タッキーの観てきた!クチコミ一覧

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サムライ・シェークスピア "R&J”

サムライ・シェークスピア "R&J”

シアタージャパンプロダクションズ

笹塚ファクトリー(東京都)

2014/11/05 (水) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★

演舞による演出は見応えあり
シェークスピアの「ロミオとジュリエット」(邦題)を原作として、舞台を日本に見立てた公演である。もちろん梗概は原作を踏まえたものになっているが、描く視点をロレンス神父を悲劇に導いた被疑者として捉え、法廷心理劇を構築している。だから、証言者としてのロミオやジュリエットの親近者、従者が証言台へ立つが、その発言は時・場所・状況・立場で違う。事象は羅列されるが、真実は明らかになるのか。
ニューヨーク公演に向けた日本プレビューということを前提に観ないと、ツッコミ所が…芝居と同様、アメリカという違う場所・状況等考えあわせると合点できる。

ネタバレBOX

この公演の面白いところは、観客は俯瞰しているが、当事者達は断片的、もしくは思い込みによる証言になる。同じようなことが我々の日常生活・行動にもみられると思う。自分の立ち位置による見方は主観的であり、一事象を見ているが、他者から見た場合はどうだろう。現実に舞台を観るように俯瞰していないのだから。この公演の眼目の一つが視点の転換(主人公は二人ではなく、二人を誤って死なせたロレンス神父を被疑者にした劇)を試みたという。その意味では、試みは成功したかもしれない。

一方、その描き方は事象の再現・回想で、あえて場面を分割し、回想ごとに繋ぐ必要はなく、時系列的にストーリーを展開したほうがわかりやすいと思う。この分割/結合という観せ方がテンポのキレを鈍くしたようで残念である。

もう一つの見所は、”舞”である。序盤の群舞や、芝居の所々で剣舞が観られる。時代劇のような殺陣もあるが、それはストーリーを構成する演出として取り込まれている。「舞踊」そのものは見応えがあったが、芝居・舞踊の関連性が今ひとつ融合していないようで、公演の中で分離した演出に見えた。またサムライに原作の名前はビジュアル面も含めて不似合いだと思う。日本公演では、なぜ日本・サムライにする必要があるのか、という違和感が残る(ニューヨークでは喜ばれるか?)。
あくまで日本公演の視点での感想である。
最後に、シェークスピア劇にある有名なセリフなど、アフォリズムな言葉があると、印象深い公演になると思う。

ニューヨーク公演の成功を願っております。
裏マン寄席in中目黒

裏マン寄席in中目黒

劇団裏長屋マンションズ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2014/11/03 (月) ~ 2014/11/04 (火)公演終了

満足度★★★

ゆる~い笑い
赤塚真人座長をはじめとした落語好きによる、落語二席、落語芝居二物語。全てがゆる~い笑いに包まれる。今まで観た劇団裏長屋マンションズの公演は、泣き笑いの人情物だったが、今回は徹底的に笑いだけ。わざとなのか定かではないが、台詞忘れ、噛み、トチリなど普通の芝居であればヒンシュクもの。しかし、この劇団だけは大目にみてしまう。それは、観客を大切にしていることが十分感じられるからだろう。
常連客に愛され、支えられていることは一目瞭然だ。そして、赤塚座長の樂日打ち上げ会の誘いに、その会場案内を手にして嬉々とした観客がなんと多いことか…このサービス精神が集客力の源と実感した。

次回公演は、少し違う劇風になりそうな説明であった。それはそれで期待しております。

宇宙へのマーチ

宇宙へのマーチ

タッタタ探検組合

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/10/30 (木) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★

捻り、イロニーがあれば。
まず、舞台セット(仕掛け)は素晴らしい。そしてキャストのキャラクターを意識した演技は安定感があって安心して観ていられる。
脚本は、あまり捻りが感じられず、小じんまりとまとまったようで、本来の劇団のカラーが出ていないように思う。
宇宙開発が政府主導ではなく、民間企業の共同出資で行われるという現実感、そこに隠された思惑がチラつく。
公演はコミカル仕立てだが、その底流には、閉鎖的状況下における人間のエゴ、民族的問題を意識した描写が見え隠れする。この硬派的な投げかけをコミカルに軽く流すと言うイロニーが弱かったようだ。

この記載は、いつもレベルの高い公演をしている劇団への期待の表れである。

泥の子

泥の子

劇団 きみのため

劇場HOPE(東京都)

2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

逞しく生きる
1948年当時…生きるためになりふり構わないという、バイタリティを感じさせる公演だった。一方、貧しさ故の悲哀も十分描き込んだ秀逸な作品だと思う。戦後の食料というと、食糧管理法の下で、栄養失調で亡くなった裁判官のことを思い出す。闇米拒否する清貧さによるそうだ。
さて、単に善悪だけを論じることに意味がない状況下…この苦難を経て今の日本がある。この公演は、登場したような人達の姿を通して、現在の有り様を考えさせる一石を投じた作品だと思う。刑務所のほうが食事の心配がないようなセリフがあったが、現在では働く場所、就業形態の不安定化による生活困窮が問題になっている。正直者(法遵守した人が死亡)が……不条理にならないようにする必要があるだろう。
さて公演だが、舞台セットは悲惨な状況を感じさせる見事な作り込みであった。そのセット(窓からの出入りも含め)を十分活用した演出も見事であった。一部小物等(盗品靴が新品、黒先生の靴下が新しい)に違和感はあったが、そこはご愛嬌だろう。
全体的には、社会的訴求力のある好公演であった。

今後の公演にも期待しております。

ネタバレBOX

ところで、黒先生(塚本一郎)が臨終間際に姉御(西村有加)に告白するシーンは、やはり吐露することで、気が楽になりたかったか。説教をしていた人間が…やるせなさすぎるが、さらに人間の暗部をえぐり出し、予定調和で終わらせない。逆に印象付け見事な結末に導いた。
姉御が、遺骨を抱いて号泣するラストシーンは感動的であった。
夜食の時間

夜食の時間

張ち切れパンダ

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2014/10/31 (金) ~ 2014/11/05 (水)公演終了

満足度★★★★

序盤とラストの落差が凄い
願い通りに食したら…序盤とラストの劇風を激変させる演出には驚いた。詳しくは書けないが、個人的には受け入れられる内容で見応えがあった。

ネタバレBOX

ある地方の小料理屋が舞台…このセットの作り込みは見事で、本当に店内に居るような感覚になる。この店内で人情ものが展開すると思われたが、途中から急展開。観終わってみれば”サイコ”もしくは”ホラー”ミステリーという印象である。

さて梗概は、父親が亡くなり、実家の小料理屋を継ぐため、彼女を連れて戻ってきた男が主人公。その男、幼馴染の女性を乱暴した過去がある。その幼馴染は、それでもその男を慕っており、彼女(妊娠中)と幼馴染の女の戦いが凄まじい。最後は、男も巻き込んで殺人事件になるが…。
登場人物の性格付けは明確で、観ていて面白い。会社の先輩・後輩の思惑違い、女同士の恋愛(レズ)、やる気のない若者店員などその演技は見事であった。
その中で、特に天乃舞衣子サンについて記しておく。彼女と会うのは、映画「花と蛇 ZERO」封切り前のPRイベント以来であった。映画と違って、芝居はライブであり一瞬一瞬が勝負であるが、本公演では持ち前のキャラ(映画と同様エロチック…自分も自認して話していた)を十分発揮し、観(魅)せていた。

今後の公演にも期待しております。
2つの重力の間で

2つの重力の間で

屋根裏展望台

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/10/31 (金) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★

主観と客観の間で
作・演出の岩城泰斗氏の頭の中では整理出来ていたのかもしれないが、観客からすると、描きたい叉は訴えたい内容が伝わってこない。演出手法、テンポも緩慢だった。
着想は面白いが、それを表現しきれていない。
自分が描きたいことを大切にする、一方で観客の目線を意識することも大切であり、バランスが重要であろう。

舞台は、白線で12分割された四角い枠。後方は大きなデジタル掲示板という、ほぼ素舞台である。冒頭目覚まし時計を持って時刻をセットし、終演まで置いたまま…。

ネタバレBOX

公演時間90分が気になったのが、残念である。
10年後に隕石が衝突し地球が消滅するという、限定状況における思考・行動を描きたかったようだが、同じ動作の繰り返し、無言状態におけるデジタル表示…。10年間を単にデジタルで年数を刻むだけである。時間の経過に伴う空気の流れ、意識・状態の変化など、表現の面白い部分が削ぎ落とされてしまった。デジタル表示による書簡のやりとりではなく、セリフの応酬が観たかった。

ダンボール箱を積み上げては、女性が崩していく。これの繰り返しは何をイメージしているのか?
段々と常識、非常識(線路を歩く、他人の家に上がり込み盗撮まがい)という境界が曖昧になり、狂気の様相を見せる場面があったが、深く踏み込んでいかない。
滅亡が直ぐではなく、10年後という絶妙な設定が良かったのに…。老人なら諦め境地か、幼子を抱えた人は、独身の男・女は…どういう心境・行動をとるのだろう。

今後の公演を期待しております。
ヴェニスの商人 [Kingdom Come]

ヴェニスの商人 [Kingdom Come]

獣の仕業

pit北/区域(東京都)

2014/11/01 (土) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★

創作舞踊が良い!
今年は、シェイクスピア生誕450年にあたり、色々なイベントが催された。そして劇団「獣の仕業」にとってシェイクスピア三作目にして、いったん総仕上げに位置付けるそうだ。
今回の「ヴェニスの商人」は原作にとらわれず、むしろ分解/再構築を試みたようだ。しかし、原作を知らなけばその意図は知ることは出来ない。そのため、前日に会場道順とともに原作粗筋がメール配信されてきた。実に親切な対応で感心した。
さて、公演はやはり有名なエピソードを散りばめないと説明出来ないようだ。その表現方法が創作舞踊と配役のシャッフルである。若さ溢れるパワーが観客を圧倒する。
しかし、やはり原作を知らなけば理解しずらい。それも悪役「シャイロック」の独白や内省なのだから尚更である。
さらに場面を絞り込むなどの工夫があったら素晴らしい公演になったと思う。
今後の公演を楽しみにしております。

In The PLAYROOM

In The PLAYROOM

DART’S

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2014/10/31 (金) ~ 2014/11/09 (日)公演終了

満足度★★★★

面白いが…もう少し工夫があったら
サスペンス・ミステリーと銘打った芝居…観客も参加しているような錯覚を覚えさせる面白さがあった。上演会場のある区域がプレイエリアとして設定するから、今回は新宿が舞台になった(前回は渋谷区)。
客席は、対面式の雛壇並び。中央をプレイルームに見立て、組み立てテーブルを配置しパイプ椅子を周りに並べる。さぁゲーム開始…。
先にも記したが、脚本は面白いが、演出に工夫が必要だったと思う。

ネタバレBOX

ストーリーは面白いし見応えもあった。次の点に工夫があれば、もっと興味深く観られたと思う。
第一は、
プレイヤーは、基本的に初め座った場所(椅子)から動かないこと。対面式観客席からは、ほとんど背中ばかり観ている役者がいる。なんらかの理由を付けて座る位置を変え、変化を持たせてほしかった。

第二に、
早い段階で亡くなった役者(当然、セリフな少なくなる)が活きた状況がないため、中盤以降、浮き上がった存在に思えた。

舞台は、観せる⇨魅せることに通じると思う。
さらに魅力ある公演を期待しております。
君が眉毛を剃った日

君が眉毛を剃った日

なば缶

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★

心がほっこり
河童伝説で賑わっていた温泉地に、慰安旅行で訪れた事務所の人達が出逢うハートフルコメディ。登場人物は多いが、それぞれ役割があり善人ばかりである。分かり易い芝居で楽しく観られる。序盤こそテンポが緩めだが、段々とのめり込める。
また、温泉宿のセットは随分と作り込んでおり、見事である。
ただタイトル「君が眉毛を剃った日」…これだけがどういう意味か謎だった。

今後の公演も楽しみにしております。

ネタバレBOX

探偵事務所の慰安旅行。温泉宿は、大学時代の先輩が経営しており、その家族や知人・従業員達との心温まる交流。安息を求めるには、持って来いの公演である。
愛フォンブース

愛フォンブース

劇団フルタ丸

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/29 (水) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★

人間観察かも…
新発売される「愛フォンブース」を買い求めるまでの人間模様。そして携帯電話に代表される通信機器などの利便性至上主義に対する批判が鋭い。
さて主筋は、実に愛すべき人間の心理・行動がコミカルに描かれている。
そぅそぅと頷くような場面が多々あり面白い。少し気になるところがあるが…。

ネタバレBOX

全体としては見応えのある楽しい公演であった。
しかし、次の点が整理できなかった。
第一は、
新製品発売の際は大勢の人が並び、メディアも来るとあった。しかし、今回は限定された人数しか並ばないという特異な状況で、携帯電話も持たない人がどうやって情報を入手したのであろう。
第二に、
このショップは、購買意欲・行動をモニタリング(少なくても二週間)していたというのが結末だが、その目的は何か。70万円弱という高価な「愛フォンブース」を無料で提供するメリットはなんだったんだろうか。

今後の公演にも期待しております。
カサブタかきむしれっ!

カサブタかきむしれっ!

演劇ユニット3LDK

ザ・ポケット(東京都)

2014/10/21 (火) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

カサブタは掻きむしりたくない
自分好みの公演であった。勘違い・すれ違いのドタバタコメディでありながら、身近な高校生活(恋愛、母娘の確執、モンスターペアレンツなど)や社会的な問題(震災、原発など)を正面から捉え、その提起も鋭く問う、という脚本・演出は実に見事であった。また、舞台セットも相当作り込んでおり、ビジュアル的にも楽しめた。登場人物は、濃いキャラクターの持ち主ばかりであるが、役者は見事に同化していた。そして誰一人浮くことなくバランス良くまとめた芝居であった。
〔山〕公演

ネタバレBOX

高校といっても農業高校という設定で、牛の出産(実習)を絡めた特殊な環境・状況における話。いろいろなエピソードが関連し、微妙な綾を紡ぎ骨太な作品に仕上げていた。そして予定調和ではなく、現実(子牛の死産)を厳しく受け入れること、東北の地で家畜による生計は難しいこと、など随所に重く厳しい事実を突きつけるが、コミカル・ポップ調の演出でそれほど暗くならず、楽しく観せるところが素晴らしい。

”かさぶた”は無理に掻きむしってはならない。じっと耐え、いつかは癒えて来るのを待つ。人間には治癒力があり、痛みや困難を乗り越える力が有るのだから。しかし、それは事を風化させることを意味するのではない。

今後の公演にも期待しております
御処河原家の瞬間(ごしょがわらけのまたたき)

御処河原家の瞬間(ごしょがわらけのまたたき)

ビニヰルテアタア

3331 Arts Chiyoda B104(東京都)

2014/10/23 (木) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

演劇通好みの公演かも
ほぼ素舞台。衣装は黒を基調とし、場内は周囲を暗幕で囲い、さらに照明度はおとし薄暗い。場内全体が幻想的な雰囲気を醸し出していた。音響は神楽…舞はそれに合わせたような動きである。具象的な思考・動作から抽象的な表現へ徐々に変化していくようだが、観方によっては難解だと思う。自分は、4姉妹とそれに絡む男性の妖しげな動作、また姉妹の性格、生い立ち、父親との関係について、セリフの応酬で明らかになる過程が面白かった。その濃密な会話劇と挙措の美しさが印象的である。
しかし、ラストはインパクトが弱く、流れてしまったようで少し残念だ。もっと愛憎を強調した形で結んでほしかった。
今後の公演も期待しております。

火宅の後

火宅の後

猫の会

「劇」小劇場(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

私小説劇
昭和の文豪・檀一雄をモデルにした私小説劇と言ったところか。作家の創作精神に翻弄される家族やその周りの人々を描いた話。あくまで作家の内面を掘り下げることをメインにした芝居として受け止めた。そして創作活動における狂気・破滅的な精神構造をよく現していた。と言っても作家自らの内省というよりは、第三者の視点を通しているので、苦悩の在りようは断片的(例えば「書けない」という直接的な表現)にしか伝わらない。
逆に狂言回しが作家の苦悩を代弁もしくは倍加させ、芝居の精神的支柱になっていた節がある。
いずれにしても、役者の演技力が伴わなければ成り立たない公演だが、見事に演じきっていた。実に見応えのある公演であった。
今後の公演にも期待しております。

イブとイブとイブとイブ

イブとイブとイブとイブ

劇団MAHOROBA+α

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2014/10/25 (土) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

初見の劇団…
着想は良かった。この面白味を上手に表現できていれば、と思うと少し残念である。まず、非常事態における焦燥・不安という、漠然ではあるが”先行きが気がかり”が伝わらない。また、その状況からの脱出”オチ”が安易すぎて納得感・満足感が乏しい。人類滅亡に直面した時、平時のような常識や建前が通じるか、生身の人間の葛藤が観たかった。そのために、演技は表面を取り繕うのではなく、緊迫感溢れるものが求められるだろう。演出はシリアス、ポップという明確な区分けは必要ないが、少なくとも視座があると…。
また、演出効果として密閉状況を作り出す場面だけは、パントマイムだけでなく音響効果も併用して、重厚な特殊空間を想像させてほしかった。
冒頭記載したように、発想を大きく膨らませたら相当面白い公演になったと思う。
今後の公演に期待しております。

 片恋。

片恋。

演劇ユニット ランニング

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

清々しい
舞台は大阪の食堂…、上手は食堂内、下手は近所の空き地にベンチという二分割セットである。よく作り込んでいたように思う。
現在と過去が交錯しながら23年間という長い年月の純愛「片恋」を描いた話。淡々とした高校生活にスパイスを利かせるため、不良を登場させドタバタ・コミカル風にしたり、別のカップルを盛り込んだりの工夫を凝らしている。それでも何の変哲もない生活を芝居にするのは結構難しく、観せるには役者の相当な演技力が必要になってくる。客演している井保三兎サン、藤桃子サンはさすがに安定感があったが、個人的には、為近あんなサンに注目した。彼女はルドビコ女学院シリーズ(開校前公演も含め)3回拝見している。同シリーズは等身大の女子高生役だが、今回は多少訳ありの役どころ…、成長著しいと思う(偉そうにすみません)。
また、音楽は昭和の時代に流行した歌謡曲…懐かしく聞き入った。
最後にキャスト紹介の件。人物映像・スーパーは下手奥の白壁と思しき所へ映写していたが、上手側からは見にくいので、工夫が必要であった。
芝居はとても心温まる好公演であった。今後にも期待しております。

未開の議場

未開の議場

カムヰヤッセン

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/10/22 (水) ~ 2014/10/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

漂流議論か…
観客席は舞台(さながら議場)を対面から見下ろすような雛壇式である。
地元の活性化を目的としたフェスタ開催に向けて話し合う商店会(青年部)の様子を観覧するという感じである。その議論は一見漂流するがごとくまとまりがない。舞台には13名がおり、その性格・職業・立場の違いから意見の同調・対立を通してストーリーが進んで行く。「建前」「本音」と「理屈」「感情」という本能・表現を上手く描いていた。人間の喜怒哀楽が垣間見えて面白かった。
映画「12人の優しい日本人」(中原俊監督・三谷幸喜他脚本)を連想した。この映画は、アメリカ映画「12人の怒れる男」(シドニー・ルメット監督)のパロディーで、どちらも法廷に関係するが、本公演は別内容であるが、話の展開手法は同じであろう。
全体的には、実に見応えのある会話劇だった。

ネタバレBOX

少し気になるのは、外国人によるレイプ事件について、物語をデフォルメする狙いから描いたと思うが、人種差別に受け取られないかという危惧をもった。劇中にもあったが、一時が万事そうではない、という趣旨の言葉が印象的であった。
ゴーゴリ/作  「外套」 "The Overcoat"

ゴーゴリ/作  「外套」 "The Overcoat"

プーク人形劇場

プーク人形劇場(東京都)

2014/10/21 (火) ~ 2014/10/22 (水)公演終了

満足度★★★★★

絶賛
この公演は随分前から観たいと思っており、念願が叶った。と同時にやはり観て良かったと思うほど素晴らしかった。当日は大雨にも関わらず「満員御礼」が掲げられ、それでも観たいという観客のためにパイプ椅子が用意されるという盛況振りである。
さて、ゴーゴリ作「外套」をモチーフにしており、「魂の彷徨」「精神の解放」という人の深層に触れ、それをコミカルに演じる。この劇団は、公演先の言葉で上演することを特長としており、今回は当然”日本語“であるが、見事な台詞回しである。台詞は、言語“音”として捉え、それを発声するというもの。この方法で日本は9カ国目というから凄い。

ネタバレBOX

原作「外套」のあらすじはシンプルであるが、今作はその後の展開を中心に描いている。シンプルゆえに愚直な主人公の哀れさ、無念さがストレートに伝わる。その純粋な思いが見事に描かれ感動!感動!の連続である。
とても素晴らしい公演である。
Jupiter【ジュピター】

Jupiter【ジュピター】

アブラクサス

インディペンデントシアターOji(東京都)

2014/10/16 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★

話の展開が唐突だった
1964年の東京オリンピック前後のキャバレーを舞台にした話。そして、このキャバレーに突然現れた義理の妹との顛末が、後半のストーリーを牽引する。しかし、その展開は唐突・強引という印象である。
時代背景・状況の説明不足もあったが、なにより公演で何を伝えたかったのか、その点が不明確だったようだ。
描きたい内容が二分(前半は斜陽したキャバレーの風俗ドラマ、後半は医療行政や社会批判を通した人間ドラマ)したようで、その関連性を上手く処理出来たら面白かったと思う。公演全体を通して大きく又は強く訴求するものがあると魅力的だったと思う。
また、個人的には潰れる寸前と繁栄時期のキャバレーの対比を描き、その落差を観せることで、印象付けて欲しかった。

次回公演にも期待しております。

みわたすかぎりのセカイ

みわたすかぎりのセカイ

Cooch

劇場HOPE(東京都)

2014/10/17 (金) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

フライヤー…
デザインと説明文に上手く誘導され、望外の喜びを得ることが出来た。この説明からすると悲惨な出来事、愛憎劇を連想した。もちろん書かれていることは、ほぼその通りであるが…。
脚本は、終盤までその事実を包み込み展開させ、なるほどと感心した。また演出は結末を面白く、また効果的にする伏線を張り巡らせている。全体的にポップ調ではあるが、描きたい内容は伝わった。

ネタバレBOX

崩落事故で亡くなったのはペットの犬で、その引取りにきた飼い主の話。
フライヤーのデザインはどう見ても人間の足、説明文は「沢山の客の命が失われた。遺体安置所には未だ身元の解らないままの男女の遺体」とあれば、”人間”が事故死と思うだろう。ずるいと思いつつも、先入観で観ていたので、結末には意外性があって楽しく拝見した。

今後の公演も望外の喜びをお願いします。
hope ~希望

hope ~希望

劇団だっしゅ

萬劇場(東京都)

2014/10/16 (木) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★

タイトルが…
終盤の一場面とその後に続くテロップのみに繋がる。フライヤーに大きく印刷されている「幸福満載商店街」の街再開発に関する話はどうなったのか。前説で「建築」に係わる話をしているが、その結末が中途半端な描き方になったようだ。また、タイトル「hope~希望」を連想させる話は終盤になってクローズアップしてくる。この関連付けが強引だったと思う。

演出は自由奔放で、さしずめ空高く飛んだ凧が風に揺られるが如く、不安定である。そして、どこに着地するのか定かではない。
このふわふわした浮遊感をどう捉えるかによって観方が違ってくるだろう。
自分としては演出上、多少の遊び心はあっても良いが、物語として主筋があって観劇したという印象が欲しかった。

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