きやまの観てきた!クチコミ一覧

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末原康志×末原拓馬

末原康志×末原拓馬

ルネス空間創造委員会

ルネスホール(岡山県)

2018/11/22 (木) ~ 2018/11/22 (木)公演終了

鑑賞日2018/11/22 (木) 19:00

座席1階

価格3,000円

・・・やっぱりウル○ラマンは出てきませんでした。ABCも。

 冬(その前日あたりから、一気に寒くなって季節が進んだのでした)の、暖かい物語の一夜。 桟敷席を子供達が埋め尽くして、昔々の紙芝居屋さんみたいでした。そういえば紙芝居屋さんも、ナレーションと登場キャラの台詞全てを、たった一人で読み上げるのですから、ひとり芝居に似てますよね。 末原さんの声色バリエーションを久々に楽しませて頂きました。

 パパさんの迫力ある伴奏も良かったです。 生の楽器の音が空間を響かせるのは、その場に居る人間にしか味わえない感触。音楽と物語の“ 共演 ”、おもしろかったです。

 お忙しい中、わざわざ岡山で公演して下さって有難うございます。
 また、暖かくなったら来て下さいね。“ おぼんろ ”としても、大歓迎です。

 

ネタバレBOX

 ラストについては、「え? どゆこと???」と首を傾げた向きもおられると思います。 これはもう、観客ひとりひとりで、解釈が別れるとゆーか・・・想像力が試されているとゆ~か・・・。
 
 昔話や伝承には、こんな終わり方のものもありますよね。「いやそれってどーなったん?」とツッコミ入れたくなる様な・・・。 
 でもこれは物語の一節なのかもしれません。「ゴベリントン」みたいに、後々の世で新しい物語の種になるのかもしれません。 もしかしたら、成長途中のサナギなのかもしれません。

 だから、この物語を、心の中に留めておこうと思うのです。 
 
熱海殺人事件~モンテカルロ・イリュージョン~

熱海殺人事件~モンテカルロ・イリュージョン~

劇団SOFT GEAR

シアターひびき (岡山県)

2019/06/22 (土) ~ 2019/06/23 (日)公演終了

 とにかく、これを上演して下さって有難う、と最初に言いたいです。

 つかさんの「熱海殺人事件」には様々なバージョンがあるのですが、私が観たのは基本的に(その都度脚色されて枝葉末節が変わってたりするので)2バージョン位です。 この「モンテカルロ・イリュージョン」は噂には聞いていたけれど、観劇する事能わず、今に至っておりました。
 ですから、この作品を観れた事自体、奇跡の様で感謝しかありません。 流石ソフトギア、私のツボを心得ていらっしゃる。ホント、有難うございました。

 でもまぁ・・・手強かったですね。 “ ま、基本のところは「熱海」だから・・・ ”と、のほほんと構えてたら・・・え?殺人事件がひい~ふう~みっ・・・つ?
 展開は特有のハイペース&フェイク&ぶっ飛び。 いやソレ無理だろう?というツッコミは無意味。 私の拙い左脳は情報処理・・・しきれなかった。 結局幾つもの“ ? ”を残して終わってしまいました。
 ま、「熱海」だから・・・あんまし深く悩むの止めよう・・・。

ネタバレBOX

 以下は、あくまできやまの個人的な考えです。 失礼な点があれば苦笑いして許して下さい。

 最初、「熱海」を演るって聞いた時、「え?こんなメジャーで、岡山でもいろんなトコが上演してる脚本を?」と、正直首を傾げました。 もっとマイナーでコアな作品を紹介してくるだろうと勘ぐってたから。 それに、2002年に脳みそ50ccが上演した「熱海殺人事件」での、赤木さんの木村伝兵衛とロドリゲスさんの大山金太郎が強烈に記憶に残っているから、再演に近いものになるんじゃないか・・・と。

 観てみてナットク、これは2019年、現在の「ソフトギア」にしか演れない「熱海」なのだ。
 様々なバージョンは有れど、熱海のキャラクターは「パターン」が決まっている。 言わばRPGの役割の様に。 部長刑事は俺様キャラ、新人刑事はちょいヒネ熱血、水野さんは山口アイ子と二役で何でもアリのヒロイン、大山金太郎はお笑いを装った悪役・・・。
 だけど彼等は演じる俳優によって観客が受ける印象が全然変わってしまう。 当たり前といえば当たり前の事だけど、役者一人一人の個性が色濃く光るソフトギアだからこそ、面白いキャラクター達に仕上がっている。 客演さんも含めて、あぁ~ソフトギアだぁ・・・。

 ベタな言い方ですが、「熱海」は“ 怒り ”と“ 愛 ”で出来上がっているお話だと思うのです。
 二つは表裏一体というか、ねじけて入れ替わったり、ずーっと繋がっていってたり。 そうして起こったのが、三つの殺人事件(いや、正確には・・・かな)。 解き明かしていくにつれ、無茶振りとも思える動機も展開も、実はとても哀しくやりきれないものだったりするのです。

 それが最も強烈だったのが、木村伝兵衛役の小橋ミミさん。
 阿部寛が演じて話題になったバイセクシャルの部長刑事役。 ダンサーのしての筋肉と動きを身につけたミミさんが、「美しい」という台詞を恥ずかしげもなく受け止めるに、最も相応しいキャスティングでしょうね。
 ただ、ミミさんは阿部寛ではありません。 当たり前ですが。 だから、小橋伝兵衛には毒気も狂気も希薄。 だけど、ラストシーンでの独白で真実を吐露しつつも、冤罪を受け入れて愛に殉じようとする、哀しいまでの純粋さに胸を締め付けられる。 この人はずっとずっと、この悲しみを孕み続けてきたのだ、と。 そして今なお、失った恋人を想い続けているのだと。
 彼が越えたかった棒高跳びのバーの高さは「ベルリンの壁」の高さとも言われていたけれど、それは「あらゆる障壁」を暗喩しているのだろう。 男性と女性、LGBTと健常者、狂人と正常者、犯罪者と無実者―――物語の最後速水の語りで、彼は「壁」を越えて自由に解放された。 ただそれがこの世とあの世の壁さえも超えた結果なのだとしたら、やはりチト悲しい・・・。
 ついでに、欲を言えばチャイナドレスも見たかったな~~~。 まぁでも、あのシースルーシャツは犯罪!だったから許す(フフ腐・・・)。
EXisT

EXisT

EN劇集団さんたばっぐ

岡山県天神山文化プラザ ホール(岡山県)

2019/07/13 (土) ~ 2019/07/14 (日)公演終了

鑑賞日2019/07/14 (日) 11:00

 ストーリィがシンプルで解り易く、すんなり頭に入ってきたので、悩むことなく楽しめました。 狂言回しに“ 三田直人 ”を持って来て、シャッター毎に解説してくれたのが良かったです。 お蔭さまで状況を整理しながら観ることが出来ました。
 上演時間も当初80分の予定(予定を25分オーバーの105分・・・まぁ、前回で慣れたけど。)だったから、中編―――軽めの内容だったせいもあるのでしょう。
 私個人としては、このくらいのボリュームが好みです。 物足りない方々もおられるかもしれませんが。

ネタバレBOX

「二人のうち一人しか生かすことが出来ない」というと、成程それは「究極の選択」と言えるかもしれません。
 ただ、観ていて感じたのは、「真子の自我意識がパラレルワールドを行き来しているに過ぎないのでは?」ということ。
 だってどっちの世界も恙無く進んでいるから。
 真子だけが、過去に縛られて動いていないだけだから。

 真子の「選択」をわざと曖昧にしたのは、多分、観客に「選択の重さ」を感じて欲しいからなんだろうな。
 それも解る。
 
 でも、本心をぶっちゃけちゃうと、真子には早希との世界を選んで欲しかったな。
 早希もまた過去に縛られた現在を生きているから。
 この呪縛を打ち破ることこそが、二つの世界を見比べた後の、真子の自我意識にしか出来ない事じゃないかと思うから。
 綺麗事かもしれないけど、そういう一歩が好きだな。

 あと一つのラストの可能性。
 これはかつてさんたの「忘れ物」を観た者の発想。
 ラスト、真子はまるで幽霊の様に三田の前から去っていった。
 三田の心に「選択の重さ」だけを残して。
 ここでもうワンシーン。
 去り際に「今日の記念にこれで私を撮って頂けます?」と言って、古いインスタントカメラを差し出す。
 フィルム残数は“ 1 ”。
 三田くん、シャッター押せる???
野良の方舟 なつやすみさん

野良の方舟 なつやすみさん

ルネス空間創造委員会

ルネスホール(岡山県)

2016/08/26 (金) ~ 2016/08/27 (土)公演終了

「こどもまつり」!
 昨年、少し物足り無さを感じた夏休みこどもまつりinルネス、今年は豪華二本立て!キャストのほとんどの子供達が2本分の脚本を憶えた事になります。それだけでも、皆エライ!

 新作の「なつやすみさん」

 日常にくたびれたサラリーマンと、彼の家にやってきた“なつやすみさん”達の、ひと夏の物語。
  筋立てはありがちなショートショートだけれど、二十人(匹?)を超えるきゅわきゅわキラキラななつやすみさん達が、とにかくカワイイ。 元気一杯に大合唱してくれる岡山弁の台詞は、所々聞き取れない部分もあった(全員のタイミングが揃うのは難しいわな)けど、たっちゃん同様、何時の間にか元気を分けて貰ってる気がしました。
 わかばやしめぐみさんも“へんてこばぁさん”役で出演。いつもながらパワフル~~~。
 そうだね、今がどんなにしんどくても、今がどんなに楽しくても、時間は止めちゃいけないよね。

 二本目、「野良の方舟」

 これは昨年と同じ演目だし、一年前に出演した子供達も多く、余裕でパワーアップしてる・・・て、思う。
 特に、東京からやって来た、一番大きなお子さん(笑)。 超頼りなくおどおどしていた“くろ”、今年は低音ヴォイス(こころもち狂言調)で、なんか落ち着いてて、頼もしくすら見えました。
 そして、私が座っていた座席からは、出演と歌と演奏をかけもちで捌いている“神様”の大変さがまざまざと拝見出来ました。
 短い準備期間で大変だったと思いますが、皆さまお疲れさまでした。


 “学習発表会をぶっとばせ!”というキャッチコピー。
 学習発表会=学芸会は、芝居に於いては悪い意味で使われる事がほとんどですよね。それって、やはり「先生が子供に道徳的な演劇を強いる」「子供は、大人達の前で、教えられた通りに“上手く”演じる」「無料招待された父兄が自分の子供が“上手く”出来るか観に来る」・・といった具合に各々のベクトルがハッキリしているからでしょうか。
 この「こどもまつり」は、舞台芸術としてはプロのステージに並び様もないでしょうが、子供達の旬の“輝き”を観れるという点でとても興味深いシロモノです。
 本当に、ひとりひとり、その年その年で、子供って輝き方が違うんですよね。 発声も演技も堂々とした子、対照的にとっても大人しい子、素足の走りっぷりが韋駄天な子、いっつも笑顔を絶やさない子、舞台上でお隣とお喋りしてる子、自分の役をこなしつつ小さい子のフォローも欠かさない子・・・等々。
 末原さんのおっしゃる通り、正に「舞台としては有り得ない」俳優っぷり。瑞々しい感性で描かれた影絵とステージ美術。おぼんろを思わせる、ボロ布や不要物で造られた小道具達。
 この日この時、此処でしか共有出来ない、一期一会の輝きでした。
 惜しくも居合わせなかった方々、TVカメラで切り取られた部分ではどれだけ伝わるか解りませんが、片鱗だけでも覗い出来る事を願っています。

輝き丸

輝き丸

EN劇集団さんたばっぐ

倉敷市芸文館 ホール(岡山県)

2015/02/28 (土) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

チャレンジ!
 意欲作であり野心作でした。市民ミュージカルという枠ならではの「チャレンジ」というか、新しい試みが多々盛り込まれていた様に感じられました。ひとつひとつの効果がどうだったかは観客によって違ってくると思うので、一概に評価し辛いですけど。
 ストーリィは解り易かったし、殺陣も迫力があったので、舞台としては纏まっていたと思います。

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