ぐまぞうの観てきた!クチコミ一覧

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世迷言

世迷言

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★

本公演はやっぱり違う
密度の高い劇空間。重々しくて古典の趣きがありながらライティングは煌びやか、衣装もスーツと現代的。日本の能・狂言のイメージにシェイクスピア劇や現代劇が混ざる古今東西折衷の中屋敷の世界観が深い。本公演はやっぱり違う。

ネタバレBOX

篠井英介のバケモノぶりを体感した。先ず立ち居振る舞いからして違う。動きの質が規格違い。ブレない軸と無駄のない所作。醸し出す雰囲気が異形の鬼にも優しい母にも。圧巻。

そのバケモノに引けを取らない柿喰う客の面々も素晴らしい。中でも玉置玲央、七味まゆ味、深谷由梨香は、声のとおりの良さ、声量、存在感が段違い。あれを観ると、柿喰う客はひとつ上のステップに入っているのかな、と思う。チケットの価格もそういう意図を感じる。

今回の笑いの部分はあんまり面白くなかった。というか、あの重厚感のなかで、無理やり挿入されたかのような笑いが幾つかあるように感じて、何でそんな事をするのかと、不思議にさえ思っている。あの観客に許される事を前提としたかのような笑いは嫌い。
トムソンガゼル

トムソンガゼル

ぬいぐるみハンター

風みどり(新中野)(東京都)

2014/01/28 (火) ~ 2014/03/02 (日)公演終了

満足度★★★★

でも、面白い
動物劇ではない(笑)擬人化しているのかどうかすら、途中から怪しくなってくる。設定飛び越えまくるし、矛盾はらみまくってる。でも、面白い。設定に基づいた笑いと、全然関係ない笑いと。池亀演出はツッコミが面白い。

ネタバレBOX

梅本チームでそのツッコミを担っているのが、前園あかり。軽妙なテンポで引っ張るかと思えば、すっと消える。彼女の独特の存在感が大好きなのだが、今回はそれがコントロールされてて新鮮。何だかんだで愛らしいと思わせる雰囲気の良さは健在。シンクの上の極狭空間にハマって片膝立てて座って話聞いてる姿とか椅子からずり落ちそうになって仰向けになってる姿が何か愛らしいと思わせる。

浅見臣樹のボケも良かった。達者だなぁと感心。

小林が死んだかもの流れは、ちょっと後だしじゃんけんだけど整合性とるには仕方ないかな。

好きな流れ(細かい台詞は忘れた)としては、ベジタリアンだよ。思想じゃなくて、消化器官が。。。焼いて喰う?草を?お前山火事知らないのか?間に鉄かませんだよ。鉄?。。。あたりがツボだったが、意外に客席盛り上がらず忍び笑いしてた。

猪股チーム3人男で気になるなぁ。
男たらし

男たらし

ブス会*

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★

さらっとリアル
女の因果、男の因果、人間の本質というか性(さが)や業といったものを、突きつけるというのではなく「こんなもんだよね」とさらっと目の前に観せてくる。深いとか浅いとかではなくリアルを。その筆致が凄い。

ネタバレBOX

内田慈の魅力が炸裂してる。妖艶。生身の人間に使うのか?というこの言葉しか適切な単語が見つからない。表現力があって、容姿に優れ、人間力がある。ひとつの仕草が表情が視線が男を惹きつける。上手いという次元超えてる。

大窪人衛、もしかしたら特徴的な声に注目がいきがちかもしれないが、表情を造るのが凄く上手い。声を出さない演技が秀逸。固まってたり、慄いてたり、弄ったり(笑)やっぱりイキウメ観なきゃな。と思わせる好演ぶり。
かなわない夢ガール

かなわない夢ガール

タイマン

スタジオ空洞(東京都)

2014/01/22 (水) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

それは普通「かなわない」
主人公の成長の場面を個々に切り取っての描写はそれぞれ見応えがあるものの、繋がりという面では結構強引で、もしかしてこのまま終わってしまうのか?という終盤で無茶苦茶な展開を観せてくる。それは普通「かなわない」(笑)という。

ネタバレBOX

「かなわない」が平仮名なのも遊びかな?と勘ぐる。「叶わない」とも「適わない」とも「敵わない」とも取れる。それぞれに思い当たるエピソードがあって観る側に刺激を与えてくれる。

今作は何といっても笠井里美だろう。キュート感が半端ない。視線の動かし方が印象的。子供から大人そして母まで。表情や仕草に説得力がある。場面がどんどん変わる中、他の演者は別人を演じ分けるだけだが、彼女は同一人物の成長と変化を演じる難しさ。
No Regret No Life

No Regret No Life

文月堂

RAFT(東京都)

2014/01/21 (火) ~ 2014/01/26 (日)公演終了

満足度★★★★

私的にタイムリー
後悔なんてするものだ。と、それでも時間は進み人は生きてく。ゆるーく因果が繋がっているみっつのストーリー。良く考えると重たい話ばかりだが、さらっと流し込まれて少し心が軽くなる。私的にタイムリーな作品だった。

ネタバレBOX

「低気圧ガール」辻川幸代のまくし立てる姿が典型的なオバさんで笑えた。でも、その人物像の中に具体的にされないトラウマを抱えていて、それが別のストーリーに効いてくるという仕掛け。これがゆるーく繋がってくるのが味わい深かった。

「夏ー朝顔」平岩久資と椿真由美の言い合いがテンポよくて楽しめた。特に平岩久資の理屈っぽいセリフ回しが好みに合う。子供が場に入ってくるシーンは、演出が難しく要らないかなと。まさか、朝顔のネタが次に絡んでくるとは。

「冬ー『No Regret No Life』」成る程これありきでのサイドストーリーが前ふたつのエピソードなのかと、やっと気付かされる。キーになる出来事が明かされないまま終わるのが少し消化不良。志水衿子が難しい役柄を好演。一人全く違うテンションを維持するのは大変。
曲がるカーブ

曲がるカーブ

クロムモリブデン

赤坂RED/THEATER(東京都)

2014/01/09 (木) ~ 2014/01/23 (木)公演終了

満足度★★★★

展開がガラッと
前半凄くわかり易く各役割が割り振られていて、その関係性の配置の面白さから物語が進んでいく。で、突然に展開がガラッと変わって、いい意味で訳が分からなくなって、面白さだけが抽出されて行くというクロムのパターン。分からないのが面白い。

ネタバレBOX

甲子園の話どころか、野球のシーンもない。でも、棚ぼたで甲子園出場がかかった高校と偶然居合わせた映画監督という特殊な環境を通じて、暴力の連鎖、報復の連鎖、世の中の理不尽に切り込んでくる。表面的にはね。深すぎてよく分からないが。

劇団員のレベルが異様に高いところでまとまってるのがクロムの凄さ。誰一人として聴きにくい部分がないし、稽古量が豊富なのが伝わってくる。破綻の気配というのだろうかそういった危うさが全くない。劇団力ってこういったところに出るのかな。

葛木英がなんとも可愛い。高校生の眼鏡姿が尋常なくヤバイ。そこからの着物で姐さん姿が艶やか。彼女は観る度に魅力が増してる。カテコの清々しい笑顔がホント好き。もの凄くハマってしまいそうで、ツリメラには怖くて行けない(笑)
「日」本ヘラヘラなぐさめあい in flont of ロボット・演技性人格障害・紗羅薔遺兎子の聖聖瞬(DQN or 中二 mixmax)→ていうかそれすらどーでもいいから神待ちhapppppppppy!!!!!!!!!

「日」本ヘラヘラなぐさめあい in flont of ロボット・演技性人格障害・紗羅薔遺兎子の聖聖瞬(DQN or 中二 mixmax)→ていうかそれすらどーでもいいから神待ちhapppppppppy!!!!!!!!!

宗教劇団ピャー! !

王子小劇場(東京都)

2014/01/16 (木) ~ 2014/01/20 (月)公演終了

満足度★★★

もう少し上手く繋がっていれば
着想はいい。人間のダメな部分、弱さ、言い訳などにフォーカスをあてている。ただ、4つのストーリーのつながりが悪い。それぞれがもう少し上手く繋がっていればもっと演出効果が出ていたかも。天上の話の厚みがもう少しあれば。

ネタバレBOX

飯野くちばしが、存在感放っていた。スタートのタイミングでバラバラと出てきた段階で目を引いた。発声がしっかりしていて出演者の中では抜群。

全体的に力不足感がある。美大系なのに、あまり舞台装置に良さを感じなかったし。演者のレベルもちょっと不満。聞き取りにくい発声の人が多い。ただ、なんか印象に残ってるな。もう一作は観てみたい。
夢も希望もなく。

夢も希望もなく。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2014/01/10 (金) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

ダメな部分をえぐる
男女それぞれ誰しもが持て余しているダメな部分をえぐり出してくる。観ている者の共感と苛立ち、不安と希望をない交ぜにした感情を引き起こさせるのが凄い。イライラするけど、完全否定出来ない自分の一部を登場人物達に感じてしまった。

ネタバレBOX

当日パンフにもあったが、演劇にしか出来ない演出にこだわった作りも良かった。舞台美術の違和感を徐々に解消しながら観客を引き込んでいく導入部も出色。物語の展開につられ徐々に自分の感情も深まって行くのが良かった。

大竹沙絵子の色々あり過ぎて感情爆発してテンパって声裏返って、、の演技はなんだかんだでやっぱり好きだな。ねもしゅーでアレがないというのが最早考えられない。『中野の処女がイクッ』『モスキート』でも炸裂してたから。

梨木智香もやっぱり欠かせない。出てきただけで何故かホッとした。雰囲気からして楽しい。独特の存在感。今作では長井短とのコンビでぶっ飛び具合がたまらない。ラストシーンの体勢が去年駅前劇場で演った『今、出来る、精一杯。』と同じという。。。
女王の盲景

女王の盲景

空想組曲

シアター風姿花伝(東京都)

2014/01/08 (水) ~ 2014/01/19 (日)公演終了

満足度★★★★

観応えあり
よく作り込まれたシナリオ構成。舞台美術も綺麗で観応えあり。ただ、今作は展開が読めてしまった事もあり、ダダ泣きとまではいかなかった。ラストにぐわっとくるタイプで、じわじわときた『空想』の方が好みに合うという我儘な感想。

ネタバレBOX

ちよっと気になったのは、納得感が少し低いこと。本当にそんな事あるのか?と疑問を感じてしまった。力技でもいいのでその辺りを流れで押さえ込んで欲しかった。自分で無理やり理屈付けしなければならない部分が何箇所があり、そこがクライマックスに影響したかも。

小玉久仁子が良かった。コミカルな部分を担いつつ、実は一番悲劇的な役柄を好演。普通に考えれば一番悲惨なのは彼女。シナリオの力点がもう少し彼女にも傾いていたらもっと素晴らしいものを観られたのではないかと思うほど。

最後の暗転下での演出は吃驚。何度か近いものは体験していたが、演出効果として確り体感出来たのは初めてかも。強弱も絶妙にコントロールされてた。あれはやっぱり場当たりからいろいろと工夫と調整をしたんだろうなと感心。
カルメン

カルメン

シアターカンパニー 象の城

相鉄本多劇場(神奈川県)

2014/01/04 (土) ~ 2014/01/06 (月)公演終了

満足度★★★

視点の置き方がチグハグ
新奇性のある幕開けからスタートして期待したが、まだ脚本も演出も演者も力不足の感あり。視点の置き方がチグハグで観客をおいていき過ぎ。終盤演者が泣いていたのは、演技だとしたら問題あり、そうでなければ引いてしまう。発表会ではないのだから。

ネタバレBOX

一生懸命なのは伝わってくる。何かを伝えたいという思いも感じる。ただ、同年代でもっと出来る人達がいるのも事実。あくまでも印象でしかないが、他団体とか観てるのかな?と感じた。当日制作とかもバタバタしていて、劇場の規模に追いついていない。
プラトニック・ギャグ

プラトニック・ギャグ

INUTOKUSHI

駅前劇場(東京都)

2013/12/25 (水) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

大爆笑と切なさの同居
乗っけから笑わせる。分かりやすいフリでスタートし想像を超えるパフォーマンスで場内大爆笑。前半は笑いを畳み掛けながら、伏線を配してくる巧みさ。後半顕在化するズレを終盤一気に伏線回収して胸をエグる。大爆笑と切なさの同居。

ネタバレBOX

藤尾姦太郎が良かった。作者自身が色濃く投影されている本当に難しい役柄だったと思う。最初はただのキャラかと思っていたが、徐々にその本質が描かれてきた辺りから最後のオチまでが特に。

石澤希代子、可愛かった。愛らしいキャラやらせると無双だ。鈴木アメリも凄く魅力的な演出されてる。モラルがどういった女性が好みなのかよく伝わってくる。本当に激しく自分削ってる。

大笑いの連続で、楽しめるのだが、全裸やケツ出しなどの脱衣ネタが多いのは気になる。面白いのだけれど、今後ずっとこればっかりだと心配。最前列だったら引いてたかも。正直それが怖かったら少し後ろに下がって観た。
銀色の蛸は五番目の手で握手する

銀色の蛸は五番目の手で握手する

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2013/12/27 (金) ~ 2013/12/30 (月)公演終了

満足度★★★★

抜群の安定感
抜群の安定感を誇る笑い。ただテンポにバラツキがある。序盤が冗長。伏線張るため仕方ない部分もあるが、中盤一気に良くなるので、もっと出来たのではないかと思う。奇抜な設定ではあるがシナリオは王道。枝で笑わせて本筋で泣かせる。

ネタバレBOX

シアターサンモールは、やっぱり舞台が大きい。二階建てや八百屋舞台を取る作品が多く、今作も二階建て。色々と舞台装置を工夫してして出ハケは楽しめたけど、思い切って狭く使うのもありかも。前方で観てたせいか少し希薄に感じた。

演者では、サイショモンドダスト★、野口オリジナルが声が出てて印象的。あれぐらいの規模になると、声が出てないと厳しい。杉岡あきこも良かった。彼女、次回はふつーの役柄観たいな。まぁ、それなら殿様ランチに行けばいいか。

CR岡本物語今回もハードな客入れパフォーマンスに拍手。前回と違ってステージ数が少ないが、客席まで走りまわってたから更に大変だったろう。でも、インパクトで言えば前回。仕方ないことだが、今回は何やるか知ってたから。
人魚の皇

人魚の皇

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新宿シアター・ミラクル(東京都)

2013/12/26 (木) ~ 2013/12/29 (日)公演終了

満足度★★★★

異空間
ホント凄かった。圧倒的なスピード感で展開されるストーリー。全員が叫ぶ、歌う、踊る。音響ガンガン、照明バチバチ。過剰なまでにデフォルメされたメイクと衣装。この異空間ぶりが、ダーク・ファンタジーな世界観を納得度の高いものにしている。

ネタバレBOX

ほぼ全編歌と踊りが織り交ぜられているのだがその違和感のなさが不思議。あの演出は出色だ。何せ劇中で突然歌ったり踊ったりするのが基本嫌いな自分が楽しんで観てしまっている程なのだから。好きな人にはたまらんだろ。たまらん具合が客席に充満してた。

北伊丹と鯱のペアが良かったな。エンディングまでの流れがね。1番しっくり来た。ラスト北伊丹の優しさ。狂気じゃないんだね。優しさなんだね。と。北伊丹の一人称が「僕」なのも好きだな。あの状態の沈ゆうこが可愛いと思う自分もどうかと思うが。

ヤモメとウロコのコンビも良かった。何か恰好いい。劇中でハッキリと人外の存在。特別で。当パンきっちり読んでなかったから、ヤモメが中井萌だと帰りの電車で知って驚愕した。『素顔同盟』でのイメージとの乖離が凄い。やっぱ役者スゲー。

終盤オチまでの流れが残念。流れで勝者が誰になるのかは分かるが、なんで勝ったのかが腑に落ちない。その後どうなっていきそうなのかという暗示もなく。消化不良。人魚システムの優位性も腹落ちしてない。全部力技で持ってかれた感じ。

レティクルライブ観て何故タグにハム太郎とか黒バス使ってるのかわかった瞬間あまりにバカらしくて大笑い。だが雰囲気が危険。排他的過ぎないかと少し心配になる。自分も観たい役者がいてある程度好意を持って観ているから許容出来たのかも。と。。。あれは心配
晴れ、ときどき束縛、のち解放/アマリリス

晴れ、ときどき束縛、のち解放/アマリリス

santacreep

RAFT(東京都)

2013/12/24 (火) ~ 2013/12/28 (土)公演終了

満足度★★★★

田舎の良さと悪さ
両作とも舞台は田舎町で東京から一時的に帰って来た姉が登場する。少し悪意をもって描かれていて、田舎の良さと悪さみたいなものを強く意識させる。時間の流れの違い、雰囲気の違いが伝わってきた。

ネタバレBOX

『晴れ、・・・』は、片桐はづきと榊菜津美の会話がよかった。劇中に描かれているトラウマを浮き彫りにして行く展開にフィットしてたし、ちょいちょい入ってくる池亀流の笑いもフワッとした感じが出て好きだ。

『アマリリス』あやかが、笑わせてくれた。登場からラストまで掻き回しまくり。池亀ワールド。萱怜子がツッコミ役にまわってる時の噛み合い具合が特に良かった。いいテンポつくって進行していくのが心地良い。
新説・とりかへばや物語

新説・とりかへばや物語

カムヰヤッセン

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2013/12/13 (金) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★★

上手い!
まず、時代設定が上手い。そこか!成る程。と来て、話が進んで行くのだが、なんだかグタグタで上手くまとまらない。何だ?と思っているともう一巡り謎解きが始まる。推理サスペンス時代劇。着想と構成の妙。結構無理はあるのだが納得できる。

ネタバレBOX

存在感は、笹井里美が抜群。最後まで効いてくる設定を見事に推し進める技量の高さ。姐御肌全面に押し出してくるが、何か愛らしいというのも魅力的だった。小柄で大声で気風がいい。でも、そこは女性で、という演出にきっちり答えを出していた。


最も難しいのは主役の小島明之で間違いなかろう。一番ハードな役柄を熱演。ししどともこも、逆側の役柄で難しい部分をこなしてて好感。小林樹や辻貴大は、客演を観た事がありあれぐらい出来て当然。声がいい好きな役者。やっぱり重要なところを任される。
Romantic Love?【ご来場ありがとうございました】

Romantic Love?【ご来場ありがとうございました】

劇団競泳水着

サンモールスタジオ(東京都)

2013/12/19 (木) ~ 2013/12/26 (木)公演終了

満足度★★★★

独特のエグ味
独特のエグ味。理解できるけど知りたくない人の心の揺らぎ。人間心理の洞察の深さが怖い。男の書く脚本なのか?この作品を観て女性はどう感じるのだろう。同感、反感、その両方?

ネタバレBOX

演者の出し入れと時間、空間の入れ替えが目まぐるしいのに、客席を置いていかない演出の技量も圧巻。シチュエーションに合わせて瞬時に演技を切り替えて行く役者陣も素晴らしい。

役柄的には、浮気相手木村の元カノ久美子の一途な感じが好き。サバサバ装ってのウエットなギャップとか惹かれる。あのくだりは、男子の妄想が入ってるとしか思えないが、亀田梨紗の容姿と演技がハマってて納得させられた。

小野寺ずるの使い方が、もう反則。場の緊張感をコントロールする掻き回し役ながら、実は1番冷静で、独特の視座から毒吐かせるなパターンは、彼女の真骨頂が出てた。当て書きしてるとしか思えない程のはまり役。

主役の田中沙織は、言わずもがなの良さ。愛らしいルックスからのあの役柄。谷田部美咲も可愛い女子高生では終わらせない。キャスティング考えたのも上野友之かな。ほんとエグいな。
第5回公演「傍白」終演致しました

第5回公演「傍白」終演致しました

いきずり(劇団はへっ 改め)

ギャラリーLE DECO(東京都)

2013/12/17 (火) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★

難しすぎた
思った以上に合わなかった。自分には難しすぎた。あそこまでストーリー感がないとついていけない。場面場面にガツンとくるセリフはあるのだが。あまりに詩的。詩の朗読聴いている感覚。

治天ノ君

治天ノ君

劇団チョコレートケーキ

駅前劇場(東京都)

2013/12/18 (水) ~ 2013/12/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

震える逸作
歴史か塗り替えられる悲劇、家族の悲劇、個人の悲劇が織りなす、神でなければならなかった普通の優しい男、大正天皇の物語。呼吸がどうかなりそうなぐらい泣いた。重厚なシナリオの説得力と納得感。震えた。

ネタバレBOX

西尾友樹が恰好いい。凄い。それしかない!という演技。良かった。優しさ、実直さ、真摯さ、そして弱さ。宿命から逃げなかった男の表面にあらわれない芯の強さ、暖かさが滲み出してた。好演。

松本紀保も素晴らしい。あの品の良さはなんだ。育ちか、育ちなのか。物語を推進する難しい役柄をきっちりこなしている。時間軸飛ばしたり空間飛ばしたりするナレーションは相当切り替えが難しいはず。

岡本篤の実直な侍従武官四竈も良かった。原敬に突っかかるシーンから軍艦マーチまで完全に涙腺崩壊してた。声だしたらまずいと思って嗚咽堪えて泣いてたら余計涙出てきた。終演後酷い頭痛するぐらい。

谷中恵輔の明治天皇。浅井伸治の昭和天皇。雰囲気が素晴らしかった。他のキャストもきちっとハマっていて、本当にバランス良く世界観を作ってた。玉座の演出、お召し列車演出も好き。この作品のおかげで8月31日が気になる日になった。価値観揺さぶられた逸作。
ザ・ランド・オブ・レインボウズ

ザ・ランド・オブ・レインボウズ

天才劇団バカバッカ

六行会ホール(東京都)

2013/12/11 (水) ~ 2013/12/15 (日)公演終了

満足度★★

バタバタし過ぎ
全体的にバタバタし過ぎて分かりにくい。理解が追いつかないから、急に歌ったり踊ったりしているように観え、更に置いていかれるという悪循環。もう少し間を持って観せて欲しかった。

ネタバレBOX

個々の出演者に固定のお客さんがついている様子で、客席の一体感もあまり感じられず残念。勿体無い。あんなにお客さん入ってるのに。個々のパフォーマンスは面白かったしカテコも良かったが、やっぱり本編が。。。
性病はなによりの証拠

性病はなによりの証拠

ブラジル

王子小劇場(東京都)

2013/12/04 (水) ~ 2013/12/08 (日)公演終了

満足度★★★★

意外に刺さった
漂流という密室で繰り広げられる絡まった人間関係を「竹毒」なる性病というデバイスを介して描くコメディ。なのだが、笑いと共に描かれている4組の男女の愛が何れも意外に深刻で結構刺さった。

ネタバレBOX

中でも金沢涼恵の役柄が沁みる。軽い笑の中でも、自分を責める気持ちや葛藤そして破綻に至る過程の重みが伝わってきた。ただ最後の退場の仕方はナシ。本人の演技というよりシナリオの問題だけど。

総じて女優陣が印象に残っている。堀川炎の一途で健気な姉御肌なキャラ。小川夏鈴の二十歳とは思えない落ち着いた演技と安定感。佐々木千恵の妖艶なのに可愛げな雰囲気。それを引き立たせている男優陣はみなそれぞれに怪しいという対比。

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