りいちろが投票した舞台芸術アワード!

2009年度 1-10位と総評
四色の色鉛筆があれば

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四色の色鉛筆があれば

toi

柴作品としての完成度はこの公演の個々の作品よりもままごとの「わが星」の方が上のような気もします。

しかしながら、4つの作品がそれぞれに醸し出すインパクトに、より圧倒されたように思いました。
その高揚感や感動は、多分一生ものではと思っております。

「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』

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「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』

コマツ企画

訳が分からないうちに、あっという間に持っていかれてはまりこんでしまいました。

観る側がコントロール出来ないほどの強い力を持った作品だったと思います。また、第二回も、同様の力を持った公演でした。

川島氏だけではなく、コマツ企画にとって、2009年は本当に実り多い年だったかと。
2つの本公演いずれもが、しっかりとした芯と創意溢れる表現に満ちていたし、主宰に加えて企画員たちも大活躍だったし・・・。

"Are You Experienced?"

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"Are You Experienced?"

CASTAYA PROJECT

観ていてとてもわくわくしたうえに、
いろんなことを考えさせられた作品たちでした。

特に最終日、終演がやってくるまでの数時間の感覚は、
多分忘れることがないと思います。
舞台を見つめながら、
いろんなことが頭に浮かびました。

観る側として演劇に閉じ込められることの
意味をずっと考えたり・・・。

常ならぬ時間を体験することができました。

『ROMEO & JULIET』

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『ROMEO & JULIET』

東京デスロック

一つの戯曲に対して、
まったく逆のベクトルを持った2作品を
一日で鑑賞しました。

個々の作品の表現の豊かさに瞠目。
また、戯曲から広がる表現の可能性に
息をのみました。

また、韓国と日本、国や文化をまたいでの創作に
しっかりとした意義を感じた作品でもありました。

『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

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『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

DULL-COLORED POP

2009年の谷氏の仕事の充実ぶりには本当に目を見はりました。

「ショート7」にしても、「マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人」にしても、観る側を満たすに十分のクオリティがあり、時に斬新で、切れ味も抜群でした。
特に活動休止前の2作品、双方の完成度には瞠目しました。
初日に観た「プルーフ/証明」の瑞々しさにはしっかりと揺さぶられたし、その質感が12月のリプライズ版でさらに洗練されていることにも驚かされました。サイコシスは飴屋法水氏の公演もあり、こちらの表現の鮮やかさにも目を奪われましたが、痛みや精神的質感のリアリティは谷氏が勝っていたように感じました。

リフラブレイン

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リフラブレイン

MCR

MCRだからこその、表現にやられました。

まさにこの劇団的なお芝居が、さらに一層洗練された感じ・・・。
円熟した尖り方というか・・・

こういう個性って、すごく大切なのだと思います。

In The PLAYROOM

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In The PLAYROOM

DART’S

あれよあれよという間に、
作品のスピード感と躍動感に取り込まれてしまいました。

観終わって、面白いと膝を打ってしまうだけのクオリティがありました。

戯曲と見せる仕組み、さらに役者のお芝居が
しっかり噛み合っていていると
観る側が幸せになれることの証明のような作品でありました

成れの果て

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成れの果て

elePHANTMoon

独特の空気にじわじわと翻弄され
終盤の密度に目を見開いてしまいました。

高い密度の中での雰囲気の濃淡に
観る側がしっかりとくぎ付けにされてしまう・・・。

ラストシーンが目に焼き付いています。

レストランルデコでも、「ブロークン・セッション」でも、
マキタカズオミ氏によって醸成されたその空気は
がっつりと観る者をとらえ切っておりました。

NOT BAD HOLIDAY

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NOT BAD HOLIDAY

劇団競泳水着

積み重なっていく空気感に
不思議なくらいに取り込まれた作品。

キャラクターたちの感情が
本当にすっと観る側に沁み入ってきました。

上野氏が作品に織り込む時間の繊細さと
キャラクターの内心の表現力は
Prifix3の「地球の上で待ち合わせ」でも
いかんなく発揮されておりました。

はちみつ

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はちみつ

こゆび侍

作品が持つ、「そうするしかなかった」感が強く印象に残りました。

エスカルゴのときにも感じたのですが、悲劇やカタストロフが起こるに至る必然が、成島作品にはしたたかに描かれていて。気がつけばはまってしまっておりました。

総評

ランキングを決めるというのは本当に難しい作業だと思います。

2009年に感動をもらった作品ということで、お気楽極楽にリストをつくったら30強になってしまいました。しかも、作品の色はそれぞれに個性的であり、クオリティの比較などできなかったりする。


悩んだ末に、ある観点を決めないと、秀逸な作品の順位などとてもつけられないというわけで、今年は観終えたときのインパクトの強さをメインに作品を選んでみました。
また、一つの劇団・団体からは一作品を選ぶこととしました。

結果として、ゆっくりと深くじわっとくるような作品や、少しずつ観る側を浸潤するような作品が、ほとんど漏れてしまっています。深く浸潤された順となれば、かなり様相がかわってくるかと思うのですが・・・。

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ちなみに、個人的に、2009年の観劇数は過去最多でした。
要因はいくつかあるのですが、
ひとつには小スペースでの高いクオリティの公演に
目がいくようになったことがあるかと・・・。
ルデコや新宿眼科画廊などに加えて、いわゆるカフェ公演と呼ばれるものにも
秀逸なものが非常に多く、観劇の機会が一気に増えました。

また、劇団や公演を知る間口も、ここ数年でぐっと広がった気がします。
Co-richなどWeb媒体での公演紹介の充実や
劇団などのblogの一般化で
観る側の情報収集やチケット確保がとても楽になった様に思う。
15minutesMadeやPrifix、レストランルデコなどの
複数劇団による短編の公演が定着してきたことも貢献度大。
個人的に、15minutesMadeなどで知って、
さらには通うようになった劇団がけっこうあります。

でも、一番大きいこと、
そもそも面白い舞台が確実に増えたように思います。
(これまで知らなかっただけなのかもしれませんが・・・。)
しかも、新しい匂いを醸し出す作り手が
着実に生まれているし・・・。

さらに言うと
別に世界を知っているわけではないのですが、
なんとなく、演劇については
日本が世界的にも上位(もしくは頂)にいるのではと思ったり。
アニメなどがそうだったように
舞台も、作り手自身が知らないうちに、
創作のレベルが
前人未到の世界にまで至っているような気がする。
でも、そこがどんつきというわけでもなさそうだし・・・。

もちろんいろんな課題はあるのでしょうが、
基調として演劇の発展の余白はたっぷりあると思うのです。
今年1年、さらには継続して観るであろうその先が、とても楽しみでなりません



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