/03/26 (日)公演終了
白蟻の巣
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2017/03/02 (木) ~ 2017/03/19 (日)公演終了
炎 アンサンディ
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2017/03/04 (土) ~ 2017/03/19 (日)公演終了
満足度★★★★★
圧倒された!時と場所が交錯する演劇ならではの作り、舞台美術もシンプルながらインパクトがあり、すごく良かった。役者も皆達者で、麻実れいは言わずもがなだが、栗田桃子の台詞がない場面での表情に引き込まれた。岡本健一はスナイパーのシーンがリチャード三世を髣髴とさせて面白かった。とにかく感動したので、ネットで戯曲を探したのだけれどまだ出版されていないのか、見つけることができなかった。残念。
見よ、飛行機の高く飛べるを
劇団青年座
練馬文化センター(東京都)
2017/02/28 (火) ~ 2017/03/01 (水)公演終了
満足度★★★★
一抹の寂しさが残った。脚本も芝居作りもきっちりしているのだが、クライマックスで女学生たちが次々と懐柔されていくのはそれが現実だろうと思いながらも、つらいものである。
ギンノベースボール
ラビット番長
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2017/02/15 (水) ~ 2017/02/19 (日)公演終了
たわけ者の血潮
TRASHMASTERS
座・高円寺1(東京都)
2017/02/02 (木) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★
ヘイトスピーチがテーマかと思ったら演劇論?寛容さは大事だけどヘイトスピーチや大麻まで肯定しているのかしら?いずれにしろ詰め込みすぎで焦点が定まらない座談会みたいだった。
ザ・空気
ニ兎社
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2017/01/20 (金) ~ 2017/02/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
衝撃的な舞台。空気というより時代の様々な圧力に抗おうとしつつ敗北していく報道の現場を描く。救いがないのは現実がそうだから。永井愛の根性を観た。
弟の戦争
劇団俳小
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2016/12/07 (水) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
俳小の心意気
篠原久美子さんが戦争を扱った脚本を劇団俳小上演するするのを知り、是非観たいと思った。
「とりつかれた」フィギスの身体から戦場の悲惨さがリアルに伝わってきただけでなく、息子を戦場に送る母の心情やレイシズムなどの問題も織り込まれた話であった。それだけでなく人間の心理にも食い込み、社会(世界)と個人がどう関わるかを問う、刺激的な舞台であった。
ただ、俳優の演技については首をかしげざるを得ないところがあり、そこが唯一残念なところだった。
BENT ベント
パルコ・プロデュース
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/07/09 (土) ~ 2016/07/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
壮絶!
久しぶりに「観てきた!」に投稿したくなったほどインパクトのある芝居だった。マックスのある意味での軽さと真摯に生きるホルストが対照的で、二人の関係に厚みを与えている。圧巻は二人のセックスシーン(観なきゃわからん)で、特に北村有起哉の表情が抜群だった。
しかし、「BENT」の説明が詳しすぎて、これ以上書けない…。
8月の家族たち August:Osage County
Bunkamura/キューブ
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2016/05/07 (土) ~ 2016/05/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
バトル最高!
映画版の「8月の家族たち」を観ていたので、麻実れいと秋山菜津子のバトルに期待して劇場に足を運んだ。期待以上の壮絶なバトルで大満足。物語自体は救いようのない内容だが、大いに笑いもし、これぞブラックコメディと納得の3時間15分間だった。
同想会
劇団ヨロタミ
ウッディシアター中目黒(東京都)
2016/05/11 (水) ~ 2016/05/15 (日)公演終了
満足度★★★
まじめな劇団なんだと思うが…
ミステリー仕掛けのコメディ?というにはかなり深刻なテーマを扱っていた。笑える場面は沢山あったが、コメディにするにはキツすぎる内容であった。もちろん、2時間シビアな場面ばかりではシンドイと思うけど、真剣に向き合うことに照れてしまっているのか、ずらしすぎだと感じた。
気になったのはLGBTの描き方。ゲイと性同一性障害がいっしょくたにされていたり、「オカマ」で笑いを取るのは好きではない。
DADDY(増席しました!)
TEAM空想笑年
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2016/05/01 (日) ~ 2016/05/08 (日)公演終了
満足度★★★
ハートウォーミングな芝居
客層を見てわかる通り、幅広い年齢層が楽しめる芝居だった。最初少しぎこちなさを感じたが、すぐにスムーズに流れるようになった。「良かれ…」など、沁みる台詞もあったし、笑いを取るタイミングも、よかった。バッドエンドは好きじゃないけど、ちょっと予定調和過ぎなのが難といえば難かもしれない。
嗚呼いま、だから愛。
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/04/22 (金) ~ 2016/05/03 (火)公演終了
満足度★★★★
セックスレスの話とあったが…
モダンスイマーズの前回作品「悲しみよ消えないでくれ」にいたく感動したので、今回も劇場に足を運んだ。
多喜子と一貴はセックスレス夫婦だったが、あることをきっかけに多喜子が意識するまでは、たいした問題ではなかった。友人夫婦(クリスチャンである必然性があるか?)や姉とそのマネージャー、担当編集者とアシスタントらによって多喜子の抱えている根深い問題が暴露されていく過程が、ち密に描かれていた。
川上友里、過去ははえぎわで一度観ただけだったが、かけがえのない個性を感じる。