嗚呼いま、だから愛。
モダンスイマーズ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/04/22 (金) ~ 2016/05/03 (火)公演終了
満足度★★★★
川上友里さんに尽きるかな。
川上友里さんは、はえぎわの「飛ぶひと」を観たとき、何か今ひとつだったので、そこまで期待してなかったのですが、最初のモノローグからスッと引き込まれ、もう全身全霊で演じられてる役にずっと魅入ってしまい、何とも言えない居心地の良い空間で舞台を楽しませてもらいました。
セックスレスがネタの話ではあるのですが、ただそれだけに収まらず芝居に出てくる人たちの愛とか思いとか気持ちとか…それらのベクトルの微妙なズレから来る切なさとか苛立ちとか悲しみとか、そんなもの感じましたぁ。
まあとにかく川上さんは役にぴったりで思いのほか良かったです。
舞台装置(周囲をぐるりと囲んでいた、あの小物たち。。)も良かったです。
モダン水マーズについは、どの部分に魅せられてるのか自分にも良く分からないんですが、生理的に好きなのでしょう。
次も多分、観に行くと思います。。
『どうぞ、おかまいなく』
皿小鉢
OFF OFFシアター(東京都)
2016/04/22 (金) ~ 2016/04/24 (日)公演終了
満足度★★★
未消化のまま。。
観劇中は、かなり話に引き込まれながら興味深く観てたのだけど、何とも自分の中で未消化のまま終わった感じが強くて。。
分からない箇所が、自分には多すぎたかな。。
松本D輔さんの存在感は良かったです。。
家庭内失踪
森崎事務所M&Oplays
JMSアステールプラザ 大ホール(広島県)
2016/04/08 (金) ~ 2016/04/08 (金)公演終了
満足度★★★★
いつもの岩松了さん。
前半はスローで、徐々に舞台に引き込まれていく。
登場人物たちの、さざ波のような心の動きに触れながら。。
いつもの岩松了さん節。
逆鱗
NODA・MAP
J:COM北九州芸術劇場 大ホール(福岡県)
2016/03/31 (木) ~ 2016/04/03 (日)公演終了
満足度★★★★
ことばに輝きがなかった。。
今回はなんだか魅力的な言葉とか、言葉のリズムとかそう言ったところでワクワクさせてくれるところがなかったかな。。
話も、昔々こんな悲惨で悲しい出来事がありましたよ。・・・てことで終わってるし。。そうなると、じゃあそれで?…となってしまう。戦争の被害者側の悲劇より、誰でも加害者側になってしまう怖さをヒシヒシと感じ始めてる今だとすごく古く感じる。。
役者も良いと言えば良いんだろうけど、野田地図さえ、商業演劇とか劇団ではない形でのホール公演の限界を感じてしまった。。
ヴィジュアル的には全然平均点を超えてるんだろうけどね。。
見所は最後の松たか子の声だけだったか。。
クラッシュ・ワルツ
刈馬演劇設計社
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2016/03/26 (土) ~ 2016/03/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
緻密な万華鏡のような会話劇。
緻密な万華鏡のような会話劇。
万華鏡とかすごく古い表現なんですけど。。(苦笑)
5人の登場人物、それぞれの立場から観ると、事が進むごとに、ここにある世界の見え方がみるみると変わってくるし、そこへ色んなひとの気持ちと感情が入り乱れてて、誰にでも起こりうる身近な世界での話だな・・と思いつつ、もしかしたら、日本や世界レベルでも、こういうのってあるかなぁ・・と思わせる奥の深い舞台だったと思います。
観ていて気持ちが入りすぎて、激しく消耗するくらい見応えがありましたし、 舞台装置も素敵でした。
後味は、う~ん、良いかな。。
談ス
C/Ompany
広島市南区民文化センター ホール(広島県)
2016/03/25 (金) ~ 2016/03/25 (金)公演終了
満足度★★★★★
表現は確たる肉体に宿る。
目の前の三人が談スしてるのを観てるだけで面白かった。
息をしている、からだを躍らせてる、言葉を発してる、存在してるだけで面白かった。。
かなり笑ったけど、かなりガチやったし、ダンスの異種格闘技みたい。
めちゃくちゃ面白かった。。
表現は確たる肉体の上に宿る。。。っていう感じ。
I WILL
公益財団法人広島市文化財団 アステールプラザ
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2016/03/20 (日) ~ 2016/03/21 (月)公演終了
満足度★★★★
見えないけど有形なもの。。
近藤良平さんって、誰にでもダンスを身近に感じさせて魅せてくれるから良いなぁと思います。
飽きさせない素敵な時間と空間の中で、見えないけど何か有形なものを与えて貰った思いです。
同じ夢
世田谷パブリックシアター
JMSアステールプラザ 中ホール(広島県)
2016/03/08 (火) ~ 2016/03/09 (水)公演終了
満足度★★★★
居心地の悪い舞台。。。
すごく居心地の悪い舞台を、心なしか役者さんたちが愉しそうに演じてるのが印象的でした。
多分、観てる側にもそれが伝わって来るのか、想像してたより味わい深く面白かったです。。
麻生久美子さんは、役にぴったりでした。
五十嵐伝
公益財団法人広島市文化財団 アステールプラザ
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2016/02/18 (木) ~ 2016/02/21 (日)公演終了
満足度★★★★
面白かったのだけど。。。
再演ということで、初演で戯曲をきっちり仕上げてるので、やっぱり面白かったです。
ただ、面白かったんですが、なんとなく役者さんの役のつくり?の深さがそれぞれバラバラで、なんか全体のバランスが悪かったかなぁと・・とふと。
まあ、それも全体の一体感があれば、あまり気にならなかったのかなぁ・・とも思うけど、役者さんたちの一体感ももう少しだったし。。サークルものだからね。。
前々回のプロデュース公演「デンキ島〜松田リカ篇〜」広島版の一体感が素晴らしかったので、つい比較しちゃうんだろうけど。。
書く女
ニ兎社
はつかいち文化ホール・さくらぴあ(広島県)
2016/02/18 (木) ~ 2016/02/18 (木)公演終了
満足度★★★★★
素晴らしかったです。
素晴らしかったです。幸せすぎる時間でした。
ホール公演なので、存在感のある役者さんばかりで、黒木華さん、平岳大さんもだけど、みんな良かったですし、なにより言葉が紡ぎ出す戯曲が美しかった。
北九州で観たリーディングで多田さんが演じてた情熱的で真っ直ぐな樋口一葉に、黒木華さんがしたたかな強さを付け加えた感じですかね。。
けっきょく「書く女」は、樋口一葉でも、黒木華さんでもなく、永井愛さんではないかと思うのです。そして、誰よりも情熱的。
で、今回なぜか黒木華さんから白石加代子的な匂いを感じたんですけど、なんででしょう。。
彼の地
北九州芸術劇場
J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
2016/02/02 (火) ~ 2016/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
彼の地、そしてこの地
見応えがありました。
観終わったとき、すべての登場人物の生きてきた過去、これから歩むのであろう未来が薄らでも見える舞台って、いままで観たなかであまりなかったかなぁ・・と。
あと、すべての登場人物、役者さんを好きになる・・というか好きになってしまうというお芝居。
土地は人がいなければただの土で、色んな、たくさんの人たちが生きる時間、汗、涙を、つづれ織りのように合わせ土地に染み込ませたたものが、彼の地、そしてこの地なのかなとふと。。
観れて良かったです。
フローズン・ビーチ
シアターユニット抹茶ウーロン
東区民文化センター スタジオ2(広島県)
2016/02/05 (金) ~ 2016/02/07 (日)公演終了
満足度★★★★
色んな意味で飛んだ芝居。
設定や、物語の展開がかなり飛んでました。
1回目の休憩を境にした、前半と後半のテイストに戸惑いながらも(ただ、ここは戯曲のせい。。。)、キャラが濃くインパクトの強い女性たちを眺めながら、1987年、その8年後、そのまた8年後というそれぞれの特殊な時代を感じながら、思い出しながら、笑いながら楽しませていただきました。
自分としては、少し変わった戯曲やな~っていう思いも強かったり、描かれてた時代があまり良い時代とも思えず、笑うだけでなく、なんとも言えないモヤモヤ感は残りましたし、色んな意味でこういうのが舞台なんやろうな・・と再認識した感じです。
話や設定や時代がかなり飛んでるので、これを舞台装置で表現する難しさはあったのかな・・と少し思いました。
役者さん(特に出雲さん・・)、抹茶ウーロン自体は、今回かなり頑張ってた思うし、ここまで良ければ次も期待したいです。
いいひと
不思議少年
J:COM北九州芸術劇場 小劇場(福岡県)
2016/01/22 (金) ~ 2016/01/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
詩的でリアル。
詩的で、ああ、この台詞良いなぁ・・って思うことが多くて、でも表面的なものだけじゃなく、すごく人のリアルなところに近づいてる芝居、舞台だったかなぁ・・と。
人の生と妙にリンクする舞台装置と、心の琴線に触れる音楽も良かったです。
舞台はつくりものなんだけど、そこにはなんか嘘はない感じがして、味わい深い舞台でした。
R.P.G.
公益社団法人日本劇団協議会
広島市南区民文化センター スタジオ(広島県)
2016/01/20 (水) ~ 2016/01/22 (金)公演終了
満足度★★★★
宮部みゆきさんの世界を堪能
「宮部みゆきさんの世界を堪能」しました。。って言いながら本は全然読んでないのですが。。(苦笑)
舞台装置も演出も好きで、丁寧に魅せてくれる感じの舞台で、話の設定も面白く、はじめから終わりまで楽しめました。
タンバリン
劇団 go to
広島市東区民文化センター・ホール(広島県)
2016/01/09 (土) ~ 2016/01/10 (日)公演終了
満足度★★★★
丹波鈴(たんばすず)76歳。
「タンバリン」っていうタイトルが観終わったあと妙に胸に響いてきました。。
自分の年齢的なこともあって、色々考えさせられるところもあるんだけど、生きる勇気は与えてくれるというか。。
たくさんの観客で観るとより楽しい・・といった感じなので、みんな観て欲しいな。。
AGAIN/やりなおし
ブルーエゴナク
アトリエ劇研(京都府)
2015/12/25 (金) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★
最初の青木さん(仮)
エゴナクは1回目に雰囲気を味わって、2回目で自分なりの解釈を交えながら細部を観るのが楽しいです。
ただ今回は、一番最初に出てくる、何かしらの動き(手話っぽい)をしていた青木さんがずっと気になったまま1回目を観てたので、結果的にはそれが良かったのか、今までになく観易かったです。
少し重い話っていうのもあるのでしょうけど、1回目は、遠くの明かりを求めトンネルを歩いてるような、なんとも緊張した息苦しさを感じました。。が、
2回目は、青木さんが心に染み付いたまま観たのが良かったのか、自分の中でも思い出のような距離感で、ほかの登場人物の気持ちにも寄り添えるような位置で観れたので、なんとも痛く、切なく、不思議と懐かしさまで感じてしまいました。
配役は絶妙で、音楽、照明はいつもながら素敵で、今回も充実した時間を過ごせました。
あと、この前の枝光は観れてないのですが、その頃からか戯曲を読んでると、エゴナクらしい台詞のリズムを模索しているような感じもし、次回も楽しみです。
「妥協点P」広島公演
劇団うりんこ
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2015/12/25 (金) ~ 2015/12/26 (土)公演終了
満足度★★★★
重いテーマを面白く。(仮)
面白かったです。
舞台は学校ではあるけど、重いテーマと今の混迷した社会等を背中で薄々感じながら、面白く可笑しく観せてくれたなぁ・・といった感じです。
キャラ的には、三好先生が出てきたときからツボでした(笑)。
オレアナ
パルコ・プロデュース
JMSアステールプラザ 大ホール(広島県)
2015/12/08 (火) ~ 2015/12/08 (火)公演終了
満足度★★★★★
相互不理解の末に。。。
ふたりが相手をどこまで理解しようと思ってるのか、それとも出来ないのか、最初から理解するつもりもなかったのか、観てて途中からさっぱり分からなくなってしまった。。
相互不理解の末に。。っていうことなのかな。。。(・_・)
役者のふたりは年令に関係なく、身長差だけで志田未来の方が幼く見えるはずなのに、八百屋で観客に不安定な気持ちを少し与え、かつ、ふたりを対等にうまく見せてたと思うので、物語をそういう関係性で最初から観れたのは良かったかな。。
だから今回の「オレアナ」って、志田未来ありきだったのかなと、つい思ってしまう。
いや、ほんと面白かった。
こういう会話劇、ほんと好き。
死刑執行中脱獄進行中
天王洲 銀河劇場
JMSアステールプラザ 大ホール(広島県)
2015/12/05 (土) ~ 2015/12/06 (日)公演終了
満足度★★★★
繰り返される日常の中の変化
わたしもそんなに良く観てるわけではないので、なんともあれですが、コンテンポラリーダンスの要素を含むっていうより、そのものだったように思います。
繰り返される逃げられない日常の中に起きるいくつもの変化と苛立ちとそこからの解放。
‥のようなものを感じました。
原作を知らないのでなんとも言えないのですが、分かりにくいようで、実はダンス等に対するアプローチは、基本中の基本で、初見者に対して割と親切だった舞台なのではないかと。。。
ダンスは日常的な動きの変化から生まれる……っていう感じの。
ドラム、パーカッション と コントラバス、エレキギター・ベースのWネック と エレキギター(リード)、キーボード という必要最低限の三人編成で音楽は場面にぴったりで素晴らしかったです。
演出は、自分があまり経験したことのない異次元の別世界を観てるようで、目の前の舞台で起こること全てを記憶に焼き付けようと思ったのですけど、悲しいかな自分の頭の脳の容量が全然追い付かなかったのがなんとも残念です。
森山未來さんは存在、動きからして素晴らしく、 初音映莉さんは妖艶でミューズ的な印象を受けました。
なんだろう、観ていて神楽を観てるような錯覚もして、なぜか日本的なものも感じました。
原作まったく知らないのですが、原作を目当てに行ったひとはどうだったんですかね。。??
ROUND7 『逃げる』
INAGO-DX
JMSアステールプラザ 多目的スタジオ(広島県)
2015/11/14 (土) ~ 2015/11/15 (日)公演終了
満足度★★★★
父として思う未来。
「逃げる」・・っていうより、大きく「父として思う(子の)未来」のようなものを感じた気がします。
INAGO-DX自体は、ほかの人たちよりは多分観るのが遅くて、「踊り場があったら踊れない」ぐらいからC.T.Tを含め観てるんだけど、「踊り場・・」はなんかまとまりが無く言いたいことが良く分からなかったような、伝わってこなかったような。。。その他は演劇というよりコントの延長線のようなものを感じて、今ひとつ好印象がなかったのですけど。。
今回のはしっかり演劇をしてて、役者さんもみな熱演だったし、その運動量により小劇場タイプとしては割と広くつかって、臨場感もあり、市井の人たちの目線も感じ、謎な部分も残し、観る人によっては色んな感じ方、解釈ができる
面白いお芝居だったかなと思います。
ただやっぱり相変わらず、武田さんの重ね着衣装とか、ちょっとした言葉のチョイスとか、自分的には少し違うかな・・というところは多々あるのだけど、まあ、それは個人の趣味の問題だし、そういう重箱の隅をつつくようなことをしても、舞台の全体を見失っちゃうし。。
良い舞台だったと思いますし、これは好きです。
※音楽はビートルズを多様してたので、これは個人的にツボ(笑)