Lost in Wonderlandが投票した舞台芸術アワード!

2019年度 1-10位と総評
伯爵のおるすばん

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伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

Mrs.fictions『伯爵のおるすばん』 - すきなものあれこれ・・・。 https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37309819.html … #ブログ #日記

月がとっても睨むから

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月がとっても睨むから

Mrs.fictions

下世話だろうが、ミーハーだろうが言いたい。「今回岡野康弘さん最強に最高にかっこいいいんですけど、私、どうしたら、いいですか?????????」
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夢ぞろぞろ

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夢ぞろぞろ

EPOCH MAN〈エポックマン〉

80分。

チューナーを合わせると、オイルショックのあの時代と、2019年の今が交差する不思議な空間が目の前にあった。
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治天ノ君

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治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

本公演は二本目。涙でてしまい、しょうがない。これは、凄い。観ましょう。これは、観ましょう。再再演も、頷ける。もう、眼が痛いです。私は歴史物、あまり得意では無い。が、今作は、歴史物というよりも、あの境遇に置かれた人間の物語が余りにも、切なくて、懸命すぎて、あー、なんといったらよいのだろうか。言葉にすると、陳腐になってしまう。「if」は無いけれど、「皇室」に生まれなければ、もっと、辛くない人生があったのだろうかと。
でも、節子さんと出逢って子供たちも産まれて、「仲の良い夫婦」にはなれたと思う。それだけは、紛れもない「幸せ」だったんだろうなって。ラストの、照明が歴史上の人物の彼等がホノグラムのように、浮かんだ。平成から、令和の時代の私の目の前にいるのかなと感じた。「人」であって「人」ではない。「神」としての存在価値を迫られる境遇であり、そこは「政治」も絡んでくる劇中でも時代が流れて、皇室のあり方も変化するという台詞がある。今の時代とも、かぶる。もう、「神」の為に戦うような国にはならないように、昭和から、平成から、令和に変わったと思いたい。
ただ、ただ、懸命に生きた人だった。ほんとに、生きる時代が違った。
出演されている俳優の皆様も、ほんとに、力ある方々で安心して椅子に腰を下ろして観劇できる。
あ、椅子と言えば、天皇の象徴として椅子があるのだが、座り方での、大正天皇と、明治、昭和天皇との違いが大正天皇の人柄というか、よく、伝わる演出だな~って思った。
戯曲も今回発売されたということで、購入。

光垂れーる

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光垂れーる

ぽこぽこクラブ

何がしあわせなのだろう。もう一度、会いたいと思う事は、エゴなのだろうか。突然の別れは、人の心を揺れ動かす。わたしは、もし、会いたい人に蘇って逢えたら、幸せだろうか。生きる時間って、終わってから気がつく事ばかりなのかな。私は、まだ、近しい人の死を体験した事が無い。死に関しての考え方も良くわからない。けれど、早すぎる別れであれば、ある程、探し求める気持ちは、漠然とだが感じる。わかるのではない、感じだけだ。わかるのは、当事者だけだ。思う気持ちが大きく、だからこそ、相手の事を深く思い、決断する。その思いは、死者も生者も関係なく。
今作の、ラストに向かいながら
「神様は探していた人に逢えたのだろうか?」と思っていると、静かに答えが語られた。
過去作も色々な提示が物語の中であったが、今作は、ある種、
永遠に寄せてかえす、波際のように、穏やかな愛を感じた。
永遠に、終わることのない、優しさと、色々な愛情を。
また、観に来よう。
演者のそれぞれの役回りが適材適所というか、東京のキャスティングしか拝見してないが、良いと感じた。また、個々の方については、感想を。
比較的、特殊な役回りだった渡辺芳博さん。既にビジュアルは前出なので、観た方も多いと思う。白塗りで、飄々と、going My wayといった感じだが、冒頭と、ラストで「彼」の本当がつながる。
特に、白塗りであるが故に、目の色の変わり方が良くわかる演技だった。「神」が「彼」になる時、愛おしい者に対する気持ちが目の光に宿り、あのラストへ繋がってゆく。
劇中、ほろっとする場面が幾つかあり、ラストで、どっと、涙が出てしまった。
赤いお手紙は香港とかのやりかたのよう。
日本だと、青森や、山形などであるみたい。
劇中の「匂い」にポイント置いてる役の設定が興味あった。「生」に関しての特徴的なところが「匂い」というのも、観劇してる私にも身近で物凄く共感できるポイントだった。死者の世界は、無味無臭なのかもしれない。
個人的に、ラスト近くの女性たちのあの衣装が、もう少し、違うものだったら、良かった。むしろ、普通の衣装ではなく、大きな布をドレス風の方が簡易だけど、ドレスぽさがあったような気がする。あの、仕立てかたは美しくないドレスだった。大事な時に着るという設定なら、考えた方がよかったのでは。



二回目。高橋玄太さんの父親の言葉が、しみじみと心に広がる。実直な彼のキャラクターが、台詞をより、言葉として届けてるなと感じた。親子の愛、恋人同士の愛。生きているもの、死んでいるものの、想いが沢山あそこにはある。でも、きっと、語られなかった言葉が、あの村にずっと、ずっと、風の中や、波の音の中で聞こえているのかもしれない。それは、最後の瑞穂の言葉のように、語られたけど、波の向こう側に消えたみたいに。
でも、きっと、届いてる筈。少し立場が他の人と違う役が、杉浦一輝さんの村長さん。彼が、立場上、きっと、表だって言えなかった言葉も、無念さを残して死んでいったヒトの正直な気持ちだろうなぁと思う。
(未来)を語ることが出来ない悔しさ、切なさ、嫉妬の心を持つのは、綺麗事ではなく、そう思う。
時間が止まったままの人々。
時間が流れてゆく人々。
同じ方向を見ていても、いつかは、歩幅がずれて、手を繋いでいても、その手は、ほどかれてしまう
決断をする。
相手を想い、決断する。

坂本健さんが演じた彼は好きな人にまっすぐ、感情をぶつける。甘えん坊なところも、坂本さんの持ち味を生かしたキャスティング。
湯浅くららさんの演じる彼女は、過去にきっと、辛いことを背負って、彼と出逢うことで救われたのだと感じた。素直な二人のラブラブな感じは観ていて、微笑ましい。湯浅くららさんも、心が強い、それでいて、周りの人を明るくする役を好演。柏進さんの演じるちょっと、優柔不断な彼と、妙齢の彼女、都倉有加さん。柏進さんの両親が「未来」のある二人に語る台詞がとても、良い。婚姻の事だけではなく、広い意味での「人」と「人」の繋がり方の指針のようなものを感じ、あの村の在り方をも、表しているようにも取れた。小山あずささんの演じる母親は、高橋玄太さん父親との対比が面白く、それでいて彼女なりの世界で、また、新たな歩み出しを、高橋玄太さんの父親としていこうというポジティブな描き方が良かった。内田敦美さんと水原睦実さんの親子。現代の多くの人が抱える、そして、誰もがそうなる事が考えられる事柄が描かれている。その二人を支えている不器用ながらも、優しい北村海さん。劇中での、老いによる問題をきっと、彼女一人ではあのような決断は出来なかったと思う。きっと、彼がいたから、母親の未来を、そして、自分がゆっくり、待つ事を決められたと。小河智裕さんの役柄は、ある種、一本線を引いて外からの視点であの村を、人々をみている。とても、私・観客「生きてる」側の世界の役だった気がする。外から来たという設定もそう思わせたと思う。磯部莉菜子さんが、点と点を結びつける役柄だったのではないだろうか。磯部莉菜子さんの瑞穂が、居たからこそ、あの村が生まれた気がする。それが、幸せだったのか、どうだったのか。答えは、わからない。ただ、あの時間、あの場所には、あの村は存在していた。そして、もうすぐ、あの村が消える。



千穐楽が終わり、色んなチャレンジの公演だったのかな?と部外者からみてると、そう、感じられた公演だった。
ぽこぽこクラブだけでは、出来ないことと、ぽこぽこクラブだからできたことがミックスされた今回。旗揚げから観ている
と、過去作はぽこぽこクラブのとんがったやりたい事、実験的なこと、
それぞれのホンを書くヒトの欲求が強い作品で、今回は、それとは違う、より、物語になっていた。ある種、素直な物語になっていたと、勝手に私は思う。
ぽこぽこクラブとしては、色々思う所もあると思いますが、これだけの沢山のお客様の声があるという事、とても、とても、素敵な公演だったと思う。
観劇者と「家族」「恋人」など共通項が多くあり、観ているヒトが自分の物語として観たかもしれない。
公演を観て、観たヒトが個々に想いを持ち帰る。
大事なヒトを想いながら、自分の想いを振り返りながら。

パラドックス定数第45項 「Das Orchester」

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パラドックス定数第45項 「Das Orchester」

パラドックス定数

パラドックス定数『Das Orchester』 - すきなものあれこれ・・・。
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骨と十字架

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骨と十字架

新国立劇場

「骨と十字架」@新国立劇場7月24日マチネ観劇
信じる、解き明かす、知りたい、様々な人間のある意味、自然な感情が絡みあう。もう、野木さんズルいです。あと、もう何回か観たい。反芻する。暗闇にたちこめる灯火が消えた後が切ない。

まず、この劇場で行われる空間を堪能したい。エントランスから、ロビー装飾、ビジュアルデザイン、劇場内のサービス、そして、舞台美術。KAAT「ゴドーを待ちながら」でとても素敵な美術を担当された 乘峯雅寛さんのお名前が今回あったのも、楽しみにしていた。
後方部分の階段の場所も照明のバランスで、まるで懺悔室の一室にみえたり、オベリスクが望める一室であったり。
信仰と探求。こうありたいと願う、でも、解き明かしたい欲求。それぞれが、それぞれの「理想」と「現実」を抱き合わせて、絡みあっていく人間たち。
ある意味、その様子を彼らが絶対と信仰している「神」は「困ったもんだよ」と見ているのかもしれない。

今作、私はパラドックス定数の野木萌葱さんの脚本ということで観劇。
出演の方々は近藤芳正さん以外は初見。TVなどで拝見したことはあるが。
皆さんが素晴らしく、堪らなく良い。
個人的にはリサン役の伊達 暁さんがあの4役の中で少し、色を変える役柄を素敵に演じられていたのが印象に残ってる。


国立劇場ということもあって、券種も色々工夫がある。あと、今回観劇日がぎりぎりで当日券を
電話でオペレーターの方にお願いし、この際電話受付はカード決済のみということでチケットを取った。
カード決済できるのはほんと、便利だと思った。

ゴドーを待ちながら

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ゴドーを待ちながら

KAAT神奈川芸術劇場

面白かった!!!なんだか、飛び出す絵本のような、なんていうんだろう。ある種、「退屈」を俯瞰するところもある戯曲であるのに、「え?なんと!」とか、「こーきた?」とか、どきどきする演出だった。今回は、大高洋夫さんのご出演ということで、観劇を決めたが、演技も、演出も、訳も、舞台美術も、ある種、ベケットの戯曲を楽しんでやっている印象。
いやー、面白かった。
今回舞台が円形。それを取り囲むように客席。私たち、観客は俯瞰で観ながらも、ふとした瞬間にこの物語の中に溶け込む。舞台にいる二人からは観客の私たちも「待っている」なにかなのだと。ある意味簡素な舞台美術にみえるが、よくよく、観てほしい。コンクリートの隙間から延びる雑草、無遠慮に捨てられた吸い殻、誰かの旅を途中でやめた時に脱ぎ捨てられた靴、いろんな破片が散らばっている。好きな舞台美術だった。
演出上、あのようになったとは思うが。従来、ウラジミールとエストラゴンは年齢がいってるのだが、観ながら、時折少年のような小宮さんと大高さんのはつらつとしていて、尚且つ、ウラジミール(大高洋夫)のエストラゴン(小宮孝泰)への友情のような、母の愛のような、終始、嘆くエストラゴンをフォローする感じが優しいあたたかな空気を持っていて、大高さんの笑顔と一緒にとても素敵だった。より、二人の性格と関係性が浮かび上がる演技だったと思う。「待つこと」は「寂しい」でも、「待つこと」しかできない。誰が現れて、どうなるのか。明言されてないが、人は待ってしまうものなのかな?と改めて思った。自分で動くのは勇気が必要。文句を言いながら、待つことを選ぶ方が少し、楽なのかもしれない。来ないかもしれない「ゴドー」を待つ間は、退屈だけど、他者に責任をゆだねて自分の存在意義を確認できるのかも。私は誰を待ってるのかな?




そして、KAATの劇場スタッフの方は、いつも細やかな対応で気持ちがよい。

予想よりも、かなり、面白かったし、大高洋夫さんの素敵度数の高さに、倒れそうでした。
お怪我なく、楽まで善き公演になりますように。

もう一回、ジジや、ゴゴに逢いたくなってきた。
昭和・平成ver.を是非、観てほしい。
私が高校生時代に心打ちぬかれた大高洋夫さんがとても、素敵すぎる舞台だから。新訳も、演出も、共演者の皆様も、この舞台は凄い。kaat.jp/d/Godot

今回の翻訳は私が以前買ったものより、かなり、現代の言葉に近く
耳に入り易くなっていた。ただ、個人的にはラッキーの「考えろ」と言われて、突如朗々とあの長い台詞を言う場面は物足りなかった。

ピルグリム2019

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ピルグリム2019

サードステージ

https://blogs.yahoo.co.jp/suwansong2014/37295559.html

シゲル

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シゲル

うめめ

なんか、帰りの電車で色々場面がオーバーラップする。
写真に写るものは、真実なのかな?形を崩してしまうものは、家族ではないのかな?
家族って、そもそも、なに?
一筋縄ではいかない、数本の縄が絡まっていた舞台を観た。
85分。茶の間で、家族たちの話。ひとり、ひとりが、「本当の姿・想い」を膜のようなもので覆って暮らしているような印象を受けた。観ながら、「この姿はこの人の本当ではない」と感じさせる瞬間があったから。でも、家族の中や、社会の中ではそうして生きているのが当たり前なのかもしれないなーと。後半には、「本当」が漏れ出してきて、観ていると、苦しい気持ちになる。山崎丸光さん以外の俳優さんは初見の方ばかり。春香役の今井勝法さんや、父役の家田三成さん、凄かった。年代的に劇中の問題は、けして物語の中だけでなく、結構、自分の横にぴたっとくっつく、問題だったので、余計、父親や、母親に自分を投影してしまう。特に、山崎さんの母は、子を持つ、親の介護、世間からの眼、切ないというよりも、私の心も痛くなった。あと物凄く自然に舞台上の山崎さんの母の姿が美しくって、単純に綺麗と思ってしまった。
女装が作りこんでいるというわけではないのだけど、肌の透明感というか、ちょっと、びっくりした。


二回目。更に、個々のバックボーンが浮かびあがり、より、ぐっとくる。今日は、父のたけしが、彼が幼少期から兄が居なくなった後の家族での立場など、より、想像ができ、何故、今現在になったのかが、少し感じられた気がする。母の叫びも、より、響いて、落涙。他者が、とやかくいうなよと、心で呟く。家族だから、家族なのに、家族しかわからないこと。世間が、とやかく言うな。ホンが初見の昨日は少しふわふわ、私の頭にしていたが、今日2回目でより、力強く物語が降りてきた。
観ると良い、芝居。
大事なので、2回言います。
良い芝居です。
再再演というのも、納得です。
満足して、会場出たら今日も綺麗な三日月だった。
どの、演者の方も力があるのですが、今作の山崎丸光さんの母:配役。良いです。果てしなく、素敵です。
このキャスティングに、感謝します。

総評

再演が多かった年のように思えた。

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