『アーサー記念公園の一角』『牛泥棒』
ナカゴー
ムーブ町屋ハイビジョンルーム(センターまちや-4階)(東京都)
2013/07/04 (木) ~ 2013/07/08 (月)公演終了
満足度★★★★
若くなくても十分に楽しめた
どちらかと言えば「静的」な2編かと思いながら観ていたら、「牛泥棒」の終盤で大爆発?(笑)
「牛泥棒」についてはバイオレンス満載で黒子たち大活躍なクライマックスに至るまでの部分も猛毒ありナンセンスありで感服。
ちなみに決して若くはないが十分に楽しめた。
マインド2013
リブレセン 劇団離風霊船
ザ・スズナリ(東京都)
2013/05/16 (木) ~ 2013/05/22 (水)公演終了
満足度★★★★
やはり巧み
核家族ながらある晩お父さんが次々に4人も帰って来る(!)という出だしから「この状況から訴えるテーマは何?」と考えさせるのは離風霊船の得意とするパターン。(その意味では「どいつもこいつも!」と系統的に近いか?)
やはり巧み。ちなみに初演は未見。
おとぎ夜話 ―終(つひ)―
Jungle Bell Theater
ART SPOT LADO(東京都)
2013/06/29 (土) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
今回は現代史レベルの民間伝承
民俗学をネタにしたシリーズ、今回は現代史レベルの民間伝承を扱ったところが斬新。
どちらかと言えば「事件の起きない金田一シリーズ」的か?(笑)
毎度ながら伏線のはりかたとその回収が巧み。
紙風船文様 Vol.2
カトリ企画UR
日本基督教団 巣鴨教会(東京都)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
再演………なの???(笑)
初演では屋内(茶の間?居間?)であった日曜の朝の夫婦の会話を外に持ち出し、全く異なる状況なのに再演と謳うとはこれ如何に?(笑)
「re-play」だとばかり思っていた再演の英訳が調べてみたら「reproduction」だったので、そういうことなら………いや、納得いかないいかない。(爆)
「水自体に形はなく、容器によっていかようにも形を変える」とかいう言葉があるが、本作で水に当たるのは戯曲か演出家脳か?(笑)
失われつつある物語
Minami Produce
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/07/02 (火) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
仕掛け満載
2年前の「とても個人的な物語」のアンサーストーリー。
誤読・深読みも含めてあれこれ読み取り甲斐のあるハナシで、いくつかの知っている作品を勝手に思い浮かべたりしつつ堪能。
二次使用・二次創作に触れたり、観客を騙す(笑)「ある手法」も巧み。
わたしは浅瀬で溺れています
激情コミュニティ
atelier SENTIO(東京都)
2013/07/05 (金) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
あれこれセンス良し
1人の女性とその兄、カレシ、兄の元カノによる日常スレスレ系4人芝居、かつて単館でレイト上映していた映画のような味わいが好み。
また、冒頭の一言でタイトルの意味がワカる仕掛け、お得意の(?)幾何学系の舞台美術、昇降する照明(恐らく暗喩)、壁に映る演者の影、文字通り手作業の映像トリミングなどのセンスもイイ。
シャッター
バッカスカッパ
劇場HOPE(東京都)
2013/07/03 (水) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★★
オトナの人間関係
東京からやや離れた地方都市の(昼は定食、夜は呑み處、的な)飲食店での物語。
主要人物たちの長い付き合いの上に成り立つ人間関係が自然と滲み出るように描かれていて、少年期に転居が相次いだ身としてそんな関係を羨ましく感じる。
さらに、波風が立ってもやがて穏やかな日々に戻る安定感が心地良い。
バイト
カスガイ
テアトルBONBON(東京都)
2013/06/12 (水) ~ 2013/06/23 (日)公演終了
満足度★★★★
緊張感をフッと緩和させるタイミングも絶妙
ある極端な状況下での会議、どちらかと言えば新境地的で意外な配役が多いが、それがまたうまくハマっていたりもして冒頭から引きずり込まれる。
基本的には終始緊張感が漂う中、時々それをふっと緩和して息継ぎをさせてくれる部分が挿し挟まれているのも巧い。
けつあごのゴメス【全公演終演しました!!たくさんのご来場ありがとうございました!!!!】
劇団鋼鉄村松
ザ・ポケット(東京都)
2013/05/22 (水) ~ 2013/05/26 (日)公演終了
満足度★★★★
会場をダイナミックに使った演出が印象的
複数の流れが収束してクライマックスに向かう王道の構造に、20年前の初演からそのまま残したが故に世代限定となってしまったネタも含む笑いをまぶし、会場をダイナミックに使う演出で仕上げた佳作。
赤い幕の使い方、幕の引き方もイイ感じ。
ブスサーカス
タカハ劇団
ギャラリーLE DECO(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
凄惨・陰惨なのに頬が緩むフシギ
まさにブラックユーモア、起きていることは凄惨・陰惨なのに頬が緩んでしまう。
他にも「不幸自慢」をしている時に可愛らしさや哀しさが見え隠れしたり、いたるところに表裏一体と言おうかアクセルとブレーキを同時に踏むと言おうか、なのが後味を悪くさせないのか?
浦安ロック
昭和芸能舎
赤坂RED/THEATER(東京都)
2013/06/12 (水) ~ 2013/06/17 (月)公演終了
満足度★★★★
「お家芸」+α
TDL開業を控えた地元民たちの物語。
もはや「お家芸」的なラストのパフォーマンスはもちろん、その直前にサラリと体罰が人の心に残す傷に言及するのはさすが。
つづく
スマッシュルームズ
シアター711(東京都)
2013/07/02 (火) ~ 2013/07/07 (日)公演終了
満足度★★★
異色の3編連作
女性ボーカルを擁した4人組ロックバンドを描いた連作3編。(独立した3編オムニバスと思っていたら…)
各編のスタイルが異なるばかりか演者も異なるのが異色。
が、もしも演者が同じだったら全体が単調になりかねない気もして納得。
中では1編目でのそれぞれの「心の声」のコミカルな表現方法が特に気に入る。
五季 ~名前のない島~
踊れ場
RAFT(東京都)
2013/06/21 (金) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★★
含みのあるラストにドキリ
名前がなく季節が5つある島に流れ着いた記憶喪失の男と先住者(?)である一組の男女が織り成す物語。
軽快な池上演出により大半はコミカルだが、終盤で明かされる真相は寓話的と言おうかいろいろと含みがあって傷口に塩をすりこまれたような感じる。(爆)
なお、本作を以て踊れ場は活動を終了とのこと。
実験的な試みなどもあり楽しませて戴いたことに感謝!
『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
うそつき
以前観た踊れ場版(池亀三太演出:2バージョン)が軽快だったのに対してオリジナル版たるこちらは重厚…と言うより間も十分にとって深みがある感じか。
それぞれに違った味わいがあり面白く、season2の別キャスト版も観たいものだが、果たして…?
『うそつき』/『屋上庭園』/『千両みかん』
アマヤドリ
スタジオ空洞(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
千両みかん/屋上庭園
「千両みかん」
いくつか観た「立体落語」の中では一番落語寄りか? ちゃんとマクラまであるのは初めてかも。
一方、ほぼ上半身のみの表現である落語に対して2人の演者が全身を使い演技エリアの中をところ狭しと動き回るのは演劇的。
ピアノ曲を管弦楽に編曲した味わいかもなぁ。
「屋上庭園」
冒頭部分を3つの変奏で見せてツカミはオッケー、途中に会話のリフレインもあり、Re-MIX的な?
また、狭い板の上での演技(「カイジ」気味?(笑))は切羽詰まった男の心情の表現か。
時折出てくる太極拳のような緩慢な動きもアマヤドリ風味で、あーなるほど、的な。
ファミリーナ
雀組ホエールズ
OFF OFFシアター(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★
チョイ長
頑固大家と店子たちを中心としたオンボロ下宿のコメディ・ストーリー。
基本的には好きなんだが、クドい部分(「犯人捜し」のトコとか)があってモタついたり(よって上演時間は約125分の長尺)、リアクションが大袈裟で醒めてしまったりするのは残念。
とは言え、娘の結婚話に決着をつける終わり方などは上手い。
ステキなタイミング【ご来場誠にありがとうございました!】
円盤ライダー
HOTEL SHERWOOD(東京都)
2013/06/14 (金) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
二番煎じではない新たな物語
1年前の「ステキなチェックメイト」の続編。
まず感心したのは、登場人物の半数である4人が既に確立されたキャラクターであるのに、二番煎じではない新たな物語を創り上げたこと。
これ、けっこう大変なんじゃないかな?
また、前作からのキャラも濃いのに、それを上回る濃さの新キャラを登場させながらデフォルメ具合が絶妙で「そんなヤツはいねーよ!」と醒めてしまう寸前にとどめている(個人の感想です)のも巧み。演者との相乗作用だな。
さらに、年長者の発言に説得力があったり、大事なことは(別人の口を通して)二度三度繰り返したりなども上手く、ここの過去の「ある作品」を知っている観客への目配せも仕込むなど、大変見事。
続編ながら1作目を知らなくても楽しめるのは言わずもがな。
Fire pRay ―秋津悠理のためのリサイタル―
<火遊び>
ギャラリー悠玄(東京都)
2013/06/27 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
好きなんだよなぁ、こういうの
未来世界にイマの日本の問題を複数盛り込んだ物語。
確かに「MP3」的な物語世界であり、深夜枠でたまに放映されるセンスの良いドラマなども想起させて好きなタイプ。
ただ、凝った構造上、その場では理解できた気になっているが、後日、他人に説明できなさそうなのがネック?(爆)←よって上演台本を購入。見事な戦略だ。(笑)
各種技術が進歩した(しかしイマの延長線上にある)未来のハナシにイマの問題をぎっしり詰め込んだ、という点において劇団銀石の「息を止めるピノキオ」と通ずるタイプか? 好きなんだよなぁ、こういうの。
(補足または蛇足)
黒沢推し、中井推しの方には奥のエリアの中央寄りの席をオススメいたします。
Over The Line
EgofiLter
シアター711(東京都)
2013/06/26 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了
満足度★★★★
実録風事件簿?(笑)
終戦後間もない頃のカフェーを舞台にした実録風事件簿?(笑)
途中で変容もする謎を提示してのミステリー風味の物語を軸に複数の(イマの)社会的問題を絡ませ、ひいては戦争がもたらすものに言及するのが上手い。
が、時制の前後や回想・幻想シーンなどで多少の戸惑いがないでもない。
一方、二役の使い方や「ある事実」の隠蔽の仕方が巧み。
真相を知った上でもう一度観るとより感心できるんだろうな。
なお、上演時間は2時間強。
不思議の国のアリスより
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了
満足度★★★★
Rabbits Rush Rapidly
客席に入って舞台美術を見た瞬間に「ありゃ?」と思うほどファンシーで出演者の衣裳も(一見)可愛らしいが、冒頭はその中でモロにアングラっぽい台詞が飛び交い、アンビバレンツぶりにニヤニヤ。
が、やがて可愛さ…ひいては価値判断の規準は何か?なテーマを語ってゆくなんてあたりはさすがだし、終盤でアリスが「アレ」を受ける場面での「ある引用」は知っている身には楽しい。
あと、ハートのヒールが可愛らしいアリスの衣裳は眼福♪(爆)