泥の子 公演情報 劇団 きみのため「泥の子」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    逞しく生きる
    1948年当時…生きるためになりふり構わないという、バイタリティを感じさせる公演だった。一方、貧しさ故の悲哀も十分描き込んだ秀逸な作品だと思う。戦後の食料というと、食糧管理法の下で、栄養失調で亡くなった裁判官のことを思い出す。闇米拒否する清貧さによるそうだ。
    さて、単に善悪だけを論じることに意味がない状況下…この苦難を経て今の日本がある。この公演は、登場したような人達の姿を通して、現在の有り様を考えさせる一石を投じた作品だと思う。刑務所のほうが食事の心配がないようなセリフがあったが、現在では働く場所、就業形態の不安定化による生活困窮が問題になっている。正直者(法遵守した人が死亡)が……不条理にならないようにする必要があるだろう。
    さて公演だが、舞台セットは悲惨な状況を感じさせる見事な作り込みであった。そのセット(窓からの出入りも含め)を十分活用した演出も見事であった。一部小物等(盗品靴が新品、黒先生の靴下が新しい)に違和感はあったが、そこはご愛嬌だろう。
    全体的には、社会的訴求力のある好公演であった。

    今後の公演にも期待しております。

    ネタバレBOX

    ところで、黒先生(塚本一郎)が臨終間際に姉御(西村有加)に告白するシーンは、やはり吐露することで、気が楽になりたかったか。説教をしていた人間が…やるせなさすぎるが、さらに人間の暗部をえぐり出し、予定調和で終わらせない。逆に印象付け見事な結末に導いた。
    姉御が、遺骨を抱いて号泣するラストシーンは感動的であった。

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    2014/11/03 20:16

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  • ご来場ありがとうございました!

    楽しんでいただけたようで、本当にうれしく思います。
    矛盾のある事は今も変わらずありますが、あきらめずにやれることを必死で行いたく思います。

    次回も精進してまいります。
    応援よろしくお願いいたします。

    2014/11/12 15:09

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