タッキーの観てきた!クチコミ一覧

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あの空の向こうへ

あの空の向こうへ

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

戦争ゲームごっこではない
戦争シミュレーションソフトの開発に関する芝居と思っていたが、そんな単純なものではなく、人間ドラマであり、社会ドラマでもある。
そこにミステリー要素も加え見応えのある公演に仕上げていた。

いくつかダンスシーンがあるが、ノーコンタクツの公演だから…でしょうね。

ネタバレBOX

1945年、戦艦大和は出撃し撃沈する…これが事実。

その乗組員がタイムスリップして現代に現れる。
科学者は、その事象を確認するためゲームメーカーへ大和の戦闘シーンを再現させる。そして撃沈(事実)を回避するシミュレーションの模索が始まる。
事実を知らされず集められたゲーマー達は、必死に攻防シミュレーションを繰り返すが、沈没は避けられない。

その苛立ちと、シミュレーションする意味を問うことになり…。この乗組員を助けるためだが、その手立ては見つからない。
結論は乗船しないことだが、それに対する返答は「自分は軍人だから出来ない」と。「『殺される』 と 『殺す』 の二者択一を求められたらどうするか?」 「どちらも厭だが、それが戦争だ」 という重い台詞の応酬に、「戦争」の無意味さが込められる。

今後の公演にも期待しております。
ヒョウイズム

ヒョウイズム

爬虫類企画

新宿シアターモリエール(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

重い内容、ポップな演出
高校時代に苛められ、そのあげく兄まで・・・。

凄惨な過去を持つ男がある事象によって力を得て行う復讐劇。
その描かれている内容はハードで問題提起も鋭い。
しかし、その描き方はコミカルで堅苦しさを感じさせない。

ここで登場する主人公の感情や行動が、普通の人間が持ち得るようなものであるから共感できると思っていたが、終盤は少し教訓じみてきた。

ネタバレBOX

弟の苛めを知った兄が苛めグループを戒めようとしたが、逆に刺殺されてしまう。
悲観していた弟だが、落雷を受けて不思議な力(一定時間、他人への憑依ができる)を得て、高校時代に苛められた人達へ復讐していく。
その奇妙な現象が刑事事件へ発展し、警察との間の追跡・逃避が始まる。
不思議な力にもそれを行使する時間的制約という欠点を設け、緊迫感ある仕上げになっている。最後までテンポよく見応えのある公演だった。

次回公演にも期待しております。
Master Plan ~B~

Master Plan ~B~

劇団スクランブル

シアター711(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

女…会話劇
同僚女性3人が男性1人を巡って…、女性の恋愛感における本音 (男性には「真剣・愛情」な思いを、同性には「虚勢・見栄・嫉妬・侮辱・憎悪」が渦巻くようだ) を聞いているようで面白かった。

その一方で単なる暴露話という感じもする。

ネタバレBOX

最後、この男性は事故死するが、あの世でも幸せそうな振る舞い、懲りないなー。
さて、少しかたい話になるが、最近の新聞に 「昔から男が浮気すると、パートナーの女性は相手の女性に対し嫉妬を燃やし、憎むものだと言われている。女性が浮気をした場合は、パートナーの男性はその女性本人に怒りを抱く。どちらにしても女性が恨まれると相場が決まっているようだ」との記事が出ていた。

本公演でも女性同士の虚勢・誹謗・中傷合戦であったが、そういう心理になるのかと改めて「情」の怖さを知った。

今後の公演も楽しみにしております。
騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

革命アイドル暴走ちゃん

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★

ぶっ飛びだ~
理屈は要らない。ただ「爆音」「投水」「閃光」などのインパクトが凄かった。普通の芝居にあるような脚本・演出は感じられない。そもそもキチンとしたものがあるのか疑わしい(失礼)。逆にシッカリ有れば、ある程度その台本に縛られ、自由に動けないだろう。多分、ゆる~い決め事だけで、弾けた感じである。しかし、不快感はなく、逆に爽快感が残った不思議な公演であった。

おとなげない遺伝子

おとなげない遺伝子

スマッシュルームズ

シアター711(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★

もう少し捻りがあると…
人間一人ひとりが違うように親子であっても少しずつ違う人生を歩むだろう。本公演の眼目として”人生という名の不条理”を謳っているが、三代にわたり同様のシーンを繰り返えすのはどうか…。
確かに遺伝子という”不思議なるもの・こと”の存在は否定できない。鏡の中の顔は、同じ年齢だった頃の父親に似てきた。人としての性格付けや外見は似ているが、生活の歩みは違った。そんなことは当たり前で改めて言うことではないだろう。
この公演では、遺伝子を強調し、その結果人生の不条理を描こうとしたと思われるが、冒頭にも記したが不条理もよしとするような芝居でもよかったのではないか。観客を飽きさせず、集中させるには少しずつ違う観せかたも…。

最終的には、説明文の逆説に落ち着く展開になる。つまり、二度あることは三度あるが、その反対として三度目の正直もある。まさしく人間ドラマであり、人間讃歌の公演でした。

今後の公演にも期待しております。

同級生たち

同級生たち

シンクロナイズ・プロデュース

調布市せんがわ劇場(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

心に響くすばらしい最終公演…残念!
最終公演・・・
こんなに「含蓄あり」「印象深い」「見応え」のある芝居が見られなくなるのは本当に残念である。
同級生といっても劇団の同期生の集まり…20年の時を経て、かつての稽古場に集まった面々の話。
学校の同級会であれば、卒業後の人生は千差万別。しかし、劇団員となると、同じ目的で入所したからには…それでも別々の道を歩いている。

また現在の劇団員との交流を通じて、その時代のギャップが浮き彫りになるところは現実感がある。

ネタバレBOX

この公演は見所満載であるが、かつての劇団員の肝胆相照らす様が、卒所後の人生がしっかり語られる。
説明ではなく状況が浮かびあがるような見事な展開である。コミカルな演出・演技でありながら、そこで発せられるセリフの一言一言が名言のようである。
また舞台設営は、劇中において素舞台から瞬く間に稽古場(今は物置)を再現する。そこには衣装・小道具が所狭しと置かれていくが、この作業には驚嘆した。
初見の劇団であったが、「これこそ、芝居!」…最終公演で観劇できて良かった。
非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

人間…孤独か孤立か
脚本・演出・演技という芝居の主要な項目について満足する内容であった。
まず、脚本は集団犯罪を描きながら、実は一人間の犯行の動機・実行に至る経過、犯罪を肯定する屁理屈(社会が悪いと問題をすりかえる)を上手く人間の懊悩と絡めて描く。そして犯罪集団に身を置きながら、段々と自分を見失い孤立するという矛盾と狂気がうまく表現されていた。
舞台もパイプを繋ぎ合わせ家屋の外観を模した衝立、中央に盆をセットし、家族・仲間という角の無い関係を象徴しているかのようであった。それらの脚本・演出に応えるかのような迫真の演技は見応えがあった。
上演後、作・演出・主宰 広田淳一氏のアフタートークがあったが、その中で気になることが…。

ネタバレBOX

広田氏の談では、太宰治の「斜陽」をモチ-フにしたと言っていたと思うが、自分はどちらかというと「人間失格」のイメージを持った。”恥多き生涯を送った”こと、家族の中でも孤独感を味わい、悪の仲間への逃避が生んだ悲劇。孤独には耐えられるが、孤立は受け入れ難いとは或る冒険家の談話。大勢の人に囲まれているが、心は素直になれない、解放できなければ苦しいだけだろう。そのもがいた挙句、自死の選択を…。その過程が痛いほどわかる苦悩、丁寧な状況説明は秀逸である。

今後の公演にも期待しております。
SPIRAL Cage

SPIRAL Cage

teamキーチェーン

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

化学反応あり
相容れない作風の2団体(teamキーチェーン&EgHOST)の共作ということだが、そんなことは微塵にも感じさせない素晴らしい公演であった。

視聴率が取れないテレビ業界の下請け制作会社が、起死回生の企画を得るため取材を始めたその先にある出来事・・・、実にシュールな内容で面白かった。
また、舞台設営と衣装は黒を基調としたモノトーンで、重厚感があった。
しかし、演出・演技はどちらかというとポップ調でテンポ良く進展する。
この脚本、演出・演技設営という要素が微妙にズレており、もしかしたら、その不思議な感覚が2団体コラボの妙味かもしれない。

また機会があれば、コラボレーションの優れた公演を期待しております。

太陽への回廊

太陽への回廊

無頼組合

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

人間ドラマか社会ドラマか
高度成長期における重厚長大な産業の基盤で働く労働者の話かと思ったが少し違った。大きな話が二つ(1964年.2012年以降)あり、それが基本的には時系列を追いながら、時に交錯しながら展開する。前半部分は、どちらかと言うと人間ドラマ、中盤以降は、社会ドラマの様相を呈する。その結が強引すぎるような気がした。
説明文によれば、警察内部で邪魔者扱いされた者達の寄せ集めチーム、通称〝ダストボックス〟は、日々目にする狂気にまみれた犯罪現場に身も心も疲れ果てていたが、ついに連続児童誘拐犯を追いつめた〝ダストボックス〝は、犯人側との激しい銃撃戦になる。硝煙にまみれた現場で、チームは信じられない光景に遭遇する…とある。この件は「裏切り」と「猜疑心」という言葉が当てはまるであろう。推理サスペンス風な仕上げ方は、2006年当時のテレビドラマを席巻した「アンフェア」(篠原涼子主演)を思い出した。時代に翻弄され、紆余曲折しながらも長い人生を歩んできた主人公・海馬正義…その軌跡はまさしく”太陽への回廊”であったと思う。
次回の公演を楽しみにしております。

今はただ遠くからありふれた歌を-

今はただ遠くからありふれた歌を-

演劇企画ハッピー圏外

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/16 (火)公演終了

満足度★★★★

面白い!!
今とあまり変わらない西暦2042年。50年の時間を越えて、あの日の友達との約束をたよりに再び3人は集まることに…。しかし、時間は逆戻りしたかのようで、失われた”宝物”を探索・確認するような心温まる話。
コミカルな演出でありながら、その描く内容は鋭く印象深い公演であった。その重層的な展開は幅広い観客層を満足させるのではないだろうか。ストーリーは、直接的には個人の愛情から発展するが、その背景にある社会問題への切り口はユニークである。必ずしも未来は日本人(取りあえず限定した)に希望を与えるだけではない。その描く対象が日本、と言っても関東近県(それ以外の地域から来た人には分かり難い)の行政を卑近な例に取りながら身近にある問題から軍事的なことまで飛躍させる。通常であれば無理な設定であるが、そこには演出の妙があった。
また、舞台セットは巨大玩具のような仕掛けが中央に据えられ、この装置が中盤から終盤にかけて有効な演出効果をもたらす。
演技は、子役も含め見事なチームワークであったと思う。

今後の公演にも期待しております。

人間機械より夜空へ

人間機械より夜空へ

劇団晴天

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2014/09/20 (土) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★

機械人間では暗闇に
劇団晴天…第5回せんがわ劇場演劇コンクールで観劇したのが最初であった。
さて、本公演はプロットに新鮮さはないが、限りなく人間に近い(感情を持つ)ロボットと人間の愛憎行為が分かり易く描かれていた。しかし、人間とロボットの本質的な違いの描き分けが、中途半端な感じだった。確かにロボットは、限定された使命・役割を持って製造されたことになっていたが、明確に描き切れていただろうか。また、人間は、ロボットに比べ自由な選択が出来る特徴があるらしい。見た感じでは、人間はロボットの持つ使命・役割に振り回される様相を呈していた。この芝居の視点は、人間側かロボット側かと言うことが明確でないため、何を主張したいのか分かり難い。人間またはロボットでもよいが、単に恋愛対象になり得るか否かでは、あまりに表層的すぎる。
限定された役割であれば、現代の人間社会でも存在するだろう。例えば就労形態など、差別・格差は社会問題になっていると思う。人間の感情の欠落は、社会を暗闇で覆ってしまうだろう。
どの視点から何を描きたいのかもっと明確にすれば、不条理感が際立ち深みが増し印象に残っただろう。脚本・演出は、テーマの明確さがあれば、今でも十分楽しめる。
今後の公演が更に充実したものになるよう期待しております。

おとなずかん ①今日ほど素敵なショウはない。

おとなずかん ①今日ほど素敵なショウはない。

ハグハグ共和国

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

厳封したネタバレ封筒あり
ゲネブロ拝見。
開演前から一人黙々と舞台上を掃除する女性(月野原りんサン)。
既に公演が始まっているかのような演出…、実は公演の一部だったのかも。
人間の煩悩を取り上げた芝居…、と記載すると内容がイメージできてネタバレになる恐れもあるが、その構成力は見事であり単純な結末ではない。

ネタバレBOX

精神を病んだ患者の妄想と医療陣が現実的な処置を施す、その内容が交錯する物語。
多くのキャストによる「妄想」と「事実」の入り組んだストーリーは、終盤になって明確になってくるが、それまでは役者のキャラが立っており、単に演技を追いかけるだけで精一杯であった。
場面転換が早いため思考が追いつかなかった…というのは自分の妄評多罪。
とても良かったです。
Libido

Libido

創作集団Alea

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

モラトリアムから現実社会へ
大学時代の楽しい生活から、卒業して直面した厳しい現実。その後、学生時代の友人との有り触れた付き合いを坦々と描いた話。大学時代は自由気ままな生活を送っていても、社会人になると思い描いていた理想とは程遠い思いをする。まさしく「理想」は「現実」に取って代わられる。そのギャップが大きいほど、社会で生きるには厳しい思いをするだろう。
何の変哲もない日常生活、いつの間にか沈殿してくる澱のようなものが精神を蝕んでいく。そのじわりじわりと追い込まれていく狂気が上手く表現されていた。
その病んだ心を、歪になった舞台セットで表現したのだろうか。客席前列からだと意味なく上方へせり上がったように見えるだろう。客席後方からは、屋上から街を眺める、または飛び降りるというイメージを持たせる。意識しないうちに迫り来る不安・恐怖が不思議と伝わる公演であった。
そう、フライヤーにある乾いた風景に生身の人間が写り込む…そこが現実なのだと主張しているかのようだ。
次回公演は、モラトリアム人間から力強く踏み出し、人間ドラマを期待しております。

300年の絵画と鉄仮面の姫君

300年の絵画と鉄仮面の姫君

KENプロデュース

北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

大人も子供も楽しめる
「ファウスト」と「アラビン・ナイト」の中で有名な「アラジンと魔法のランプ」を融合したようなモチーフの話である。ストーリーは分かり易く、大人・子供も楽しめる内容だと思う(上演時間は休憩をはさみ2時間50分)。
舞台セットは、城壁を模した二階建を中央に据え、その一階部分の真ん中に場内外への城門が造られている。そして、左右には二階へ上がる階段が付けられ、役者が縦横無尽に動けるよう凝らしている。
また、衣装やメイクも凝っており、ビジュアル的にも楽しめる。
初のミュージカルということだが、多くの女優による中東のダンス(ベリーダンス若しくはラクス・シャルキー)の動きは妖艶で見入った。
公演は、脚本・演出は見せ場の設定、単純な予定調和にしないなど、観(魅)せる工夫をしていることに好感を持った。先にも書いたが、幅広い客層を意識したエンターテイメント…素晴らしかったです。

片恋スパイラル

片恋スパイラル

私立ルドビコ女学院

サンモールスタジオ(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★

元気になる
ルドビコ女学院の公演は、開校前(上野ストアハウス)から拝見しているが、脚本・演出のパターンは確立してきたようだ。そして、演技も上手くなってきており、安定感が出てきたように思う。
この公演は、アイドルが出演しており、彼女達を目当てに来ているコアな観客と、芝居を観に来た観客が不思議と融和して公演を盛り上げている。
また、先にも記したが、演出のパターン…一部と二部との間に“特別ホームルーム”と称し、作・演出の桜木さやか氏が公開ダメ出しを行う。まるでゲネプロを観ているようだ。この観客層の違いやゲネプロ風の緊張感ある演出が相まって、良い相乗効果を上げていると思う。
元気を貰いたい方は、お薦めかも…。
今後の公演にも期待しております。

図書館二居マス

図書館二居マス

GENKI Produce

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★

優しい気持ちになる
市立図書館で起きるちょっとした(図書館にしてみれば大変な)事件を中心に、そこで働く職員と利用者の交流を描いた心温まる話。その内容をしっかり役者が演じていた。脚本と演出が絶妙にかみ合っており、心に響く公演であった。図書館大好き人間としては、実に楽しく観劇させていただいた。
芝居は日常の出来事を坦々と描き、それが本筋になり、枝葉がつくような構成になっている。本を”音読”するか”黙読”するか?たぶん本公演は後者のような雰囲気ではなかろうか。

また、その芝居を支える舞台セットが見事で、本物の図書館の一角がそのまま舞台へ移送されたかのようだ。

些細だが気になることが…

ネタバレBOX

図書館に住(棲)み着いている「虫」(精霊のようなもの)は、図書館の本を破損させていた男(著者)の配偶者ということが、終盤明らかになる。どうしてそれまで分からなかったのだろうか?
それにしても愛嬌のある「虫」で楽しませてもらった。
幻書奇譚

幻書奇譚

ロデオ★座★ヘヴン

新宿眼科画廊(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/24 (水)公演終了

満足度★★★★

魅力ある設定
脚本・演出は秀逸。ストーリーは説明に記されているが、ナノ法典を巡る謎、その取扱いをどうするか協議するために招聘された人の急遽実々の駆け引き。ミステリー風な仕立てながら、単なる謎解きでは終わらせないところが素晴らしい。
劇中の激しい議論…その会話の応酬には社会、とりわけ政治・権力に対する鋭い批判が込められている。しかし、それは直接的ではなく、斜に構え皮肉たっぷりに描いている。だからこそ印象深くなっている。
さて、そんな好公演に水を差すようだが、基本的なところで疑問がある。

ネタバレBOX

柳井氏の緻密な構成は素晴らしいが、次の点が分かり難い。
そして、この疑問はストーリ-を展開する上で重要だと思っている。

第一に、何故、元新聞記者・面堂氏(現うどん屋主人)が招聘されたのか。
確かに以前、ナノ法典に関わっていたが、長い時を経ているのに招聘された理由はなにか。
第二に、何故、ナノ法典が読めるのか。専門家・安西氏(日本考古学研究所の研究員)でも読めなかった。

この物語は、結果的に面堂氏がストーリーテラー的な役割を果たしたように見受けられたが、先にも記したように何故招聘されたのか、という疑問が解けないと展開できないような気がする。
時間的制約があったのだろうか…今は専門外な立場にいる人間を招聘するということの説明をしておく必要があると思う。

物語全体は緻密に構成され、演出も適度なアイロニーがあり面白い。しかし、その冒頭部分が曖昧な気がする。
素晴らしい公演は、足元から破綻しかねない、まさしく薄氷の上に成り立っている感じがした。

今後の公演にも期待しております。


流刑の島ー監獄の唄ー

流刑の島ー監獄の唄ー

平熱43度

萬劇場(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

怒涛な感じ
「流刑」という刑罰に処せられた罪人の話。この芝居では女性罪人を対象にして描いているが、その女性の扱いには別の意味合いが隠されていた。その真の狙いとは…。
舞台セット、衣装は独特で面白かった。特に彼岸花が咲き乱れていた。そのいわれは、「彼岸(死)」を意味すること。彼岸花の花言葉は、「あきらめ」「再会」「独立」ということで、真さにこの公演を象徴しているかのようだ。
社会・法制度や権力への抵抗という重厚な面を見せながら、その描き方は女性罪人との恋愛が中心になる。硬軟の側面を持たせた内容・演出だが、その行く末は…。

ネタバレBOX

この物語の女性罪人は、看守の慰みものであること、そして子を宿し労働力を得ること。現代で言えば人権蹂躙、権力の横暴といった事になる。

さて、彼岸花には、もう一つ「悲願を達成する」という意味もあるそうだ。だから本公演は、最後まで描ききらず続編を示唆する終わり方になっている。花言葉には「情熱」もあるそうだが、「流刑の島」の未来に大きなうねりが生み出されるのだろうか。

本公演と続編とで完結するのか定かでないが、壮大な物語であり、その表現はエンターテイメントとして優れたもの。

ところで、舞台は流刑の”島”とあるが、台詞には”網走”と具体的な地名があげられていた。当時、網走は”流刑の島”という認識だった?
また、「この夏日に雪を降らせたら、あなたの女になってあげます」とあるが、彼岸花の咲く時期は本公演(9月中旬)の頃からでは…。

今後の公演にも期待しております。

【ご来場ありがとうございました!】「姦~よこしま~」【次回は12月本公演】

【ご来場ありがとうございました!】「姦~よこしま~」【次回は12月本公演】

ロ字ック

スタジオ空洞(東京都)

2014/09/13 (土) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

驚いた!
オムニバス三話で、シチュエーションは違うが人間(女性)の建て前が崩壊し本音とエゴだけが炙り出される。その過程が実に上手く、というかデフォルメ感が半端ではない
女性の本音会話であるが、下ネタも飛び交う内容に内心「大丈夫か~」と心配した。と同時に普段面と向かって聞けないエグい話、女性の心の内をそっと覗いた感じである。
素舞台、客席は入口側に簡易雛壇になっている。一話は二人芝居、二話・三話は三人芝居で、基本的には会話劇なはずだが…独特な世界観に見入ってしまった。
因みにタイトル「姦~よこしま~」は、女三人による隠微な空間を意図したのだろうか。それであれば、掴み狙いは成功したようだ。
本公演も期待しております。

ねじまき島エレキテル

ねじまき島エレキテル

アナログスイッチ

シアター711(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

楽しかった!
フライヤーの説明を読むと、サバイバル若しくはホラーものかと思ったが、ゆる~いハートフルパンチが、優しく身体を包むように効いてくるような公演だった。
また舞台セットは、孤島にある建物内の雰囲気を作り込んでいた。
本公演は、東京・下北沢と九州・福岡の二都市で公演するという。

ネタバレBOX

ハートフルだが、登場人物は、ほとんどがアンドロイドだから血が通うわけではないが、なぜか人間以上に人間らしい。わずか三日間の夏休みの話だが刺激的な思い出になる出来事…その体験を通して人との付き合いを学ぶ人間少年。人型アンドロイドが登場するが、とても未来とは思えない。
些細なことはあるが、公演全体から観客に楽しんでもらう、そんな姿勢が貫かれているようで好感が持てた。
近々は、福岡公演を頑張って欲しい。また、次回の東京・下北沢公演も決まっているとのこと。今後の公演にも期待しております。

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