満足度★★★★★
また脚本売ってください
良質な非日常に触れることができて大変良かったです。よくできた非日常というのはわりと世の中にありますが、「非日常」が「よくできてる」というのは、そのよくできてるというところで日常とのつながりを感じてしまうので、非日常に没頭するというのは意外と難しいことです。
ところが今回の舞台は、なぜかはわかりませんがとにかく自然に非日常に没頭できました。たぶん役者さんと、脚本が良いのでしょうね。脚本は物販で手に入ったので、これから時間のある時にじっくり読んでみます。
ネタバレBOX
単純な感想としては、新さんが不実なせいで不幸になってるのを見て、「ああ、不実なことしちゃいかんのだな、自分も気をつけなきゃな」くらいに見ていたら、どうもだんだんそれどころではない話になっていって、最終的にみんなどうなるんだと思ったら、豊志賀を除いてみんないなくなったんですね。お彼岸だから。そして失踪したはずの作者が出てくるんですね。いやーすごい構成だと思いました。フジタさんの脚本はお金出す価値があるなと思いました。また物販で売ってください。
満足度★★★★★
いいSFでした
いろいろな要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれた密度の高い舞台でしたが、私はこの作品はSFとしてとてもよい出来だったと思います。
もう公演が終わって久しいですが、いちおう以下、内容に触れますのでネタバレBOXに書きます。
ネタバレBOX
「時間を巻き戻せる能力」と「野球」というのは、本当は組み合わせとしてお話の題材には難しいんじゃないかと思います。というのは、勝負に負けたら、もしくは負けそうになったら、時間を巻き戻せばいいということになるので、ということは必ず勝つわけで、陳腐な話になってしまいがちです。
しかしなんていうか今回の話のお兄ちゃんは、甲子園の地区予選の決勝に勝つルート以外では、死んでしまう運命なわけです。これは結構すごいアイデアだと思います。つまり、「時間を巻き戻せる能力」と「野球」に加えて「人の生死」を足してるわけですね。
あと、お兄ちゃんが死にそうになると自分で時間を巻き戻すのではなくて、巻き戻す能力は妹が保持しているというのもよかったです。これによってお兄ちゃんの悲劇性がかなり増したと思います。手塚治虫の火の鳥みたいです。
以上の要素で、「うちの妹の学校には野球部がない(から何とか野球部を妹に作ってもらって且つ甲子園の地区予選で優勝しないと、それまで俺は死に続ける)」という、元々のタイトルからは想像できないハードな話が展開されるわけで、そういう全貌が物語の後半で判明した時に、本当に面白いなぁと思いました。
結末として、お兄ちゃんは生き、妹が死にますが、妹は自分の目的を達成しましたし、それによって他の野球部員もみな亡くしたものを取り戻しており、登場人物全員がハッピーエンドというのもよかったです。観劇後に爽やかな気持ちになりました。というわけで星5つです。
・・・本当は、上記の要素に加えて、パンティ泥棒漫談に超笑ったので、もうひとつ星を足したいくらいなんですけどね。というわけで、次回作も期待しております。
満足度★★★★
得したなぁ
静岡から見に行きました。ライブの対バン形式で5劇団を見れらる、というのは東京ならではというか、見て大変に得をした気になりました。どれも面白かったです。それぞれの感想はネタバレBOXに書きます
ネタバレBOX
鋼鉄村松「crpuscule~俺とアイツの千秋楽~」
知りあいなので、ネット上でバブルムラマツさんに、「このルールだとプロレスの芝居あたりになりますか?」と聞いてみたら、「いや、正統派の耽美派ボーイズラブ芝居をつくるよ」との返事で期待してたのですが、見にきてびっくり。
相 撲 の 話 じ ゃ な い か !
まあそれも含めて面白かったですが。
あと、5つの劇団の中で一番安っぽい感じがしました(いい意味でです)
声を出すと気持ちいいの会「A Watcher by the Dead」
最初は、本当に死んじゃったと思って見てたので、最後びっくりしました。でも後で周囲の人に聞いたら、「本当に事故で死んでるわけないじゃないですか」とみんな言っていたので、東京の人はこうゆうのに騙されないんだなぁと感心しました。
ただ、僕には一番ドキドキした芝居でした。こういうの好きです。
ランチョンfeat.木皮成「BOOGIE BACK!!」
すごいノリノリで、見ていて楽しかったです。小劇場もこういう時代なんですね。
見ていて一番衝撃的でした。
月刊「根元宗子」
かわいいですね。とてもかわいいです。登場人物もかわいいし話もかわいかったです。でもって笑いは的確に狙いすまして取ってくるので、終始ニコニコしながら見つつ、よく笑わせてもらいました。
一番、もっと見ていたいなと感じました
キコ qui-co.「赤猫の舌」
圧倒されました。15分でこんなにちゃんとしたストーリーの芝居を堪能できるとは思ってもいませんでした。シーンの表現もとてもなんていうかアートな感じで、「こういうお芝居は初めて見たなぁ」という気になりました。
5つのお芝居の中で、一番、本格的な「演劇」だと思いました。
エキシビジョン
初日を見たせいかもしれませんが、多分に練習時間が少なかったであろう役者のみなさんが、がんばってる姿は素晴らしかったです。むしろ練習が足りない感を前面に押し出すのも、パンクロックみたいな感じで面白いなと思いました
満足度★★★★★
荻野先生に本当に会えた気がしました
劇団☆東京SaVannaT’s さんのお芝居見るのは初めてだったので、観劇前は「どんなお芝居かな、楽しみだな」と思ってたのですが、観劇後は「うううう、本物の荻野先生に会ってしまった、えらいこっちゃ、うわーん」となってしまいました。
ネタバレBOX
今回のお芝居で感動したのは、多分に個人的な感情も影響してます。
私は不妊治療で娘を授かっており、今回のお芝居を見て、荻野先生の偉業を礎に発展した不妊治療のおかげで、娘が生まれたんだということがよくわかりました。
それは、今回の脚本が名戯曲だということでしょうが、それを実際に演じたのを見て感動をうけたというのは、劇団☆東京SaVannaT’s さんが非凡な演出と演技をしていたからだと思うのです。
特に荻野先生が排卵の周期を突き止めたシーンでは、感動で涙が出ました。あのシーンは、役者さんが荻野先生や他の登場人物を演じているのだと頭ではわかっていても、本物の荻野先生がそこにいるように感じ、大変な感謝の念が湧きました。
今でもそのシーンを思い出すだけで、泣いてしまいそうです。こんなことは、今まで見たお芝居の中ではなかったことですので、現状、「劇団☆東京SaVannaT’sさんが上演した、法王庁の避妊法」が、僕にとって今までで一番いいお芝居だと思っています。
また役者さんがとても魅力的で、それぞれの役者さんのファンにもなりました。僕は演技の事はよくわかりませんが一人ずつ寸評を書かせていただきます。
千頭和直樹さん
荻野先生そのものだと思いました。大変真摯な演技だったと思います
松本英明さん
荻野先生との掛け合いが素晴らしかったです。安心して見られました
大寄正典さん
難しい役をよく演じられてました。動きに特徴があって楽しかったです
廣岡篤さん
廣岡君はまったくもって面白いなと感心しました。いやほんとに面白い
松浦姫さん
綺麗なルックスで見とれてしまいました。セリフ回しが上手だと思いました
藤本かな子さん
実に自然に、明るい農家の若奥さんを演じられてて、感心しましたよ
柳瀬英理子さん
個人的に一番目を奪われました。うまく言えませんが、上手だなぁと思います
岩田美奈子さん
前半のシーンをよくリードされてたと思います。死んじゃうシーンで泣きました
そういうわけで、劇団☆東京SaVannaT’s さんの次回公演はもちろん見に行きますが、それ以外の、役者さんが個人的に出演されるお芝居なども、可能であればなるべく今後、見に行きたいと思います。
どうもいいお芝居を、ありがとうございました!
満足度★★★★★
素晴らしい
見に来れないかと思っていたのですが、直前に都合がついて見ることができてよかったです。大変面白い舞台でした。
ネタバレBOX
4秒間だけ過去に戻れる能力、という設定を最大限に生かしたストーリーだったと思います。それとクライオニクスという、うさんくさい要素を上手に絡めていて、最後まで見ていて飽きませんでした。
最終的に、死んだ娘を生き返らせることができないということを、主人公が受け入れる展開は、悲しい話ですがそこに至る経緯が丁寧に描かれていて、圧倒されました。
ただ個人的には、モリシタが4秒戻る→戻った時点でモリウエが4秒戻る、という繰り返しで無限に過去に戻れるのかなと思ってしまったりもしましたが。インターバルの概念があるからそういうことはできないということなんですかね。
役者さんは皆、上手でした。男性陣は格好良く、女性陣はセクシーでした。役者さんのレベルの高さだけでも、見る価値が十分にあると思います。
一点だけ注文があるとすれば、主人公と女教師がどうして結婚に至ったかの経緯を、もう少し知りたかったというところでしょうかね。でもまあ時間制限のある舞台では、そういう瑣末なことはちょっと無理な注文かもしれませんが…
笑いあり、涙もあり、感心する要素もありという、バブル村松さん作/演出の真骨頂が発揮されている舞台だと思います。なるべく多くの人に見ていただきたいものです。
満足度★★★★★
重い話でした
脚本に、数点ほど気になる点はありましたが、それを吹き飛ばすほどの強烈さが舞台全体にありました。
最初から最後まで、なんというか救いのない話で、しかしそれを何のかんので全部主人公が受け入れるラストは、この話の最良の着地点であったと思います。
主人公の妹役をやった桑原さんが、大変好演だったと思います。彼女が主人公の「家族」として、存在感を発揮していたために、単なるマスコミの話ではなく、主人公の苦悩を掘り下げていたと思いました。
他には、重い話のなかで若干面白みを発揮していた、同僚約の酒井さんと、話の中心からはだいぶ外れているけれども見ていると面白かった太田さんがよかったです。
当方、静岡在住のため、なかなか見に行く機会が今後あるかどうかわかりませんが、次回公演も可能なら見たいなと思いました。