ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」
東宝
日生劇場(東京都)
2017/02/07 (火) ~ 2017/02/28 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/02/24 (金)
切なくて温かい、大きな大きな愛のお話でした。川平慈英さんの底抜けの明るさが奇想天外なキャラクターに合致していて、舞台に朗らかな歌声が響きました。随所での魚の映像がとても綺麗で、あんなに映像を効果的に使うのに、告白のシーンでの黄色い水仙はきちんと黄色い水仙を用意する。舞台の強みを存分に活かしていました。演出は「ペール・ギュント」寄りかな?賑やかでところどころちょっとシュールな空想の世界観でした。浦井くんもとっても良かったです。ご本人は天然の香りが拭えないのに、どうして役作りはあんなに繊細なのか……。
アフタートークには白井さん・川平さん・霧矢さん・ROLLYさんがご出演。
白井さんはやはり熱心な方で、幕が開いてもこまめに見てダメ出しをするとか、映画と舞台の脚本が同じ方なので変更点があっても納得しながら作れたとか、霧矢さんが「歩き方が恰好良すぎる」と白井さんに指摘されまくったとか、そんなお話でした。
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」
梅田芸術劇場
赤坂ACTシアター(東京都)
2017/01/15 (日) ~ 2017/02/14 (火)公演終了
満足度★★★★
初の馬場ベンヴォ、本日は他のキャストはすべて観たことのあるキャストだったので集中することができました。お調子者感はあれども、どこか頭の切れる印象。馬場徹は無頼の足りないところを埋めるお芝居をする俳優さんなので、単品の満足感はもしかしたら(もちろん贔屓目もあるでしょうが)矢崎さんの方があるのかもと思いました。でも平間マキュと合わせるなら、振り回される感の少ない馬場ベンヴォかな〜。
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」
梅田芸術劇場
赤坂ACTシアター(東京都)
2017/01/15 (日) ~ 2017/02/14 (火)公演終了
満足度★★★★
鑑賞日2017/01/25 (水)
(Wキャスト)ロミオ 大野拓朗/ジュリエット 生田絵梨花/ベンヴォーリオ 矢崎広/マーキューシオ 小野賢章/ティボルト 渡辺大輔/死 大貫勇輔
3度目で初めて観るのは、賢章くんのマーキューシオと生田絵梨花さんのジュリエット。中性的だった平間マーキューシオと違い、とても少年らしい雰囲気のマーキューシオでした。最期に「なんで飛び出してきたんだ、お前のせいで刺されたんだぞ」とロミオに言うところは、平間くんは糾弾する言い方でしたが、賢章くんは優しい調子で受け入れてるようにも感じられました。元ひまわり同士なこともあるのか、矢崎さんとの声の相性がよかったようにも感じました。大野ロミオ・矢崎ベンヴォ・小野マキュはとてもバランスがいい。きちんと幼なじみ三人で仲が良さそう。
生田ジュリエットは、一生懸命でとても好感。お芝居や歌に気持ちが乗っかってくるともっと良くなるんじゃないかなあと期待です。そしてとにかく可愛らしいので、特にロミオとのデュエットは観ていてニコニコします。
そして本日も渡辺ティボルトの迫力。一見の価値ありです。あと今日は矢崎さんのソロナンバー「どうやって伝えよう」がものすごく良かったので、次回が楽しみ。
虚仮威
柿喰う客
本多劇場(東京都)
2016/12/28 (水) ~ 2017/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/01/06 (金)
できればクリスマスの時期に観たかったと思いつつ観劇始めです。
七味さんvs玉置くんは最高か……!となるし、深谷さんの迫力にびびるし、夏さんは可愛く小憎たらしいし、葉丸さんとのスペクタクル対決見応えあるし、長尾さんは可哀想だし、いろんなものが詰まった駆け抜ける90分でした。牧田はほんとうに上手くなったね……(怒鳴る演技を見て)
ゴールデンスランバー
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2016/12/10 (土) ~ 2016/12/25 (日)公演終了
満足度★★★★
スピード感満載
でも、ていねいに描くべきところはきちんと描かれている。キャラメルボックスらしい緩急でした。伊坂幸太郎さんの作品はどれも幸せと不幸せの配合が絶妙で、それも舞台にしっかり反映されていました。加えて、舞台ならではの視点(というか語り口)に、異例の本番中に携帯での写真撮影OKタイム。舞台の楽しさがたっぷり。キルオ一色さんはすごかったので、また機会があればぜひ観たい。
「痴漢は死ね」の書き初めお手紙からの「浮気してますよ」からの「たいへんよくできました」の容赦ない流れは、知っていても泣ける。
車の中のメモ、「俺は犯人じゃない」に対してあれは「だと思った」でなければいけなかったんだなあと何となく思いました。「知ってる」や「知ってた」ではだめだったような気がします。いい舞台納めでした。
ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2016/11/26 (土) ~ 2016/12/22 (木)公演終了
満足度★★★★
第二部 -戴冠-
引き続き第二部。ヘンリー四世とハル王子のやり取りときたら、歴代の重みを感じさせます。ラストシーンに高みに上るハル王子の孤独さときたら。一部の終わりでも思ったけど、振る舞いが求められるときに、なんの躊躇もなくそれを入れられるのは血筋。フォールスタッフに分からないのは仕方ないかな……。
しかし、セットで観るとS席が1280円もお得。もともとのチケット代もさすが新国立でたいへん良心的ですが、どうせ観るならまとめてですよね。終日堪能しました。
ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2016/11/26 (土) ~ 2016/12/22 (木)公演終了
満足度★★★★★
第一部 -混沌-
通しで観てきました。劇場内の世界観がまず素晴らしい、半円形を役者たちもよくよく理解しているお芝居。こちらに近付きすぎず、かといって遠すぎもしないちょうどいい距離感。
「リチャード三世」で観た岡本健一さんは、今回は反乱軍。燃え滾っていてたいへん恰好よかったです。激しかった。フォールスタッフ佐藤さんの小気味よさやヘンリー四世中島さんの哀愁など、言葉では説明されない個性の空気。ジョン王子も凛々しくて素敵でした。放蕩息子であるハル王子が、決戦の場において途端に振る舞いが変わるのは、王家の血筋とでも言うのかな。生まれ持ったものを感じさせられました。たっぷりの時間をストレスなく過ごせたことで、いいお芝居を観た、という満足感に浸れました。
スカーレット・ピンパーネル
梅田芸術劇場
東京国際フォーラム ホールC(東京都)
2016/11/24 (木) ~ 2016/11/29 (火)公演終了
満足度★★★★
よいミュージカルでした
チケット手配に動いた時には既に手遅れで、なんとか凱旋の国際フォーラムに滑り込んできました。会場が会場なだけに、音が素晴らしかった……。ワイルドホーンは演目によって、何度か聴かないと入ってこないものが(個人的に)あるんですが、今回は馴染み良い。かなり冒頭ですれ違うふたり。もだもだや三角関係をストレスなく見守ることができ、たいへん楽しかったです。
矢崎さんは今年2度目の弟。姉を思い大切にする部分と、青年らしく義憤に萌えパーシーを慕う姿がとても良かったです。アルマンちょっと間抜けすぎるけどね……。でも、ある意味お坊ちゃんの弟らしい様子と覚悟が共存してました。石丸パーシーは、自分の中で一番近くに観たモンテ・クリスト伯のイメージが残っていたため、こんなに軽快な繊細な役!と改めて感服しました。石丸・安蘭・石井でナンバーを聴ける贅沢さ。切なかったり腹を立てたり笑ったり、そして最後にはスカッとする素敵なミュージカルでした。
遠野物語・奇ッ怪 其ノ参
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/10/31 (月) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★
不思議な空間でした
6月に「太陽」を観劇し、其の一も其の二も観ていないのに其の三を観てきました。とてもあの人数で演じられているとは思えない仕上がり、怖さというよりも違和感がずっと付きまとう奇妙な空間でした。仲村トオルさんは声が素敵。瀬戸くんは本当に作品を選ばない俳優さんだなあ。
ミス・サイゴン
東宝
帝国劇場(東京都)
2016/10/15 (土) ~ 2016/11/23 (水)公演終了
満足度★★★
観やすかった!
演目は二度目。小野田クリス目当てで行き、非常に満足しました。二度目ということもあってか、時系列も気持ちの流れもとても分かりやすく入り込めました。だれも悪くない。前回観たのが知念キムだったので、今回知念エレンが「わたしが彼女の立場だったら」と言うのは超シュール。正直なところ、前回はがっかりが大きかったので、今回笹山キムが観られてよかったです。
お気に召すまま
ワタナベエンターテインメント
本多劇場(東京都)
2016/10/14 (金) ~ 2016/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★
初日を観てきました
いいバランスであっという間の2時間でした。
西井幸人くんちょうひさしぶりに観ましたが(もしかしたら生で観るのは初めて??)、印象とちょっと違ってびっくりしました。しかし横を通る時にたいへんいい匂いがしました。一番心配していたのは牧田のタッチストーンだったんですけど、どうしてこれがいい塩梅でした。お話の邪魔をせずにいいアクセントになっていた。見直したのでもう暫く褒めていきたい次第です。あと、遠藤さんのオードリーめっちゃ好きです。あの表情の作り方ときたら!!
鈴木さんは存分に歌ったし(ぜいたく!)とても楽しい空間でした。
エリザベート
東宝
梅田芸術劇場メインホール(大阪府)
2016/09/11 (日) ~ 2016/09/30 (金)公演終了
満足度★★★★
たいへん楽しかったです
東京公演が取れずに大阪まで出掛けてきました。一番のお目当ては成河ルキーニ。高嶋ルキーニも山崎ルキーニも観たことがありますが、どれとも違い、固定概念だったルキーニをぶち壊された感じがして鳥肌が立ちました。すごかった。
井上トートの安定感、古川ルドルフうまくなった、田代フランツ後半がたまらない、など種々非常に満足しました。蘭乃シシィは歌もお芝居もところどころブレるかな??と気になりましたが、個人的に花總シシィがハマり過ぎたからかもしれない。
アヒルと鴨のコインロッカー
公益社団法人日本劇団協議会
ザ・ポケット(東京都)
2016/09/14 (水) ~ 2016/09/19 (月)公演終了
満足度★
ところどころ良かっただけに……
結果としては非常に残念な仕上がりでした(個人的に)
俳優も脚本も演出も悪くはないのに、原作のイメージとはまるで違いました不思議。全体的に分かりやす過ぎて深みがなく、白けちゃったかなあ。凄くきちんと伝えていたんですけどね。ただ、椎名のお飾り感は拭えない。
宮本武蔵(完全版)
Age Global Networks
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/08/19 (金) ~ 2016/08/29 (月)公演終了
満足度★★★
コメディホラー
始まって5分くらいは、正直内輪のノリかな?と思ったりもしましたが、そんなことなかったです。会話のテンポが奇妙で目が離せない。山田くんとても良かった(周囲の雰囲気もあると思いますが) サイコパス宮本武蔵。
カテコの引き際は丁度いいかなと思いましたが、Dステと考えると何だか不思議な感じもします。
ガンバの大冒険
劇団四季
自由劇場(東京都)
2012/03/20 (火) ~ 2012/04/15 (日)公演終了
満足度★★★
ファミリーミュージカル
の、名のとおり。子どものための、ではあるけど決して子ども向けではない。言葉をただ優しくするのではなくて、きちんと伝えることに重きを置いているのはさすがに四季だなあと思いました。歌とダンスのクオリティは言わずもがない。イカサマめっちゃ恰好よかった……。
帰りにはお見送りで劇場でキャストが握手に応えていました。これは子どもにとっていい思い出になるな~(ちゃっかり潮路さんに握手をしてもらった大人)
艶情☆夏の夜の夢
柿喰う客
吉祥寺シアター(東京都)
2016/08/04 (木) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★★
安定の女体シェイクスピア
艶やかで華やか、女性8人とはとても思えない弾けっぷりでした。領主夫婦⇔妖精夫婦のキャスティングと男女交換はお見事。葉丸さんも夏さんもかわいそうかわいい。長尾さんは決まりきらないちょっと情けない男がよく似合う(ほめてる)
女体シェイクスピアで初の喜劇とのことで、テイストとしては軽くて気兼ねなく心から楽しめました。
アフタートーク---
シェイクスピアに出てくる女性は、すごいブスかすごい美人か、魔女。
女子会にしたかった。
恰好についてはあらゆるタイプの祭り。パックは夏フェスだし、妖精たちは縁日のガラの悪さ。
髪の色が様々なのも、ただの和装美人たちではなく、祭りの浮かれた感じを出したかったからだそう。
演目にも流行りがあって、「真夏の夜の夢」もいろいろなところで上演される。これを観たから他のはいいか、ではなくて色んなものを観てほしいとのこと。
シェイクスピアは、筋からずれなければ自由度が高い。力を貸してくれる。ただ、ずれると途端にそっぽを向く(中屋敷さんらしい考えだと思いました)
彼は波の音がする 彼女は雨の音がする
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2016/07/30 (土) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★
彼女は雨の音がする
「彼は波の音がする」とマチソワで観たため、ただの繰り返しになっている部分が感じられてちょっと残念。こちらサイドのヒロインの描き方がもうちょっと魅力的だったらまた違ったのかな~と思いました。記憶の中での武田航平くんがもっと上手だったので、肩透かし。
彼は波の音がする 彼女は雨の音がする
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2016/07/30 (土) ~ 2016/08/14 (日)公演終了
満足度★★★
彼は波の音がする
「ただ笑いかけてくれたパン屋の店員さん」のために主人公が動くことが出来るのがキャラメルボックスの最大の愛しさだと思います。設定はむちゃくちゃだけど引き込まれるし、天使役の福澤朗さんがとってもいいアクセントです。
レディエント・バーミン
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2016/07/12 (火) ~ 2016/07/31 (日)公演終了
満足度★★★★
ブラックな夢の家
白井演出なので、やろうとしたらもっとガチガチに後味悪い感じにいくらでも出来るだろうに、そうしないのは客層とのさじ加減の部分もあるんだろうな、と思いました。客席との融合っぷりときたら!!(相変わらず開演前の注意アナウンスも、ブザーもありません。すごい)
時間の経過とかドアと階段の通過とかはやったりやらなかったりのざっくり具合のくせに、地図を横にして見る奥様のリアルさ。あの奥様は相当愛される。なにせ無邪気。100人殺しても汚れを知らないのである。そしてこれからも殺し続けるのでした。あっリフォームし続ける、か。「パーティプレゼント」を準備して「パーティ」をするマーキュリー・ファーと、「リフォーマー」を招き入れて「リフォーム」し続けるレディエント・バーミン。
吉高由里子さんあんまり得意じゃなかったんですけど、全然気にならなかったです。奔放で可愛げもあり、ちょっと我儘。終盤、2人で何人もの登場人物を目まぐるしく切り替えるシーンは見応え以外の何ものでもなかった。人は慣れる生き物である。
新・幕末純情伝
ネルケプランニング/Grick
紀伊國屋ホール(東京都)
2016/07/06 (水) ~ 2016/07/17 (日)公演終了
満足度★★★★
とにかく若い!
凄くフレッシュさの伝わる幕末純情伝でした。土方も桂も勝も若いし、沖田も瑞々しさを感じさせるものだったからでしょうか。そのため、ドロドロしておらずいっそ爽やかささえ感じられる仕上がりでした。池田屋がこんなにラブシーンに思えたのは初めて。もの凄くときめきました。石田彰さんどんなもんだろうと思っていたら、どうしてよく口が回る回る。つか作品の中で、ダントツせりふが好きな演目なので安心して滾れました。松井さんも、自分がどう観られるのかというのをよく分かっていらっしゃるようで、強みだなあと思いました。ときめいたからこその反動で、号泣でした。