1
四色の色鉛筆があれば
toi
柴作品としての完成度はこの公演の個々の作品よりもままごとの「わが星」の方が上のような気もします。
しかしながら、4つの作品がそれぞれに醸し出すインパクトに、より圧倒されたように思いました。
その高揚感や感動は、多分一生ものではと思っております。
2
「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』
コマツ企画
訳が分からないうちに、あっという間に持っていかれてはまりこんでしまいました。
観る側がコントロール出来ないほどの強い力を持った作品だったと思います。また、第二回も、同様の力を持った公演でした。
川島氏だけではなく、コマツ企画にとって、2009年は本当に実り多い年だったかと。
2つの本公演いずれもが、しっかりとした芯と創意溢れる表現に満ちていたし、主宰に加えて企画員たちも大活躍だったし・・・。
3
"Are You Experienced?"
CASTAYA PROJECT
観ていてとてもわくわくしたうえに、
いろんなことを考えさせられた作品たちでした。
特に最終日、終演がやってくるまでの数時間の感覚は、
多分忘れることがないと思います。
舞台を見つめながら、
いろんなことが頭に浮かびました。
観る側として演劇に閉じ込められることの
意味をずっと考えたり・・・。
常ならぬ時間を体験することができました。
4
『ROMEO & JULIET』
東京デスロック
一つの戯曲に対して、
まったく逆のベクトルを持った2作品を
一日で鑑賞しました。
個々の作品の表現の豊かさに瞠目。
また、戯曲から広がる表現の可能性に
息をのみました。
また、韓国と日本、国や文化をまたいでの創作に
しっかりとした意義を感じた作品でもありました。
5
『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』
DULL-COLORED POP
2009年の谷氏の仕事の充実ぶりには本当に目を見はりました。
「ショート7」にしても、「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」にしても、観る側を満たすに十分のクオリティがあり、時に斬新で、切れ味も抜群でした。
特に活動休止前の2作品、双方の完成度には瞠目しました。
初日に観た「プルーフ/証明」の瑞々しさにはしっかりと揺さぶられたし、その質感が12月のリプライズ版でさらに洗練されていることにも驚かされました。サイコシスは飴屋法水氏の公演もあり、こちらの表現の鮮やかさにも目を奪われましたが、痛みや精神的質感のリアリティは谷氏が勝っていたように感じました。
6
リフラブレイン
MCR
MCRだからこその、表現にやられました。
まさにこの劇団的なお芝居が、さらに一層洗練された感じ・・・。
円熟した尖り方というか・・・
こういう個性って、すごく大切なのだと思います。
7
In The PLAYROOM
DART’S
あれよあれよという間に、
作品のスピード感と躍動感に取り込まれてしまいました。
観終わって、面白いと膝を打ってしまうだけのクオリティがありました。
戯曲と見せる仕組み、さらに役者のお芝居が
しっかり噛み合っていていると
観る側が幸せになれることの証明のような作品でありました
8
成れの果て
elePHANTMoon
独特の空気にじわじわと翻弄され
終盤の密度に目を見開いてしまいました。
高い密度の中での雰囲気の濃淡に
観る側がしっかりとくぎ付けにされてしまう・・・。
ラストシーンが目に焼き付いています。
レストランルデコでも、「ブロークン・セッション」でも、
マキタカズオミ氏によって醸成されたその空気は
がっつりと観る者をとらえ切っておりました。
9
NOT BAD HOLIDAY
劇団競泳水着
積み重なっていく空気感に
不思議なくらいに取り込まれた作品。
キャラクターたちの感情が
本当にすっと観る側に沁み入ってきました。
上野氏が作品に織り込む時間の繊細さと
キャラクターの内心の表現力は
Prifix3の「地球の上で待ち合わせ」でも
いかんなく発揮されておりました。
10
はちみつ
こゆび侍
作品が持つ、「そうするしかなかった」感が強く印象に残りました。
エスカルゴのときにも感じたのですが、悲劇やカタストロフが起こるに至る必然が、成島作品にはしたたかに描かれていて。気がつけばはまってしまっておりました。