天翔ける風に
TSミュージカルファンデーション
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2009/08/21 (金) ~ 2009/08/30 (日)公演終了
贋作の贋作は良作
TSミュージカル初見。
一幕目、圧倒的量の場面転換で、観客を物語に引き付けておいて、
二幕目は、叙情的に進行する巧さに脱帽。
音楽も、編曲、生演奏共に素晴らしい。
エンディングの鏡を使った舞台装置は、
NINAGAWAっぽくもあり、流れとは違和感があった。
遙かなる時空の中で 朧草紙・再演
オデッセー
なかのZERO(東京都)
2009/08/12 (水) ~ 2009/08/16 (日)公演終了
音の作りかた
ゲーム原作ということで、こういう音の作りかたになるのだろうか…、
いかにも電気的に音を造ってます風の台詞の聞こえ方で、
抵抗があった。
キレイ系若手俳優がオオバコの舞台を活かし、
上下に動き回る芝居は、爽快ではあるが、
せっかくの売り物である“役者のカオ”がよく見えないのは、どうなのか。
中劇場規模のハコで演れば、印象は全く違っただろう。
舞台版 イタズラなkiss~卒業編~
K Dash Stage
博品館劇場(東京都)
2009/07/29 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★
ターゲットは…
学園モノのコミック原作。
万人に楽しめる演出になっているので、
大人にもソコソコ楽しめる。
舞台セットと舞台の奥行きの関係で、
俳優の動線が舞台横方向にしか取れなく
若い役者たちの闊達な動きを活かせていないのが惜しい。
この公演の真のターゲットは、ティーンなのだと思うが、
歌やダンスの要素が少なく
その客層には、物足りないかな。
安倍麻美は、器用なタレントだなと思う。
すこし離れて、そこに居て
散歩道楽
シアターサンモール(東京都)
2009/08/05 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
満足度★★★★
ハッピーエンドかと思いきや
カンパニー初見。
独特の空気感を持った大人の芝居。
豆腐屋を舞台に展開される人間模様には、
一部強引さもあるが、
予想外のオチには、グッと来た。
メロヘン
はちみつシアター
劇場MOMO(東京都)
2009/08/05 (水) ~ 2009/08/09 (日)公演終了
超小劇場的
男装のホストと女装の悪魔という趣向で客を捕まえておいて、
“超小劇場的”なビジュアルで展開する、メルヘンファンタジー。
こんなに衣装替えする、小劇場系カンパニーは見たこと無い。
物語の薄さを圧倒するビジュアルに、ただただ感心。
レンアイドッグス
カラスカ
アイピット目白(東京都)
2009/07/30 (木) ~ 2009/08/02 (日)公演終了
三途の川も恋次第
登場人物が多くて、とっちらかり気味の恋のモツレが
後半、天使と悪魔の笑える駆け引きにより
強引に収束されて行くところが妙。
公演全体を包む、緩いカンジを笑って楽しめるかが
ポイントかもしれない。
役者さんの演技と衣装に温度差が感じられたのが惜しい。
荒野のようしんぼー
劇団阿佐ヶ谷南南京小僧
明石スタジオ(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
TK版リア王
リア王を小室哲也に置き換えたプロットが大変面白い。
チープな中にも手作り感溢れる舞台美術が良い感じ。
ただ衣装は、もう少し小奇麗にして欲しい。
歌とダンスのレベルがもっと高ければ
更に見応えのある芝居になっていたと思う。
スチャラカパイのギッチョンチョン
劇団21世紀FOX
SPACE107(東京都)
2009/07/16 (木) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★★★
サービス精神旺盛だが
回想シーンに劇中劇が織り込まれたりする
凝った構成。
コミカルなシーンでは、
どこまでが演出で、どこまでがアドリブなのか
判別がつかない程、役者は役を楽しんでいた。
このカンパニーは
ほぼ毎公演、ほぼ満席なのには恐れ入る。
観客の楽しませ方には、かなり長けているので、
固定ファンが多いのだろう。
物語には、私は沁みなかった。
平日マチネだったにも関わらず満席で、
見切れる席に案内され、残念だった。
SHURABA
劇団たいしゅう小説家
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2009/07/18 (土) ~ 2009/07/26 (日)公演終了
満足度★★★
ベタだけど
女社長の遺産相続をめぐる
ヒューマンコメディ。
STORYは底浅くベタだが、役者が良い。
特に、弁護士役の山崎直樹と
女社長役の中島史恵、その少女時代役の中村知世。
このカンパニーらしい、
解りやすく安定感ある芝居だった。
旅がはてしない
アマヤドリ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2009/07/17 (金) ~ 2009/07/21 (火)公演終了
モダンダンスを観る心構えで
ひょっとこ2本目観劇。
休憩ナシ2時間30分は、役者も観客も疲れ気味。
後半、役者は噛みまくるし、観客も5名退席。
持ち味のダンスを強化して、ストレートプレイは圧縮したらどうか。
美術の色使いのセンスは
相変わらず素晴らしい。
現代能楽集 鵺
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2009/07/02 (木) ~ 2009/07/20 (月)公演終了
満足度★★★
新国立で「現代を再発見」する意味
「ぬえ」という架空の生物を題材に
源平の時代、昭和、平成の各々の戦乱を繋ぎ、
現代を問う作品。
POPな転換が、いかにも坂手洋二らしい。
私は楽しく観たが、
坂東三津五郎ファンであろう壮年の観客たちは、
例えば田中裕子の妖艶な演技などに
面を食らったに違いない。
プロペラ「ヴェニスの商人」「夏の夜の夢」
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2009/07/02 (木) ~ 2009/07/12 (日)公演終了
新芸術監督肝入り
男優ばかりで演じられるという珍しさと以外に
観るものはなかったように思う。
否、身体表現のみを使った今公演のようなシンプルかつ力強い作品が
シェークスピアの時代の演劇そのものなのかもしれない。
みなさん指摘されている通り、イヤホンガイドは問題あり。
本公演を招聘した野田新芸術監督の
ポスターが溢れた東京芸術劇場は、
そんなに自己変革したいのだろうか…。
ミュージカル「赤ひげ」
ミュージカル座
THEATRE1010(東京都)
2009/07/02 (木) ~ 2009/07/07 (火)公演終了
音楽劇「新宿パラダイス」光は新宿より
東京ギンガ堂
歌舞伎町「大久保公園シアターパーク」特設劇場(東京都)
2009/06/19 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了
新宿らしい雑多さを意識した公演
テント公演特有の楽しげな雰囲気を
“真面目な”ギンガ堂が、一生懸命創っている芝居。
紀伊國屋創業者と力道山の物語が
新宿の街の歴史と歌と共に進行する。
テントの外部を使った演出はありがちだが、でも楽しい。
「音楽劇」と謳うには、
役者も演出家も、もうひとがんばり欲しい。
Mr.PINSTRIPE 2009
K-LINKS
青山劇場(東京都)
2009/06/25 (木) ~ 2009/06/28 (日)公演終了
コピー負け
「究極のエンターテイメントショー」
「素敵なトレジャーボックス」
のコピーから期待した内容ではなかった。
個々のダンスパフォーマンスの品質は高いものの、
一つ一つがバラバラで、
一つの公演としての統一感が全く感じられず残念。
夏の夜の夢
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2009/05/29 (金) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
ガラスの家族
劇団朋友
俳優座劇場(東京都)
2009/06/04 (木) ~ 2009/06/10 (水)公演終了
“まじめな”公演
「次世代を担う演劇人育成」の趣旨は、全うしている。
完成されたテキストが、若手俳優たちによりきちっと演じられた。
公演の趣旨上、多少肩がこるのは、仕方が無いのかもしれない。
その受話器はロバの耳
劇団青年座
本多劇場(東京都)
2009/05/23 (土) ~ 2009/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★
サラリーマンみな共感
カイシャと個人のモラルの間を揺れる会社員たちの物語。
サラリーマンなら、誰しも心当たることのある“事件”が
離島のリゾートという開放的な雰囲気で
コミカルに展開されるミスマッチが面白い。
登場人物のキャラもしっかり立っているし
上演時間もコンパクトで、青年座らしい手堅い作品。
NOT BAD HOLIDAY
劇団競泳水着
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2009/05/19 (火) ~ 2009/05/26 (火)公演終了
良いところは継承
トレンディシリーズの良いところは継承され、
更にビターさも加わった物語は、好感。
役者陣は、客演陣の良さが目立つ。
女優陣の魅力は、正直下がった。
流れ星
東京セレソンデラックス
シアターサンモール(東京都)
2009/05/20 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了
場内感涙は、狙い通りかな
プロットがかなり強引で、
序盤、物語の世界に入って行けなかったが
中盤以降、伏線を回収しながらグイグイ引き込んでゆく
力技の構成に、カンパニーの上手さを感じる。
山田まりやは、発音のクセが矯正され、
この公演は、良い感じ。
うつみ宮土里の力の抜けた芝居には、
賛否あると思う。